ペルソナ 本能の牙-alive-   作:新世界のおっさん

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オリジナルなストーリーのため、お見苦しい所が多くなるかもしれませんが……是非暖かい目で見守ってくださいませ……。

因みにソードアート・オンライン 本能の牙-instincts-と繋がりがありますので、そちらも見るとより楽しめますが、見なくても読める感じに書いていきます。



北の国から

 

>……ふと沈んでいた意識から覚める……。

 

>ここは……ホテルの客室?……嫌いじゃない。

 

「ようこそ……我が<ベルベットルーム>へ……お目覚めですかな?」

 

>……ベットから起き上がると、部屋の中央のお洒落な丸テーブルを前に、鼻と耳の長い奇妙な老人が豪華なソファーに腰かけて待っている……

 

「フフ……どうやら貴方は中々に変わった定めをお持ちのようだ……どうぞ、そちらのソファーにお掛けください」

 

>そう言ってニヤリと笑う老人……自分でも不思議なくらい不審に思わず、そのまま彼の示した向かいのソファーに腰かける。

 

「私の名は<イゴール>……お初にお目にかかります……」

 

>イゴールと名乗る老人は此方に一礼すると、ここについて説明を始めた。

 

「ここは夢と現実、精神と物質の狭間にある場所……本来は何かの形で<契約>を果たされた方のみが訪れる部屋……貴方には、近くそうした未来が待ち受けているのやも知れませんな……」

 

>……そう言われてもピンとは来なかったが、とりあえず頷いておく……するとイゴールは表情をそのままに、話を続ける。

 

「どれ……まずは、お客様の名前をうかがってもよろしいですかな?」

 

>……名前……か、名前は。

 

>……<稲生(いのう)>……<稲生織(いのうしき)>……それが名前……。

 

「ふむ、なるほど……では貴方の未来について、少し覗いてみると致しましょう……<占い>は、信用されますかな?」

 

>彼が手を翳すと、タロットの大アルカナのカードが浮かび上がり、自動的に混ざる……そして静かにカードが並べられる。

 

「常に同じ様にカードを操っておるはずが、まみえる結果はそのつど変わる……フフ……まさに人生のようでございますな」

 

>そう呟き笑ったイゴールは、並べたカードを一枚ひっくり返す。

 

「ほう……近い未来を示すのは<刑死者>の正位置……どうやら貴方には辛い<試練>が待っているようだ……そして、その先の未来を示しますのは……」

 

>続けて二枚目を返す。

 

「<悪魔>の逆位置……<出会い>、そして<覚醒>を示すカード……なるほど、実に興味深い……」

 

>此方を見つめる、彼の瞳が煌めく。

 

「貴方はこれから向かう地にて苦難と試練を受け……そこで何者かと出会い、<目覚める>事を課せられるようだ」

 

>くつくつと笑うイゴールは心底楽しそうな顔をした……少し理解に苦しむが、別に嫌いじゃない。

 

「近く、貴方は何らかの<契約>を果たされ、再びこちらへおいでになる事でしょう……それは、もしも定めが歪んで<目覚める>事が出来なければ、貴方の未来は閉ざされてしまうやも知れません……私の役目は、お客人がそうならぬよう、手助けをさせて頂く事でございます」

 

>タロットカードをしまい、再び彼は此方を見据える……しかしふと何かに気づいた様な顔をする。

 

「おっと、ご紹介が遅れましたな……こちらは、<シャルロット>……同じくここの住人でございます……つい最近此方に来たばかりですがな……」

 

>イゴールが左手で示すと、いつの間にか此方に礼をする水色の長い髪と瞳の人形の様に可愛らしいメイド姿の女の子がいた。

 

「……シャルロットです」

 

>丁寧に礼をするシャルロット、しかしその表情はずっと無表情で、常に笑顔のイゴールとは正反対に感じる……。

 

「詳しくは追々に致しましょう……ではその時まで、ごきげんよう……」

 

「……ごきげんよう」

 

>そう言って二人が礼をすると、周囲が段々暗闇に包まれていき、何も見えなくなっていく……。

 

>再び意識が……沈んでいく……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>しばらくして、眩しさを感じて目が覚めた。

 

>……どうやら飛行機で寝過ごしたようだ……。

 

『まもなく新千歳空港に到着、着陸致します……予め忘れ物の確認や、お外しの方は改めてシートベルト着用をお願いします』

 

>眠い目を擦り欠伸をして、アナウンスに従いつつ着陸を待った。

 

>……到着後は、降りてくる沢山の乗客の中、上手くすり抜けて外にたどり着いた……。

 

「おお、どうやら迷わず来れたみてぇだな!……と、もう子供って年でもねぇか……<ニューロリンカー>もあるしよ!」

 

>……ふと笑いながら近づいてくる男性が一人……彼は待ち合わせ相手であり、両親の友達でもある<壷井遼太郎>だ。

 

>とある輸入商社のお偉いさんらしく、忙しいにも関わらず直々に迎えに来てくれた……幼い頃から世話になっている、とても尊敬出来る人なのだ……。

 

「ふふふ……北海道は良い所だぜぇ、織もすぐに気に入るさ!さぁ来いこい、車に乗りながら久しぶりにゆっくり話そう」

 

>その言葉に頷き、付いていく……遼太郎さんの車は、最新世代の<ホンダ・フィット>……日産車が好きな遼太郎さんらしい選抜だった。

 

「さぁてと、まさか16でもう一人暮らししたがるたぁ……あんなにパパやママに甘えてた奴が……」

 

>……彼は赤くなって抗議する此方をみながら、ニヤニヤしつつからかってくる……ああ、恥ずかしい……悔しい。

 

