「明久、お主アレだけのために......いや、なんというかすごいのう」
「うう......。痛いよう、こんなんならやらなきゃよかった......」
そりゃそうだ。100%ではないといえ何割かはフィードバックしてくる観察者処分の召喚獣で鉄筋コンクリート構造の学校の壁を破壊したのだから。
背後で拳を抱えてのたうちまわっている明久に心の中で突っ込みをいれ、意識を前の恭子に戻す。
隣に立ってる雄二は『計画通り』とで言いそうなほど口元がつり上がっていて少しここから逃げたくなった。しかしあのよくわからない交渉とかがあるからまだ離れるわけには......
「それじゃ、戦後対談といくか。Bクラス代表?」
「ええ。早く終わらせましょう」
雄二と恭子の戦後対談が始まる。これでわかるのだろうか....? まぁわからなきゃ俺はどうしようもないわけだし、大丈夫だろう。内容によっては絶対拒否せぬば......!
「本来なら設備を明け渡してもらってBクラスはFクラスの教室で過ごしてもらうんだが、そっちが条件を飲んでくれるなら特別に免除してやろう」
ん?
「しょうがありませんね。あのFクラスで過ごしたくありませんし、そんなに無理なことでなければ聞いてあげましょう」
んん? まだ話さないのか?
(なぁ、雄二。あの約束はどうなってるんだ?)
(黙ってろ馬鹿! それはまだ先だ!)
小声で雄二に聞いてみると小声で怒鳴るという器用な返し方をしてくれた。うむ、だったら帰っていいか?
(須川君。用事は放課後なのでそれまで教室で待っててくださればいいですよ)
(わかった。じゃあ時間になったら電話してくれ)
ということで時間まで教室で待つことになった。
あ、それと俺は恭子に電話番号を教えてない。というか教える前に知ってた。なぜか携帯買った日の夜に恭子から電話がかかってきたんだ。
「でも、どうしようかな.....?」
恭子になにか聞いてる明久がなにか悲鳴をあげているのを背に、俺は教室に向かう。
ふむ、Fクラスの怒気と殺気が高まってるのはなぜだかおじさんにはわかりませんよぃ。さて、逃げるかっ。
ーーーーーーーーーー
「はぁ、今回は特別にしつこかったな」
いつもは一回ノされると沈静化してた男子どもが、今日は倒れても倒れても復活してくるゾンビとなっていた。全員口々に『裏切り者!』なり『異端者めぇぇ!』なり血涙を流しながら襲いかかってきたが、俺は記憶がないんだが? 美人と知り合いってわけじゃないし、ひどい勘違いだと思う。
ピリリリリリ
「ん? 恭子か」
電話がかかってきたのでちょっと待機してみる。
いや、すぐ出てもいいんだがなんとなく。理由はないんだ。
ピリリリリリ、ピリリリリリ、ピリリリリリ
「.....」
ピリリリリリ、ピリリリリリ......
あ、終わった。
まぁどうせすぐかかってくるd「出ないなんて酷いですね」うおっ!?
「なんで毎回背後から出てくるんだよ!?」
「須川君の後ろ姿を見たいからです」
む、そこまできっぱり言われると反論ができなーーじゃねえ!
「前から普通に歩いてこい!」
「そしたら驚く顔が見れないじゃないですか」
絶対これが本音だ。後ろ姿を見たいんじゃなくて驚いた顔が見たいだけだ。
......このままだと翻弄されたままなので話しを進める。
「で、交渉は結局なんなんだ?」
「それは......ちょっと一日デートしてもらいます」
「は?」
結局それかい。
なんだかなにかしてデートを求められるのはいつも通りな気がする。まぁ、そのほうが安心か。なんか変なお願いされるまで。
「しかし、全部私のプランで、拒否はできませんよ?」
「おーおー構わないぜ。キスとか無茶振りじゃなければな」
ということでそんなことになった。
しかし俺はこの時拒否しなかったことを、拒否できないとしてもなにかしら抵抗しなかったことを後悔したーー
結局ずれこんだ上とても短くなってしまいました。葬炎です。
これはまぁ原作じたい短いというのもありますが、単に時間が足りないというのが一番の理由ですかね。あと今話の、というかBクラス戦が始まってから立ってたフラグはストーリー自体に影響はないので一巻分が終わってから番外編で回収します。
4月からの更新ですが、さらに遅くなるでしょう。詳しくは活動報告にて。
感想やアドバイスをくださると嬉しいです。葬炎でした。