いや、本当に待たせてごめん。
とりあえず十六話の改稿と十七話の連続投稿します。
いろいろ書き替えたけど、まあ、満足の出来です。
体が重い。頭がクラクラする。
まるでたくさん走った後みたいな疲労感のせいで、手足が言うことを聞いてくれない。
床に散らばった割れたお皿の破片を拾いたくても、倒れた体を起こしたくても、ぜんぜんだめ。もうやだ動きたくないって、弱い私の体がストライキを上げていた。
原因なら、わかっている。
―――『
アルフさんに連れてこられた、アパートの部屋の奥。
苦しそうにベッドに伏したフェイトちゃんを見た時、私は即座に『聖母の微笑』を使うことにした。
迷いなんてなかった。フェイトちゃんのことを聞いた時から、この力を使うことを決めていたのだから。
私に宿る、治癒の魔法。
どんな傷でも怪我でも、きっと治してみせる。
優しい光に包まれて、徐々に穏やかな寝顔になっていくフェイトちゃん。その逆に、私は全身に溜まっていく気だるさや息苦しさで冷汗を浮かべていた。
それだけで、フェイトちゃんがどれだけ苦しんでたが分かる。
私が使う『聖母の微笑』には一つだけ代償があり、たった一回使っただけでものすごく疲れるのだ。それも、怪我が酷ければ酷いほど、その時に持っていかれる体力は比例して大きくなっていく。
指を切ったり、転んで膝を擦りむいた程度の怪我なら、ちょっと走ったくらいの疲れですむけど、それ以上だと、例えば命に関わるような大きな怪我だと、治した瞬間に気を失ってしまうくらいの負担がかかる。
おかげではやてちゃんには、なるべく極力・・・・・・いや、やっぱ使ったらあかんって言われてるけど、前に子猫のアインを直した時も、今回のことから学んだんだけど、どうも私は怪我してる子をみると放っておけないみたい。
んー、なんでやろうか?
ちなみに、幸いにも隣で固唾を呑んで見守っているアルフさんは、フェイトちゃんに夢中で私の様子には気づかなかったようだ。
そのことに、ちょっとだけほっとした。
これで、心配をかけずにすむ。
あとは、ちょっと私が頑張ればいいだけの話。
頑張るのは、昔から得意だった。
頑張った先に、私が求めるものがあると考えるだけでやる気が出る。
だから、二人が美味しそうにご飯を食べてくれて、笑顔になってくれて嬉しかった。
明日もちゃんとご飯が食べられるようにと、多めに作ったシチューを全部食べてくれたのも、ちょっと困ったけど、満足そうな二人の顔を見ていれば喜びに変わった。
でも、そこまでが限界だった。
(・・・・・・ああ、失敗してもうた)
そんな風に反省する。
本来なら、フェイトちゃんを治した時点で帰るつもりだったのに。
お話とかいっぱいしたかったけど、この『聖母の微笑』を使ったらどうなるか、それを考えればさっさと帰るべきだったのだ。
そうしなかったのは、二人の食生活事情を知ってしまったから。
ううん、そうじゃない。それはきっかけで、やっぱりフェイトちゃんを放って置けなかった。
だって、この子は・・・・・・たぶん―――、
「ゆとりッ!?」
驚いたような声がした。フェイトちゃんだ。
お皿が割れた時に大きな音がしたから、その音を聞いて駆けつけてくれたのだろう。
フェイトちゃんは表情を驚きから焦燥と不安の混ざったものに変え、こちらに駆けつけてくれる。お皿の破片を踏まないように注意したかったけど、その前にフェイトちゃんは私の元へとやってきていた。ちゃんと散らばる破片を避けたあたり、心配は杞憂だったみたいだ。
フェイトちゃんの手を借りて、なんとか体を起こす。
まだ上手く力が入らないから、フェイトちゃんに寄りかかるような体勢になってしまった。
「ゆとり、大丈夫!?」
「フェイトちゃん・・・・・・ごめんなー、お皿割ってもうた・・・・・・」
