神綺の物語....はじまります。
やぁ、神綺だ。やっと最後の授業が終わったよ。1日で太田先生は復帰できるわけなく、今日も俺一人で授業進行することになったよ。...いや~疲れるわ。特に昨日はずっと穂乃果の頭に手を置いてたから変な体勢になっちゃってさ...今朝はなんともなかったのに今になって体中が痛い痛い....キツいわ。...はぁ。
「神綺先輩!」
んー?
「あー海未か...どうした?」
「あの、今日は穂乃果が風邪で欠席との事なので...お見舞いに行こうかと...あの子が風邪引くのが珍しくて心配なんです」
....理由が理由だけどな。
「...わかった。でもなんで俺にそのことを?」
「神綺先輩もご一緒に....行きませんか?」
「俺も?別にいいが...マスクは忘れるなよ。もう少しで文化祭なんだから」
「わかっています。ことりも一緒に行くとの事なので」
ほぅ。ことりもか。
「わかった。なら少し教員室に寄らせてくれないか?授業進行の報告とかしないといけないから」
「わかりました。ことりと一緒に教員室の前で待ってます」
「あいよ。じゃ、行ってくる」
なにか買ってから行くか?...あいつって何好きなんだろうか。
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「おまたせ。それじゃぁ行こうか」
「はい」「はーい」
「...そういえばさ」
「「?」」
「穂乃果って果物で何が好きかわかるか?せめて好きな果物あげようかと思うのだが」
「...そうですね。何が好きでしたっけ?」
「たしか苺じゃなかったかな?」
「苺か....ありがとうな。先に行っててくれ。苺買ってからそっち向かうから」
「え...私もついて行きます」
「私も」
...そう?
「わ、わかった。ならついて来てくれ。こっちに八百屋があるんだがいいものが揃ってるんだ」
「わかりました」「はーい」
今日はどんなのがあるだろうか...
さて、着いた。
「おー いらっしゃい」
「どうもー いい苺あります?」
「ありますよー?...今日は彼女連れ?しかも2人?...やるね」
「なっ!?///」「あは...///」
「....んなわけ無いでしょう....彼女いない俺に煽りですか?」
怒るよ?俺怒っちゃうよ?
「...鈍いのかい?」
鈍いだって?
「全然?てかどういう意味で言ってます?」
「...わからないならそれでいいさ。それで?苺だよね?こっちにあるから見てちょうだい」
「わかりました」
....はぁ。誤魔化したか。
ここか....んー?このパックのにするか。
「これにします」
「おー いいの選んだね。んじゃぁ袋に入れるから貸してくれる?」
「あ、はい」
後は穂むらに行くだけだな。
「...はい。320円だね」
「...これで」
「はい、お釣り30円。毎度ありがとうね」
「いえ、ここのはいいのばかりなので」
「嬉しいこと言ってくれるね。仕入れるかいがあるよ。....ちょっと後ろの2人。こっち来てくれないかい?」
ん?2人に?
「? はい」「??」
....内緒話ねぇ....?顔を赤くした...何吹き込んでやがる。
「...お待たせしました」「....」
「ん、いいさ。...なに吹き込まれた」
「...////」「////」
「...やっぱいいや。それより行くぞ」
...ほんと何言われたんだよ...
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よーし、ここだな。
「なぁ2人とも」
「っ なんですか?」
「...いや、マスク持ってるか?ないなら上げるが」
「私は持ってますが...」
「...私持ってないです」
ことりか。
「なら...はい、これあげるからつけな。風邪伝染りたくないだろ?」
「ありがとうございます....んっと」
「よし、2人ともしたな。じゃぁ行くぞ」
ピンポーン....
