魔王になった少年と魔法少女たち   作:旅人H

3 / 15
なぜだろう?誘拐編(プロローグ)3話ぐらいで終わるはずだったのに、終わってないよ。


魔王崇拝?

 

『城に集う者』

 

 妙な声に誘われるまま歩いていたけど、声が聞こえなくなり僕は気が付くと、広い石(後から聞いたら大理石ってやつらしい)で作られた通路の真ん中に立っていた。アル兄さんと別れてからの記憶がはっきりしないけど、城の中に入ったんだと分かった。城の中は薄暗く、蝋燭の明りが目印の様に等間隔に壁にかけられていた。

 城門前に戻ろうと後ろを振り返ると人影が見えたんだ。僕以外に誰かいるのかと思って「あ、あの~。だれですか~?」少し小さな声で呼びかけてみたんだ。すると人影がゆっくりと近づいて、()()がしたんだ。どんどん近づいてくる人影と、ひどくなる異臭。蝋燭の光に照らされた人影の顔は腐った人の顔だったんだ。初め会った骸骨と同じお化けだとすぐに分かったけど、()()()()()()()()()()()()。骸骨はすごく怖くて動けなかったのに、今は怖くないどころか()()()()()()()の様に感じる。変な感覚に戸惑っているうちにお化けはすぐそこまで近づいていた。どうしょうと周りを見渡すと、壁にかけられたほかの蝋燭より一回り大きい蝋燭が目に留まったんだ。僕はその蝋燭のもとに駆け寄ると、()()()()()()()()()の蝋燭を跳んで掴んだ。その蝋燭をお化けめがけて投げると火が燃え移り、あっという間に灰になった。

 不思議だった、前はあんなに高く跳べなかったのに普通の大人の背と同じぐらいまで跳べるようになってた。考えても分からないから戻ろうとして、どっちから来たのか分からなくなってたんだ。勘に任せて今自分が向いてる方へ歩き出すと物音がその先の曲り角から聞こえたんだ。恐る恐るのぞいて見ると、この城に似合わない白いスーツを着たおじさん?が居たんだ。人がいたんだと思って話しかけようと歩き出す時、おじさんの目を見た。僕がよく知ってる僕が嫌いな目(・・・・・・・・・・・・・・)。生き物に対して憎しみを込めた目。ふとした瞬間に人を見ると、訳も分からず込み上げてくる憎しみに囚われた()の目。観たくないモノを見た瞬間、とっさに隠れてしまった。胸が大きな音を立て、頭が痛くなり吐き気が込み上げてくる。何か()ではない()がいるみたいな嫌な感覚。すると曲がり角の先から「ふん、王たる私に刃向うとは躾が成っていないな。まぁいい、この城を手に入れたら使えんゴミは一掃してくれる」そう言って気配が遠のいて行ったんだ。気配が感じられなくなると僕は気を失ってしまったんだ。

 「・い、しっか・・ろ。目を覚ませ」誰かに起こされて目を開けると、赤みかかった茶色(赤銅色?ってやつらしい)の髪をしたおじさんと、()を心配そうに覗き込む黒髪の少年がいた。「気が付いたか」少年が聞いてくるが「大・丈・夫?」少し途切れ途切れに返事をした。それから、少年が持つ水筒の水を分けてもらい一息ついた後、お互いに情報交換した。なんでか、俺の話の時おっさんが深刻そうな顔したが気のせいってことにした。情報交換が終わったとき「あ、しまった!自己紹介していなかったな」とおっさんが言い「俺はウォルター・ベルモンド。で、こいつは息子の」「リヒター・ベルモンドだ、よろしく」そう言ってリヒターは手を差し出してきたから「俺は九鬼蒼真、よろしくな」手を取って握手したんだ。

 

 

_______________________________________________________________________

 

 

  入り口からやってくる新手。太ったおっさんは大した事なさそうだが、もう一人は俺の中の()が騒いでいる。クリスを構えつつ挙動に注意する。プチルとフェイにも注意を促す。しまったな、こんな事なら二人を元の大きさで召喚しとけばよかった。

 

「やれやれ、まさか子供一人に全滅とか、これだから劣等種は使えない。所詮はエサか」

 

そう言いながら足元で気絶している黒服を邪魔そうに足で蹴り飛ばした。飛ばされた黒服はものすごい勢いで壁にぶつかりそうになったが、危機一髪俺の鞭で掴めた。

 

