オリ主ハウス   作:朝苗

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ちょっとしゃれにならないくらい間があいてしまいました。
あと話数が進むごとに文字数が増えていく……、あと話が中々進まないですね。
早くVividとかの話も書いてみたいのですが……


第十八話 大きな子猫という矛盾

 「あいかわらずデカイ家だなぁ」

 

 一護がそびえたつという形容詞が似合うすずかの家を眺めてしみじみとつぶやく

 

 「お前はすずかの家に遊びに来るたびにそう言ってるよな」

 

 「いや、だって事実そうだろ。家ってのは俺達の住んでる所みたいなのを言うのであってこれは邸宅とかそういうなにか別のものだろ」

 

 すずか達と知り合ってもう3年がたち今回のようにお茶会に誘われることも珍しくはなかったが、それでも毎回一護は今回のようなよく分からない持論ともぼやきともとれない話をしている。

 

 「はいはい、蓮君も一護君の行動にいちいち突っ込みをいれない。話が進まないでしょうに」

 

 一護の奇行に慣れてしまったギルがそう言いながら玄関という名の門の横についているインターホンを押すと

 

 「はい、月村です」

 

 「今日すずかさんにお茶会にお招きいただいたギルです」

 

 「かしこまりました、今門を開きますのでどうぞそのままお進みください」

 

 インターホンから月村の家のメイドさんのノエルさんの声がそう言うと立派な門が特に大きな音も立てずに滑るように開いていく、その門の100メートルくらい先に大きな屋敷があるのが見え、この距離からでもでかいってどれだけ大きいんだよとかさっきの一護のような感想を持ちながらてくてくとまっすぐ歩いて行く。

 

 そのまま、歩いて行きただでさえ大きな屋敷がだんだんと迫ってくるように大きく見えてくるという普通の人生ではなかなか経験しない体験をしながらたどり着くとまた扉の横にあるインターホンを先ほどと同じように押すと今度は扉の方が直接開けられそこから最初の時に対応してくれたノエルさんが姿を現すと俺たちにきれいに一礼した後に

 

 「ギル様、蓮様、それに一護様もいらっしゃいませ、お待ちしておりました」

 

 微笑みながらそう言った

 

 「こんにちは、僕たちが最後ですか?」

 

 ノエルさんの挨拶にギルが答えそのまま質問すると

 

 「いえ、恭也様となのはお嬢様がまだお越しになられていません」

 

 ノエルさんの答えにどうやら他の参加者を待たす自体にはなってないようだと安心する、家を出る直前に今日のお茶会に持っていくお茶請けを俺と一護が前日に食べてしまっていたことに気付いたので急いで俺が駅前の和菓子屋まで走りにいかなければならなかったのだ。

ちなみに同罪の一護は能力の関係上戦力にならないので一週間ギルの代わりに家事をすることで決着がついた。

 

 ノエルさんの案内で名前はよく分からないが四方をガラスで囲まれたこれぞお茶会という雰囲気の場所に案内されるとそこにはすでにアリサとこの家の主であるすずかとその姉の忍さんが月村家のもう一人のメイドであるファリンさんの給仕でお茶を楽しんでいた。

 

 そのファリンさんはいち早く俺たちに気づいたらしく

 

 「あ、ギル君たちだ!いらっしゃい!」

 

 元気よく挨拶をしてくれ、それで気付いたのか他の面子もこちらに顔を向けてくる。

 

 「いらっしゃい、よく来たわね」

 

 すずかをそのまま大きくしたのではないかと思うほどそっくりな忍さんが俺たちを歓迎してくれる、すずかと友達になり一緒に遊ぶようになってからは自然と忍さんとも接点が増え士郎さん達と同じくいろいろと親切にしてくれている。

 

 「いらっしゃい、今日はよく来たわね」

 「今日はお招きいただきありがとうございます。一応手土産を持ってきたのですが……」

 

 ギルがそう言い、持っていた和菓子を忍さんに手渡すと

 

 「これからなのはちゃんも来るのに和菓子をもってきていいのかしら」

 「逆になのはちゃんが翠屋のスイーツをもってきたらかぶってしまいますからね」

 

 まあ翠屋のスイーツならいくらでも食べれる気がしますけど。なんて忍さんの軽口に対してギルも同じく軽口で返す。

二人がそんなやり取りをしている間に俺と一護はすでにお茶会を楽しんでいたすずかとアリサの方に近づいていく。

丸テーブルに向かい合って座っている二人の横には俺たちとなのはの為にちょうど日が当たる特等席に置かれている椅子には子猫がベストポジションを争っていた。

そんな猫たちを持ち上げてどいてもらい席に着く

 

