目指せポケモンマスター in ハルケギニア   作:タナショー

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2話連続投稿。



2体目.魔法の杖、ゲットだぜ!

 

 

あの後兄さんに発見してもらい、家に帰る頃合いになった。

 

けど帰ろうとするとイーブイが涙目ですり寄ってくるので、兄さんに頼んで一緒に連れて帰った。

 

そのまま家で飼う事を父さんと母さんに聞いたところ、「自分でしっかりと世話をするように」とあっさりと許可が下り、イーブイは晴れて俺たちの家族の一員となった。

 

 

「なんだ、おまえメスだったんだ」

 

「ブイ」

 

何とこのイーブイ、メスのようだ。

 

確かイーブイってオスメスの割合が7:1でオスの方が多かったはず。

 

珍しいなと思いつつ、この子につける名前を考える。

 

が、数秒の内に前世でポケモンをしていた時に良く使ってた名前があったのを思い出した。

 

「んじゃ、おまえのなまえは【イヴ】だな」

 

「ブイブイー♪」

 

お、気に入ってくれたか。

 

嬉しそうにじゃれつくイヴの頭を優しく撫でてやる。

 

「これからよろしくな、イヴ」

 

「ブイー!」

 

 

 

 

 

**************************************************

 

 

 

 

イヴが家族となって1年半が過ぎ、俺も5歳となった。

 

え、時間が飛びすぎだって?

 

いいじゃん、特にこれと言った出来事が起きたわけでもないんだし。

 

この1年半って言ったら……、イヴと遊んで、イヴとご飯食べて、イヴと昼寝して、イブと遊んで、イヴとご飯食べて……(以下エンドレス)。

 

こんなもんだし。

 

 

 

 

 

 

『おめでとー!!』

 

誕生日、今日は身内だけで簡単な誕生パーティーを開いてくれた。

 

今日は無礼講と言う事で、家に仕えている執事やメイドさんも一緒に立食形式でご飯を食べる。

 

普通の貴族じゃ考えられないけど、家は昔からこの形でしているとのこと。

 

爵位の割には小さめの我が家ではあるけど、それでも料理人や庭師も含めると30人近くの人居て、みんな俺の事を祝ってくれている。

 

色んな小物やクッキーみたいなお菓子を手渡され、それにひとつひとつお礼をしていく。

 

イヴも俺の横で一緒に頭を下げ、みんなもそんなイヴの頭を撫でたりしている。

 

 

 

イヴは今ではうちのマスコット的存在になっていたりするので、こうやって使用人の人たちにも良くかわいがられている。

 

 

 

 

そして、兄さんたちからもプレゼントをもらったんだけど……

 

アル兄さん、5歳児の誕生日プレゼントに人を殴り殺せそうなくらい分厚い学術書ってどうかと思う。

 

ルージュ姉さn「お姉ちゃん、でしょ♪」……お姉ちゃん、護身用のナイフってアル兄さんとは違う意味でどうよ。

 

しかも何、「キレ味は保証するわよ、フフッ」って。一体何を斬ったのさ?

 

オール兄さんこのスカーフ、なんか変な力っぽいもの感じるんだけど? しかも「巻くと素早く動けるぞ。ただし一つの魔法しか使えなくなるけど」ってそれ何てこだわりスカーフ?

 

 

 

いつも通りだけど突っ込みどころ多すぎるぜ、兄姉よ。

 

 

 

「最後は私だな。ブラン、これを」

 

父さんはそう言って1冊の本を手渡してきた。

 

アル兄さんのに比べると随分と薄いこの本の表紙には『魔法教本』と書かれていた。

 

「お前も魔法を学び始める時期だからな。これでしっかりと勉強しなさい」

 

「……はいっ!」

 

父さんのその言葉と笑顔に何だか自分も嬉しくなって、力いっぱい返事を返した。

 

 

 

 

 

 

「父さん、話って何?」

 

パーティー終了後、俺は父さんの執務室に呼ばれた。

 

部屋には父さんの他に執事長の補佐役をしているパーガンもいた。

 

父さんに促されて、向かい合う様に来客用と思われるソファーに腰を下ろすと、父さんは早速話を切りだす。

 

「お前が魔法を勉強していくことについて話しておくことがあってな」

 

父さんは、そこでパーガンの入れた紅茶を飲んで一息つく。

 

「まず魔法の講師だが、それはこのパーガンにしてもらう。アルジャンやルージュ、オールもこいつに世話を頼んだ、言わば家の魔法の顧問だ」

 

「分かりました。パーガンもよろしくおねがいします」

 

へ~、パーガン魔法使えたんだ。

 

小さい頃からお世話になっている人の意外な一面に驚きつつも、俺はしっかりと頭を下げる。

 

「はい、こちらこそ宜しくお願いします」

 

 

 

 

 

「とりあえず要件のひとつはそれで、あとひとつはお前の杖のことだ」

 

父さんの合図を受けたパーガンさんは俺の目の前に30サントほどの棒と、いくつかの装飾品を並べた。

 

「まずはこちらで杖に使えるものを用意したから、その中から選びなさい。別にそれを一生使い続けろという訳ではなく、後から自分に合ったものを選びなおしてもかまわん。実際にルージュもそうしてるしな」

 

父さんは、ルージュ姉さんのくだりで少し苦々しい顔をした。

 

まぁ、確かにルージュ姉さんの杖っていつも腰に差してる大型のナイフだからな。

 

あんまり貴族が……というより女性が持つようなものではないのは確かだし。

 

 

 

それはともかく、俺は並べられたものに目を向けた。

 

後から変えられるとはいえ、ここで使い勝手のいいものを選んでも損があるわけじゃないので、良く考えないと。

 

まずは定番の杖を手に取ってみたが、イマイチ。

 

というかこれを持ち歩く自分が想像できない。

 

他にも羽ペンのような小物もあったが、そもそもこれを杖にする理由が良く分からないのでとりあえずこれもボツ。

 

そうして一つ一つ見ていくうちにあるものが目に留まった。

 

「ほう、それにしたのか」

 

その視線に気がついたのか、父さんの確認に頷く。

 

 

 

俺が選んだのは指輪。

 

理由としては、付けていれば杖を持つ必要がないので両手が自由になるっていう事が一つ。

 

後は直感、ていうか手のひらを相手に向けて魔法を放つっていうのがなんかカッコ良さそうジャン。

 

そう言うと、二人は何故か苦笑を浮かべていた。

 

後日理由を聞いたところ、何でも俺とまったく同じ理由でオール兄さんが杖を選んでいたらしい。

 

 

 

 

そのあと、父さんによって杖契約の儀が行われ、数日の間片身離さず持っていれば杖としての契約は完了するとのことで、契約が完了次第魔法の勉強を始めるそうだ。

 

 

 




ポケモン成分がちょっと少なめ。

でもイヴがかわいいから満足!

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