ゼロの使い魔 その刃は何が為に。   作:刀龍

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使い魔ってのは。

『あー、起きてくれ。ご主人様ー。』

 

皆様おはようごぜぇます。ルイズお嬢様の使い魔サムエル•ホドリゲスでごぜぇます。

 

というか、まぁ使い魔とやらになったのは昨日なんだがな。

 

俺はどんな因果かしらないが、この魔法やらなんでもありの世界に来ちまったって言うのが昨日の話だ。そんでもってそこでいまだに夢の中にいるルイズっていうお嬢さんの使い魔とやらになってしまったらしい。

 

え?使い魔ってなにやるんですかってか?

 

まぁルイズ曰く。

 

『使い魔って言うのはね。ご主人様の身の回りの事を、まずするのよ。洗濯とか掃除とか、あとご主人様を朝起こしたりね』

 

これぐらいはまぁできるわな。

 

おっと、まだあったっけな。

 

『それとね、秘薬の材料とかを探したり欲しいものを準備したりするのも仕事なのよ』

 

秘薬とは、まったくファンタジーな響きなこった、聞いてみたところ腕とか生えてくる秘薬とかあと一目惚れ薬やら。本当なんでもありなんだな。

 

それと最後にこうも言われたな。

 

『あと一番大切なのが、ご主人様を護ることよ、もちろん敵とか獣とかからね。あんたは…まぁ囮ぐらいにはなりそうね』

 

ってくくられたけどよ。これについては自信があるほうじゃねぇかな、まぁ素手よか刀があれば文句なんもねぇけどな。そもそもこの世界に刀っていう概念があるのかもわからんが。それに魔法やらはよっぽど便利らしく武器などはあまり使われないらしい。

 

俺としては刀一本あれば、魔法つかいだろーがなんだろーが負ける気はあまりしないがな。

むしろやってみたいぐらいだ。

 

そんで、このお嬢さんは一通り説明した後、ソッコーでベッドインして寝ちまったよ、こっちに履き終えたパンツやらなんやら脱ぎ捨ててな。貴族ってのはどんな教育してんのかわかったもんじゃないな。

 

ともかく、今俺は使い魔の仕事の一つご主人様を起こすっていうお役目を忠実にこなしてるわけなんだが、このお嬢様はなかなか、起きない。

 

『はぁ。困ったもんだ。』

 

 

私の意識は近くにいる誰かの独り言で覚醒しはじめた。

一瞬このおじさんはだれ?と思ったけれどよくよくみてみたら昨日召喚した私の使い魔だった。

まったく私が起きなくて困っているようなので仕方なしに起きてあげることにした。

 

『ふぁぁ、起きたわサム。着替え用意してくれる?』

 

『おっ、やっと起きたか、着替えねそこにおいてあるよ』

 

『そぅ。んじゃあ着せて』

 

 

ん?と彼は聞き間違えたかな?といった表情をしているので、もう一度行ってあげることにした。

まったく貴族の常識もしらないのね…私の使い魔は。

 

『だから、早く着せてって言ってるのよ。貴族は自分では着ないの、こんな事常識よ?』

 

 

って言ってるんだが、この小娘は。俺からしてみたら目から鱗が落ちてきやがやった感じがする。

それも沢山な。まさか着れないのではなくて、着ないとは、貴族ったぁどんな暮らしをしてんのかね想像がつかん。

 

『本当に着せるのか?』

 

『えぇ、本当に着せるのよ早くしてくれる?』

 

もうよくわからないが大人しくしたがうことにする。

郷に入りてはなんとやらだ。用意しておいたこの学校の制服らしきものを着せ、靴下もはかせ、おまけに顔まで洗ってやったぜ。

こいつらもしかしたらなんにも出来ねぇんじゃねぇのか?なんて言葉が口から出て来そうになるが。それはまぁ、生き返してもらった礼だ、押しとどめておくよ。

やっと一通り準備が終えたので今から朝食に行くらしい。

この調子じゃ食わせて、なんて言われそうだな。使い魔ってのも楽じゃねぇな。

 

『なに考えてるの?サム?早く行くわよ』

 

『はいよ。ご主人様と』

 

どうやらこのルイズが住んでいるところは、学校の寮らしく他にも沢山の生徒がすんでいるらしい。

その証拠に隣のドアからも生徒が出てきた。

その瞬間ルイズの目が鋭くなったのを俺は見逃さなかったね。

そりゃもう、親の仇を見るような目で。とは言ってもここは女子寮、一体どんな奴なんだと思い見てみると…。

そこには昨日見た赤髪の巨乳美女がいた。いや近くで見ると本当に凄い。

出るとこは極限まででて、いらないとこはまったくない。グラビアアイドル顔負けのプロポーションをもっている。その肌の色が褐色と言うのも野生的な色気を解き放っている。

と言っても俺は慎ましき純大和撫子が好みだから全くもって興味はないがね。

 

