問題児たちと時空間の支配者が異世界から来るそうですよ?   作:ふわにゃん

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これより第二章に移ります。

また更に駄文ですがどうか温かい目で見てください。

*今回は蘭丸はほぼ出てきません。


あら、魔王襲来のお知らせ?
北への招待状


ここは“ノーネーム”本拠内にある図書館。そこで十六夜とジンが泥の様に眠っていた。

 

そこに図書館に飛鳥、耀、リリがやって来た。

 

「十六夜君、起きなさい‼︎」

 

飛鳥は十六夜の肩を荒く揺すって起こそうとする。

 

「おはようお嬢様。じゃあおやすみ…」

 

十六夜は飛鳥を確認するとそれを適当に返し、再び眠りにつこうとする。

 

「起きなさい‼︎」

 

「させるか!」

 

「グハァ⁉︎」

 

飛鳥の飛び膝蹴り(またの名をシャイニングウィザード)を

放つが十六夜はジンを盾にしてそれをやり過ごす。側頭部にくらったジンはクルクル縦回転で吹っ飛び動かなくなる。

 

「ジ、ジン君‼︎」

 

リリは慌ててジンの元に駆け寄る。

 

「おいおい、お嬢様。寝起きにシャイニングウィザードはまずいぜ。俺ならともかく御チビは死ぬぞ」

 

「って僕を盾に使ったのは十六夜さんでしょう⁈」

 

十六夜に突っ込むジン。案外タフである。

 

「ほら、生きてるじゃない」

 

「デッドオアライブ!?というか生きてても致命傷です!飛鳥さんはもう少しオブラードにと黒ウサギからも散々」

 

「御チビも五月蝿い」

 

十六夜の投げた本がスコーンとジンに当たりまたジンは気絶した。リリがまた更に混乱している。

 

「それで…人のの快眠を邪魔したんだ。相応のプレゼントがあるんだろうな」

 

十六夜は快眠を邪魔され、軽く殺気を放っている。飛鳥はそんなの御構い無しと言う様に一枚の手紙を十六夜に突き付ける。

 

「いいからコレを読みなさい!」

 

十六夜は不機嫌ながらもその手紙を読む。

 

「何々……北と東の“階層支配者”による共同祭典“火龍誕生祭”の招待状?おい、ふざけんなよ。こんなことで人の快眠邪魔して側頭部にシャイニングウィザードを決めようとしたのかよ!?それに、なんだよこのラインナップ!?『北側の鬼種や精霊達が作り出した美術工芸品の展覧会および批評会に加え、様々な“主催者”がギフトゲームを開催。メインは“階層支配者”が主催する大祭を予定しております』だと!?クソが!少し面白そうじゃねえか、行ってみようかなオイ♪」

 

「ノリノリね…」

 

まさにノリノリである。

 

「待ってください!北側へ行くとしてもせめて黒ウサギのお姉ちゃんに相談してからにしてください。ほらジン君も起きて皆さんが北側に行っちゃうよ?」

 

「北側……北側だって⁉︎」

 

“北側”と言う単語を聞いてジンは慌てて飛び起きる。

 

「待ってください!まさか本当に北側へ行くつもりですか⁈」

 

「そうだが?」

 

「何処にそんな蓄えがあると思っているのですか⁈それにここから境界壁までどれだけの距離があると思っているのですか⁈リリもこの大祭のことは皆さんには秘密にと………………あ‼︎」

 

「「「秘密?」」」

 

ジンはしまったと言った表情を浮かべて口を手で押さえていた。

 

「そっか…こんな面白そうなお祭りを秘密にされてたんだ、私達。ぐすん」

 

「コミュニティを盛り上げようと毎日毎日頑張ってるのに、とっても残念だわ。ぐすん」

 

「ここらで一つ黒ウサギ達に痛い目を見てもらうのもいいかもしれないな。ぐすん」

 

