オリ主ハウス   作:朝苗

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遅くなりましたが第五話です
なんか異常に長くなりました、もっとさっくり話が進めるようになりたいですね
あと、所々独自解釈が入っている可能性がありますがそんなもんだと思って下さると幸いです


第五話 一番最初のチートがこれって怒られないんだろうか?

  第一対策会議から数日間俺たちは作戦を実行に移すために行動に移していた。

 

 まず、一護の役割は現在の高町家の様子を見るために翠屋を探しに行き、すでに開店しているならばシュークリームを買ってくるというミッションを俺は家の家事をするとともに俺たちの仕様書や転生の説明の紙のようなものが残っていないかの捜索をそしてギルだが

 

 「この企業は何か嫌な感じがしますね、おや、こっちの方はなかなか面白そうです、そういえば昨日買った株が値上がりを起こしていた気がしますね、あれを売ってこっちに投資しますか……」

 

 金策に走っていた

 

 あの時ギルが提案した案とはギルガメッシュのスキル黄金律を使いフィアッセのツアーを開催する会社からスポンサーまでツアーに関連する企業のすべてに対してある時は筆頭株主にのし上がることで発言権を持ち、ある時は買収を仕掛け形だけの代表取締役になることで今回のツアーの警備に対して過剰と言えるまでの準備をさせることだった。

 

 現にあの会議から数日ですでにツアースポンサー数社の株の保有率は十%を超えようとしており個人の保有率としては異常でありその企業からは買い戻しの打診が来ている、更にツアー当日の会場警備を担当する会社に至ってはツアー規模に比して中堅どころといったものだったのですでに買収一歩手前まで追いつめているという「もうこいつひとりでいいんじゃないかな?」状態である

 

 あまりにも手際が良すぎるギルに対してどうしてこんなに手馴れてるのかと聞いたところ

 

 「別に手馴れてるわけじゃありませんよ、株やらなんやらも手を出したのは今回が初めてですし」

 

 「いや、素人の俺でもわかるくらいには異常なんだが」

 

 「ま、黄金律のスキルで適当にしてても元手は増えるので後はそれを使ったごり押しですよ、どれだけ値を吊り上げられようとお金は湧いてくるんですから」

 

 ……こいつ今需要と供給とか経済活動のもろもろを否定したような気がする

 

 

 そんな一幕がありながらも順調にギル発案の「イベントは過剰戦力で叩き潰す」作戦は進んでいき、警備の状況を確認できる立場まで上り詰めることにより士郎さんが護衛として雇われるタイミングがわかり、襲撃時期が判明した。

その情報を手に入れた俺たちは計画の大詰めに入ったつまりは

 

 「こんなときじゃなかったら純粋に楽しめたのにな」

 

 今、俺は世界の歌姫フィアッセのツアー会場のそれもVIP席にギルと並んで座っていた、計画の最終段階とは俺たちも現地に行くことで、予想外の事態にも対応できるようにすることである。

 

 まあどうせ能力は対して使えないが一応の訓練で俺とギルの体は少し鍛えた大人よりも基礎スペックは勝っているし、襲撃があることを覚悟もしているので、いざことが起きた時もいち早く冷静に対処できるだろうということが一つと、しかし誤算があるとすれば

 

 「ギル様、開始まで時間がありますが何かお飲み物をお持ちしますか?」

 

 「いえ、僕には気をつかわなくても構わないので、警備に戻ってもらって結構ですよ」

 

 このギルの異常なまでのVIP待遇である

 

 この計画の鍵はギルがこのツアーの最大スポンサーになることで会場の警備を増やすことだったが、思った以上にギルの黄金律のスキルは異常だったらしく、ついこの間までこのツアーはいくつかの企業の合同出資によるものだったのが今ではいつの間にやらギルが作っていたギルガメッシュ株式会社が主催のツアーになっていた。

 

 いや、真面目に何したらこんなことになるんだよ、おかしいだろ、こいつのせいでマジで経済大混乱してるし、まぁ、そんなこんなで俺とギルは表向きはギルガメッシュ株式会社の代表取締役であるギルガメッシュ(ギルが作った架空の人物)の息子であるギルガメッシュジュニアとその友人の藤井蓮という立場でこのVIPルームにいる、更に

 

 「はっはっは、遠慮しなくてもいいんだよギル君、開演までには時間はあるし、それに何もないとなると俺たちが給料泥棒みたいじゃないか」

 

 そう穏やかに言う、見た目は二十代にしか見えないこの人がその実、既婚者で更に三人の子持ちだというのはあらかじめ知っていたとはいえ驚きだ、

 

