どうやら俺は須川君に憑依したようだ   作:葬炎

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〜第三問〜

第三問

問 以下の英文を訳しなさい

『You said he was a gentleman, and so he was』

 

 

 

 

姫路水樹の答え

『あなたは彼が紳士だと言ったが、まったくそのとおりだった』

 

教師のコメント

正解です。よく勉強してますね。

 

 

 

 

土屋静香の答え

『あなた側の彼は紳士だった。だった』

 

教師のコメント

必死に訳そうという気持ちは伝わります。ですが×です。

 

 

 

 

 

吉井明久の答え

『あなたと私は紳士!』

 

須川亮のコメント

どうしてそうなった!?

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

Aクラスへの宣戦布告。

これはどうあがいても絶望のはずだったーー

 

 

『無理だ....』

 

『ん? だがちょっと待てよ、確かAクラスは男子より女子が多かったはず』

 

『なに? ならAクラスのやつらは快適な環境 + 授業中だろうが体育中(主に水泳)だろうが女子を見放題だと....?』

 

『諸君! こんな事実があっていいのか!!!』

 

『『『『『否! 否! 否!』』』』』

 

 

ーーはず、だった。

しかし、原作と違い『女子がいない』という事実、そのせいかAクラスに女子多数(ちょっとだけだが)という事実により予想外にヤる気が出るFクラスだった。

 

 

『くそぉっ! 頭がいいからってモテない男の力(嫉妬)を舐めるなよぉ!』

 

『そうだ! リア充には死を!』

 

『みんな、ヤるぞ!』

 

『『『『『定! 定! 定!』』』』』

 

「......あー、普通に絶望してやる気なくすと思ってたんだが....まぁいい、好都合だ。とりあえずこのクラスの主戦力を紹介してこうか」

 

 

さすがの雄二もこの反応は予測してなかったみたい。

まぁ、FクラスがAクラスに挑むってのは普通絶望しかないからね。そこらへんは今年のFクラスが色々と変だってことだろう。

 

 

「まず、土屋。須川に張り付くのはいいからこっちにこい」

 

「はっ」

 

バッ

 

「..........」

 

 

雄二の言葉に反射的に後ろを向く。

すると、まるで影に紛れるように土屋が背後に立っていた。カメラを構えながら。....ふと後ろを向いたときにいたりしたら普通に怖いぞ。

 

 

「..........今は忙しい」

 

「そんなのいつもやってるだろ。いいからこっちこい」

 

「..........!(ブンブン)」

 

「え、なにそれ怖い」

 

 

どうやらいつも後ろから隠し撮り? してるらしい。....なぜ気づいてなかったんだ俺。

 

 

「..........」

 

「ようやくきたな。こいつがかの有名? なムッツリーニだ」

 

「..........!(ブンブン)」

 

 

雄二の説明にみんなざわめく。

うーん、土屋(TS)は女の子なのに、なんでムッツリーニ?

 

 

『あいつが......』

 

『役一名の男のあらゆる姿を写真に収めてるって噂の....』

 

『女だが、女だけどなんかな〜』

 

 

....聞いてはいけないことを聞いてしまった気がする。気にしないが吉だな。

ちなみに同性(女子)に嫌われたりしてません。盗撮はしてないし、してるのはたまに本人の了承を得て写真とか撮って販売してるみたいだけど。そしてそれを買う男どもからも当然嫌われてない。

 

 

「姫路については話すまでもないだろう。あと須川も」

 

「ほぇぇ、僕ですか?」

 

『姫路さん!』

 

『ショタはぁはぁ』

 

『うほっ、いい男の娘』

 

 

だめだこいつら変態ばっか。

将来が心配になってきた......立派な大人になるだろうか? 犯罪者にならなければいいが。あと俺をおまけ扱いすな。誰も反応してないし。

 

 

「木下秀吉もいる」

 

『おお、演劇部』

 

『うーむ、そこらへんの女子より女らしい男(の娘)!』

 

「うーむ、馬鹿にされておる気がするのお」

 

 

秀吉、そこは怒れ。じゃないと止まらないぞ。言っても止まらないだろうけど。

うーん、しかしこんなに変態が多かったとは。原作でもさすがにここまではっちゃけてなかったようなーーん、待てよ? 確かノリと勢いだけで真っ正面から女子風呂へ覗きに行ったよな......前言撤回。こいつら変態でもなんでもなく馬鹿だったな。

 

 

「俺も全力を尽くす」

 

『おお、なんかやってくれそうだ』

 

『確か、坂本っつったら神童とか言われてたやつじゃね?』

 

『ああ、あの子どものころは神童って言われてたのに、どう狂ったのか激しい厨二になった有名人の坂本か』

 

「ちょっと待てこら、その話しを詳しくーー」

 

「いいから話しを進めろ雄二」

 

「....くっそ、確かに一時期荒れてたときもあったが、なんでそれが厨二扱いされてんだ....!」

 

 

※世界(作者)の意思です。

 

 

「あー、こほん、それに、だ」

 

 

雄二が全員の視線を集めるように語調を強める。

次は確かーー

 

 

「吉井明久だっている」

 

 

 

ーーーーシン......

