暗闇からのキボウの歌   作:skav

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定期テスト

「みんな集まったようね、じゃあ始めるわよ!」

再び戦線メンバーが前線基地に集合した。

予想通り周りから変な視線が飛んできた。

・・・・恥ずかしい。

「今回はいよいよ天使との総力戦よ!!」

総力戦か・・・相当激しい戦いが繰り広げられるんだろうな。

俺は勝手にそんなイメージを作り上げる。

「総力戦ってなんでこの時期に?」

音無が軽くおびえた様子でゆりに聞いた。

あいつも俺と同じようなことを考えているんだろうな・・・。

「期末テストがあるからよ!!」

・・・・はい?

「今回の作戦は天使にわざと赤点を採らせて彼女の地位を一気に落とすのよ」

そう言うコトね・・・。

俺のイメージが音を立てて崩れ去っていったような気がした。

「今回の作戦は少数で行うわ。参加するのは日向君、音無君、竹山君、高松君、綾崎君、大山君、そして私よ」

「ちょ、ちょっと待て!!俺はこんな格好で参加しないといけないのか!?」

「そうよ、目立っていいじゃない。・・・何か文句でも?」

「・・・・・アリマセン」

「あと、岩沢さんにも”協力”してもらうからそのつもりでいてね?」

「・・・・・・分かった・・・」

岩沢さんも参加させられるのか・・・。

そんなことより教室内に執事がいて、なおかつテスト中ってどんな光景だよ・・・。

違和感がありすぎて逆に笑えてくるんですけど・・・。

「それじゃあ、オペレーション・スタート!」

 

 

 

 

 

この学校では定期テストのとき席順をくじ引きで決める。

天使の席は右側の列の前から二番目、俺たちの内誰か一人が必ず天使の席の前に座らなければならない。

「つまり、引かなくてはいけないのは一番の番号よ!」

一人目日向:はずれ

二人目大山:はずれ

三人目高松:はずれ

四人目音無:はずれ

「・・・・ったくだらしないわね・・・次!綾崎君!!」

「はいはい・・・・」

ただでさえこの服装は目立つ、作戦の邪魔にはならないのかな?

そんなことを考えつつくじの入った箱に手を突っ込む。

「34番・・・はずれだ」

「おいおい、綾崎まではずれかよ〜どうすんだよゆりっぺ!?」

「心配ありません、僕が引きました」

竹山が自信ありげに1番のくじを差し出した。

「じゃあ、竹山君は天使の回答と偽物の回答をすり替えて」

「了解しました・・・ですが、無回答だと怪しまれるのでは?」

「じゃあ、適当な職業でも書いておいて」

「名前はどうしましょうか?」

「天使じゃ・・・だめよねさすがに・・・」

「ああ、あいつの名前なら知ってるぞ」

みんなが一斉に俺の方を見てきた。

「な、なんだよ・・・」

「・・・・何でもないわ。綾崎君、天使の名前は?」

「立華奏だ、立つ華に、奏でるの奏だ」

「立華・・・・奏・・・」

「?、どうしたんだ音無?」

「ん?・・・ああ、いや・・・何でもない」

変な奴だな・・・。

「ともかく、竹山君は偽の答案の作成とすり替え、他のみんなはテスト終了直後に何かアクションをして周りの注目を集めること」

・・・なかなか難しいぞ。

いや、今の俺の服装はかなり目立つ格好だ。ちょっと何か言うだけで気を引けるかもしれない。

・・・・・よし。

「あの、ゆり・・・俺g」

「じゃあ、まずは日向君お願いね」

「お、俺かよ!!?」

いや、ゆり、日向よりも俺の方が今は向いているだろう!

「ゆり、俺が日向の代わりn」

「じゃあ、みんなくれぐれもまじめに回答はしないようにね、消えるわよ」

・・・・もういいや。

かくして、天使の地位を一気に落とすための重大なオペレーションが始まった。

「・・・・・はぁ〜」

先が思いやられる・・・・。

 


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