 「いえいえ、本当に何も頼むことがないんですよ、それにあなたたちをそんな雑用に使ったなんて父さんに知られたらそれこそ僕たちが怒られてしまいますよ、士郎さん」

 

そう、この人こそが今回のミッションの最重要人物高町士郎その人である

 

なぜフィアッセさんの護衛のはずのこの人がここにいるのかというと大体ギルのせいとしか言えない

 

士郎さんは今回のイベントでフィアッセさんに万が一の事態が起きないよう特別に雇われたらしいのだがこの日に限っては最大スポンサーの息子であるギルがいるためこちらにも気を配ってほしいということで、開演前の僅かな時間にVIPルームの護衛状況をチェックしに来てくれたのだ

 

そこにギルと俺が士郎さんの末の子供である高町なのはと同年代ということもありめちゃくちゃよくしてくれるのである、そしてギルお前もうちょい子供らしい言葉づかいしろや

ギルと士郎さんの会話を聞きながら回想に浸っていると、士郎さんが

 

 「おっと、そろそろ会場の方に戻らないといけないかな、じゃあギル君、蓮君またあとで楽しんで行ってくれ」

 

 「はい、ありがとうございます」

 

 「士郎さん、ありがとうございました」

 

 開演が近づいてきた為ここで士郎さんは会場の警備に戻る、もし公演の最中に事件が起きれば俺とギルには手出しができない。

万全の準備ができたとは言い難いが公演の最中は警備が最も警戒しているしこのタイミングでことを起こされると面倒なので警戒レベルはMAXであるギル曰く

 

 「今回の警備に限っては資金に糸目をつけさせなかったので割とアクション映画のお宝並みに警備はきついですよ」

 

 最新の監視カメラだとか、普段の警備と比べて三倍の警備員の投入だとか、忍者の国家資格持ちだとか知りたくもなかった情報をペラペラと言ってくる。

やっぱり、リリカル世界なんかおかしいよ

 

 まあ、そんな風に裏では魔境になりかけていたコンサートは無事に終了した、世界の歌姫の名は伊達じゃなく普通に見入ってしまい、一発でファンになってしまった

 

「では、行きますか」

 

 俺が余韻に浸っているとギルがそう促してきた

 

 「とりあえず、ギルジュニアとして最後の仕事をして、その後異常がなければ今日のミッションは成功としていいでしょう、もし一応今日以外の日程も厳戒態勢は維持するよう指示していますしね」

 

 「最後の仕事ってなんだよ、今日はこれで解散じゃないのか?」

 

 「あれ、伝えてませんでしたっけ?この後スポンサーの息子としてフィアッセさんのところに挨拶をしてから帰宅の予定ですよ」

 

 「え、なにそれ普通にうれしいんだけど、ちょっと待って、色紙買ってくるから、マジで、なんだったら創造使うから」

 

 「時間がないので却下です、それに蓮君創造使えないでしょう」

 

 「いや、大丈夫だって、なんかこうピンチの覚醒みたいに使えるようになるかもしれないだろ」

 

 ……ダメでした、ギルが容赦ねえ俺の説得ぜんぜん聞いてないし、ギルがいないと場所が分からんのにさっさと控室に移動しようとするし

 

 「失礼します、ギルガメッシュですが、挨拶させていただいてもよろしいですか?」 

 

ぶつぶつと文句を言う俺を、無視したままさくっと控室に入室していくギルに遅れないようについていく

 

 「フィアッセさん初めまして、今回のツアースポンサーのギルガメッシュの息子でギルガメッシュジュニアです、今日は父が来るはずだったのですが、急な仕事でこれなくなってしまったので父に代わって挨拶に伺いました、今日のライブお疲れ様です、とても素敵で感動しました」

 

 だから、少しは子供らしくしろよ、こいつ、このまま商談でも始めるつもりかよ、これもう黄金律とかそんなもんじゃないだろ

肝心のフィアッセさんの方はギルの言葉に呆然としていたがすぐに気を取り直し笑顔で話しかけてきた

 

 「ご丁寧にありがとうございます、こちらこそ今回のツアーではいろいろと気を使ってもらってますから、お父様にもお会いして直接お礼を申し上げたかったのですけど、残念です」

 

 「ええ、父も大変残念がっていました、今日も僕にけして失礼のないようにと念を押してから仕事に向かいましたよ」

 

 「ふふふ、なら次の機会があればお会いすることを楽しみにしていると伝えておいてもらえますか?」

 

 「必ず伝えましょう、父にいい土産ができましたよ」

 

 ギルとフィアッセさんの会話はその後も穏やかに続き、十分ほど話したころだろうか、それまで横に控えていた士郎さんが

 

 「盛り上がっているところ申し訳ないんだが、そろそろホテルの方に移動してもらえるかな?」

 

