紅の流星   作:河灯 泉

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イベント、終わったね。

結構前にね!

うん。少しくらいは悪かったと思っていないこともない。
だからあえてこう書こう。

 待 た せ た な

 ちなみにイベント中の資源変動がこちら。

~開始時~
油55605  鉄67148  バケツ2503
弾58781  ボ47867

~E-4完了時~
油52103  鉄77360  バケツ2510
弾55651  ボ55808

始めてから終わるまでの9日で減るどころか増える鉄とボーキに恐怖。

というすげぇどーでもいい事後報告でした。

短いけど本編、どぞ。


覚醒と再開

「う……」

 

 目を開けると真っ白な天井が見えた。

 

「知らない天井DA☆……ってのはもう古いよね」

 

 まぁ、新しく代わりになるようなものもないけど。

 

「あ、お目覚めなのですか!」

 

 ぱたぱたという足音を立て、金茶色の髪をした少女がやって来た。

 

「……誰?」

 

(いなずま)なのです!」

 

「テレズマちゃん?」

 

「い・な・ず・ま、なのです!」

 

「あぁそうだったね、ごめんごめん。ぷらz」

 

「怒りますよ?」

 

「サーセン!!」

 

 彼女の後ろに般若が浮かんで見えた。

 あ、危なかった。

 魚雷を一本手に持ってるあたり隠れ武闘派なのかもしれない。

 

 ……普通に持ってたら隠れてないじゃん。

 

「起きたのー?」

 

「病人がいるのに騒いじゃ駄目なのです!」

 

 電ちゃんの後ろからまたぱたぱたと足音が聞こえてくる。

 

「へー。もう大丈夫そうね」

 

 顔を覗かせたのは電ちゃんによく似た活発そうな少女。髪は……樺色かな?

 

「ん? うん。貴女は?」

 

(いかずち)よ! かみなりじゃないわ!」

 

「ミカヅチちゃん?」

 

「ちょっとだけ惜しいわ! いかずちよ!」

 

「うん、わかった。ナルカミちゃんね」

 

「なんで離れたの!?」

 

 うーん。あえて言うなら、なんとなく?

 

「ま、それだけ言えるならもう問題ないわね」

 

「うん。ここは、保健室?」

 

「なんで学校? 目的としては間違ってないけど」

 

 学校……学徒……うっ、頭が。

 

「ちょ、ちょっと。大丈夫なの? どこか痛む?」

 

「な、なにか欲しいものでもあったら言うのです。だから……」

 

 頭を抱え込んだ私を心配してくれる雷ちゃんと電ちゃん。

 

「大丈夫。ちょっと昔を思い出しただけだから」

 

「そう? 無理はしないで、頼っていいのよ? むしろ頼って。頼りなさい。いえ、いっそ無理矢理にでも頼らせようかしら……周りから仕掛けて外堀を埋めてそこを私が……」

 

「あ、雷ちゃんの悪い癖が始まったのです」

 

 なんか途中からぶつぶつと呟いてトリップしていく雷ちゃんを生暖かく見守る電ちゃん。どこか不穏な感じがするんだけど止めてくれないの?

 

「なんだ。微笑ましい光景じゃないか」

 

「あ、司令官さん!」

 

 仕切りのカーテンを躊躇無くシャーッと開ける志賀乃さん(提督でも司令官でもみんな好きなように呼んでいるので私も適当に呼ぶことにする)。

 私が着替え途中とかだったらどうするつもりなのかな。

 テンプレよろしくぶん殴るよ? もちろん本気のアーム付きで。

 

 ってアームがない! コンテナもなんもない!

 

「私の艤装は?」

 

「あー……それについて、いくつか言っておくことがある」

 

「ん? はい」

 

 志賀乃さんの目がちょっと怖くなった。

 マジおこなの?

 

「全力を出せとは言ったが事故を起こせとは言っていない」

 

「……はい」

 

 それは私も反省しているつもりだ。

 いけると思ったんだけどなー。

 

「だが、そのおかげで耐久テストをするまでもなく実戦と実用に耐えうる性能であることが証明された」

 

「うん」

 

 急造品でもちゃんと働けるのは当然です。彼が細かく調整してくれていたから。

 

「それと、ラング。お前に紹介したい人……人? がいる」

 

 なぜに疑問系?