『はい?』
この声は...お母さんか。
「斉藤です。海未とことりも一緒です」
『はーい。今行きまーす』
「こんにちは」
「こんにちは。穂乃果はいますか?」
「えぇ、上にいるわ。...どうしたの?」
「いえ、お見舞いにと。これ、苺です。穂乃果は好きらしいので」
「あら、ありがとうね。海未ちゃん達なら穂乃果の部屋わかるでしょ?案内はいらないわね」
「では...お邪魔します」
「「お邪魔します」」
「じゃぁ苺洗ってくるから」
「あ、はい....んじゃぁ海未。案内頼む」
「はい。行きますよことり」
「うん」
「ここ?」
「はい。ここが穂乃果の部屋ですね」
「んじゃぁ」
コンコン...
『はーい?』
声はいつも通りっぽいな。
「邪魔するぞ」
「っ 神綺先輩!?////」
「....顔赤いのな。また熱上がったのか?」
「い、いいや!?もう良くなりましたよ!?」
「...ならなんで顔赤いんだよ...」
「そ、それは...あはは」
「...はぁ。取り敢えず入るぞ」
「あ、はい。どうぞ」
「...調子はどうですか?穂乃果」
「海未ちゃん!それにことりちゃんも!」
「...珍しいですね。穂乃果が風邪など...」
「あはは....ちょっと張り切りすぎちゃって」
「...それで雨の中階段ダッシュ...か」
「うっ」
「本当ですか!? なんでそんな事したんですか!風邪引くのも当然です!」
「...ごめんなさい」
「ほんとだよ。あのまま俺が通り過ぎてたら道端で倒れてたかもしれないんだぞ?」
「.....」
「えっ 神綺先輩が穂乃果を?」
「あぁ。雨の中トレーニングしてる奴が居たから誰だと思ったらオレンジ髪の穂乃果だ。大急ぎで俺ん家の風呂に突っ込んだよ。...もう遅かったがな」
「...あはは。ごめんなさい」
「...先輩の家...ですか?」
「あぁ、場所的にここよりも俺ん家の方が近かったからな」
「...そうですか」
...あれぇ?海未の様子変わったんだが....
「そういえば穂乃果ちゃん。熱はどうなの?」
おぉ、ナイス話題変え。
「今は...何度だろ。先輩。そこにある体温計取ってもらえますか?」
ん。
「これか? ほい」
「ありがとうございます......そういえばμ'sの練習はどうですか?」
「お前がいないのにできるか。今日は曲を頭に入れてもらうために音楽室を借りている」
「...そうですか」ピピッ
「ん。見せてみろ....おぉ、平熱か」
「お医者さんも今日安静にしてればもう大丈夫だって言ってました」
「そうか。なら明日から学校だな。だが練習はなしだ」
「えー!?」
「えーっじゃない。病み上がり当日にできるか。今日の勉強教えてやるから」
「えー....」
「拒否権はないぞ?また赤点取ったら活動自体できなくなるんだから」
「うー....はい」
ポン...
「え?」
「大丈夫だ。少し休んだくらいで下手にはならないさ。少しは休むことを覚えろ」
「....はい!」
「......」
...ん?
「...どうした?海未」
「....いえ。何でもないです」
「あはは...海未ちゃんも先輩に撫でてもらいたいの?」
え?
「なっ!?////何言ってるんですかことり!」
「んー? ほい」ポン
「っ!?......../////」
大人しくなった。顔真っ赤だけど....
「先輩。私もしてもらいたいです」
んん???ことりもか?
「....ほい」ポン
「んーー♪」
....変な気分だ。
「っ 先輩!ことりばっかりずるいです!」
「....ずるい?」
なにがずるいんだよ....
「っ いえ!..なんでも....ないです」
えー....最近の海未がよくわからん。
「あはは...先輩もういいですよー」
「あぁ.....さて、穂乃果は大丈夫そうだし。俺は帰るぞ」
「なら、私も」「私もー」
「帰るの~ じゃぁまた明日~ 今日はありがとう~」
「じゃぁな。さっきお前の母さんに苺渡しといたから、食べて元気出せよ」
「おー!やった!」
現金なやつだな。
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