 「やれやれ、すずかの家は相変わらず猫だらけだな」

 「里子に出してるから顔ぶれは変わってるんだけど、出て行った分だけ増えちゃうの」

 「こんだけいると世話が大変じゃないのか?」

 「もう慣れちゃったし皆いい子たちばかりだから大丈夫だよ」

 

 あまりにも猫が多いので漏らした俺の感想にすずかは本当に何でもないことのようにそう返す

 

 「私の家も犬がいっぱい飼っているからわかるけど、一匹から二匹だと世話も大変だけど、これだけ多くなってくると要領がわかってくるから何とかなるものよ」

 「そんなもんなんかね」

 

 俺とすずかの会話を聞いていたアリサが自分の実体験をもとにすずかの意見に賛成する。

 

 「そういえばあんたたちの家は一軒家よね、ペットを飼うつもりはないの?」

 

 いい子を紹介するわよ、と話を続けアリサは自分の犬の里親になるつもりはないかと聞いてくる。

 

 「もしも、猫の方がいいなら私の家の子から紹介するよ?」

 

 とすずかも案外乗り気でアリサの話に乗ってくる。

 

 「あー、ペットは飼うつもりはないんだ」

 

 何故か期待に満ちた目で俺と一護を見つめてくる二人に対して心苦しいがそう答えると

 

 「まぁ無理に勧めるようなことじゃないからいいけど、何か理由はあるの?」

 

 思っていたよりもあっさりと引いたアリサだったがそれでも理由が気になるらしく問いかけてくる。

 

 「いや、最初にすずかとアリサに犬と猫の里親の話を聞いたときに俺たちの家でもペットを飼おうかって話は出たんだけどその時にギルがな……」

 

 俺が理由を話していると、忍さんとの話を済ましいつの間にか隣に座っていたギルが俺の話を引き継いで

 

 「僕たちの家には一護くんというそこらのペットの比じゃないほど手のかかる子がいますからね。家庭内の治安の観点から却下したんです」

 

 そう言うとアリサとすずか、ギルと同じくいつの間にか座っていた忍さんも視線をちらっと一護の方に向け

 

 「じゃあ、しょうがないわね」

 「いくら一護君でもそこまでじゃあないんじゃ……」

 「まぁ、家庭の事情はそれぞれよね」

 

 アリサはいかにも納得のいったという口調でそう言い、すずかは本人の前では言いづらいのかフォローを入れようとしているが最後まで勢いが続かず実際どう思っているのかが丸わかりである。

忍さんに至ってはもはやフォローいなっているようで全くなっていない。

 

 「なんで皆納得してるんだよ!俺だって結構こいつらの面倒みてること多いんだぜ!」

 

 世間での自分の評価に傷ついたのか一護がそう声を荒げるが、確かになんだかんだ言っても一護も中身はそれなりの年齢なので俺やギルのフォローをしてくれることも多いが外で外見年齢相応の振る舞いをしなければいけない時のタガのハズレ具合は一護が一番ひどいのでこの評価も当然というものだ。

しかし、このままでは一護がかわいそうなので俺は一護の肩に手を置き

 

 「大丈夫だって一護」

 「蓮……」

 「ちゃんと最後まで面倒見てやるって」

 「完全にペット扱いかよ!」

 

 一護が渾身の突っ込みを入れさらにアリサが

 

 「うちの子たちと喧嘩しないなら私の家で一護の面倒見てもいいわよ」

 「だから、なんでペット前提の話なんだよ!」

 「普段あんたに手を焼かされている私としてはペット扱いでさえ厚遇なのを理解してほしいわね」

 

 これまでさんざん学校で一護のしでかす事件に巻き込まれているアリサの言葉は説得力が違う、最近では先生たちもアリサしか一護を止めれる人がいないのを理解しているので一護が何かやらかすと真っ先にアリサを探させるくらいだ。

 

 「そんなにひどいことをやった覚えはないぞ」

 「何言ってんのよ、つい昨日も先生と私に怒られたばっかりなのにもう忘れたの?」

 「あれは周りが大げさに騒ぎすぎなんだよ、ちょっとメンコで遊んでただけだろ」

 「なら、普通に遊びなさい!あんたこそ毎回スケールアップさせるのをやめなさいよ!」

 「大好評だったんだけどなダイナミックメンコ……」

  

 一護の言っているダイナミックメンコとはルール自体は普通のメンコと同じだが普通のメンコは手からメンコを投げ相手のメンコをひっくり返すがこのメンコは校舎の二階からメンコに重りをつけて落とすという頭の悪いルールだ。

