第七問
問 以下の問いに答えなさい。
『一人称、二人称、三人称の複数形を英語で答えなさい』
須川亮の答え
『一人称:
we us our ours ourselves
二人称:
you your yours yourselves
三人称:
they them their theirs themselves』
教師のコメント
正解です。これは点数を取ってもらうためのサービス問題でした。
根本恭子の答え
『一人称:
Nemoto Kyouko
二人称:
Sugawa Ryou
三人称:
名前は男の子だったら
教師のコメント
さすがに無理があると思います。
吉井明久の答え
『一人称:
IとかYouとか
二人称:
YouとかIとか
三人称:
犬』
教師のコメント
三人称は犬で確定ですか。
ーーーーーーーーーー
「さて雄二、結局どういうことなんだ?」
「ん? なにがだ?」
「とぼけるな。どういう取引をして恭子を説得したのかだよ」
そう、俺はただ一つ。取引の内容がひたすら気になっていた。
今は恭子たちも引き返し、まだ前線のFクラス生徒が教室帰ってきてない状態。聞くなら今しかないと思い雄二に問う。
「それは言えないな。さっきも言ったがどこに耳があるかもわからん。まぁ、俺は問題ないから気にするな」
「お前は問題なくとも俺に問題があるかもしれないんだよ!」
相変わらず飄々とした態度で俺の追求をかわす雄二。これは一回本気でどっちが上かはっきりしなきゃいけないかもしれない。
しかし、今どうこうする訳にはいかないので我慢する。この借りはいつか......
「......結局、恭子の言ってた通り当初の予定どおり動くのか?」
「ああ。少々派手にしなきゃいけなくなったが、そこは明久をうまく誘導してでかいことをやってもらおう。屋上から飛び降りるのはムッツリーニに任せて、明久は......教室の入り口の扉でも壊してもらうか? これなら....いや、ガラスが....」
雄二は思考の海に沈んだようで下を見ながら独り言をブツブツ言っている。これは気持ち悪いな....
「雄二、そろそろみんな帰ってくるぞ」
「ん? ああ、わかった」
遠くからドタバタと足音が聞こえてきた。もうちょっと静かにできないのかねー。
「雄二。終わったよ」
「明久か。首尾はどうだ?」
「うん、バッチリ。最初はBクラスの人数が多くて驚いたけど、水樹の活躍のおかげで助かっちゃった」
「そうか。お前は相変わらず役に立たなかったってことだな」
「失敬な! 僕だって水樹の1/100ぐらいは役に立ったんだぞ!」
「......それ、言ってて虚しくないか?」
「..........うん」
いつも通りだった。
いや、そんなことはどうでもいい。明日の作戦のほうが大事だ。
「で、とりあえず指示通りBクラスを教室の目の前まで追い詰めれたけど、この先どうするんだい?」
「そうじゃ。今は押しておるが、それはなにやらBクラスが手を抜いておったおかげじゃ。明日もそうなるとは思えんし、これは怪しい雰囲気がするのじゃが....」
さすが秀吉。どうやらBクラスが手を抜いていたのを見抜いたようだ。
でも、今取引のことを言うわけにはいかないし、誤魔化すしかないだろう。
「え、そうなの? 水樹がすごい強かったからBクラスが及び腰だっただけじゃない?」
「..........明久、いくら学年上位の姫路といえども、あの数を押し切れるはずがなかろう」
「考えてから発言しやがれ
「おのれ雄二、馬鹿と書いて明久とルビを振ったな!」
ここまでテンプレ。
どうやら明久の馬鹿発言のおかげでうやむやになったようだ。これなら下手になんか言う必要はないか。それより話しをそらそう。
「話しを戻そう。雄二、明日はどうするんだ?」
「ああ、明日はちょっと対処しなきゃいけないクラスがある」
「え、なに?」
明久が疑問の声をあげる。これは俺も初耳だ。いったいどこのクラスが......
