では、神綺の物語.....はじまります。
--side神綺--
やぁ、神綺だ。
東京に引っ越してから3年がたち、俺は今は中3をやっている。こっちに引越してから初めての小学校へ登校した日のことはまだ忘れられない。編入するときは先生が呼ぶまで教室の外で待つだろ?その時の時間が授業の始めではなく休み時間だったため通り過ぎる人達からの好奇な視線が辛かった。あれはまじきつい。だが、いいクラスに恵まれたと思うことがある。編入した時期が6年の11月であり、あと数ヶ月で卒業する...というタイミング。友達やよくある派閥も確立されており、ぼっち確定かと思ったがみんな快く迎えてくれた。
んで、特に問題もなく小学校は卒業。そして、家に近い公立中学校に入学。
小学校から約7割がこの学校に来たからほとんど顔なじみで過ごしやすいよ。
「おーい斎藤」
ん、やっと来たか。
「おぅ。結構待ったぞ彰」
「仕方ないだろ...ちょっと授業でわからない所あったし...」
彼は小林彰(こばやし あきら)。小学校の頃に1番に声を掛けてくれた奴だ。情報集めるのが好きなんだとさ。記者にでもなるのかねぇ。
そして、今日はなんかいい情報を手に入れたらしい。
「んで、どんな情報手に入れたんだ?」
「そうそう、今日はなー。あ、その前に聞きたいことが一つ」
「ん?なんだ?」
「お前は甘いもの好きか?特に和菓子系」
「和菓子ねぇ...落雁以外なら割と好きだな」
「あー...俺も落雁は無理だわ...てかあれ和菓子なん?...んでさ、和菓子好きならいい情報だぞ!実はここの近くに穂むらっていう和菓子屋の老舗があるんだってさ」
ほぅ、和菓子屋か....今まで気がつかなかったな。
「んでんで、これがその地図なんだが見てくれよ。どうだ?遠くはないだろ?」
んー どれどれ...確かに遠くはないな。
「ほー。今日は暇だから行ってみようかな」
「お?早速行くのか?ふっ、今日の情報は流石に見逃せないかな?」
「気になるねぇ...財布の中身には余裕あるし今日行くわ」
「りょーかい。念のため地図渡しとくよ。俺は今日行けないからな」
「わかった。情報サンキューな」
「いいさ、俺も気になってからよ。 じゃぁな、明日その店の雰囲気とか教えてくれよ」
「あいよ、じゃぁな。また明日」
さて、....よし行くか。
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.....結構ひっそりしてるんだなぁ。もっと表通りかと思ったが脇道にあるとは。
さて、中に入るか
ガラガラ....
..........あらら?店員さんいないの?
「すみませーん!」
とりあえず呼ばなければ...
「 はーい!今いきますー!」
よかった。流石に店員さんはいるみたいだ。
「はい!お待たせしました。いらっしゃいませ!」
うぉ元気な店員さんだ。
「すみません。ここに初めてお邪魔したのですが、おすすめってありますか?」
そうなのだ、和菓子屋さんというだけで。何が人気とかなにも知らないのだ。
「そうですねぇ...特に人気があるのはこの..穂むらまんじゅうです!」
穂むらまんじゅう....お店の名前を入れるアタリ相当自信があるんだな~。
「んー では穂むらまんじゅうを6個ください」
「はい!お値段は780円ですー」
んじゃ、1000円でいいや。
「えー、お釣りは220円です。少々お待ちくださいー」
初めてなのに6個も買ったけどだいじょうぶだよな。母さんとかも食べるだろ。
「お待たせしました!」
よし、家で早速食べるか。.....久しぶりにお茶っ葉使ってお茶入れるか。
「ありがとうございました!」
...ほんと元気だな。
閲覧ありがとうございます。