当然クラスの女子がアリサに報告をし、参加者は全員アリサにめちゃくちゃ説教されている。

 

 「ちゃんと怪我しないように周りを封鎖してたんだからいいだろ」

 「そういう問題じゃないってわかっていってるわよね、だからあんたは性質が悪いのよ」

 「えー、俺には何のことだかわからないなぁ」

 「こいつ……」

 

 しかし、俺は知っている。アリサが一護たちを説教した後に小さく「中々面白そうなことおもいつくじゃない」とつぶやいていたことを。

 

 (今そのことを言うとさらに場が混沌とするから言わないけどな)

 

 「一護君たちは愉快な学校生活を送っているのね」

 

 一護とアリサの掛け合いを見て忍さんがそうつぶやく

 

 「愉快なのは一護君だけで僕たちは平凡な学生生活だと思いますけどね」

 「あら、そういうギル君も結構やんちゃだってすずかから聞いてるのだけど?」

 「お姉ちゃん!それは内緒だって……」

 

 忍さんという保護者の手前ギルが良い子ぶっているがそれはすずか経由で話を聞いていた忍さんには通用しないようだ、実際一護の悪巧みに隠れているがギルも大概好き放題やっているからな。

 

 「そこで、無関係みたいな顔しているけど実は蓮君も主犯格なんじゃないのー?」

 「な、何を根拠にそんなことを……」

 

 内心でギルざまぁとか思っていると忍さんの話の矛先は俺にも向かってくる。

 

 「だって、すずかからよく一護君やギル君の武勇伝を聞くけど協力者がいるような気がするのよね」

 

 一体誰なのかしらね、という忍さんの言葉とは裏腹にその目は誰が協力者なのか確信しているとこちらに告げていた。 

実際に忍さんの予想は当たっている、ダイナミックメンコに関しても

 企画・実行 一護

 安全管理  ギル

 その他   俺

 

 という役割分担によって成り立っている、一護がやりたいと言い出して、ギルが当日に周辺を関係者以外立ち入り禁止にして、俺がルールの明文化やメンコに張り付ける重りの調達などの雑用をこなしている。

 

 こうやって俺とギルが裏方に徹することにより俺やギルが無理なく説教役を引き受けることが可能となり、被害が少なくなるという完璧な作戦だったのだが最近はアリサが説教役として適任とみなされているので崩壊しつつある作戦だ。

 

 「まぁ、俺たちも年頃の男の子だっていうことで一つ……」

 「あまりやりすぎないようにね、アリサちゃんだって本気で心配してるから怒っているんだからね」

 

 完全に見破っているような忍さんに口止めをお願いするとやんちゃな子供に理解がある大人のように優しく諭されてしまった。

士郎さんたちもそうだが普通に怒られるよりもすべて見透かされた上に諭されると中身は成人してるはずなのに一体自分は何をやっているんだとかなり恥ずかしい。

 

 そんな風に俺がいたたまれない気持ちになっているとちょうどなのはと恭也さんも到着したらしく、ノエルさんに案内されてやってきた。

 

 「皆もう来てたんだね」

 

 俺たちを見てなのはがそう言いつつ部屋に入ってくる。

 

 「じゃあ、恭也も来たからここからは年長組と年少組ということで」

 

 なのはが部屋に入るのと同時に忍さんがそんなことを言いながら恭也さんの腕を取って二人で出て行く。

そんな二人を見ながらアリサが何やら感慨深く

 

 「ほんとに忍さんと恭也さんってラブラブよね」

 

 などと言いだし、そんなアリサの言葉に続いてすずかとなのはも

 

 「うん、お姉ちゃん恭也さんと知り合ってから幸せそうだもん」

 「お兄ちゃんもそうだよ、忍さんとお付き合いし始めてから雰囲気が柔らかくなったよ」

 「へー、やっぱり二人がうらやましいわね。私も将来はそんな恋人がほしいなー」

 

 たとえ小学生でも女の子らしく恋バナに花を咲かせている三人娘とは裏腹にいきなり知り合いの惚気をしかも家族経由で聞かされるという遠回しな羞恥プレイにこっちの三人は大ダメージを受けていた。

 

 「恭也さんの雰囲気ってあれで柔らかくなったらしいぞ」

 「マジかよ、ならその前ってどんだけギザギザハートだったんだよあの人」

 「僕たちも大概昔から恭也さんと知り合いですけど士郎さんや桃子さんみたいに外見含めてほぼ変化してないようにしか見えませんよね」

 