「そんなのいいから! それより、ゆとりの方が心配だ!」
続いて、アルフさんも台所に飛び込んできた。
私の様子を見てアルフさんも驚いたようだったけど、すぐにこちらに来て、私に向かって手を伸ばしたかと思ったら、次の瞬間には私の体を軽々と持ち上げていた。
人生二度目のお姫様だっこだった。
「フェイト、ゆとりは私が運ぶから」
「うん。お願いアルフ」
「あの・・・・・・私は、大丈夫やから・・・・・・」
「そう言う事は、一回自分の顔を鏡で見てからいいな」
あまり大げさにしたくなかったから、つい強がりを言ったのだけど取り合ってもらえなかった。
アルフさんに抱えられたまま運び込まれたのは、さっきまでフェイトちゃんが寝てた寝室だ。
殺風景な部屋にあるベッドに私はそっと降ろされた。
アルフさんらしくない、まるで乱暴に扱えば壊れてしまうと思っているような慎重な扱いに、すごく気遣われているのを感じて申し訳なくなる。
「とりあえず、ここに寝てておくれよ。今水を持ってくるから」
そう言って部屋から出て行くアルフさんと入れ替わるように、真っ白なタオルラケットを持ったフェイトちゃんが部屋へと入って来た。
「ごめんね。シーツとか汚れちゃってるから、代わりにこれを使って」
そう言うフェイトちゃんの視線は、部屋の隅にくしゃくしゃにまとめられたシーツと布団に向けられる。
やっぱり女の子だから、自分の汗やら血やらで汚れているのが気になるんだろう。
でも、あんなにしたら皺ができちゃうなんて、この期に及んで主婦魂が疼いたけど、心配そうに額に浮かんだ汗を拭いてくれるフェイトちゃんの姿に口を閉じることにした。
そうこうしている内に戻ってきたアルフさんから水を受け取り、全部飲み干したところで一息つく。
ベッドで横になれたことと水分を取ったことで、ちょっとだけ楽になれた。
「さっきまで元気だったのに、どうしちゃったんだよ、ゆとり?」
「それは・・・・・・その・・・・・・」
「あのレアスキルのせいだよね?」
アルフさんの質問に答えたのは、フェイトちゃんだった。
初めて会った時に私はフェイトちゃんの前で『聖母の微笑』を使い、その効力と代償の二つをとも見せているし、力の説明も簡単にだけどしてある。
そして、今この状況で私がここにいて自分の怪我が治っている事を考えれば、すぐに私が『聖母の微笑』を使ったって答えに行き着いたはずだ。
フェイトちゃんの話を聞いて、アルフさんが顔色を真っ青に変える。
自分の行動の結果が今の状況だと分かり、責任を感じているのかもしれない。頭の上の獣耳もしゅんと倒れてしまった。
「ご、ごめん。私、知らなかったんだ・・・・・・。もしゆとりが倒れるって知ってれば、こんな無茶なことをお願いしなかったよ」
「私もごめんなさい。もっと早く気づいてればよかったのに・・・・・・」
二人とも、すごく落ち込んだ様子で頭を下げてくる。
私の体調不良の原因が自分たちだと思って、自分の事を責めているようで、私はそんな優しい二人の姿を見て苦笑するしかない。
だって、そもそも二人には何の落ち度もないのだから。
「二人とも、顔上げて。私は大丈夫やから」
「でも・・・・・・」
「さっきのはちょっと立ち眩みがして転んでまっただけやから、そんなに心配せんでもええんよ? 苦しかったけど、二人のおかげでだいぶ気分も良くになったし」
ほら、と二人を安心させようと起き上がろうとして、同時に伸びてきた四本の手に押されて私は再びベッドへと戻ることになった。
「まだ顔を青くさせてるくせに、何言ってるんだい」
「そうだよ、ちゃんと休まないと」
「体調が良くなるまでいていいからさ。なんなら、泊まっていくかい?」
真剣な眼差しに、私は大人しくベッドに横になるしかない。
