では、神綺の物語....はじまります。
--side神綺--
....やぁ、神綺だ。今穂乃果を風呂に入れている....
「...ねぇ神綺?さっきの女の子誰なの?」
只今親から尋問中.....なんでや。
「....高坂穂乃果、音ノ木坂の2年、一応μ'sのセンターだ」
「μ's?それってスクールアイドルってやつの?」
「あぁ、前から言ってただろ?俺はμ'sをサポートしていると」
「そうだけど...なんで家に?」
「こんな雨の中、傘もささずにパーカーだけで階段ダッシュしてたから連れてきた。もう少しで文化祭だってのに...風邪引きたいのか?あいつは....」
「...そうだったの....一応私の服を着せてあげるわね」
「あぁ...助かるよ...あいつがあがったら話があるから席外してもらえないかな?」
「わかったわ。じゃぁ服を置いたら向こうに行ってるわね」
「わかった」
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「....お風呂.....ありがとう....ございます」
来たか。
「いいさ、それより話がある。こっちに座れ」
「....はい」
「よし、早速質問だ。なぜこんな雨の中練習を続けていた?」
「....少しでも....体力をつけてバテないように.....するため....」
「そうか....だが、もうやめろ」
「っ なぜ....ですか」
「なぜも何もない。....熱計ってみな?お前自身今はダルイはずだ」
そうだ、いくら風呂あがりとはいえ...頬が赤すぎる...それに元気もない。これは風邪だろう。
ピピッ
「....やっぱりな。38.3℃....微熱通り越してるじゃないか.....取り敢えず待ってろ」
あーあーめんどくさいことになっちゃったなぁ。
「なぁ、母さん」
「ん?どうしたの?」
「穂乃果が風邪ひいてる。微熱通り越して高熱だ。この時間で病院やってるとこあるか?」
「......もうこの時間はないわ。救急病院は車じゃないといけないし...その子は自力で帰れるの?」
「...厳しいだろう。あいつ自身意識が朦朧としてるからな」
「なら、お迎えに来てもらうか....泊めるしかないわね....どうしましょうか」
「....一応穂乃果の家にはかけてみようか?」
「知ってるの?番号」
「あいつの家はお店だ。ネットで調べればでるだろ」
「ならお願いね。念のため風邪薬用意しておくわ」
さて、穂むらっと......おーあったあった。
.............
「あ、もしもし....穂むらさんですか?」
『えぇ...どのようなご要件で?』
「私は斎藤神綺です...穂乃果さんから聞いたことはありますか?」
『あぁ、斉藤さんでしたか。いつも穂乃果がお世話になっています』
「い、いぇ....それで、本題なのですが....つい先ほど穂乃果が雨の中トレーニングをしてまして...」
『っ! それは本当ですか!?』
「え、えぇ...それで風邪を引くと思い強引に私の家のお風呂を使わせて温めたのですが....もう遅かったらしく...今38.3℃なんですよ...」
『!? すみません!ウチの穂乃果が!』
「い、いいんです。それでなのですが...これから車で穂乃果をお迎えに来れますか?」
『....難しいですね』
なん....だと。参ったな。
「どうしましょうか....」
『あなたのお母様に代わっていただけないでしょうか?』
「わかりました、少々お待ちください」
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「電話どうだったの?母さん」
「うちで1晩預かることになったわ」
「そうか....」
まぁ....覚悟はしていたさ。
「どこで寝かせる?」
「神綺の部屋でいいんじゃない?私の部屋より綺麗だし」
「.....わかった」
普通あんたのとこで寝かせるだろぅ....
「なら、もう連れて行くぞ?....寝ちゃったか」
「眠くなる薬だから仕方ないわよ」
「....連れて行くか.....すまんな」
余り気は乗らないが....お姫様だっこさせてもらうぞ。
「ふっ...と、軽いな....」
「ほら、扉開けといてあげるから早く入りなさい」
「あぁ」
....よし、後は布団を掛けて....氷枕と冷えピタか....うぉ、もう冷えピタがカピカピになってやがる....早く替えないとっ。
これで、OKだ。後は様子見だな....スポーツドリンク...OK。替えの冷えピタ...OK。汗を拭くタオル...OK。鼻かみ用ティッシュ...OK。
さて、俺もマスクしてっと。
「う、うぅ~ん」
っ ...なんだ、魘されてるのか....可哀想に...と言っても自業自得か....はぁ...あのまま無視して帰れば良かったんだろうか....いや、絶対気にして寝れないな。
まぁ....大丈夫だろ。....確かこういう時って頭撫でると和らぐんだっけか?...やってみるか。
.......おぉ。苦しそうな顔じゃなくなったぞ。すげぇ....んじゃ、また様子見で向こういくか...スッ...