 そんな風に機嫌よく恋バナを続けるなのは達にげんなりしていると、なのはのリュックからユーノが這い出てくる

 

 (お、ユーノも来たんだな)

 (うん、なのはがせっかくだからって言って連れてきてくれたんだ)

 (そりゃよかったなって、ユーノ後ろ気を付けろよ)

 (うん、後ろって……)

 

 念話でユーノと話しているとその後ろから子猫が一匹じっとユーノを見ていることに気付いた俺はユーノに警告をするがすでにユーノを射程に入れていた子猫が動き出す方が早くユーノは小さな捕食者と化した奴から逃げ惑うしか道は残されていなかった。

 

 (がんばれユーノ!お前なら逃げ切れるはずだ!)

 (応援はいいからこの子をどうにかしてよ!)

 (大丈夫だ!お前ならなんとかできると信じてるぞ!俺が信じるお前を信じろ!)

 (意味わかんないよ!助けてなのは!)

 

 念話で俺に助けを求めるユーノだったがまったく助ける気がない俺に見切りをつけなのはに助けを求める、

 

 「うわ、ユーノ君がピンチになってる」

 

 ユーノの念話を受けたなのはが見たのは野生の本能に目覚めた子猫がユーノを追い掛け回しているところだが客観的に見ると子猫がフェレットにじゃれついているようにしか見えないのでほのぼのとしているようにしか感じられない。

 

 (助けてなのは!食べられる!)

 (たぶん猫さんもユーノ君は食べないんじゃないかなぁ……)

 

 そんなことを言いながらなのはがユーノを追いかけていた猫を持ち上げ膝の上にのせることでユーノを救出する、ついでにユーノは俺の肩の上まで駆け上がって第二の襲撃猫に備えていた。

その時だった、もはや最近おなじみとなってきたジュエルシードの反応がありしかもよりにもよって俺たちのいる場所のすぐ近くからその反応を感じる。

 

 (おいおい、この反応めちゃくちゃ近いぞ)

 (これはやばいですね、恭也さんに連絡できますか?)

 (いや、このタイミングで恭也さんの所に行ったらすずかとアリサに怪しまれるだろ)

 (とりあえず私とユーノ君で封印に行くから蓮君たちでアリサちゃん達を引き付けてくれないかな)

 (僕となのはだけだと危ないよ!なんとか恭也さんについてきてもらえれば……)

 

 今日すずかの家でジュエルシードの暴走があることわかっていたが想定よりも発動のタイミングが早い、本来なら原作通りに中庭に場所を移した時に適当な理由をつけて恭也さんと忍さんも一緒にお茶するように誘導していつものように恭也さんの引率でジュエルシードを封印、あわよくばフェイトと対峙してもらうつもりだったのだが完全に作戦が崩壊してしまった。

 

 (しかたないですね、ユーノ君となのはちゃんには封印に行ってもらって、蓮君が今日は護衛してください)

 

 念話会議が紛糾しているところに指示をだしたのはいつものようにギルだった、さらに指示は続き

 

 (三人は何か理由をつけて封印に行ってください、くれぐれも安全第一でお願いします、何か異変があれば念話で連絡してください何としても恭也さん連れて行きますから)

  

 封印に行く二人には安全第一での指示を出しながら、俺にだけは俺のアホみたいな聴力を使った連絡方法で秘密の支持を出す

 

 「……もしもフェイトが出てきた場合はジュエルシードの回収は諦めてもいいですから、恭也さんと士郎さんのおかげでなのはちゃんは実戦の経験が原作より少ない今の状況でフェイトと戦うのは最悪の結果になりかねません」

 

 その言葉に俺は一つ頷くことで返す、俺たちの過保護のせいだが今のなのはにはユーノが万が一に備えて教えたシールドと適性があるとしったなのはがお願いして教えてもらった飛行魔法くらいしか覚えておらず代名詞の射撃・砲撃魔法は戦闘に関わる予定がなかったので覚えていないのだ、そんな状態でフェイトと戦闘になるとフェイト自身が傷つける意志がなくても万が一の事故が起こりえないと前々から相談していた対応の確認だった。

 

 (ではお願いします。僕と一護君が間をつないでおきますから)

 (俺とギルがすずかとアリサと話しているからばれないようにこっそり抜けろよ)

 

 二人はそう言っている間もずっとジュエルシードのことなど全く気付いていないいつも通りのテンションで二人と会話を続けている、そんな二人に合わせるように俺は今ふと思いついたように

 

