....今回は書くことないですね。
神綺の物語....はじまります。
やぁ、神綺だ。なんとか.....なんとかこの日が来たな......今日は最終予選の日だ。
希の夢を打ち明けてからは順調に進んで歌もできた。振り付けも衣装も完成した。練習もサボるとこなくこなしてできることは全てしたつもりだ。
.....だが....
「あらら....今日って晴れの予報だったわよねぇ...」
...そうなのだ。数日前から今日は晴れの予報だったのだが....外れて雪が降っている...東京で降る量にしては多すぎるほどの雪が....
「どうすんだよこれ....もっと降ったら電車止まっちまうじゃねぇか」
「そうねぇ....東京の電車はすぐ止まるものねぇ」
「ポイントが凍るからな....」
「穂乃果ちゃん達は大丈夫なのかしら.....これだけ大雪だと延期...になったりするのかしら」
「....いや、延期はしないと思う。ネットでの配信が主だからな。態々会場に行かなくてもライブは見れるし」
「そう....」
参ったな...
「そういえば神綺。今日の学校は?」
「休校だとさ、教員が雪で出勤できないんだと」
「あら.....わかったわ。今日はどうするの?穂乃果ちゃん達のお手伝い?」
「...かな。ちょっと電話してみるよ。まだあいつらも仕事にはついてないはずだから」
えーっと....番号番号....これだ。
.......
「もしもし、俺だ。今時間大丈夫か?」
『あ、先輩。おはようございます。はい、大丈夫ですよ』
「そっちはもう学校か?」
『はい、ことりちゃんと海未ちゃんも一緒です』
「そうか.....そっちに雪かきを手伝ってる生徒はいるか?」
『はい、いますよ。ヒデコとかミカとか』
「そうか。ちょっとそいつらに電話変わってもらえないか?」
『? わかりました。 おーい!ミカー!ちょっときてー!』
『お電話変わりました。ミカです』
「あぁ、斎藤神綺だ。急で悪いな」
『いえ、どうされました?』
「なに、この大雪だ。そっちの雪かきをしている人員を知りたい。大体何人ぐらいで活動している?」
『雪かきですか?そうですねぇ......2,30人と言った所でしょうか』
2,30人か.....ふむ。
「そっちで使ってるシャベルは持参か?それとも学校の?」
『学校のです。まぁ数人は持参ですが』
「あと何個ほど残ってるかわかるか?」
『あと10本あるかないかです』
やはりそんなもんか....
「わかった。ありがとう。俺もこれからシャベルを持ってそっちに行こうと思うが大丈夫か?」
『え!?斎藤せんせ...先輩がですか?』
「あぁ、人手が足りないだろう?」
『...はい。正直厳しいです。女子だけなので』
「だと、思った。これから用意するから、俺がそっちに着き次第どこをやればいいか教えてくれ」
『わかりました。お願いします。....では、穂乃果に変わりますね』
「あぁ」
さてさて、明日は筋肉痛かねぇ。
『あ、変わりました。穂乃果です』
「電話ありがとうな。これから俺もそっちに行って雪かきすることになったからよろしく」
『え!? 先輩がですか?』
「あぁ。そうだ、できれば理事長に言って先に入校許可証を発行しておいて貰えないか?」
『わかりました。しておきます』
「頼んだぞ。じゃぁ、説明会頑張れよ」
『はい!ありがとうございます!』
ピッ
よし。
「随分長い電話だったわね」
「あぁ、ウチにあるシャベルって2つあったよな?片方貸してもらっていいかな?」
「? 構わないけど....」
「これから音ノ木坂で雪かきしてくる」
「え? これから?」
「あぁ、聞いてみたら案の定人手が足りないのと男手がないから辛いらしい」
「そう.....頑張りなさいね」
「勿論。それに最悪を想定しても....俺があっちにいた方が効率がいい」
「そうなの?」
「あぁ、あいつらのことだ。ちょっとしたイレギュラーがあるとパニックになるだろう」
「神綺が言うならそうなんでしょうね...ま、雪が積もってるとは言え、地面滑るから気をつけて」
「わかってる。応援に行って怪我とか恥ずかしすぎる...ま、準備したらすぐ出ちゃうから」
「わかったわ」
よし、準備しようか。
------------------
よし。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい。シャベルは玄関に出しといたから」
なに?
「ありがとう。別によかったのに....」
「時間を少しでも有効活用しないとね。気をつけてね」
「あぁ、助かる。行ってきます」
よし、着いたぞ音ノ木坂.....やっぱり雪道は慣れないな....
「あ!斎藤先生!」
「あぁ、おはよう」
もう先生じゃないんだけどな.....
「ミカが校門の付近で雪かきしてるので」
「あ、わかった。ありがとう」
校門付近ね。ん、いた。多分あいつだ。
「おーい!山田!」
「あ!斎藤先輩!お待ちしてました!」
そういえば山田は俺をちゃんと先輩と呼ぶんだな....
「俺は何をしたらいい?」
「私達とここをお願いします!」
「わかった」
よーし、やりますかぁ。
「いや~ やっぱり男の人がいると違いますね~」
そりゃぁ、力はあるから。
「みんなも無理するなよ。一気に持ち上げようとせずに、少しずつでもいいから回数でどかすんだ。腰やられるからな!」
『はーい!』
「みんなー!温かいお茶の差し入れだよー!休憩に校舎に来てー!」
お、休憩か......
「はい、斎藤先生。お茶です」
「あぁ、ありがとう.....てか、もう俺は先生じゃないんだが...」
「あっ....でも、私達の中では先生ってイメージが強いんですよ」
「そうなのか.....」
俺が先生ねぇ。補佐してただけなんだがな。
にしても.....お茶あったけぇ。
...よし。
「さて、休憩は終了だ。また積もり始めてるからさっさとやるぞ!」
『おー!!』
「神綺せんぱーい!!」
「ん?あぁ、穂乃果達じゃないか。どうしたんだ?」
「本当にいらしていたんですね...」
「あぁ、この大雪だ。男手が必要だろ?」
「とっても助かってますよ!」
「なら、よかった。お前達は今大丈夫なのか?」
「はい!これから遅れて来られる方たちの案内に回ろうかと」
「そうか」
生徒会も大変だな....
「そうだ!先輩!私達も雪かきしますよ!」
「....なに?」
何言ってんだ?
「どこら辺やればいいですかね?」
「ちょっと待て、それは流石に許可できないな」
「なんでですか!」
「そうだよ穂乃果!そんな薄着で雪かきなんて...風邪引きたいの?」
「ヒデコ....」
「穂乃果達は生徒会でしょ?それに、遅れて来た人たちの案内っていう仕事があるじゃない!こっちはいいから!」
「でも....」
「そうだな。こっちは俺たちでやっておくから、お前達は案内もそうだが、挨拶とかの確認を徹底しておけ。役割分担だ」
「.....わかりました」
「よし、なら俺らは戻るからな。そっち、頑張れよ?」
「「「はい!」」」
よし.....また積もっちまってるからな....骨が折れるぜ。
閲覧ありがとうございます。
そうだ。描いて欲しい場面などありましたら、ご要望ください。
出来る範囲で作成致します。