目指せポケモンマスター in ハルケギニア   作:タナショー

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初投稿です。

至らないところもあるかと思いますが、生暖かい目で見守ってください。


1体目.ポケモン、ゲットだぜ!

 

1体目.ポケモン、ゲットだぜ!

 

 

突然だが、俺こと【ブラン・ド・ラングレー】(3歳)は転生者だ。

 

かと言って、ある時良く分からない空間に居る謎の人物から「お前は死んだ、だから転生させる」云々何て事は無かったぜ。

 

前世の記憶なんてなく、あるのはゲームやマンガなどの知識のみ。

 

何歳まで生きたのかは知らないけど、随分と早死にしたか結構なオタクだったっぽいな。

 

 

 

つまり何が言いたいかというと……、他の二次創作に出てくるような財政チートや開発チートなんてものはムリ!

 

それにマンガとかの知識があるからってそれを世に出して作家としてデビューするのも無理。

 

そもそもストーリーの概要ならともかく会話文の細かい所とかまで覚えてるわけじゃないし、そもそも俺には絵心も文才も無い!

 

ホント、他のオリ主たち(あいつら)高スペックすぎだろ。

 

「おーい、ブラン。出かけるぞー」

 

あ、はーい兄さん。

 

 

 

 

 

さて、俺の家『ラングレー伯爵家』はトリステイン貴族としてはかなりの変わり者として有名だったりする。

 

父さんはトリステインの貴族にあるような選民主義的な思想は一切なく、街に出るとたちまち人々が集まる(と言うより群がるだな)ほどの人物だ。

 

それだけじゃなく平民の出な母さんに一目惚れして、一年も通いつめて気持ちを告げ、付き合い始める時も母さんの両親に頭を下げ、貴族としてではなく一人の漢として交際を申し込んだっていう話だ(うちの領内ではかなり有名な話らしい)。

 

 

 

三人いる兄姉だってそれぞれ変わってる。

 

 

 

まず、一番上の兄の【アルジャン】兄さんは現在進行形で父さんと同じことしてる。

 

この間なんかその彼女の父親に「娘が欲しかったらオークのでも狩ってくるような根性見せろ」と無理難題を振られて、バリバリの内政系で虚弱体質なくせに1人でオークの群れに突っ込んでノルマ達成して帰ってきたし(ちなみにアル兄様は水のドットだったりする。愛の力パネェ……)。

 

 

ちなみに今はその彼女【ローラ】さんと仲良く交際中のようです。

 

 

 

 

その次の姉である【ルージュ】姉さんは、魔法学園を卒業してすぐに軍に入隊。

 

それから軍人として活躍していて、一部では『烈風の再来』とまで言われてるらしい(そう言えば最近水のスクウェアになったって手紙が来たな)。

 

美人で性格も良いんだけど、俺に対しては異様にネコ可愛がりしてくる。

 

 

ついでに「お姉ちゃん」と呼ばないと恐ろしい事に……(ガクガク)。

 

 

そんなうちで最も変わり者なのが俺のすぐ上の兄である【オール】兄さんだ。

 

オール兄さんは旅が好きで、杖と少しの荷物だけ持って数カ月ほどふと居なくなるなんていうのがざらにある。

 

で、帰ってくるときには色んな土産話やら物を持ってくるんだけど、いつもいつも火竜山脈みたいな人が寄り付かない秘境のような所に行ってるみたいなんだ。

 

この間なんかサハラまで行ってエルフとダチになってきたって言ってたし(拳で語り合ってきたらしいェ)。

 

普通ならパニックになって最悪異端審問に掛けられるような事なんだけど、うちの家族は笑って済ましてたし。

 

 

 

 

 

 

 

今日はそんなオール兄さんに連れられて近くの森(と言っても人の余り寄り付かないような所なんだけど)に遊びに来ていた。

 

 

で、現在俺は……

 

「にーさーん! どこ行ったんだよー!」

 

森の中で1人迷子中だったりする。

 

ていうか、あのバカ兄俺の事なんか考えずに1人でさっさと進みやがって。

 

兄さんはもうすぐ20になる大人だから良いかもしれないけど、こちとら3歳になったばっかじゃ!

 

あんな速さについていけるかっ!?

 

 

 

 

兄さんを探して歩きまわているうちに、少し開けたところに出た。

 

そこには薄暗い森の中とは違って陽が差し込み、別空間のようになっていた。

 

そんな中で目に入ったのは、1つのタマゴ。

 

近づいてみると、タマゴは茶色とクリーム色の2色になっていて、大きさも今の俺がやっと抱えられるんじゃないかっていうくらい大きい。

 

「おまえ、なんのタマゴなんだ?」

 

感動のあまり、無意識にそう声をかけてタマゴを撫でる。

 

すると、タマゴの頭頂部にピシッと軽くひびが入った。

 

思わず手を離したが、そのひびは段々大きくなって遂にはタマゴ全体に広がり、次の瞬間にはタマゴ全体が光に包まれた。

 

思わず目を逸らしたが光はすぐに収まり、代わりにそこにいたのはそのタマゴから生まれたと思わしき1匹のモンスターだった。

 

茶色い毛並みで先のとがった耳、首周りにはクリーム色のふわふわな毛に覆われて、尻尾も同じようにふわふわでタマゴの柄のように茶色とクリーム色の毛に包まれていた。

 

その子は残った殻の破片を落とすように頭を振ると、俺に視線を固定してちょこんと首をかしげる。

 

 

 

 

「えーと…………イーブイ?」

 

「ブイっ♪」

 

ポツリとその子――イーブイの事を呼ぶと、イーブイは嬉しそうに鳴き声を上げて飛びかかってきた。

 

咄嗟に受け止めるが、3歳児の体では受けきれる事は出来ずそのまま後ろに倒れる。

 

イーブイはその状態で、俺の胸元に頬ずりをしている。

 

何か知らんけど随分と懐いてくれてるようだ。

 

 

 

「あ~、よくわからんけどとりあえず・・・・・・イーブイ、ゲットだぜ?」

 

「ブイーっ♪」

 

 




ブイズは至高、異議は認める。

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