魔王になった少年と魔法少女たち   作:旅人H

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 誘拐編終了。
蒼真君の明日はどっち?



いい加減にしてほしい

 

『ソウルスキル』

 

 おっさんにアル兄さんの事を言うと「調べることができた。子供たちだけで行動させるのは不安だが、ここからなら結界のある場所までそう遠くない」そう言ってどっかにものすごいスピードで走って行った。リヒターはあきれた様子で「いつまでもここにいてもしょうがない、戻るか」と言っておっさんとは逆の方向に歩き出した。自分についてこない俺に向かって「どうした?」と尋ねるリヒターへ「悪い、呼ばれてる気がするんだ行かなきゃ」とおっさんと同じ方へ歩き出そうと・・・出来なかった。いつの間に戻って来たのかリヒターが俺の肩を掴んで「危険すぎる、素人の出る幕じゃない」心配する声で言い聞かせようとしてきた。リヒターの忠告を断り行こうとする俺を見て「一人より二人の方が安全だろう」と呆れながらついて来てくれた。リヒターに向かって「ありがとな」と呟くと「どういたしまして、ふぅ、やれやれだ」と返してきた。

 リヒターから予備のショートソードを借り(銃刀法違反?ではないらしい、つか何で難しい言葉知ってんだ俺?)進んでいくと腐った死体(ゾンビって名前らしい)と骸骨(スケルトンだって)が立ちふさがる・・・・・・前にリヒターが剣で切り裂いていた。同い年とは思えません。いや、マジで。

リヒターの活躍により順調に進むと、赤く光る扉がありくぐると、大理石の通路から柱が立ち並ぶ通路に出た。骨を投げつけてくるスケルトンや、倒しても復活する赤いスケルトン(骨ばっか)を倒しつつ進むと、盾を持った鎧がいきなり斧を投げつけてきた。とっさに剣を振るい斧を切り裂く。そのまま盾だけになった鎧に向かって走り出す。この城に来てから知識や、身体能力が異常な速度で()()している。鎧が腕を上げると手の平に斧が現れ、それを掴み振り下ろす。このままだと危ないはずだが気にせずにつっこむ、なぜなら(・・・・)後ろからリヒターがナイフ(・・・)を斧めがけて投げていたからだ。リヒターは不思議な力が宿った『サブウェポン』を複数所持しているらしくナイフもその一つだ。リヒターが投げたナイフは寸分狂わず斧に当たり、消滅させる。斧が無くなり空振りした鎧めがけ突きを繰り出す。リヒター曰く「素人は切るより突く方が相手に命中させやすいし、速度があれば威力も上がる」との事なのでブレーキせずに突っ込み、顔を盾にぶつけて悶絶した(剣は鎧にちゃんと刺さってはいた、普通刺さる物かは知らんが)。

 鎧が炎に包まれ(もう、敵の状態変化には慣れてきた)消えだすと赤い火の玉?が俺めがけて飛んできた。とっさにリヒターが火の玉を切るが効果はなく、俺の胸の中に入り込んだ。その様子を見たリヒターが「なっ、無事か?何か調子がおかしいとかないか?」と慌てるが、俺は知らない知識が流れてきて(・・・・・・・・・・・・)混乱していた。リヒターが何度か呼びかけ漸く反応を返すと「俺、なんか変な力に目覚めたっぽい?」と呟いた。「変な力?」リヒターも思わず聞き返すので右腕を上にあげると手の平に()が出てきた。いきなり流れ込んできた知識に『ソウルスキル』と名が有る事をリヒターに説明すると「ふむ、聞いたことがあるな。相手の魂を吸収して魂に刻まれた力を使えるようになる力だったか」・・・・・・これ以降知らない事は「なぜなにリヒター先生!」のコーナーがたびたび開かれることになった。

 

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 俺はこいつら夜の一族を倒すべき敵だと認識し、魔力を左手に集中させる。城にはいろいろな種族の魔物がいて、【グロ系】【獣系】【お化け系】【悪魔系】など様々だ。その中でも【魔女系】の相手はなぜか俺に親切に魔法を教えてくれた。理由を聞いたら

 

「将来有望だから、ちゅっ」

 

と、ほっぺにキスされた。一部悪寒が走る人たち(俺とリヒターのどっちが攻めで受けかで話し合っていた)もいたが基本争うことはなかった。

 

「お、お前らぼけっとせず、さっさとこのガキ仕留めんかい」

 

おっさんがつば飛ばしながら支持すると残るメイド4体が一斉に攻撃してきた。けど、遅い。魔力の集中は終わり、左手を前に突き出し開放する。解放された魔力が炎となり吹き出す。狙い通りに前3体(・・・)を灰にする。最後の一体が刃ではなく鞭を振りかざしてくるが、回避も反撃もせずそのまま動かないでいた。そして、鞭がおっさんを叩いていた(・・・・・・・・・・・・)

