オリ主ハウス   作:朝苗

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長い間お待たせしてしまって申し訳ありませんでした。
しかも今回いつも以上に支離滅裂な可能性があります、なのでいつも通りなにかアドバイスとかありましたらお気軽に感想の方にお願いします。


第十五話 原作初日の終わり

 なのはに暴走体を封印してもらった後俺たちはこれからのことを話し合うために近くの公園に場所を移していた。

 

 「それで君は何者なのか自己紹介をお願いしてもいいですか?」

 

 こういう場ではいつものごとくギルが最初に発言をしてこの場の進行を買ってでる。

 

 「はい、僕の名前はユーノ・スクライアです。スクライアは部族名なのでユーノが僕の名前になります。

巻き込んでしまって本当に申し訳ありません」

 

 ユーノはそう言って俺たちに頭を下げ謝罪した

 

 「そんなに謝らなくてもいいよ、まだユーノ君のことよく知らないし状況もよく分かってないけどたぶんユーノ君は悪くないよ」

 「でも僕がもっと気を付けていればあなた達を巻き込むこともなかったんです」

 「高町なのはだよ」

 

 なのはの言葉を聞いても自分のことを責め続けるユーノのことを遮ってなのはが自分の名前をユーノに伝える。

 

 「仲のいい友達はなのはって呼ぶからユーノ君もそう呼んでくれるとうれしいな」

 「いったい何を……」

 「これでユーノ君には名前を教えてもらったし、なのはの名前も教えてあげたからなのはとユーノ君はもう友達だよ。

だから巻き込んだとかそんな他人行儀なこと言わないで事情を教えてくれないかな、なのはにできることがあるなら協力するから」

 

 自分の膝の上に乗せていたユーノを自分の目線まで持ち上げて言葉を紡ぐ

 

 「でも、ジュエルシードは本当に危険なんです。なのはさんには魔法の才能がありますが次も無事で済む保証はどこにもないんですよ」

 「なら尚更放っておけないよ、誰も頼れる人がいないからユーノ君は私を呼んだんでしょ?」

 「それは……そうですが」

 「それに私だけじゃなくて蓮君たちも手伝ってくれるからきっと大丈夫だよ。

一人より二人、二人より皆でやったほうがうまくいくよ」

 

 そう言ってなのはは俺たちに同意を求めるように視線をこちらに向ける。

それに対して俺たちの答えは決まっていた。

 

 「もちろん、なのはが言うまでもなく協力するつもりだったぜ」

 「首を突っ込んだ以上最後までしっかり責任持ちますよ」

 「封印はなのは任せになるけどフォローくらいはしっかりやってやるよ」

 

 俺たち三人の協力するという返事にユーノは

 

 「皆さんありがとうございます……」

 

 その後俺たちもユーノと自己紹介をして名前で呼ぶようになった。 

さて、なのはが主人公としてのオーラを如何なく発揮したのはいいとして現在時刻はもうすぐ深夜になろうかという時間である。

それがどういうことかというと

 

 「それで?いったいこんな時間まで全員そろって何をしていたんだ?」

 

 小学生が深夜まで出歩いていて叱られないはずもなく、そしてなのはが外出しているのを恭也さんや士郎さんが気づかないなんてこともありえない話でありまして。

今は全員そろって居間で正座でお説教されています。

 

 「えっとー、その……」

 

 恭也さんに問い詰められてなのはが何とかうまい言い訳を考えているがこれまで嘘なんろくについたことのないなのはが咄嗟にうまい話を思いつけるわけもなくかといって正直に話すにしても『頭の中に響いた助けを求める声に従ったら言葉を話すフェレットに協力することになった』という言い訳にもならない話をするしかなくなるわけで。

困った顔でこっちを見つめてくるが俺だって士郎さんたちを誤魔化せるような話なんか思いつかない。

こういう時はこいつの出番だとギルの方にアイコンタクトするとそれが通じたのかギルが少し深呼吸をした後士郎さんに向かって話を始める

 

 「実はですね、なのはが魔法使いになっちゃったのでそのことで相談していたらこんな時間になってしまいました。」

 おい、こいつ全部ぶっちゃけちまったよ。

 

 「なのはが魔法少女に?」

 「ええ、喋るフェレットのお供もついてますよ」

 

 あまりにもあっさりと魔法のことを暴露したギルに恭也さんでさえ呆気にとられているがそれでも士郎さんは普通に受け入れて話を続けていく

 

 「それで、うちの可愛い魔法少女は魔法で何をするんだい?」

 「それは今からこのユーノ君に説明してもらおうと思っています。」

 

 そう言ってギルはユーノを机の上に乗せた

 

