どうやら俺は須川君に憑依したようだ   作:葬炎

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〜第六問〜 前半

第六問

 

問 以下の問いに答えなさい

『NaClとはなにか答えなさい』

 

 

 

 

姫路水樹・須川亮の答え

『塩化ナトリウム』

 

教師のコメント

正解です。

 

 

 

 

坂本雄二の答え

『ナックルは拳と思われがちだが、実はというと指の関節のことである』

 

教師のコメント

わからないからといって豆知識で誤魔化すことはできません。

 

 

 

 

吉井明久の答え

『えぬえーしーえる』

 

教師のコメント

..........

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「さて、準備は済んでるか?」

 

「..........ああ」

 

 

俺は今、雄二とBクラスに宣戦布告してきたのであった。

昨日のこともあり少し気まずいかな〜と考えてたんだけど、今日会った恭子はよくも悪くもいつも通りに戻っていたので特になにもなく話しは終わり、なにごともなく帰還した。襲いかかられるかと身構えていたので少々肩すかしをくらった気分。

 

 

「まぁ、まだ昨日のことを許してるわけじゃねえが、今はそんなことをしてる場合じゃないから置いといてやる。Bクラス戦、勝つぞ」

 

「ガッテン承知」

 

 

静かにやる気を出している雄二に俺もしっかりと返事をする。ここまでやる気な雄二もめずらしいな..........

さて、まず頭の中を整理しとこう。まず基本的には多対一、Bクラス生徒一人に2〜3人で囲んでなんとか対抗。おそらくBクラスは人数を増やしてくると思うから追加分はちょっときついと思うけど水樹に引き受けてもらって、後は随時雄二の指示に従って動け、と。

 

 

「とりあえず、補充テストは終わってるだろうしFクラスについたら鼓舞と試召戦争開始時間を教えて、その後は作戦通り。須川、ムッツリーニに聞いたんだがお前Bクラス代表と知り合いなんだよな?」

 

「そうだ」

 

「そうか。じゃあBクラス代表は誰だ?」

 

 

どいやら雄二は土屋に昨日のことを聞いたようだ。だが細かくは土屋も知らなかったのか、雄二に伝えれてないようだ。

 

 

「そうだな、根本恭子でわかるか?」

 

「..........マジか?」

 

「マジだ」

 

 

やけに驚いた顔の雄二に向かってはっきりと告げる。なにかおかしかっただろうか?

 

 

「ああ、いや、うん、なんでもない。..........お前も大変なんだな」

 

「????」

 

 

何かを悟った顔の雄二。最後になにかぼそっとつぶやいていたが聞こえなかった。まぁそんなに大切なことじゃないだろうし別にいいだろう。

雄二は少し逡巡し、俺に顔を向けた。

 

 

「そうか......あの根本か」

 

「知ってるのか?」

 

「ああ。色々とすごいことで有名だからな」

 

「ほほう、例えば?」

 

「そうだな、例えば女の子に襲いかかってた不良5〜6人のグループを一瞬で全員倒したとか、本気を出せば学年一位を目指せるくらい頭がいいとか」

 

「ほうほう」

 

 

その二つは事実だな。本人から聞いたし。

不良の〜は『多人数で取り囲んで偉そうにしてたのがむかついたので金◯を蹴り上げました』って言ってたし、学年一位の〜は、学年一位になれるかはわからないけど学年上位に入れるのは間違いないだろう。

 

 

「後はーーとある人物を大好きだと公言していて告白してきたやつを取り付く島もなく断ってたりな」

 

「.......あ、そう」

 

「そのとある人物はーー」

 

「言わなくていい。早くFクラスに行くぞ」

 

「へーへー、わかったよ」

 

 

ニヤニヤしてる雄二の頬を殴りたくなる衝動を抑えながら歩く俺。くそっ......

