こういうのを面白くかける人は本当にすごいと思います
士郎さんの件を無事終えた俺たちだが原作まで時間があると言ってもやらなければけないことはまだまだ多い
というよりギルの会社関連とかはオリ主の域を超えている、なんかビジネス誌の表紙を飾っているし。
まあ、ギルの副業は置いておいて、最近の俺たちが熱心に励んでいるのはチートの開発と把握だ
俺たちのチート能力にはまだまだ謎が多い
数々の二次創作で扱われた能力である『王の財宝』だがその使い方一つとっても今のギルが使いこなしているとは言えない、それは始解ができない一護もそうであるし、いまだ身体能力の向上くらいしか発揮できていない俺もそうだ。
幸いにも神の用意してくれた訓練場があるおかげで人目を気にせず思う存分に訓練に没頭できる。
そして、俺たちは今思い思いにそれぞれの鍛錬をしているところだ
一護は霊体化し目の前に斬魄刀を置いて、対話を試みているし、ギルは宝具を片っ端から引き出してその真名を調べる作業に没頭している
ギル曰く「僕の王の財宝はありとあらゆる宝具が入っていますけど、中身を把握していないことには宝の持ち腐れですからね、いざという時になって劇場版のドラえもんみたいになっても困りますし」
ということを言っていた、今一番見つけたいのはFateに出てきた子供に戻る薬の逆の大人になる薬だそうだ、子供の姿だけだと社長業に支障をきたすんだとか
そして、俺はというと、いまだに自分のチートが把握できていないでいた。
俺のもらった能力はDiesのキャラの能力だが、ギルや一護の意見ではキャラに対する渇望を理解すれば使えるようになるんじゃないか?ということだし、それでなくても、ある程度チートに体が慣れれば感覚的に能力を使えるようになるとのことだった
一護やギルのアドバイスによると、頭の中で自分がチートを使っているイメージができると後は、体が勝手に反応してくれるらしい、ギルの王の財宝もゲームのCGのイメージを浮かべながら自分の背後を意識すると使えるようになっていたと言っていたし。
とりあえず、特に当てがあるわけでもないので龍水がやっていたように座禅を組んで瞑想の真似事をしているのだが何も手ごたえがない
一護が斬魄刀との対話に失敗すること二桁を超え、ギルの怪しい薬が異臭騒ぎを起こすのにも慣れたが俺のチートがいまだに理解できない。
一護とギルが言うような感覚的なものもいまいちピンとこない、原作でも詠唱は頭に自然に浮かんでくるというような描写があったからそんな感じで浮かんでくるのかと思ったがそんなこともない。
行き詰って俺が頭を悩ましていると、自分たちも行き詰ったのか一護とギルが俺の方に近づいてくる
「どうよ蓮、創造とまではいかなくても、形成の取っ掛かりくらいつかめたか?」
「全然だよ、形成(笑)とか言ってた昔の俺をぶん殴りたいよ」
「シュピーネさんのことは言ってやるなよ…あれでも一般人相手なら無双なんだぞ」
「でも困りましたね、創造は期待してませんでしたけど形成くらいはいかないとこれからつらいんじゃないですか?」
「そうなんだよなー、身体能力が上がっただけじゃ役に立たないよな、いやそれだけでもうれしいことはうれしいんだけどさ」
でも、せっかく好きだった作品の能力をもらったのだから使いこなしたいと思うのは当然だろう
「身体能力が上がってるんだから今の位階は活動だろ?活動でも軽い特殊能力みたいなの使えただろ、そっちはどうだった?」
……活動?
「その手があったか!」
「おい、もしかして忘れてたのか」
「そりゃうまくいかないでしょう最初のステップを忘れていたんですから。」
あきれた顔をしている一護とギルのことは放っておいて、とりあえずは活動の練習だ、確か活動とは聖遺物の能力を限定的に引き出すことができるはずだから…
俺がイメージするのは俺の容姿の元となっている蓮の武器である相手の首を落とすギロチンのイメージ、自分の体が武器であり、自分の右手は刃でどんなものでも切り裂くことができると信じる。
そうして集中していると右手から何かが出ていく感覚がする、その感覚につられるように目を開くと目の前の床に何かで切り裂いたように亀裂が入っていた
「できた……」
内心こんなにうまくいくとは思っておらず、自分の口からは信じられないような、呆然とした声が出た
「お!成功だな、これで次の段階に進めるんじゃないか?」
「そうですね、蓮君、何か自分の能力で分かったことはありますか?」
一護とギルのうれしそうな声で現実に戻される
「え?いやそんなに突然言われても……」
顔をあげて一護とギルに返事をしようとした俺の目の前にいたのは
「やっと活動を使いこなしてくれましたね」
俺が転生した時にいた姉ちゃんだった。
「お久しぶりですね、いい人生歩んでますか?」
「ああ、それなりに堪能させてもらってるよ、それでいきなり出てきてどうしたんだ?