 「こちらがユーノ君です。ユーノ君詳しい説明をお願いできますか」

 「ちょ、ちょっといきなりばらすなんて何考えてるんですか!」

 「これからもなのはが封印に協力する以上いつかばれるんですから最初から話しておいて士郎さんたちにも協力してもらった方がいいと思ったんですよ。」

 

 ギルのその説明にユーノはいまいち納得できない様子で

 

 「でも、この人たちには魔力もないのに危険すぎますよ!」

 「士郎さんたち以上に頼りになる人なんて僕は知らないですよ。それに今日みたいに荒事になるなら余計に士郎さんたちの協力は必要だと思いますよ」

 

 ユーノの言っていることもギルの言っていることもどちらも間違ってはいない。

ユーノの常識では魔法こそが自衛の手段なのだから魔力のない士郎さんたちを巻き込むのは気が引けるのだろう、しかし、これからジュエルシードを封印する際に戦闘が避けられないのは今日の出来事から明白だ。

チートとなのはの魔法の才能という武器はあるが実戦経験がまったくない、士郎さんにいは魔力はないがボディガードの経験から戦闘に関してはこの場にいる誰よりもプロだ。

そう言ったことと何よりなのはに協力を求めるならば保護者にも一緒に説明をしておくべきだというギルの正論にユーノは折れ士郎さんも含めて事情を説明し始めた。

 

 「ジュエルシードは僕らの世界の古代遺産なんです。

ジュエルシードには人や動物の願い反応する性質があるのですが力の発言が不安定なせいで昨夜のように暴走してしまうのです」

 「ふむ、話で聞いた印象だとすごく危険なもののような気がするのだけどどうしてそんなものが海鳴に?」

 「それは……僕のせいなんです。僕らの部族のスクライアは遺跡の発掘・調査を生業にしています。その調査の一環で発掘されたのがジュエルシードなのですがその輸送中に人為的か事故かはわかりませんが輸送船が故障してジュエルシードがこの世界に散らばってしまって……」

 

 そこまで言った後でユーノは一息入れると俺たち全員を見まわして言った。

 

 「僕の監督不行き届きでこのようなことになってしまったのにこんなことを頼むのは心苦しいですが、僕の魔力が回復するまででいいのでどうかお力を貸していただけませんか?」

 

 ユーノはそういうと俺たちに向かって頭を下げた、そんなユーノに向かって

 

 「さっきも言ったろ、俺たちは協力するって。もう俺たちは友達なんだから遠慮すんなって」

 

 一護が俺たちを代表して答え、士郎さんは

 

 「そのジュエルシードが危険なのはわかったけどそれはなのはじゃないと対応できないものなのかな?」

 「ジュエルシードの封印には僕らの魔法を使わないといけないのですが適性があるのがなのはさんだけなんです、一護たちにも魔力はあるみたいなんですがどうもレアスキルに特化しているようで僕らの世界の魔法は使えなかったんです」

 「そうか……」

 

 ユーノの言葉を聞いて士郎さんは考え込むように黙り込んでしまった。

 

 「それなら俺もジュエルシードの回収に同行させてもらおうかな、それがなのはが協力することの条件だ」

 「でも、魔法が使えないと危険だと思いますけど……」

 「ギル君たちは知っているがこう見えても喫茶店のマスターやる前は結構危ない橋もわたったこともあるからね、足は引っ張らないつもりだよ」

 「でも……」

 士郎さんの言葉を聞いても魔法文明出身のユーノには魔力がない人でも戦えるという意識が希薄なため士郎さんが参加することを渋るが

 

 「ユーノ君、士郎さんは正直僕たちよりもよっぽど強いですよ」

 

 そんなユーノに対してギルがフォローを入れる、そんなギルに続いて一護も

 

 「確かにな、たまに試合してもらうけど俺程度じゃ一本どころか手加減してもらって数合打ち合うので精いっぱいだからな。今日の暴走体くらいなら士郎さん一人で抑えられると思うぞ」

 

 先ほど実際に実力を知っている二人に言われて一応納得したのかユーノもそれ以上士郎さんが同行することに異論をはさまなかった。

 

 「後の詳しいことはまた明日にでも話すことにしようか。もう夜遅いからなのはも早く寝る準備をしなさい」

 「はーい、じゃあおやすみなさい。」

 

 士郎さんに促されてなのはが自分の部屋に戻っていき

 

 「恭也。桃子に言ってユーノ君の寝床を客間に用意してやってくれ」

 「わかったよ、父さん。でもなのはのことについて俺も後で話がしたい」

 

 恭也さんそう言ってユーノを連れて居間から出ていきこの場には俺たちと士郎さんだけが残る形になる。

 