 

 

さっきまで『これいけるんじゃね?』とか『これで勝つる!』とか騒いでいたやつらが一斉に静かになる。

うまいな、誰も知らないだろう馬鹿を生贄にすることによって熱くなってた空気が一掃され、みんなに冷静な判断力が戻ってきた。さっきのままでいくと暴走しそうなやつらが何人もいたからな。

ニヤニヤ笑いながら言った姿は悪意しか見受けられないが、そのほうが印象いいから気にしないようにしよう。

 

 

「ちょっと待て雄二! そこで僕の名前を言う必要ないよね!? 僕はゴリラな雄二や優秀な水樹とは違うんだから!」

 

「明久てめぇ、なんで俺をゴリラって言いやがった。まぁいい。みんな気づいてないようだから言うが、こいつは"観察処分者"だ」

 

 

バラされる明久の肩書き。

そう、それはーー

 

 

『それって、バカの代名詞じゃなかったっけ?』

 

「違うやい! ちょっとお茶目な16歳につけられる愛称でーー」

 

「そうだ、文月学園一の救いようのないバカの代名詞だ」

 

「肯定ついでに罵倒すんじゃないバカ雄二!」

 

 

ーー観察処分者、学園一のバカに付けられたレッテルである。

まぁ成績が悪いだけでは付くはずがなく、成績不良及び問題を起こしたら付けられるもので、明久が学園史上初の観察処分者である。学園史上初と言っても文月学園は設立されてからそんなに経ってないからとても珍しいとは言えないが。

 

 

「えーと、確か観察処分者って問題を起こした人がなるものでしたっけ?」

 

「お、姫路知ってたのか」

 

「はい! 明久君に教えてもらいました!」

 

 

おお、明久が教えたとな。

やっぱ男同志だから話しやすいのかねえ。姫路は顔をほんのり赤くしながら嬉しそうに言ってるが、あまり非生産的な恋愛はおじちゃんやめたほうがいいと思うけどね~。

あ、確か明久の姉であるあの人は不純異性交遊は禁止してるけど、不純同性交遊は推奨してるんだっけ....? うわぁ、明久どうなるかな。

 

 

「観察処分者ゆえにポンポンと召喚できないが、いてもいなくても変わらないから気にしなくていい」

 

「雄二! そこは友達としてフォローするとこでしょ!」

 

「友達....? 俺とお前が? ハッ」

 

「うきゃーーーー!」

 

 

おおう、明久がキレて猿に退化した。けど誰も気にしてないな。

 

 

「とりあえず、俺たちの力の証明としてDクラスを征服しようと思う」

 

『おーー!』

 

「みんな、この境遇はおおいに不満だろ?」

 

『『『当然だ!』』』

 

「ならば筆を執れ! 出撃の準備だ!」

 

『『『『『おおーー!』』』』』

 

「俺たちに必要なのはちゃぶ台ではない、Aクラスのシステムデスクだ!」

 

『『『『『『『『『『よっしゃーーーー!』』』』』』』』』』

 

 

燃えあがるみんな。

その勢いのまま突撃しようとーー

 

 

スパーーン!

 

「お前らぁ! 静かにしろぉ!」

 

「『『『『『すみませんでしたぁ!』』』』』」

 

ズサァー

 

 

鉄人登場。みんな揃って土下座。

俺、雄二、秀吉、土屋、姫路、島田さんはしてません。

ていうか、宣戦布告もしてないのにどこへ行こうとしてたのやら。

 

 

「......とりあえず、まだ試召戦争は始まらないから落ち着け。明久、宣戦布告の死者を頼む」

 

「....下位戦力の宣戦布告の使者ってたいてい酷い目に遭うよね? それに今使者の発音がおかしくなかった?」

 

 

さすがに明久も痛いめに遭うのがわかってて突っ込むのは嫌なようだ。

 

 

「大丈夫だ。Dクラスがお前に危害を加えることはない。騙されて行ってみろ」

 

「今騙されて行けって言わなかった? それと危害を加えないって本当?」

 

「気のせいだろ。あと俺は友達に嘘をつくような男じゃない。安心してイってこい」

 

「....そう言われたら行くしかないじゃないか。じゃあ行ってくるね!」

 

 

雄二の真面目そうな顔にあっさり騙される明久。クラスの歓声や拍手に胸を張りながら堂々と歩いていくその姿は、どう見てもバカだった。

あいつ詐欺とかに引っかかったりしなきゃいいけど....

 

 

「ーーっと、明久は逃げるのとかが得意だからこんなふうに生贄にすることができる。いざとなったらやってみるといい」

 

『了解』

 

 

口角を釣り上げながら言う雄二。ゲスだ、ゲスがいる。

さて、試召戦争は明日だよな? だったらぱっぱと帰るかな。

 

俺は帰宅の準備を始める。明日の初試召戦争はどうなるかと考えながらーー

 

 




ああ、これで書いていた分は終わってしまった。次はおそらく2〜3週間後になると思います。私頑張るよ!
あー、ヒロインが原作キャラの男→女にTS系の小説もっと増えないかなー....
あ、私は私私言ってるけど男です。


気に入ってるTSキャラ

久保 > 土屋 > 根元。

女→男のほうは二人とも普通に気に入ってますので。


意見・感想・批判、いつでもお待ちしています。

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