「おい!いくらなんでもあのまま壁にぶつかったら死ぬかもしれないんだぞ!」

 

平然と人を殺しかけた奴に怒りがわく。怒りに伴い殺気がこもってしまうがそのままに睨みつける。

 

「ふん、こんな奴らが死のうが興味はないな」

「な、なんやこのガキ、痛い目合わんと立場が分からんらしいな」

 

・・・・・おっさん、腰が引けてますよ。金髪より根性ないね。腰の引けた状態で右腕を上げるとメイド服を着た女の子5人が前に出てくる。しかも、両腕から刃渡り50Cmほどの刃を出して(・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「このガキにお灸すえてやれ」

 

おっさんの命令でメイドの一人が動き、一瞬で目の前に立ち腕の刃を首に向けて振り下ろしてきた。後ろから二人の悲鳴が聞こえるが両手をメイドにくっつくギリギリまで前に出し、前方へ倒れこむ勢いで右足を前に踏み込む。すると切りかかってきたメイドはカンフー映画の様に吹っ飛んで行った。女の子相手だから手加減したつもりなのだが、飛ばした際の手の感触に機械的な振動を感じた。

 

「な、な、な、なにゃて~~~~~、『夜の一族』の【自動人形】を吹き飛ばしおった」

「・・・・・・・・・ちっ」

 

予想以上に驚くおっさんのおかげで冷静に状況が読める。あれだね、一人だけハイテンションで騒ぐ奴がいると周りが白ける心理と同じなんだろう。さて新情報がゲットできたが、『夜の一族』の【自動人形】。【自動人形】は城でも見たオートマタと同じでいいとして、『夜の一族』は何のことだ?あれだな「教えて、リヒター先生~」的な説明キャラが欲しい。いつも通りに思考が脇道にずれるが、ふと事件解決後にリヒターから聞いたことを思い出す。

 

―――回想―――

[なぁ、リヒター]

[どうした?]

[吸血鬼ってホントは沢山いるよな]

[あぁいるが、それがどうした?]

[なんで魔王って付くんだ?普通の吸血鬼と違うのか?]

[ふむ、いい質問だ。魔王ドラキュラは別名【夜に一番愛された吸血鬼】と呼ばれている]

[夜に一番愛された吸血鬼?]

[あぁ、夜は月が出ている。そして月の光には純度の高い魔力が詰まっている。そして魔王は月の魔力を吸収しやすい体質なんだ。ゆえに夜に一番愛された吸血鬼と呼ばれる]

[なるほど、でもなんで城が必要だったんだ?]

[悪魔城は纏っている魔力により常に城内が夜になる。そして最上階王の間は月に一番近い。月の魔力を取り込むのに打って付けの場所と言う訳さ]

[また、あんな事件起こったりすんのかな?]

[今回の一軒は魔王崇拝の連中の中でも過激派の暴走だったみたいだ]

[魔王崇拝?過激派?なにそれ?]

[簡単に説明すると、魔王ドラキュラを崇める異教徒。その中でも過激派はドラキュラ復活を望み、生贄をささげる儀式なんかをするテロリストだ」

[・・・・・俺の存在って・・・・・・立ち位置ヤバイ?]

[気にするな、過激派のほとんどは『神秘秘匿委員会』によって処分されてる、今回は警戒が薄い日本で起きたため防げなかったんだ。すまん]

[まぁ、無事帰れたからいいんだけど、『神秘秘匿委員会』ってなんだ?]

[それはまた後で、時間が取れるときに説明するよ]

―――終了―――

 

 ふむ、つまり『夜の一族』は魔王崇拝で過激派の組織名。俺が魔王と知らなかったことから、今回の誘拐の本当の目的は生贄か。許せないな。あぁ、許せない。こいら『夜の一族』は俺がつぶす。

 




・・・・・長い!これはあれか?
悪魔城は別枠でやれよって言う神のお告げか?
しないけど。

ちなみに最近の旅人の空想旅行(絶対に妄想とは言わない)は
お題『もしも、このキャラがPSO2にいたらクラスはなんだ?』です。
デート・ア・ライブのキャラがアークスだったらで考えると
士道・・・プレイヤー 士織・・・フォース
十香・・・ハンター 
みたいな感じで空想旅行してます

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。