呼吸を整えるくらいには楽になったけど、やっぱりまだ本調子には程遠いから。でも、私はいつまでもここにいるわけにはいかないのだ。
部屋に飾られている時計が差す時刻は、午後の八時を回っている。
連絡はしてあるけど、でも、きっと心配してる。
「ううん、私帰らんへんと」
「え? でも、・・・・・・」
「別に遠慮しなくてもいいんだよ。ゆとりはフェイトのことを助けてくれたんだし、何日でも泊まってってくれてもいいんだよ?」
「うん、ありがとなー。せやけど・・・・・・家族が、家で待っとるんよ」
私の携帯に着信はない。
ちゃんと帰るから心配しないでって書いたメールを、はやてちゃんは信じてくれて家で待っていてくれているんだと思う。
森で遭難して、アインとフェイトちゃんと出会った日から、たくさんはやてちゃんに心配させてしまった日からあんまり日も経っていないにも関わらず、だ。
これに答えられないなら、はやてちゃんのお姉ちゃんだって胸を張れない。
「そっか。ゆとりには妹がいたんだったね」
「うん。ごめんなー、フェイトちゃん」
いろいろと複雑そうで心配そうだったけど、フェイトちゃんはそれだけで納得してくれた。
ご主人さまがそう言うならと、アルフさんもそれ以上は引き止めようとしなかった。ただ、すごく名残惜しそうにしてたけど。
「それじゃあ、ゆとりは私が送っていくよ。家はあのバス停の辺りなんだろ?」
それからちょっと休んで、私の顔色がだいぶ良くなってきたのを見計らって、アルフさんがそう切り出した。
「う、うん。そうやけど・・・・・・」
「おっと、遠慮とかしなくてもいいから。もともとゆとりをここに連れてきたのは私なんだし、それにまだ歩くのもきついだろ? 無理しなくてもいいよ」
「それなら、私も・・・・・・!」
「だめ。フェイトはまだ病み上がりなんだから、ちゃんと休まないと」
私の考えを先読みしたのか、アルフさんが言葉を被せてやんわりと抑えこんできた。どうもまだ手足がぷるぷるしてるのを見抜かれていたらしい。
ついでにフェイトちゃんも何か言おうとしてたけど、そこはアルフさんにきっぱりと断られてしゅんとなっていた。
フォローした方がいいかなって思ったけど、私の『
・・・・・・しょんぼりしたフェイトちゃんがちょっとだけ可愛いって思ったのは秘密だ。
今から帰ると、夜の九時を過ぎてしまうかな?
このフェイトちゃんの家がどこら辺あるか分からないけど、たぶん、少なくとも私の家から駅一つか二つ分くらいしか離れていないはず・・・・・・だよね?
それと、ちょっと心配なことがもう一つ。
「私の家って、どこら辺なんやろうか?」
「・・・・・・」
「あの、アルフさん?」
「アルフ、どうしたの?」
「・・・・・・・・・・・・あっちだよ。うん、確かあっちだあっち、えっとあっちって北だっけ?」
「タクシー呼んだ方が良さそうやね」
「・・・・・・うん。ごめんね、役に立て無くて」
「ごめんよぉ! いろいろ余裕なかったからゆとりの帰り道とか考えてなかったんだよ!? ち、ちゃんと責任もって私がタクシー捕まえるから許しておくれよ二人ともぉ!!」
いや、予想はしてたんだけどね。
私もつい今しがた帰ろうと思ってようやく気付いたくらいなんだし、フェイトちゃんの事でいっぱいいっぱいになってたアルフさんが他の事を頭に入れれなくなってたことくらい。
ちょっと意地悪やったかな? って反省した頃にはすでに遅く、額に汗と目に涙をにじませたアルフさんはすごい勢いで部屋を出て行った後だった。
きっと宣言通りにタクシーを拾いに行ってくれたかもしれない。
・・・・・・私の携帯電話からタクシーが呼べることは、うん、黙ってよう。
玄関のドアが閉まる音を聞いて、フェイトちゃんと顔を見合わせてつい苦笑してしまう。
それからようやく私たちは今日初めて、二人っきりの状態でお互いに向き合う。