「ん~....うぅ~ん」
....また苦しそうな顔になったぞ....本当は起きてるとかそういうの?...でも撫でられる利点がない.......もう少し撫でてやるか....
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--side穂乃果--
....ん.....んぅん......ん?
「......んー?」
....朝......?
あれ...でも.....ここどこ....?
それに頭に違和感も.....手?誰...の?
「っ!?」
え!?神綺先輩!?えって...え?どういうこと...?
「.......ん...?」
っ 先輩が起きた。
「...おー?...寝てたか.....よぅ穂乃果....取り敢えず熱計れ」
え?熱?......そういえば昨日...
「?どうした?ほら体温計だ。計りな」
「あ、はい」
お風呂借りた後の記憶がないや....ってことは...
「!?」
「っ なんだよ...」
えっ じゃぁ...ここは...
「こ、ここって....」
「ん? あぁ、俺の部屋だ。母さんが俺の部屋で寝かせろってな....『ピピッ』よし、見せてみろ...」
「っ.....どうぞ」
「....36.8℃か.....よく此処まで下がったな....母さん呼んでくるから少し待ってろ。水分補給忘れるなよ?」
「........」
....先輩の部屋....あー....なんとなく先輩のにおいがする....気がする。
....水分補給って....これかな。頂こっと。
ガチャ
「おはよう穂乃果ちゃん。調子はどうかしら。歩けそうならこっちに来てね」
...よっと。うん、そこまで怠くない。
「あ、はい」
神綺先輩のお母さん...きれいだなぁ。
「ほー もうちゃんと歩けるか....薬が効いたみたいだな」
「...はい。なんとか」
「よし、なぁ母さん。こいつ送ってくるよ。ここまで歩けるなら安心だろ?」
「...そうね。でもゆっくりよ?」
「わかってるって....んじゃぁ行くぞ穂乃果。これを羽織るんだ」
「...ありがとうございます」
あー...暖かいな~
「ほら、神綺。これが昨日穂乃果ちゃんが着てた服よ」
「あぁ、ありがとう。洗濯したでしょ?」
「もちろんよ」
「わかった。ならこのまま渡すよ。 さ、行こうか」
「はーい」
んーなんか不思議な気分だな~
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--side神綺--
...やぁ、神綺だ。....今は穂むらに向かっているんだが....
「ん~」
....熱のせいなのか?穂乃果が益々犬っぽくなった気がする。
「ほら、穂乃果。もう少しで家だぞ~」
「ん~~♪」
....こいつわざとか?ふざけてるのか...?寝ぼけてるのか...?
「さぁ穂乃果家だぞ~ 裏口のインターホンを押しな」
「はーい」
....可愛いっちゃ可愛いが....う~ん。
『はーい』
「おはようございます。斉藤です」
『あ、はーい。今行きますね』
「あ、おはようございます。高坂さん」
「おはようございます....すみません..うちの穂乃果が...」
「いえ、..はい。これ昨日の穂乃果の服です。洗濯はしておきましたので」
「あら...ありがとうございます...ほら、穂乃果!お礼言いなさい」
「んー...ありがとうございましたー」
「...穂乃果って朝弱いんですか?」
「..特に体調が余り良くないとこうなるんです....逆に言えば、ましになれば元気の印なんです」
「なるほど。では、私は失礼しますね。風邪薬は一応市販薬なので...病院へお願いしますね」
「はい。ありがとうございます」
「では...じゃぁな穂乃果」
「さよなら~」
....ほんと元気になってくれよ?
閲覧ありがとうございます。
...穂乃果ちゃんも可愛いですよねぇ....