鬼畜な独裁者の物語   作:おは

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今回は短め


建国

トロピコ 大統領宮殿

 

バルビエールは前線から届けられたリザーマンの卵で作られた、目玉焼きをみながら激怒をしていた。リザードマンのタマゴの目玉焼きが目の前にあるというのに、なぜ激怒しているかというと、バルビエールに届けられた卵は二つ

それなのにバルビエールに目の前の目玉焼きは一つのタマゴしか使っていなかったからだ。

 

「ペヌルティーモ君、どうゆうことだこれはなぜタマゴが一つしかないだ。私の目がおかしくなかったら卵は二つだったはずだろう」

 

「プレジデンテ。もう一つのタマゴは調べた結果生まれる少し前だったのです」

 

「ペヌルティーモ君それはそれでいいとは思わないかね。直ちにそのままの姿でもってくるんだ」

 

まずは、目玉焼きからだ。黄身の味は...薄いな。これなら鶏の卵を食べたほうが上手く感じる。白身はどうだ...これも淡白だ...美味くないな、卵を食べている気にはならない。

 

「ペヌルティーモ君、この目玉焼きを下げたまえ」

 

次はこのタマゴだ。羽化直前のリザードマンはどんな味が生んだ。さっきみたいな淡白な味だけは勘弁してもらいたいな。まずはこの出来上がりつつある肉から食べていくことにしよう...うん、血の味がほのかに甘い肉のうまみを引き立ていな。次はタマゴにたまったスープを飲もう程よい酸味と肉から出たうまみがちょうど良く混ざり合っている。これはいい食材だ、残念なのはリザードマンは絶滅させなくてはいけないことだな。

 

リザードマン帝国 首都

 

「諸君、よくここまでがんばってくれた。君達の英雄的活躍でリザードマンの首都までやってこれた。ここの戦いに勝利することができれば、君達は永遠にリザードマンの脅威を排除できる。」

 

アラノが装甲車にたって演説を終えると15万に膨れ上がったコンキスタドールたちの歓声が地にとどろいた。

 

この様子だと演説は成功だな。いよいよ最後の戦いだこの戦いに勝てば家族の元に帰れるぞ。早くここを陥落させたいな。陥落といえば頼んだ攻城用の重砲の到着はまだなのか!

 

「攻城用の重砲の輸送を頼んだはずだがそれはいつ届くのだ」

 

「閣下、問い合わせてみたところ。現在原油掘削のための資材運搬用に輸送トラックが回されたいるため、重砲の運搬は後回しにされているとの事です」

 

ふざけるな。攻城砲の大事さは普通に分かるはずだろうアレがあれば、犠牲を大きく減らせてもっと早く陥落だってさせられるんだ。

 

「ないのか、いつものように迫撃砲隊に支援射撃するように命令してくれ」

 

二日後

 

アラノ率いるコンキスタドールたちはリザードマンの強力な抵抗を撥ね退け首都の内部に進入することになった

 

 

「将軍、見たまえアレを!私の事を襲った風の刃と同じものだ。私を下ろせ下ろすんだ」

 

シェナイターはそう騒ぎながら装甲車の外に躍り出た。

 

 

「殺せ!殺せ!トカゲどもの親玉を打ち殺せこいつらの血で死んだ友たちの魂を慰めるだ!」

 

そうだ殺せ!あんなに可愛かった。レナをひどい姿になるまでもてあそんだ連中の親玉には当然の報いだ!