『あら、おはようルイズ』

 

『おはよう、キュルケ』

 

お色気ムンムンな姉ちゃんの名前はキュルケと言うらしい。

おまけに顔も美人と来たもんだ。

 

『その後ろの殿方は?もしや昨日召喚した使い魔かしら?』

 

『えぇ、そうよ』

 

『へぇー…なかなか良い男じゃない。殿方?どう?ルイズの使い魔などお辞めになって私の使い魔になりませんこと?』

 

おいおい、こっちに色目使って誘って来やがったぞ。挑発的なその目に完璧にわざと見せてる強烈な胸の谷間。

多分普通の男ならコロっといっちまうだろうが、ごあいにくさまそんな女は山ほど見て来てるんでね。美人にはなんか裏がある、と相場は決まってるんだ。丁重に断らせて頂くよ。

 

『いや、すまんが今の主人はこちらのお嬢様なんでね。悪いが断らせて頂くよ』

 

『あら…それは残念。』

 

頬を赤らめて残念とわざとらしくやっているが、本当に恐ろしく男に慣れてる嬢ちゃんだこと。

ふと隣のルイズを見てみると、ざまあ見ろとでも言わんばかりにべーっと舌をキュルケに向かって出している。

 

『あらやだ、これだからトリステイン女は自分の男が取られるとおもったらこれよ。器が知れるわね。』

 

『ふん!なによ。ゲルマニアの女はみーんな淫乱お色気ばかりだわ。野蛮で無理やり人もの奪おうとするんだから意味がわからないわ』

 

『なによ!ルイズ。』

 

『なぁに?キュルケ?』

 

んー!!とバチバチとお互いに火花を飛ばしあっている。

なんでこんなに仲が悪いのか、それにはキチンと理由があるらしい。

ルイズ曰くツェルプストー家、まぁようするにキュルケの家と、ヴァリエール家こちらはルイズの家だな、両家とも領地も国も隣同士らしく、古い昔からドンパチやっていたらしい。

それとルイズのひいひいひいおじいさんの許嫁がツェルプストー家に奪われたりその前のおじいさんやらお婆さんやらも奪われてるらしく、ルイズが言うにはツェルプストー家は常識しらず節操のないお色気貴族だそうだ。

まぁ本人のキュルケに言わせるとツェルプストーの家訓は恋に生きるのよ!!だそうなのでルイズの暴言など気にもしていないようだ。

 

『まぁ、私は心が広いからこれ位にしとくわ、またねルイズ。後ろの殿方もまた、よろしければ一度夢とお金の国ゲルマニアにいらしてくださいな。このキュルケがご案内いたしますわ。』

 

と決めゼリフを言い放ち颯爽と立ち去って行った。

その時に後ろに大きな火蜥蜴が着いて言ったのをみてルイズが、『なんであいつはサラマンダーなのよ…』と恨めしそうに呟いていた。そーいや使い魔ってのは本人の属性で出てくるらしいがキュルケは二つ名は微熱だから火なんだよな?だから火蜥蜴。

んじゃあルイズは何属性なんだ?俺は火でもなんでもない。まぁ深く考えるだけ無駄か。

 

『ルイズ、朝飯はいいのか?』

 

『あっ!そーね。あのお色気野郎のことは置いておいてご飯食べに行かないと、行くわよサム。』

 

『へいへい。』

 

ルイズはキュルケの事を嫌ってるようだが、キュルケは嫌って意地悪してると言うよりかは友達が可愛くてからかっているに、近い気がするがな。まぁ、なんでもいいさ。

そんにしても…腹減った。

 

 

『なんだ…ここは』

 

 

それがこの学校の食堂をみて思わず出ちまった言葉だった。

まさしく豪華絢爛って言葉が似合う食堂だ、金ピカなタイルに彫像やらなんやら。

料理もクリスマスにしか見たことない料理が選り取りみどり。

てか貴族ってのは朝からこんなもん食べるのか?あー。腹減った。

 

『さっ。私は食べてくるからサムはここで待ってて』

 

『はい?俺のはないのかい?』

 

『もちろんあるわよ。はいこれ。』

 

と渡されたのはほんの一切れのパンと薄そうなスープだった。

 

『使い魔の食事なんてこんなものよ?もらえるだけありがたいと思いなさいね。』

 

と渡したらそうそうと行っちまいやがった。

にしても…これだけかよ。はぁ…ついてないな。まぁ仕方が無い。

と割り切るしかない。

 

ふとルイズを見るとなんかブツブツ言いながら食事を食べ始めた。

まぁ、本来質素な食事をしているけどよ。これは質素過ぎやしないか?お嬢様よ。

 

全く。これから先はどうなるのやら。

 

 

 

あー。腹減った。

 


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