あからさまな泣き真似をしながらニヤリと笑う問題児達にダラダラと汗を流すジン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黒ウサギのお姉ちゃあぁぁぁぁぁん‼︎大変!」

 

「リリ⁈どうしたのですか?」

 

「あ、飛鳥様が十六夜様と耀様を連れて……………あ、こ、これ、手紙!」

 

『黒ウサギへ

北側の四〇〇〇〇〇〇外門と東側の三九九九九九九外門で開催する祭典に参加してきます。貴女も後から必ず来ること。あとレティシアもつれてくること。

私達に祭りの事を意図的に黙っていた罰として、今日中に私達を捕まえられなかった場合”四人ともコミュニティを脱退します”。蘭丸君はこのことは知らないので多分怒ります。死ぬ気で探してね。応援しているわ。

PSジン君は説明役に連れて行きます。』

 

「あ、あの問題児様方はあぁぁぁぁぁ‼︎」

 

黒ウサギの叫び声が響き渡る。

 

そして何も知らない所で脱退させられかけている蘭丸は不憫である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでこれからどうする?」

 

問題児+ジンは“六本傷”のの経営するカフェの一角を陣取り今後の事を話し合っていた。

 

「北にあるんだからとりあえず北に歩けば良いんじゃないかな?」

 

耀の素っ頓狂な発言にジンは溜息を吐く。

 

「もしかして北側の境界線までの距離を知らないのですね?」

 

「知らねえよ。そんなに遠いのか?」

 

「ではまず、箱庭の表面積が恒星並みだと言うことはご存知ですか?」

 

飛鳥と耀は知らないと言った表情で驚き、十六夜はそれは知っている様でそこまで驚いてはいなかった。

 

「だが箱庭の世界は殆どが野ざらしにされてるって聞いたぜ。それに、大小はあれど町もあると」

 

「ありますよ。ですがそれを差し引いても箱庭は世界最大の都市。箱庭の世界の表面積を占める比率は他の都市と比べ物になりません」

 

つまり箱庭の世界が太陽クラスであるなら地球の13000倍の大きさがあることになる。

 

「ま、まさか恒星の一割くらいを都市が占めてるとは言わないわよね?」

 

「流石にそこまでではありませんよ。比率と言っても極少数になりますし」

 

「そ、それはそうよね。それでここから北側の境界線までの距離はどれくらいなの?」

 

「ここは少し北寄りなので大雑把でいいなら……980000kmくらいかと」

 

「「「うわぉ!」」」

 

あまりの距離に三人は驚愕を隠せなかった。

 

「じゃあ“ペルセウス”の時みたいに外門と外門をつなげてもらうのは……?」

 

「境界門は断固拒否です!あれを起動させるのには相当の額がかかります。それこそコミュニティの全財産を上回ってしまいます」

 

「あーあ。こんな時に蘭丸がいれば簡単に行けたのにな」

 

十六夜が蘭丸を思い出す。

確かに蘭丸なら北側へ行くのには造作もないことだろうが現在彼は不在である。

 

「それにしても蘭丸君は何処に行ってるのかしら…屋敷の中を探し回っても見つからなかったし」

 

「蘭丸さんなら白夜叉様からの依頼で昨夜から“サウザンドアイズ”の方に行ってると思いますよ?」

 

*蘭丸said

 

「くしゅん‼︎…なんだ風邪か?ここ数年引いてないから随分と久しぶりって感じだな」

 

 

 

*蘭丸saidout

 

 

 

「へえ…“サウザンドアイズ”……そうか!送り主である白夜叉の所に行けばなんとかしてくれるんじゃねえか⁈」

 

「そうねどうしてそれを思いつかなかったのかしら」

 

「よし、こうなりゃ“サウザンドアイズ”に交渉しに行くぞゴラァ!」

 

「いくぞコラァ」

 

問題児達は目を輝かせて椅子から立つ。ジンは本日二回目の溜息を吐く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

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