「ハハハッ!すまないって、そうかっかするなよぉ……おっさんのちょっとしたお茶目なんだからよ?」

 

>そう言って笑った遼太郎さんは車を動かす、静かなエンジン音を聞きながら揺られる……こう言うの、嫌いじゃない。

 

「んで、実際どうなんだぁ?何で一人暮らしよ?……こう言っちゃなんだが、まだ甘えてたって誰も文句はいわないぜ?」

 

>……分かっていた、だからこそ離れたかった……あのままだと頼れる両親に甘えすぎて、<自分>と言うものを見失ってしまうと感じたのだ……事実半ば失いかけていたからこそ、自ら決断したのだが……。

 

「ああ~……なるほどなぁ、出来すぎる親ってのも厄介なんだな……だがよ、そのお陰で織も二人に似て聡明っつぅか、しっかりしてるって思うぞ?普通16で、高校から一人立ちしようとは思わねぇよ」

 

>遼太郎さんにそう言われると悪い気はしなかったが、多少買いかぶりだとも思った……自己評価としては<外身はマシだが中身は空っぽ>だからだ。

 

「ま、そんな思いつめんなよ?辛かったらいつでも頼ってくれ!俺は織の味方だかんな!」

 

>……眩しいな、やっぱりこの人は憧れの人だ……こんな良い人がほんのつい最近結婚したばかりだとは……周りの女性は見る目が無さすぎだと感じる。

 

「……45にして晩成婚……長かったぞ……おめぇはこんな風になるなよ……いや、今の俺は幸せだけどよ」

 

>彼の切なげな表情を見ると、此方まで切ない気持ちになる……気分を変えるため、窓から外を見ると<ニューロリンカー>を着けた若者達がせっせと農作業をしている、やはり技術の進化は素晴らしいものだね……。

 

>いや、これから行くのは<札幌>だからこう言う事はしないけど……命を育む仕事は興味深くはあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>長い道のりを抜け、札幌駅がある中央区にやって来た……東京に比べればまだマシだが、人通りは凄い……流石は北海道一の都市。

 

「よぉし、あったぞ!あれがおめぇの住むアパートだ!」

 

>遼太郎さんの声に反応し、前を見ると大きめでかなり綺麗なアパートがあった……新築なのだろうか?

 

「おうよ、最近出来たてほやほや!俺が知り合いのコネ使って情報かき集めて良い物件見つけたんだぜぇ?感謝しろよ?」

 

>選択肢:

 ありがとうございます!

 神に感謝……。

→ずっと前から好きでした。(要:勇気5)

「ブフゥッ!おめぇは何言ってんだ!」

 

>いけないいけない、思わず本音が……じゃなかった失言を、ありがとうございます。

 

「お、おう……どういたしましてだ」

 

>少し気恥ずかしそうに、はにかむ遼太郎さん……思わずクスクス笑ってしまう。

 

「ったく、人をからかえる位には心に余裕があんなら大丈夫だな……んじゃもっと一緒にいてやりたいが、俺にも家があるから俺は帰るな……ああ、手続きは全部済んでっからよ、これだけ大事に持っとけ」

 

>遼太郎さんから<自室のカードキー>を貰った……。

 

「それから、これは俺のニューロリンカーのアドレスだ」

 

>そして<遼太郎さんのアドレス>を手に入れた……大事にしよう。

 

「んじゃまたな!何か困ったらメールしろ、暇なら答えるからよ!」

 

>車越しに手を振って彼は行ってしまった、これで真に一人になった……今さら何を躊躇う、部屋の荷物を整理しよう。

 

>そう思いアパートの入り口に向かうと、突然の衝撃。

 

「あっ……」

 

>……どうやら通りすがりの女の子にぶつかったらしい、すぐに謝るのが礼儀と言う物だろう。

 

「こちらこそごめんなさい……?あ、あの、もしかしてここの入居者の方ですか?」

 

>彼女は首を傾けると、そう言葉を掛けてきた……そこは素直に頷いておく。

 

「そうでしたか!良かった、私以外入居した人居なかったらどうしようかと……」

 

>どうやら今の所入居してるのはこの子と自分だけの様だ……しかし良かった?

 

「じ、実はうっかりカードキーを部屋に忘れたまま外に出ちゃって……管理会社も今込み合ってるらしくて電話しても出ない物で困ってたんです……」

 

>涙目の彼女は本気で困っているようだ、何とドジな子なんだろう……助けなきゃ。

 

「あ、ありがとうございます!えっと、私<春日都(かすがみやこ)>と言います、貴方は?」

 

>……同じ場所に住んでるよしみだし、仲良くして損はないか……稲生織です。

 

「……稲生織さん、素敵な名前ですね!よろしくお願いします!」

 

>互いに握手した後、カードキーを使い扉を開けて中に入る……いよいよ新生活、頑張らなきゃな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステータス(段々更新されます)

名前:稲生織

性別:???

年齢:16才

 

アルカナ:無し

所持ペルソナ:無し

 

勇気:5

知識:3

根気:2

寛容さ:3

伝達力:2

※最大値は10

 

武器:素手

体防具:Tシャツ

アクセサリー:シルバーリング

 

所持アイテム:自室のカードキー

 

アドレス:壷井遼太郎

 

ミディアムヘアーの茶髪で茶目。

凛々しい顔立ちの人物だが、今の所は性別不明。

体格が華奢で、背は170cm……ますます深まる謎。

男なのか、貧乳なのか、P4の直斗の同類なのか……そこが問題な主人公……この人物の明日はどちらだ。

 





はい、と言うわけで見切り発車です(笑)
特にプロットも無しなので、更新は本能の牙本編やextraほど早くはないので、ゆったり書きます(´・ω・`)

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