 

「よし、『ソウルスキル』【グレムリン】成功だな」

 

【グレムリン】は機械を狂わせる悪魔として伝承に伝わっている(リヒターより)その力は機械を操る力だ。城で倒した際力を手に入れていたが、城の機械は仕掛け位で機械仕掛けの敵などいなかった。まぁ、興味本位で一体目を吹き飛ばした際、黒髪ポニーのメイド人形にかけてみた。べ、別に好みだったとかじゃない。たぶん。

 

「マスター、御指示をどうぞ」

 

・・・・・あれ?自我がある。なぜ。・・・・・・まぁ、いっか。とりあえず、俺の後ろに下がらせ、俺の血が警戒を鳴らす奴に集中する。

 

「どいつもこいつも俺の邪魔をする」

 

殺気が奴から吹き出てくると目が赤く(・・・・)爪が異様に伸びていた(・・・・・・・・・・)。やっぱりコイツ、俺や妄想野郎と同じ『異能者』だ。先代魔王が死んだ際、その魔力の影響で世界各地に不思議な力に目覚めた異能者が現れた。ごくまれに異能者は生まれてくるが、魔王討伐後、突然力に目覚め【自分は選ばれた存在】などと妄想激しい輩が事件を頻繁に起こしていたらしい。こいつもその一人なんだろ。ブームに乗り遅れてるが。

 

「ん、どうした。恐怖で動けなくなったか」

「いや、全然」

「そうか、だったら動けなくしてなぶり殺しにしてやる」

 

偉そうに言うと無防備に歩いてくるので、男の急所を正拳突きしてみた。故意はない。シンチョウサノセイデス。

 

「はぅ、な、なぜ動ける」

「え、なんかしてた、今?」

 

知らない内に力を使っていたらしいが、【解呪】の魔法いらずの時点で雑魚ですね、分かります。ふむ、この状況はアニメで言うなら残り20分の決めシーン。形式美って必要だよね。リヒターの家に呼ばれた際、ある魔導師に教わった術を止めにしてみよう。

 顔の高さまで手を上げ、手の平を上にする、魔力を集中させ、

 

「光射す世界に、汝ら闇黒棲まう場所なし!渇かず、飢えず、無に還れぇぇぇ!」

 

呪文により力の在り方を定め、相手に向かって解き放つ

 

「ひぃ、や、やめろ。お、俺を誰だと思ってる。氷室家次期当主、氷室「知らん!」ぶっ」

 

アイアンクローを決め、無駄口を封じる。そして、

 

「レムリアァァァ」

 

床に思いっきり叩きつけ

 

「インパァクゥトォォォォ!」

 

相手の視界を魔力でできた球が塞ぎ、爆発する。

 

 一部始終を見ていた金髪が

 

「あ、あ、あんた。ひょっとして殺したの?」

 

この状況で質問できるってなんなんだろう。紫の方はまだ状況が解ってないのか放心してんのに。

 

「どっちだと思う?」

「な、まじめに答えなさいよ!」

 

事件に巻き込んだ負い目もあるし、素直に答えるか。魔力で風を起こし爆発で舞った煙を吹き飛ばす。

 

「あの爆発は見た目が派手なだけで、殺傷能力はないよ。気絶させただけだ」

 

爆心地には白目むいて口から泡をはいて気絶する・・・(名前しらね)がいた。まぁ、他に気配もなさそうだし安全確保できたってことで

 

「プエル、二人の縄外していいよ」

「御意」

 

ゆっくり二人の方に戻っていく。紫の方も正気に戻ったらしく俺の方を見ている。

 

「あの、その、く、九鬼君ってなんなの?」

「言っただろ吸血鬼だって、聞いてなかったか?」

「あんなのや、この子たち見たら信じるしかないんでしょうけど」

 

フェイから二人に外傷、精神的汚染が無い事の報告を受け

 

「すずか、無事!」

「無事か!二人とも」

 

紫の女性と黒髪の男性・・・・・・・・・そして、

 

「時空管理局嘱託魔導師、フェイト・テスタロッサです。ここは管理外世界です。この世界での魔法使用は禁止されています。速やかに武装解除してください」

 

また、なんか来た・・・・・・・・・・・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。

 




 よ・う・や・く、誘拐編終わった~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。
次は説明会です。リヒターとオリキャラ(蒼真君にいらん術教えた)が出てきます。
気に入ってくれるといいけど。
 
 話の構成として
説明→日常→GODで行きます。が、ヒロインっている?一応すずかとアリサ+・・リが話のメインにかかわってきますが。

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