 

 と考える間もなく、志賀乃さんの肩に登る妖精さんがひとり。

 

「やあ。僕だ」

 

「マイ技術中尉!?」

 

 このマイは私のご主人様的なmyでもある。

 

 ……はいごめんなさい嘘です違います。

 

 でも、中尉を想うこの気持ちに偽りは、ない。

 

「事故ったお前を回収して艤装を外そうとしたらこのマイさんが出てきてな」

 

「また会えたね、ビグラング」

 

「ちゅぅぅぅぅいぃぃぃ!」

 

 全力のハグをしようと飛び掛ったら志賀乃さんのアイアンクローががががg――

 

「サイズ差を考えろ。圧死するぞ」

 

「痛いです痛いですごめんなさいすいませんもうしませんから放して!」

 

「死なないけどね、この身体だと。痛いのは変わらないけど」

 

「……中尉は、死んでしまったんですか?」

 

 私は中尉を退避させてからの記憶がない。

 爆散……まではしなかったとは思うけど、兵器として死んでしまっていたから。

 他の仲間たちが回収してくれていたはずだけど、その後に追撃があったとか?

 

「いや。僕はたぶん死んではいないと思うよ」

 

「でも妖精さんに転生……? してますよね」

 

「おそらく僕はビグラングの残留思念がオリヴァー・マイの姿をした妖精として意思を持った存在なんじゃないかと推測されるよ」

 

「それじゃあ、私はなんですか? ビグラングの姿をした、なんなんですか?」

 

「わからない。ただ、僕と君は同じ存在だ。見えない線で繋がっていて、どちらかが消える時、もう片方も消える。そんな関係だ」

 

「つまり?」

 

「なんだかよくわからないけどどちらが欠けてもビグラングはビグラング足りえず、ふたり揃ってようやくジオン軍最大のMAビグラングとなれるのさ」

 

「……なんか途中から適当な事言ってません?」

 

 ビグラングがゲシュタルト崩壊しかけている。

 

「……ばれてーら」

 

「どこまでが冗談なのですかねぇちょっと中尉!? 真面目に答えてくださいよ!」

 

「落ち着けラング」

 

 志賀乃さんが押さえつけようとしてきますが、たかが人間の腕力でこの私を止められるとでも――

 

「ぎゅむっ!?」

 

 あっさり制圧された。

 あるぇー?

 

「艤装のない艦娘の力は見た目相応だって知らなかったのか?」

 

「外したのがこれが初めてなの! もう暴れないから放してくれる? 襲われてるみたいでなんか嫌」

 

「あぁ、悪い」

 

 平然と離れ、特に変わらず謝罪してくる志賀乃さん。

 ロリコンでは、ないようだ。

 

 ……誰がロリやねんこら。

 

 こちとら生後………………未完成だけど、生産開始時から数えれば、数ヶ月?

 

 

 

 結論:ロリですらなかったorz。

 

 はいそこ後ろからパンチラポーズとか言ったら憲兵さんにつき出すからね。それもとびっきりガチムチな漢の憲兵さんのところへ。

 

 ……で。なんの話だっけ?

 

 閑話休題?

 ってなんぞ?

 

「ラング……良い呼び名だね」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 略名は中尉にも好評。

 たとえ冗談だったとしてもラングレーって呼んだらその瞬間に対艦ミサイルが飛んでいくのでご注意を。

 

「……とりあえず今日はもう寝ろ。マイ中尉とは話があるからここに置いてはいけないが」

 

「はい。また明日、待ってますよ中尉」

 

「うん。良い子で待ってるんだよ、ラング」

 

「また来るのです!」「じゃあね~」

 

 再び中尉を肩に乗せ、志賀乃さんは電ちゃんと雷ちゃんを両腕にブラーンと引っ提げて歩いていった。

 筋力どうなってるの!?

 

 それとも、地球の人は重力に慣れてるからみんなあれくらい普通なのかな。

 スペースノイドはひ弱で貧弱で虚弱だって?

 まぁ、きっちり分けた上で全体的に見てそう言われると否定できないけど。

 

「はぁ、今日は色々あり過ぎて疲れた……のかな? 疲労感なんて、これもまた初めてだ」

 

 私、初めて尽くしだね。

 生まれたてだものね。

 だから、これから――

 

 

 

 

 

 ――よろしくね、世界。

 

 

 

 こんにちは世界!

 

 よろしくね世界!

 

 ありがとう世界!

 

 

 

 

 

 さぁ、楽しい愉しい艦娘人生の始まり始まり!





世界「歓迎しよう、盛大にな!」

ラング「いや確かに私にも首輪というかチョーカーがあるけどさ」

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