アルフさんがいなくなって途端に静かになってしまって、けど、おかげで頭の中でぐるぐると回っていたものが少しだけ整理することができた。
おかげで、私がこれから何を話したいのかがわかった気がした。
・・・・・・とりあえず、
「それじゃあ、フェイトちゃんもちょっと横になろ?」
「え?」
「ほら、私の隣空けたからここに寝てもええんよ?」
「ん? え? う、うん、お邪魔します?」
体を横にずらして一人分の隙間を空ける。分かりやすくベッドをぽんぽんと叩いて誘導してあげると、フェイトちゃんは何故か戸惑ったような顔をしつつも、首を傾げながらベッドに寝てくれた。
よかった。いくらなんでも、人様の家のベッドをいつまでも独占してるのは気まずかったし、フェイトちゃんも疲れてるはずだから、早めに休んで欲しかったんだ。
そうして二人で同じベッドで横になりながら見詰め合ってると、いろいろと想っていた事が溢れてきそうになる。
「今さらやけど・・・・・・なんやか、変な感じやね」
「変なって?」
「ほら、私たちってまだ二回くらいしか会ってないのに、一緒にご飯食べて、こうやって一緒のベッドに寝ながらお話しとるし。なんでこんなことになっとるんやろうかなーって」
「うん。私も同じこと考えてた」
「初めて会った時なんて、バルディッシュさんで襲われそうになったし」
「し、してないよ? 襲うつもりはなくて、ただちょっとおど・・・・・・ごめん、そのことは、その、ちょ忘れてほしいかも」
また会えた事が嬉しくて、でも、思い返してみると全然現実味のないことばかりで。
春の終わりに出会った魔法使いの女の子。
その子と一ヶ月も経たない内に再会して、一緒のベッドに寝ながら話をしている。
最初から最後まで、なんて不思議な縁なのだろうか。
「・・・・・・今日は、ごめんね。ゆとりに迷惑ばかりかけて」
「ううん、別にええよ。困ったらまた頼ってくれてもええんよ? ご飯も作ってあげるし、怪我だって治してあげるよ?」
「えっと、それはさすがに申し訳ないというか。特に最後のはもう頼るわけにはいかないし」
そんな事を言わずに頼って欲しい。
どうしてそう思うのか分からないけど、いや、本当は分かってるんだけど、ただただ私は彼女の力になりたいって思ったんだ。
だって、この子は・・・・・・少し似てるから。
「フェイトちゃんは・・・・・・」
「?」
「フェイトちゃんは、お母さんのこと、好き?」
「っ!?」
今までリラックスしていたフェイトちゃんの顔が、急に強張る。
いきなり話が変わって、それが確信に近いものかもしれない話題だからしょうがないのかもしれない。
「ど、どうして・・・・・・?」
「アルフさんにね、聞いたんよ。なんでフェイトちゃんがあんなに傷ついてまでジュエルシードを集めてるのかって。集めて何がしたいのかって」
「そう、なんだ・・・・・・」
呆然と呟きの声が漏れる。
もしかしたらアルフさんがその事を喋ったのがショックなのかもしれない。
でも、どうしても聞いておかなきゃいけなかったんだ。そうしないと、取り返しのつかないことになるような気がして。だから、アルフさんに怪我を治してあげたんだからと無理にでも聞かせてもらった。
悪いのは私だから、できればアルフさんを怒らないでほしいな。
「お母さんのためやったんやね」
「・・・・・・うん」
全部知ってるって分かったのか、観念して頷いてくれた。
それから、色々話してくれた。
フェイトちゃんのお母さんのこと。お母さんが難しい研究をしていて、そのお手伝いをしていること。研究にあの青い石が、ジュエルシードが必要になったこと。それでこの世界に来て、たくさん危ない目に合いながらも順調に集めて行った事。
それと・・・・・・、
「そなんや。フェイトちゃんのお母さんってすごい人なんやなー」