 

黄金のリザードマン達を囲んでいた一人リザードマンに向けて剣を振ったとき、乾いた銃声が宮殿の中に響くと剣を振った男が頭から血を流して倒れていた。

 

「殺すなんていけないよ。こいつらは私のサンプルだ大事に扱わなくては」

 

シェナイターはMP40から立ち上る白い煙が顔にかかる中周囲をぞっとさせる笑顔で話し掛けた。

 

ダメだ、ダメだアレに戦いを挑んじゃダメだ、僕達のことをゴミを捨てるように殺すだけだ。僕達とは違う世界を生きている存在だ戦っちゃダメだ。レナごめんよ君の復讐を成し遂げられなくて、でもいつか必ず。いつか必ず成し遂げるから

 

シェナイターの異常さに気づいたソドルドたちが武器を下ろすと

 

「お前何者だ。なぜここにいる羽虫共と違って我らに敵意を示さない」

 

黄金のリザードマンの中でも赤い鶏冠をはやした存在が黄金の瞳を細めながらたずねた。

 

「私の言葉が分かるのかすばらしい!まったくもってすばらしいのだが、その質問に答える前に一つ質問をさせてもらいたい。あの風の刃を作り出したのは君たちかい?」

 

シェナイターは嬉しさに体を震わせながら黄金のリザードマンに聞き返した

 

「たかが羽虫ごときがこの俺に聞き返すとはだがわが家族のみを守るためだ質問に答えよう。いかにもあの風の刃はわが一族と大いなる存在に契約によって作り出されたものだ」

 

黄金のリザードマンはシェナイターの顔よく見て話すべきだった。もし、よく見て話してみればシェナイターの不気味にゆがんだ歓喜の表情を見て、ここで死ぬことによってこれから始まる悪夢の日々を回避できたろうから。

 

 

一週間後

 

本来ならば解散するはずのコンキスタドールたちは陥落させたリザードマンの首都にそのままの規模でとどまりトロピコ等から派遣されたバルビエール直属の歓迎隊の指導を受けていた。

 

まったく、あの男は俺の帰宅の邪魔をするのが大好きだな。今度はこの場所で重大発表を行なうから待機しろだとォ。まったくふざけやがって。それにしてもあの男自分の写真が大好きだな、もうあちこちに自分の写真とスローガンをベタベタと貼ってやがる。

 

そう思いながらアラノは歓迎隊の指導の下各部族の楽器を使って演奏の練習をしている部下達の姿を見ていた。

 

「閣下、大統領閣下がこの場所に来るまで30分をきりました、準備を整えたほうがよろしいかと」

 

副官から報告を受けたアラノは軍服を着替えるためにアジテーターが扇動を始めた広場から臨時司令部に向かっていった。

 

30分後

 

バルビエールのパレードの先頭が見え始めた。その先頭はバルビエールがやってきたことを示すために特注のサイレンを載せたジープだ。そのジープが過ぎ去ると彼を守るために武装をした装甲車、そしてその後ろに各部族の族長達が色鮮やかな衣装を着てオープントップの白塗りの高級車たちが煙を上げながら道を走り、そして最後に年代物のZIL-111が周囲を威圧しながら広場に入っていった。

 

アジテーターによって興奮の絶頂にあった広場は鳴り響くように「我々は望む真に偉大なる者の統治を!」「我々は望む圧制者を打ち破る剣を!」「我々は歌う真に公平たるものバルビエールのために」「トロピコに愛と平和を!」「バルビエールは栄光のシンボル」「バルビエールは平和の使者!」「救国の人バルビエール!愛の使者バルビエール!建国の人バルビエール!神の化身バルビエール!」

 

とバルビエールをたたえる言葉を発していた。その中を緑色の軍服にリザードマンの皮で来たマントを羽織ったバルビエールが一歩また一歩と元はリザードマンの皇帝のものだった玉座に近づいていった。

 

「諸君、ありがとう君たちの忠誠はよーく伝わった。私がこの地に光臨したのは一つの使命を果たすためだ。それはこの世界に蔓延る亜人どもを駆除することだ。だがそのためには今のトロピコの体制では不十分だ。そこで私はここに人類帝国の建国とその初代皇帝に就任することを宣言する」

 

ここにバルビエールによる人類帝国が建国された。




これで序章は終わり次の話から原作に介入していくよ

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