神綺の物語...はじまります。
やぁ、神綺だ。最近は色々あって疲れたよ....なんか穂乃果達が前より遠慮という言葉を気にしなくなったような....
まぁ....なんとかなるか。....それより
「欠勤?」
「えぇ、今朝連絡がありまして....斎藤君にごめんなさいと伝えてください、と」
「...まぁ、構わないのですが....では私はどうすれば?太田先生でなければ私は不要のはずですので...」
「そのことなのですが、今日は斎藤君1人で授業を担当していただけないでしょうか?授業進行状況のメモは頂いているので....どうでしょうか?」
俺が代理だって?....できなくはないが...
「私でよければ...しかし、上手く進行できる保証はないですよ?」
「気にしなくて大丈夫ですよ。何より代理を頼める時間のある教師がいないので....この時期に自習だと困ってしまうのです...」
「...そうですか。わかりました。私が代理として今日の分は進行させます」
「....ありがとうございます」
....大丈夫だろうか...
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ほぅ、最初は穂乃果達のクラスか...教えるのは楽でいいや。
ガラララ....
「あーい座れー 授業始めますよー」
...予想通り驚いてるな。
「あー 今日は太田先生は欠勤です。代理として私が担当しますので」
「えー!?」
「...なにか問題でも?‘高坂さん'?」
「っ な、なんで名前で呼んでくれないの!?」
は?
「何を言っているんですか‘高坂さん'?今は授業中ですよ。...さ、号令お願いします」
「起立! 礼!」
「よろしくお願いします。...着席してください」
さ、授業だ。
「では、出欠を取ります。....全員いますね。はい、教科書125ページを開いてください。...前回宿題を出したのですがやりましたか?順に確認しますので机に出してくださいね?」
「えー!? いつもやらないいじゃん!?」
....おい穂乃果....お前やってないのか。
「...高坂さん?私語は謹んでくださいね?」
「....はい、すみません」
はぁ....
「...では、今日はここまでとしますので号令をお願いします」
「はい、起立!....礼!」
「ありがとうございました...」
さて、次は....1年か。
「っ 神綺先輩!」
「...どうした穂乃果」
「っ!名前で呼んでくれた!?」
...まさか理解していないのか?
「当たり前だ。さっきの授業でなんで苗字で呼んだと思う?」
「...えーっと....」
えー...まじ?
「...いいですか穂乃果?さっきの先輩は立場的に先生ですよ?名前で呼べるわけないじゃないですか...」
そうだぞ。
「うっ....そっか~ 私てっきりなにか悪いことしちゃって距離とられちゃったかと....」
....そうか。
「距離取るならとっくに取ってるさ。そんなの気にしてたらお前にはついていけん」
「...え?馬鹿にされてる?」
「..されてますね」
「えー!?馬鹿じゃないよー?」
...ん?なんか違和感が....なんだ?
「.......」
....?....そうか、ことりが乗らないのか....何かあったか?
「...なぁ穂乃果と海未」
「「??」」
「ちょっとことりに話あるから先に行っててくれないか?すぐ終わるからさ」
「はーい」「わかりました」
さて....
「なぁことり?」
「........」
...重症...か。
「....なぁことり?」
「っ!? な、なんですか?」
「....単刀直入に言う。何があった?」
「え?....どういうことですか?」
「どうもこうもない。何か心配事か?相談に乗るぞ。まだ海未達は余り気にしてないみたいだがその内気づかれるぞ」
「.....」
言わないか...
「...いつでもいい。相談したくなったら言ってくれ。...残して悪かったな。穂乃果達はもう教室に行ってると思うから」
「....はい」
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ふぃー....終わった....先生ってすごいんだな...こんなのを毎日か。
「...神綺先輩」
ん?
「...あぁ、ことりか。どうした?」
「...相談したいことがあります」
...来たか。
「わかった。場所はどうする?」
「...私の家で」
「...わかった」
あれぇ?なんかことりの家に行く回数異常に多いんだが...まぁ、いいか。
「...今日は練習いいのか?」
「今日は生徒会の関係で絵里ちゃん達が来れないから自主練になってます」
「そうか。....じゃぁ行こうか。俺はいつでもいいぞ」
「...わかりました。私もいつでもいいので...行きましょうか」
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「...お邪魔します」
ふぅ~ 緊張するー.....
「こちらでお待ちください」
「あぁ、お構いなく」
相談か....
「...んで?相談ってどんなだ?」
「...私ってμ'sの衣装作りしてるのは知ってますよね?」
「あぁ、....アイデアが浮かばないか?」
「いえ....これを」
「ん?....んー?」
なんだこれ...手紙...だが。
「手紙?」
「はい...問題はその送り主なんです」
「ん?....誰?」
「...有名なデザイナーさんです。....留学してこちらでデザイン系を学ばないか、というお誘いです」
「なっ!」
留学ぅ?!
「そ、そうか....ん?.....なるほど。相談ってこれからの事についてか...」
「...はい。このまま穂乃果ちゃん達とμ'sをやって過ごしていくか....留学して勉強するか....です」
「なるほどな.....ことり的にはどうしたいんだ?まずはことり自身の考えを知りたい」
「.....留学したいです」
「そうか、ならすればいいじゃないか」
「っ じゃぁμ'sは!」
「なぁことり」
「っ...はい」
「いつかは選択しなきゃいけないことだ。留学をしてからμ'sを続けていれば良かったと後悔するのとμ'sを続けて留学すればよかったと後悔するのどっちがいい?」
「えっ」
「勿論後悔しない道が最善だろう。だがそんなベストな選択が出来るのはごく稀だ。将来を見据えて留学を取るか、友達との交流を大事にして今まで通り過ごすか。これだけだ」
「........」
「....これは俺にどうこうできることじゃないからな。...もう一度言う。後悔を出来るだけしないであろう選択を見つけるんだ」
「...はい」
「....気の利いたアドバイスができなくてすまない」
「いえ...考えてみようと思います。今までそんな考え方は出ませんでしたから」
「...そうか」
軽く馬鹿にされた気がする。
「じゃぁ俺は帰るよ。聞きたいことがあったら気軽に電話くれよ。メールだと気がつかないだろうからな」
「わかりました...お気をつけて」
「あいよー お邪魔しました.....え」
えー....雨すか。...折りたたみ傘あったかな....おーあったあった。
よーし帰るか。
んー?こんな雨の中階段ダッシュだと?随分無茶なことする奴もいるんだな。
....ん?オレンジ髪の子か.....オレンジ?いや....まさかな....
『今日は生徒会の関係で絵里ちゃん達が来れないから自主練になってます』
.....ありえそうだ....もしそうだとしたら....
「っ おい!穂乃果!」
「っ!?」
....反応した。ビンゴ....できればあたって欲しくなかった。
「こんな雨の中何やってんだ!?早くこっちこい!」
「えぇ!?えっ あ、はい」
「....っ こっちついてこい!」グイッ
「え!?ちょっ!?神綺先輩!?」
風邪引いたらどうするつもりだ!?
っ ここからなら穂むらより家の方が近いな!
「っ よし!入れ!」
「うぇ!? お、お邪魔します」
「靴脱いでこっちこい!洗面台に連れて行くから!」
「は、はい....」
「ここだっ ほらこのタオル使って体拭け!今風呂沸かしてるから沸いたらすぐ入れよ!この時期でも風邪引くぞ!?」
「わ、わかりました...」
一体何考えてやがる!?
閲覧ありがとうございます。
....明日投稿できるか怪しいです。