暗闇からのキボウの歌   作:skav

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球技大会

「突然だけど、球技大会に参加するわよ!!」

久しぶりに呼び出されたと思ったらいきなりそんなことを言われた。

「参加するのは良いけど、俺たちって登録されてるのか?」

「もちろん当日参加よ」

・・・・だと思った。

「種目は野球とバドミントンでバドミントンに関しては男女のペアで参加ね」

野球・・・・は、無理だな・・・俺野球やったことないし。

そうするとバドミントンだが・・・どうするか・・・。

「ちなみに岩沢さんと綾崎君はすでに正式登録されてるわよ」

「・・・一応確認するけど種目は?」

「バドミントンよ」

俺たち戦線のメンバーは球技大会の存在を今日知った。

そうすると、戦線以外の誰かが俺たちを登録したことになる。

しかも勝手に登録できるほど高い地位を持ってる人間だ。

となると該当する奴は一人しかいない。

「・・・・・立華の奴」

「?何か言った?綾崎君。」

「いや、何でもない」

「そう・・・・、じゃあ、各自参加種目は任せるわ。後は練習するなりして頑張ってね!」

「・・・頑張ってねって、ゆりっぺは参加しないのか?」

日向の意見ももっともだ。

球技大会なんてアイツがいち早く飛びつきそうなイベントじゃないか。

「私はここでみんなの頑張る姿を拝見してるわ」

「そうは言ってるけどただ高みの見物をしたいだけだろ?」

音無よ、みんなそこは分かってるんだ。分かってるからあえて言ってないだけなんだよ。

「そ、そんなこと無いわよ!?じゃ、じゃあみんな頑張ってね。優勝したチームには何かしら報酬を与えるから」

報酬ね・・・・・悪い予感しかしない・・・。

「そんなことだから、これで解散!!」

・・・・とりあえず講義室に戻ろう。

 

 

 

 

 

「球技大会にゲリラ参加することになった」

「「ええ!?」」

まあ、驚くのも無理はないよな。

「先輩、種目は何があるんですか?」

「バドミントンと野球だ」

「ああ、だったら私は入江とバド・・・・」

「ただし、バドミントンは男女ペアじゃないと参加できないらしいぞ」

「じゃ、じゃあ、綾崎先ぱ・・・・」

「残念ながら俺は何者かによって岩沢さんとペアで正規の登録をされてるんだ」

もちろんバドミントンでなと、付け加えた。

「そ、そんな〜」

「心配するな関根、今戦線メンバーが野球のメンバーを探してさまよってるぞ」

窓の方を見るとちょうど音無と日向とユイだっけ?がいた。

「じゃあ、ちょっくらメンバーを集めてくるわ〜。関根〜入江〜着いておいで〜」

ひさ子はがしっ!と二人の肩をホールドしてそのまま引きずりながら出て行った。

「せ、先輩〜」

「た、助けてください〜」

スマン、入江・関根。俺は(物理的に)力になれそうにない・・・。

「・・・・さて、岩沢さん?」

「ひゃ、ひゃい!!?」

分かりにくかっただろうが、最初から岩沢さんはずっと俺の隣にいた。

今日初めて聞いた声が裏返った返事とは・・・。

「練習するか」

「あ、ああそうだな」

岩沢さんはいそいそとギターを肩にかけた。

「・・・って何してるの?」

「何って、練習するんだろう?」

質問を質問で返された・・・。

「練習は練習でもバドミントンの練習を言ってるんだけど・・・」

「・・・・・・」

ぼん!

お、赤くなった・・・。

「ほら、完熟リンゴになってないで早く体育館に行こうぜ」

「・・・・・うん」

ん、素直でよろしい。

 

 

 

その後、体育館で少々騒ぎが起きた。

・・・・岩沢さんぐるみで。


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