「Cクラスだ」
「Cクラス? Cクラスになにかあるの?」
「ああ。土屋からの情報でCクラスがこの試召戦争で勝ったほうに試召戦争を仕掛ける準備をしてるんだそうだ。漁夫の利を狙うなんてせこいクラスだぜ」
「え、それって大変じゃない!?」
明久の叫び声が響く。
しかし......Cクラスだと? 原作でも確かにCクラスは話しに入ってきたが、その理由であるBクラスが絡んでないはず。ならなんで.......まさか、本気で漁夫の利を狙ってきてるのか?
「まぁ、そのための作戦は明日話そう。とりあえず今日は解散だ。帰ってゆっくり体を休めてくれ!」
『おう!』
雄二の声にみんなが腕を上げて答える。
まぁ、なにもかも明日にはわかるかな。あの言い方から雄二のした取引はBクラス戦終了後すぐになにかあるはず。早ければBクラス戦中にでも。そのときに考えよう。
「よし、じゃあ今日は帰ろう」
「そうだね」
「わかったのじゃ」
みんなそれぞれ支度をし、帰っていく。
さぁ、俺も帰ろうーー
ーーーーー次の日ーーーーー
「うぃっす」
「おはよう」
「おはようなのじゃ」
「Zzzzzz....」
「おはようーーって島田さんは寝てるんだね」
明久、それはいつも通りだ。
心の中でそう突っ込みつつ、今日の予定を雄二に確認する。
「それで、どうするんだ?」
「ああ、作戦は考えてきてある。秀吉、ちょっとこっちにきてくれ」
「なんじゃ?」
呼ばれて近寄った秀吉に雄二が手渡したのはーー文月学園女子生徒の制服。
「秀吉はそれを着て木下のふりを「(プルルル....ピッ)あ、警察ですか? ここに女子生徒の制服を盗んだ犯罪者が」ていっ」
パシン、ガッ!
「なにをする雄二」
「うっせえ。なに警察に連絡しようとしてやがる」
携帯の緊急連絡から110番を押して事実を述べようとしたところ、雄二に叩き落され蹴られてしまう。幸い頑丈な携帯だからよかったもののこれで壊れたらいったいどうするつもりだろうか。
「これは正式に、俺の精神と引き換えにもらってきたものだ。決して犯罪じゃねえ」
「......ああ、そうですか」
心底疲れた様子の雄二が発した一言に全てを理解した俺はあっさり引き下がった。
しかし、ここまで原作と同じパターンか。もしかして世界意思とかが働いていたりするのだろうか....
だとすると、これからCクラスは木下(姉)の格好をした秀吉に挑発されて、Aクラスに矛先を変えることになるだろう。だったらついて行く必要はあんまないかな。
「雄二、俺はちょっと用事があるから抜けるぞ」
「わかった。じゃあ秀吉、これを着てCクラスをーー」
説明を始めている雄二を尻目にFクラスから出て行く俺。
さてーー
「ーー土屋」
シュタッ
「......なに?」
「お前はいったいどこに隠れてたんだ!?」
廊下に出た俺は土屋を呼び出す。するとさっきまでいなかったはずの後ろの空間になにかが着地する音とともに土屋が現れた。お前は本物の忍者なのか。
「雄二と恭子の取引、なにか知ってることは?」
「..........(ふるふる)」
俺は振り向いて土屋に問う。しかし土屋は無言で首を振った。
むう、しかし土屋は確かFクラス中に盗聴器を仕掛けてたはず。まさか女体化の影響でそこまで変わってるのか?
「..........なぜか二人の会話している間、正確には根元が入ってきたあたりから音が乱れてなにを言ってるのかわからなくなった。おそらくジャミング」
「......まて、なんで恭子はジャミングしてまで取引をした。ていうかジャミングできる機械って持ち運べるのか?」
どうやら俺も色々とピンチなようだ。恭子にナニされるかわかったもんじゃない。
はぁ、仕方ないーー
「......土屋」
「?」
「..........3枚」
「....................6枚」
「5枚だ」
「わかった」
俺は土屋と取引をしてあることをしてもらうことにした。
さて、どうなるかな。