もしかして俺はまた死んだのか?」
「ああ、オリ主よ死んでしまうとは情けないってやつですか?
心配しなくてもあなたはまだまだ死にそうにないですよ」
案外この人もノリがいいみたいだ、俺が転生させてもらった時は事務的な感じがしたが素はこっちのようだ
「今回あなたをここに呼んだのはあなたのチートに初期不良があったからですよ」
「初期不良?」
「あなたのチートに指定されたのはそのまま入れるとあまりにチートすぎますからね、まぁそれは後の二人にも言えるんですけど。
とにかくあなたが最初にチートの使い方が分からなかったのはあなただけチュートリアルがうまく機能していなかったからなんです」
「なあ、あんたたちは転生とかそんな奇跡を簡単に起こせるのにどうして所々ポカするんだ?」
一護しかりギルしかり、あとは俺たちの住んでいる家に関しても中途半端な機能がいろいろ追加されている
例えば子供たちだけで住んでいても周囲には違和感を感じさせないが、だからと言って国民保険は自分で払わなければいけなかったり(これはギルが払っている)
「それに関しては申し訳ないとは思っていますが、こちらにも事情というものがありましてですねー」
俺の質問に対して姉ちゃんは言葉を濁す
「事情ってのは言えないもんなのか?」
「いえ、言ってもいいんですけど面白い話でもないですし、長いですしで聞いてもいいことないと思いますよ?
それでも聞きたいならお話しますけど」
「じゃあいいや、直接俺に関係ある話でもないんだろ?」
「そですねー、こちらからすれば二度目の人生を楽しんでいただければそれで全部オッケーです」
「じゃあそうさせてもらうよ、それでなんで俺はここに呼びだされたんだ?」
多少は気になるが気にしてもしょうがないことは気にしない主義なのだ
「とりあえずこちらの不手際でチュートリアルができなかったのでお詫びとして私が直接あなたのチートの説明をさせてもらいます」
そういうと「最初に何か質問はありますか?」と聞いてきたので
「俺のチートって結局どこまで使えるようになるんだ?」
「そうですね、訓練と資質次第では原作と同程度の能力が使えるようになってますよ、あくまでカタログスペックですが」
「ってことは流出まで使えたりするのか?」
さすがにこれはチートすぎるだろうと思ったのだが
「理論的にはそうなります、ただご想像の通り、あくまであなたに付与したのはDiesのキャラの能力であることは忘れないでください」
どういうことだ?
「想像はしているでしょうがあくまで、あなたが発揮できるのはDiesのキャラの渇望ということです。
あなた自身の渇望をもとにしたオリジナルのものは想定していませんのでできないと思ってください」
例外はありますけどね、そういった姉ちゃんに対して「例外?」と聞くと
「あなた自身がエイヴィヒカイトを理解し、そして創造・流出に足る渇望を抱くことですね」
それは例外じゃなくて規格外っていうと思うんだけどなぁ
そんな俺の感想を無視して説明は進んでいく
「取り合えず、現時点で活動に達していますから順当に行くと次は形成ですね、基本的にはあなたのキャラに対する渇望の理解でそれぞれの強度は上がっていきます」
相手の事を深く理解すればするだけ強くなるってことですね
と軽く言ってくれるがそれが難しいんだってことをこいつは理解しているんだろうか?
「一応目安としては。
この程度の理解で発動できるようになってますねー、これに関しては現場もかなりお手軽になったと自信を持っていました」
活動は共感
形成は実感
創造は信念
流出は本人
「いや、確かにだいぶお手軽にはなってる気はするけど……」
でも原作からして頭のネジぶっ飛んでるやつしかいないからなぁ、これでも結構自身がないぞ
「一応、これに満たなくてもかなり弱体化はしますが発動できる可能性はあるらしいですよ、でもその場合は燃費は悪いわ、威力は低いはでデメリットも多いみたいですけどね」
「具体的に言うと?」
「世界観に合わせてオリ主の皆さんのチートは魔力を使用するレアスキル扱いになるんで、理解が不十分なまま三騎士の創造なんか使ったら、極度の魔力使用でショック死してもおかしくないらしいです。
それでもいいなら使えますよ?」
それでも発動できるのは三秒程度らしいですけど
……やだ、俺のチート使い勝手悪すぎ!