「うん。母さんは私の自慢なんだ」
フェイトちゃんがお母さんのことが大好きだってこと。
それでやっぱりって確信した。やっぱりこの子は似てる。
私の大切な妹に。そして、昔の私に。
「だから、私がジュエルシードを全部集めれればきっと・・・・・・、また昔みたいに笑ってくれるって思うんだ」
「そうなんや・・・・・・でも、」
「?」
「でも、それって悪いことやないの?」
「・・・・・・え?」
「私は、フェイトちゃんの願いが叶ったらええなって思うよ? せやけど、ジュエルシードを集めるのとか、ここで魔法使うのとかってあかんことやないの?」
「・・・・・・それ、はっ!」
「えっと、これもアルフさんから聞いたことなんよ」
「・・・・・・」
怪我をするほど危ないってこと。しつむかん? って人に怪我をさせられたこと。
でも、その原因はフェイトちゃん達にあって、悪いのは自分たちだってこと。
その事もアルフさんは教えてくれた。包み隠さず、真剣に、全部。
この世界とは別の世界がたくさんあって、その世界たちの安全をかんりきょく? っていう警察みたいな人たちが守ってて、そのかんりきょくの人たちが決めた法があって。
フェイトちゃん達は今、とてもダメなことをしてるって。
・・・・・・話を聞いててもほとんどわからなかったけど。
「また危ないことするん?」
「・・・・・・うん」
「これからもっと危なくなってくるんやないの?」
「・・・・・・そう、だけど。でも、大丈夫、だよ。アルフもいてくれるし」
「うん。そやけど、アルフさんは反対みたいやよ? 喧嘩しとったよね」
「・・・・・・う」
私が台所に引っ込んだ後に、二人が言い争いをしているのを知ってる。
あらかじめ、アルフさんがフェイトちゃんを説得し様としている事と、そのために少し二人にして欲しいって事を聞いていたからだ。
まあ、あんな大きな声で話してたら、いくらなんでも聞こえてきてしまうのだけども。
「それに悪いことだって・・・・・・続けるの?」
「・・・・・・」
「悪いことやってわかってて、それでもまだジュエルシードを集めるん?」
「・・・・・・っ」
「こらって怒られるだけじゃ済まないんやよね。その事もわかっとるんやよね?」
「・・・・・・わたし、は」
「白い魔法使いの子を傷つけてでも、叶えなきゃいけない願いなんやよね?」
「~~~っ!!!???」
見開かれた目が、次の瞬間にはぎゅって閉じられる。
唇を強くかみ締め、体を縮めて、これ以上話をしたくないって全身で強調している。
だから、私は待つ事にした。
それ以上は言わないし、それ以上は追求しない。
もともと私はフェイトちゃんからしたら部外者だ。偶然出会って、偶然会話が出来て、偶然再会する機会ができて、ただそれだけの関係で。
こうやって私がフェイトちゃんにいろいろ言っちゃうのは、間違ってるんだと思う。
あなたには関係ないって、黙ってって言われたらそこまで。そんな希薄な関係なんだと思う。
それでも・・・・・・
「・・・・・・私、が悪いって」
そんな薄っぺらい私達の関係に、繋がりを感じていてくれて、
「・・・・・・私が、間違ってるって」
今もこうやって、必死に私への答えを探してくれている彼女の姿に、私が嬉しく感じてしまうのは、間違ってるのかな?
「そんなこと、わかってるよぉ・・・・・・」
ぽつりと漏れた言葉は、後悔と罪悪感で溢れていた。
ヤ「まさか二年以上空くとは・・・」
ゆ「私、すごい冒険してたね」
は「そうやね。一時期はフェイトちゃんのお母さんにそげぶしてたもんなー」
ヤ「迷走の連続だった。一度書き終えた時に気付く『あ、ゆとりちゃん戦えない設定だったわ』に心が折れた」
ヤ「勇気の削除した件ともう一つ報告」
ゆ・は「?」
ヤ「仕事辞めた」
ゆ・は「「!?」」