 「ここにいるとまたユーノが追いかけられるかもしれないから少し外を散歩させてくるわ、なのはも行くか?」

 「うん。すずかちゃん、アリサちゃんちょっとだけお庭の方に行ってくるね」

 

 俺の提案になのはも先に二人に断わっておくことで俺と二人で外に出るという空気を出す、そうして何とか部屋を抜け出した俺たちはジュエルシードの反応を頼りに月村家の庭を全力で走っている。

庭というよりも林かちょっとした森と言った方が正しいような規模なので道がしっかりと整備されているわけでもなく不規則に生えている樹をよけながら走るわけでそんなことをすれば当然

 

 「きゃっ!」

 

 運動神経が残念なことになっているなのはが普通に走り抜けることなんか不可能なわけでして、庭に入った時もなのはに俺が負ぶって走ろうかと提案したのだが大丈夫だと言って譲らなかったので強くは言わなかったが五十メートルも走らないうちに三回も躓かれては俺も対策しないわけにもいかず有無を言わさずなのはを担ぎ上げ、さあもう一度走り出そうとしたとき、さっきジュエルシードの反応があった時よりもより大きな空間自体が軋みをあげるような感覚が俺たちに届く。

 

 「これは、発動したか」

 「このままじゃ、人目についちゃう。結界を張らないと……」

 

 ユーノはそう言うと目の前に大きな魔方陣を展開する

 

 「結界って?」

 「魔法を使用している空間と通常の空間の時間の進行をずらして普通の人には認識できないようにするんだ。僕が少しは得意な魔法だよ」

 

 なのはの疑問に答えつつもユーノは魔法の手を休めず目の前の魔方陣はどんどん光を増していきユーノが最後に一息力を入れると魔方陣を中心として世界が灰色に染まっていく。

 

 「これで無関係の人にはばれないと思うよ」

 「すごいよユーノ君!」

 

 これまで見たことのないタイプの魔法にテンションが上がったなのはがユーノのことをきらきらした目で見ながらほめる。

アニメで見てた時も思ったんだがこの魔法って得意だからって理由でデバイスの補助もなしに使えるレベルを超えているような気がするんだよな、時間の進行をずらすってどういうことだよギルの宝具でも時間操るなんてそうそうしないよな。

 

 そんなことを考えている間にジュエルシードは本格的に発動したらしく反応のあった方向に唐突に巨大な子猫という説明に困る生物が顔を覗かせる

 

 「おい、あれはどういうことだよ」

 「た、たぶんあの猫の大きくなりたいっていう願いがかなえられた結果じゃないかと」

 

 俺たちの目の前を野太いながらも甲高いというまたしても矛盾する鳴き声を上げながら歩いて行く猫をみながらユーノが解説する。

 

 「と、とりあえずこのままだとすずかちゃんも困っちゃうから封印するね」

 「うん、おねがいなのは」

 

 俺と同じく呆気にとられていたなのはも正気に戻り封印の為にバリアジャケットを展開し、レイジングハートを猫に向ける。それを眺めながら俺はユーノに

 

 「ユーノ、ごめんな」

 「どうしたの蓮?」

 「いや、確かにあのサイズの猫に追いかけられたらめちゃくちゃ怖いわ」

 

 さっきユーノが猫に追いかけられていたときと同じサイズ比率になってわかるがこれはめちゃくちゃ怖い、なによりつぶらな目をしているのが次の行動が予測できなくてすごいコワイ。

そんな風にびびっている俺を見てユーノは

 

 「次の時にちゃんと助けてくれたら許してあげるよ」

 

 そう言ってフェレットの顔で分かりずらいが笑って許してくれた。

このときの俺とユーノは油断していた、暴走体はいつもと違い暴れていなくなのはの魔力量ならさして苦労もなく封印できるだろうと

 

 「きゃあ!」

 

 だからなのはと猫に対して向けられた攻撃に対して誰も反応できなかった

 

 「なのは!」

 

 なのはの封印を妨害するのが目的だったのだろう、猫に対しては直撃していた攻撃はなのはに対してはなのはのすぐ足元に打ち込まれておりなのはに直接は当たってはいなかったがいつもは士郎さんや恭也さんに守ってもらっていたなのはは地面にへたり込んでしまう。

 

なのはを背後に庇った体制で攻撃がきた方向を見ると、電柱の上にアニメで見た通りの金の髪に深紅の瞳をした少女がこちらを見下ろしていた。 




 フェイト登場で次回に続きます、次は今年中を目指して頑張ります。

 いつものように感想・誤字報告など気楽によろしくお願いします。

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