「概要としてはこんなもんですかね、質問ありますか?」
「いや、あまりにも使えなさすぎてビビってんだけどこれホントに特典なんだよな遠回しな罰ゲームとかじゃないよな」
「そんなことないですよ、ちゃんと訓練すれば使えるようになりますって……たぶん」
「多分ってなんだよおい、こら、また出たよこのなんかふわっとした感じ、そのなんか曖昧な感じが余計に不安を煽るんだよ、使えないなら使えないってはっきり言ってくださいよ!」
「いや、ほんとに工夫次第ですって!いやほんとに、神様ウソツカナイ」
「ほんと?ねえこれ信じていいやつ?俺単純だからコロッと騙されちゃうよ?ねえほんと大丈夫?」
「いや、マジで大丈夫ですから、むしろあんなふざけた仕様書だけでここまで仕上げたことに関してほめてほしいくらいですよ」
「そんなもんかなぁ…、……そういえばエイヴィヒカイトって魂を燃料にーとか聖遺物がーとかあったけどそこらへんってどうなってんの?もしかして原作みたいに殺人衝動で暴走とかあるの?」
前に一度何かの時にギルが心配していたことを質問してみる、その時はギルが王の財宝から取り出そうとしていたが原典しか入ってないギルの中に原作のDiesの聖遺物が入っているはずもなく諦めたのだった。
「聖遺物ですけど基本的にはあなたの魂に刻まれてますねー、殺人衝動に関しても活動に達しているので特に問題はないですよ。
能力自体がベースが魔力で出力が足りない時だけ魂を使う人にやさしいハイブリッド形式を採用しています」
なんかさらっとあなたのことを改造しましたみたいに言われた気がしたんだが。
「いや、そんな簡単なもんじゃないだろう、魂に刻むってなんだよそれめちゃくちゃ怖いんだけど問題ないのか?」
「あーそこだけ抜き取ると確かに怖いですけど、魂の改ざんは転生のときに誰もが通る道ですんで心配しなくても大丈夫ですよ」
「そんなもんなのか?」
「そうですよ、そもそもあなたの主観で見ても三次元の世界から二次元の世界に入ってんですよ?そりゃ多少は根本部分から手を加えないとバランスが取れないですよ」
そういわれると、そんな気がしてこないでもない
「まあそんなに難しく考えないでも大丈夫ですよ、用量・用法を正しくチートを使って頂ければ問題ないようには調節してますから」
「そこまで言うなら、まぁ納得しておく」
「それがいいですよ、それでは今回は私どもの手違いでご迷惑をおかけしました、この説明をもってお詫びとさせていただきます。
それではあなたの人生に幸あれ!」
「…い……おい、蓮!」
「どうしましたか蓮君、急にぼうっとして?」
「あ、ああ、悪い」
どうやら元の訓練場に戻ってきたようだ、一護とギルの反応からするにさっきまでの説明は一瞬の出来事のようだ
「で、どうなんだよ形成はできそうなのか?」
一護が俺に聞いてくるが
「まかしておけ!今ならできる!」
あの説明会?講習?を受けた今の俺なら形成の一つや二つは余裕だ
「ちょっと待ってろよ」
目を閉じて意識を集中する、形成はキャラの渇望に対する実感だ、俺は転生してからの生活を想い一番強い感情を想起する。
これが形成を発現するうえでこれが一番無理のない方法だろう
相手の渇望に合わせるのではなく、自分の感情から渇望を見出す。
そして俺の中で自分でもどんなものなのかはわからない強いものが胸の中で渦巻く。
直観がこれが今持ってる中で一番強い感情だと告げる
(これならいける)
確信と共にその感情に想像の手を伸ばし現実に形にする
「おおー」
「これはまた」
一護とギルの感嘆の声で俺は形成が成功したことを知り、ゆっくりと目を開けると
俺の指から糸が伸びていた
あれ?
「これは見事な形成(笑)だな」
「ええ、こうも形成(笑)を使いこなすとは、さすがですね蓮君」
「ああ、こんなにすぐに形成(笑)を完成させるとは俺も負けてられないな」
「そうですね一番遅れていた蓮君が形成(笑)までできるようになったんですからもっと頑張らないといけませんね」
形成(笑)、形成(笑)と一護とギルが馬鹿にしてくるのを聞いて俺は
「てめーら形成(笑)、形成(笑)ってなめんじゃねえぞ!次はもっといいやつ出してやるよ!」
「やってみろよ形成(笑)」
「楽しみにいしてますよ形成(笑)」
「上等だ!このやろー!」
結局この日は形成(笑)しか出ませんでした
今回疲れたので、あと二・三話閑話を挟んでぼちぼち原作無印に突入できればいいなと思ってます
プロットも何もないのでどうなるかは未定ですが…
誤字報告やここがおかしいとかありましたら感想にお願いします
今回の話でこれは矛盾してるとかっていうものでもありましたら一緒にお願いします
PS
たくさんのお気に入り登録ありがとうございます、読者の皆様に支えられてこの作品はできていますのでこれからもよろしければお付き合いいただければ幸いです