 「さて、じゃあギル君たちにも説明してもらおうかな?特にさっきの話を聞いていると暴走体とやらはかなり危険な代物らしいけどどうやってそんなものとやりあえたのかというあたりが気になるね」

 

 そう言って士郎さんは俺たちに対して核心をついてくる。

 

 「そんなに気を張らなくてもすべてお話しますよ」

 

 士郎さんの目の前に座るとギルはそう言って話を続けた

 

 「まず最初に暴走体に対して僕たちが曲がりなりにも対処できたのは僕たちにも魔力があり、ユーノ君とは違う方法でそれを扱う術があったからです。

 「ふむ、それを使って封印というのはできないのかな?」

 「そうですね、できないこともないのかもしれませんが下手に手を出すとどうなるのか分からなかったので安全策を取らせていただきました」

 「なるほど、じゃあ最後に一つだけ。ギル君たちと初めて会ったあの時、爆弾から俺を守ってくれたのはギル君たちかい?」

 

 その士郎さんの問いにギルは一呼吸の間を開けて答えた。

 

 「……正確には一護君ですね、僕と蓮君は何もしていませんよ」

 「そうか、一護君お礼をするのがずいぶんと遅れてしまったがあの時はありがとう」

 

 士郎さんは一護に対して向き直るとそう言って深々と頭を下げた。

 

 「そんなに感謝されるような事じゃないですよ士郎さん。俺がやったことなんて大したことじゃないですし、士郎さんにはいつもお世話になってるんですからそんなにかしこまらないでください」

 「はっはっは、それでもけじめはつけないといけないからね。改めてありがとう一護君」

 「そうですよ、いつも通りの士郎さんの方が俺も気が楽です」

 「それで、なんで気づいたか聞いてもいいですか?」

 

 士郎さんと一護の話にギルが割り込み士郎さんに対して疑問を投げかけると士郎さんは軽い調子で

 

 「一応は俺もプロだからね、あの状況で爆弾が爆発してあれだけの怪我で済むのは奇跡が起こったにしても出来過ぎだからね。ギル君たちに何か秘密があるんじゃないかとは昔から思っていたんだ」

 「そこに今回のカミングアウトで確信を持ったというわけですか…」

 「まぁ可能性としては五分五分くらいを見ていたんだけどね。ちょっとかまを掛けさせてもらったよ」

 「となると僕たちは一本取られたことになるんですかね」

 「はっはっは、そこは年の功というやつだね」

 

 ギルと士郎さんはまるで魔法の話なんかなかったかのようにいつも通りの雰囲気で話を続けている。

 「それで、ギル君からは何か確認しておきたいことはあるかい?」

 

 士郎さんが話の筋を戻しギルにそう聞くとギルは

 

 「そうですね、士郎さんが捜索に同行してくれることに関してはむしろこちらからお願いしたいほどなので問題はないのですが。士郎さんが翠屋で働いている時はどうしましょうか?」

 「ああ、そうだね……じゃあ昼間の間は恭也かもしくは美由希を同行させてくれないかな?」 

 「恭也さんと美由希さんとは高町家で合流すればいいですか?」

 「そうしてくれると助かるね。他にもあるかい?」

 「それなら、最後に一つだけ。……どうしてなのはのことを止めなかったんですか?」

 

 ギルのその質問に対して士郎さんはそれまであった穏やかな雰囲気が嘘だったかのように真剣な顔つきに変わり鋭い眼差しでギルに話しかけた

 

 「そうだね、理由の一つとしてはなのはがいないと対処が難しそうだってのがあるかな。

僕に魔力というものがあるなら代わってやりたかったんだけどね」

 「なるほど、それだけですか?」

 「どちらかというともう一つの理由の方が大きいかな。俺にお願いしてきたなのはの顔がね、もう絶対に手伝うって決めた顔をしていたからね」

 「それでも士郎さんが言えばあきらめさせることができたんじゃないですか?」

 

 そこで士郎さんは表情をふっとゆるめて言った。

 

 「いや、なのはの表情が桃子が俺の護衛の仕事をやめさせようとした時と同じだったからな。あんな表情を見せられたら降参するしかないよ」

 「なるほど、これ以上ないほど納得できましたよ。それでなのはのことは士郎さんがしっかり守るということですか?」

 

 聞きたいことは聞き終えたのかギルがそう言って士郎さんを茶化すと士郎さんは少しおどけながらも真剣な調子で

 

 「なのはだけじゃなくギル君たちだって守ってあげるよ。御神の剣は人を守るためのものだから」

 

 こうして俺たちの原作介入は初日から大きく変化を見せながらもとりあえずの幕を閉じたのだった。

 




次回の更新はできるだけ早く上げたいとは思っていますがおそらく二月頃になりそうです。

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