これからFクラスを鼓舞して午後の試召戦争に備えなければいけないのだ。こんなところで雄二なんかに対して無駄な体力を使ってる暇はない。

俺はまた雄二を生贄にでもしようかと考えながら早足でFクラスに向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「さて皆、総合科目テストご苦労だった」

 

 

Fクラスについて雄二はすぐに教壇に上がり、そんなことを言った。

そう、俺と雄二が宣戦布告している間に皆は補給テストをしていた。午前中だけで昨日消費した科目の補給できるのかは気にしないでくれ。

 

 

「午後はBクラスと試召戦争になる。ヤる気は充分か?」

 

『『『『『おおーーーー!』』』』』

 

「今回の戦闘は相手をクラスの中に押し戻すのが重要になる。そのため、開戦直後の渡り廊下戦は絶対に負けるわけにはいかない」

 

『はっ、俺が負けるはずないんだぜ!』

 

『そぉだ! 俺たちが負けるはずがない!』

 

『ひゃっはーーーー!』

 

「.....毎度お前たちの自身はどこからくるんだ」

 

 

これからBクラスとヤるというのにテンションが下がっている雄二。

まぁ、このFクラスのやる気がどこから来てるのかは俺も気になるが、これまたくだらない情報の予感しかしないのでそんなに深く気にしないほうがいだろう。

 

 

「はぁ、前線部隊の指揮は姫路に任せる。野郎共、張り切って死んでこい」

 

『『『『『『『『『『『お゛お゛お゛お゛ーーーー!!!』』』』』』』』』』』

 

「ふぇっ!? が、頑張ります」

 

 

異常なテンションの上がり様に引いている姫路。さすがの俺もこれは......色々と酷いな。ここまで腐ってたのか。

 

 

「..........お前ら、姫路が男だっての忘れてないか?」

 

「まったく、皆落ち着きなよ。馬鹿じゃないないんだからさ」

 

 

それは秀吉を女の子と認識している明久の言えることじゃないと思う。それにこのFクラスにいるやつらは間違いなく馬鹿だ。

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

「よし、行ってこい! 目指すはシステムデスクだ!」

 

『『『『『よっしゃーー!』』』』』

 

 

昼休み終了のベルが鳴り響くと同時に雄二の指示が全員に伝わる。

それと同時に皆が走り出した。Bクラスを教室に押し戻すにはとりあえず早さと勢いが重要となるのでできるだけ早く戦場にたどり着き作戦を始めるのだ。

 

 

「じゃ、須川は前回と変わらず遊撃を頼む。自分の意思で動いていいが、タイミングになったら指示通り動いてくれ」

 

「わかった」

 

 

俺は前線部隊が全員出て行くのを確認した後、遊撃隊の面々と教室を出た。

さて、恭子はどう仕掛けてくるかな......?




短いですがとりあえずここまで。続きは明日、というか今日の月曜中に投稿します。土曜日に学校があって今日は休みだったので(・ω・)

聞きたいのですが、恭子ちゃんの「あなたを本気で好きになった日」ですが、特別編を作って書いたほうがいいでしょうか?
今のところなんとなく〜の形でつくってますが、必要ないという感想があれば書きません。なければ何時になるかわかりませんが書くつもりです。

Bクラス戦についてなんですが、本来(原作)なら

Dクラス戦

一日(船越教論襲来、ポイズンクッキングイベント、宣戦布告、補給テスト)

Bクラス戦(午前補給テストで午後に試召戦争)

と、一日の間が空くのですがこの小説では

Dクラス戦

Bクラス戦

と、すぐに行ってることになってます。これは間の一日のイベントが総潰しとなってしまったので仕方ない、と考えていただくと幸いです。船越先生についてはBクラスに行く前に雄二がうまく誤魔化せたということで。
補給テストは......午前中にDクラス戦で消費した全部のテストの補給なんてできないと思いますが、そこら辺はご都合主義ということで。書き終わって確認するまで気づいてなかったんです。申し訳ございません。ヽ(;▽;)ノ

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