 その言葉で思ったよりも話に熱中していたのに気付いたのだろう、少しあわてた様子でフィアッセさんは

 

 「あら、もうそんな時間?じゃあ名残惜しいけどまた会いましょう」

 

 「そうですね、次にお会いする時はもっと時間に余裕のある時に、まだまだ仲良くなり足りないですし」

 

 「ふふ、あんまりそういうことを女の子に行っちゃだめだよ」

 

 「本心で思った時しか言わないので大丈夫ですよ、名残惜しいので車に乗るところまではお送りしますよ」

 

 いいですかね、と士郎さんの方にギルが目くばせすると士郎さんも軽い調子で問題ないと返してくれたので駐車場まで送っていくことにする

 

 ファンの人が簡単に入り込めないようにするため駐車場は地下の奥まった部分に位置している、そこに俺たちと士郎さんそれにフィアッセさんの四人で雑談をしながら向かっていく、駐車場にも警備の人間が四人待っており、すぐに車を出せるようにエンジンをつけて待機していた。

 

 「では今度こそここでお別れですね、また会いましょうギル君、蓮君」

 

 フィアッセさんがそう言い、車に乗りこもうとするが

 

 「ちょっと待ってもらっていいですか」

 

 ギルがそれを制止する

 

「そこの人、ちょっと所属を教えてもらえますか?」

 

 緊張を感じ取ったのか士郎さんがフィアッセさんを自分の後ろに移動させ不測の事態に備える

 

 「は?所属ですか?私は第三班で駐車場警備を命じられていますが?」

 

 ギルに声をかけられた警備員が怪訝そうに返答をする

 

 「おかしいですね、今日の警備の配置を決めたのは僕ですが、第三班にはあなたはいないはずなんです、さて、ではあなたはいったいどこの誰なんでしょうか?」

 

 ギルが質問というよりは詰問の調子で声を投げかけるとごまかしきれないと思ったのかスーツの懐から拳銃を取り出しこちらに向けようとする

 

 「遅い!」

 

 フィアッセさんを後ろに下げた士郎さんが既に警備員の懐に飛び込んで両手に構えた小太刀で警備員の拳銃を弾き飛ばし、そのまま回し蹴りを叩き込みまず一人片づける

そのまま、少し離れた位置に立っていた警備員に対して何か針のようなものを投げつけ怯ませ、その隙に小太刀を一振りし無力化、これで残りは二人

二人の仲間が無力化されたところでやっと思考が追いついたのか残りの二人も拳銃を取り出し士郎さんに突き付けようとするが、その時にはすでに士郎さんの小太刀は二人を射程範囲に入れていた。

その状態で三下が士郎さんに抵抗できるはずもなく、四人の侵入者はあっさりと全員無力化されたのだった

 

 「やれやれ、危ないところだった、すっかり油断していたよ、ありがとうギル君」

 

 一息安堵の息をついた後、士郎さんがそうギルに礼を言った。

 

 「いえいえ、これで警備に口出しした甲斐がありましたよ、それに士郎さんだけでも問題なかったような気がするんですが、正直疑っていたでしょう彼らのこと?」

 

 「ははは、一応プロだからね、でもギル君が言うまで半信半疑レベルだったから助かったのには変わりないよ」

 

 「まあ、お世辞として受け取っておきますよ、あと他の警備員にも連絡はしたのであと数分でこちらに駆けつけるそうです」

 

 「そうか、なら一応ここから離れておこうか、大丈夫だとは思うがまだ仲間がいても厄介だ」

 

 士郎さんの提案に従い安全な場所に移動しようとしたとき俺の視界の隅で何かが動いた気配がした、そちらに目を向けると士郎さんが最初に吹き飛ばした警備員が再び動き始めていた

 

 「士郎さん!」

 

 俺の警告で士郎さんが動き出した警備員に気付いたが距離が遠すぎ、警備員が懐から何かのスイッチを取り出すのを防ぐことができなかった

 

 「全員伏せろ!」

 

 士郎さんが怒鳴りながら俺とギル、フィアッセさんに覆いかぶさったのと警備員がスイッチを押したのはほぼ同時だった

そして駐車場に爆発音が鳴り響いた。




ここまでがプロローグというか、原作に関わる下準備編ですかね
この次の話からは似非シリアスは抜きにまったりした話を書きたいですね


あと今回も推敲をあまりしてませんので誤字や表現のおかしいところあればご報告いただけると作者が喜びます

追記
感想をもらっておいて何もないというのもやっぱり不義理なので簡単な感想返しをすることにしました、主張がころころ変わってしまって申し訳ないですが、これからも見捨てないで下さると幸いです

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