神綺の物語....はじまります。
やぁ、神綺だ。一先ず練習は切り上げて別荘の中で寛いでいる。
「お茶入れてきました~」
お、お茶か。
「先輩もどうぞ」
「あぁ、ありがとう花陽ちゃん」
「そうだ!海未ちゃん達にもお茶持っていくよ!」
お、いいなそれ。
「穂乃果は休んでな。俺はそこまで動いてないから体力は有り余ってるんでな」
「そうですか?ならお願いしますー どのくらい進んでるか教えてくださいね?」
「本人達がOKすればな。んじゃ、花陽ちゃん」
「はい。3人分のお茶です。もしかしたら上に真姫ちゃんもいるかもなので」
「そうだな。...ありがと。行ってくる」
どのくらい進展してるか.....順調だといいが。
.....うーん。静かだ.....どんだけ集中してるんだ....だが西木野はいないし....話し合っている...ってわけではなさそうだな。
ここが海未のいるとこか。
コンコン.....
あれ?返事ないな....場所は...いや、合ってる。
「海未ー?入るぞー」
ガチャ
....あれ?海未は?丁度トイレでもいってんのか?
ん?...なんだ?...『探さないでください』...は?
どういうことだ....っ いや、ことりの所かもしれない。
コンコン....
返事が....ない。まさかっ
ガチャ!
「ことり!?」
......いない。....ん?『タスケテ』...あぁ!?
は?何があったし!?
ヒュゥッ
っ 風だと?窓開いてんのか....カーテン...これって...非常時に降りるための手段...っ
あいつらはどこだ!?
「っ いた!」
よかった.....すぐそこにいて......はぁ。
...俺も降りるか。
スルスル....
「おい!お前ら!こんなとこに集まってどうしたんだ....」
「あ...先輩....」
「探さないでくださいって書いたのに.....」
「.....」
えー....なにこの重症。取り敢えず。
「まぁ、なんだ。取り敢えず中に戻ろう。裏から行けばみんなにはバレないだろ」
「....そうね。...でも、行きたくないわ....」
「...どうしたんだよ....俺に話してみ」
「...実は......」
「スランプ...ねぇ」
しかも3人とも....やべぇな。1人とかならなんとかなるんだが...3人共か....
「今まではあまり気にしないようにしてたつもりだったのですが.....プレッシャーが.....」
「プレッシャー?なんでまた....」
「もし....上手くいかなくて予選落ちなんてって思ったら....進まなくて.....」
「わ、私は別に順調よ!?」
「嘘をつくな、譜面真っ白じゃないか。あれが今回の曲か?」
「ちょっ 勝手に見ないでよ!?」
「強がりはよせ、自分が余計辛くなるだけだ。それとお前たち、1つ言っておく」
「「「???」」」
「もしーだとかifはいくら考えても無駄だ。とにかく突き進むしかないんだから....それに...ことりならもうわかってると思うが....感じたことをそのまま歌詞に、曲にすればいいんだ。だから....ちょっと気分転換をしようじゃないか」
「「「....気分転換?」」」
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「よーし、みんな揃ったな」
「なんなんですか~ みんなを集めて...」
「これから言うぞ穂乃果。実は3人がスランプだと言って落ち込んでな。気分転換をしてみようとな」
「気分転換?」
「あぁ、折角いい天気なんだ。自然散策でなにか思いついたりするかもしれないだろ?」
「おー!」
「それで、だ。流石に1人での行動は遭難の危険性がある。だからスリーマンセルで行おう」
「どうやってわけるの?」
「ちゃんと用意してるさ...ほい、これがくじだ。色が同じ人同士で組んでもらう。さ、引いてくれ」
「よし、全員引いたな」
...絵里、にこ、西木野。海未、凛ちゃん、希。穂乃果、ことり、花陽ちゃん....ほー結構バランス取れてんな。
「さて、んじゃぁ次はリーダーだ。....絵里、海未、穂乃果で行こう。だが、穂乃果1人じゃ危ないから2人でフォローしてな」
「「はーい」」
「ちょっと!?私が馬鹿みたいじゃん!」
「自覚ないのか。驚きだ」
「えー!?」
「そう思われたくなかったらちゃんとしろ....さっき言った3人は地図を出してくれ」
「「はい」」
「...はい」
「よし、.......絵里たちはここを拠点としてくれ」
「わかったわ」
「海未達は.....なんだよ」
海未が目キラキラしてこちらを見ている。
「っ いえ、何でもありません」
「......そう」
こいつなんで.....目線は.......山?...あー なるほど、ドサクサに紛れて登山する気か。
「登山はなしな」
「っ!? なぜですか! はっ」
「やっぱりか....お前山頂まで行く気だろ...」
「そ、そんなことは...ないですよ?」
動揺しすぎだろ....
「嘘つけ...お前以外は軽装なんだから...ちょっと登ったらすぐ帰ってこい。暗くなった時には下にいろ。いいな...凛ちゃん達もそれでいいか?」
「OKや」
「わかったにゃ!」
「そんな.......」
登れるだけいいだろ....
「穂乃果達は....そうだな。ここだ。川が近くにあるしリフレッシュできるだろう」
「おぉ~」
「準備終わり次第行っていいぞー」
「「「わかりましたー」」」「「わかったわ」」
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さーてさて?俺は何をしようか....俺もどこか回ってついでにあいつらの様子見に行くか....
んー空気が澄んでるってやっぱいいよな~
お、あの後ろ姿は....
「おーい!花陽ちゃ~ん!」
「あ!神綺先輩!」
「何してるんだい?」
「お花摘んでます」
お花か....女の子らしいな。
「先輩こそどうしてここに?」
「あぁ、俺は暇だったから散策ついでに見回りだな。途中経過とか気になるし」
「なるほど。あ、これから戻る所なので一緒に行きましょ?」
「そうだな」
「あ、花陽ちゃん!それに先輩も!」
「やぁ、ことり。順調かい?」
「はい!アイデアが浮かんできました!....花陽ちゃん。それは?」
「お花だよー。同じ種類でもみんな個性があるから....なにかヒントにならないかって」
ほぅ。いいアイデアだな。
「わ~!ありがとう!」
「穂乃果ちゃんは?」
「え゛ 穂乃果ちゃんは.....」
「ん?歯切れ悪いな」
「あはは....テント開けてみてください」
「? 開けるぞ」
何があるんだ?
バッ
......は?
「くぅ....すぴー.......くぅ.....すぴー」
「あはは....ずっとこんな感じで....」
「そ、そうか....」
はぁ....やっぱり穂乃果は寝るの好きなんだな。
「まぁ、順調に進んでるならいいさ。んじゃぁ次は海未達のところ行ってみるよ」
「わかりました~」
「作業頑張ってな~」
「はーい!ありがとうございますー」
閲覧ありがとうございます。
今日中にもう1話...いけるかな?