魔王になった少年と魔法少女たち   作:旅人H

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 ・・・・・・リリカル勢の出番少ない気がするがまだいいよね?
 これからこれから・・・・・・・・・・・・多分


テスタロッサ家との出会い

 

 中庭に建てられた一軒家に住む少女アリシア・テスタロッサと母親のプレシア・テスタロッサ、そしてプレシアの使い魔のリニス。本来この城に居ないはずの住人なのだが、ある一件により知り合い居候させることになった。まぁ、居候させる原因の半分は俺にある訳で今思い返しても他の方法が無かったのかなぁ~と思う。死んでいる(・・・・・)アリシアを蘇生させる為、半分吸血鬼にするなんて方法無茶をしたもんだと思う。

 

 

---回想---

 

 

 魔王再臨事件から早一か月経とうとしている頃、海鳴市で謎の魔力反応が多数感知され委員会は動ける人物を総動員させ対処にあたっていた。中には、市内に巨大な樹が生えてきて多くの建物や道が壊れる被害が出ていた。幸い、委員会が陰ながら全力で人命救助したかいがあり死者は出ていないらしい。ちなみに新参者の俺は待機命令(魔力反応があっても近づくな)と指示され、普通の小学三年生の生活をしていた(魔王の前に子供ですから)。俺のクラスの仲良し三人組が珍しく喧嘩したり、その内の一人が訳有で長く欠席したりとかが有ったが俺には関係ないのでどうでも良いな。

 

 今日はリヒターも家の用事があるらしく(なんでも、家宝を継承する儀式を受ける為らしい)俺一人で城の見回りに来ていた。アル兄さんは委員会の剣人会議(滅多に開かれない七剣人全員集合会議)があるらしく支部に顔を出している。城に来てから少し経って問題ないかと思っていた矢先、城の周囲の空間が激しく揺れ出した(後から聞いたら次元震?とかの影響らしい)。城は侵入者対策で時間と空間を切り離した異空間に配置され、このような空間振動が起きるわけが無い。異常の原因を確かめる為、近くの窓から外に出てソウルスキル【おおこうもり】でコウモリになり空を飛ぶ。飛んだのは良いものの空間振動のせいでうまく飛べず、仕方なく中庭に降りる。中庭から空を見上げると信じられない事に空が罅割れ(・・・)ていくのが見えた。罅割れた空の奥に妙な空間が広がっているが驚きで固まってしまった俺は罅割れが広がっていくのをただボーっと見ていた。

 

 しばらくして空間振動が収まっていくと罅割れた空も元に戻り始めた。訳が分からないが後でアル兄さんたちに報告すればいいかと思い、ほっとした瞬間割れた空から人とSFに出てきそうなカプセル?が落ちてきた。まさしく、「親方!空から人が降ってきた!」をリアル体験しているな~と場違いな事を考えていると、どんどん大きくというか俺の真上に(・・・・・)落ちてきた。やばっ、と思ったが避けることも間に合わずカプセルの下敷きになると思いソウルを発動させた

 

「・・・・・・・はっ?」

 

ソウルによって出て来たのはキラーフィッシュという怪魚。・・・・・・あっ、死んだ(二重の意味で)と思ったがいくら待っても衝撃が来ない。上を見ると魔法陣に包まれたカプセルと女性、その上に箒に乗った魔女さんの姿があった。

 

「やれやれ、何が起きたかと思い確かめに来てみれば何をしているのかしら?」

 

呆れ顔でこちらを見る魔女さん。言い訳の使用が無いな。焦ったからといいソウルの選択を間違え死にかけていれば呆れてしまうだろう(まぁ、潰されても痛いで済む可能性は有ったが)。

 

「ありがとう、魔女さん。たすかったよ」

「どういたしまして。で、この人達はなんなの?」

 

達?どういう事かと上を見るとカプセルの中に裸の少女(・・・・)が入っていた。慌てて下を向いて

 

「と、と、ととりあああえず、じめんにおろしたほうがいいいとおもいますです、はい」

「ふぅ、慌て過ぎよ蒼真。見てる分にはかわいいけど」

 

そう言いながら魔女さんは二人を中庭に下した。

 

 気を失っている女性とカプセルに入った少女。女性の方は生命力が著しく低下しておりこのままでは死んでしまうだろうと魔女さんが診断し

 

「う~ん、状況が分からないけど一応助けるか」

「いいの?この城か蒼真を狙ってきた敵かも知れないわよ」

 

魔女さんの指摘はもっともだが、情報が不足しているし早くしないと女性の方は助からないと吸血鬼(・・・)の血が言っている(吸血鬼になってから死の気配に敏感になってるようだ)。

 

「敵だったら、その時対処するよ。魔女さんもいるし大丈夫でしょ」

「・・・仕方ないわね。期待された以上は思う存分働きましょ」

「ありがと。フェル!この人に生命の霊薬を」

 

フェルに呼びかけるとすぐに現れ、少し迷った顔で生命の霊薬を女性に向かって振り掛けた。霊薬が光を放ち、続いて女性の体も光り輝きだす。眩しいほどの光が収まると生命力に満ち溢れ・・・・・・・・・・・・なぜか若返った(・・・・・・・)女性がいた。

 

「・・・・・・魔女さん」

「何かしら蒼真」

「生命の霊薬って若返りの効果あったっけ?」

「ない。と言いたいけどフェルは魔王の使い魔だし魔力の暴走かしら?」

 

俺と魔女さんの二人でフェルを見ると、思いっきり首を左右に振り自分の所為では無いとアピールしている(いや、フェルさんあなた喋れるよね)。

 

「うっ、こ、此処は?」

「あっ、気が付きました?どこか体におかしな所無いですか?」

 

うん、何でか若返ってるし異常無いか確かめないとね。

 

「な、人!まさか管理局」

 

いきなり敵意を向けてくる女性(管理局ってなんだ?)に落ち着く様に言い状況の説明をする。

 

「-------と言う訳で、あなた達は突然空から降ってきたんです。その際死にかけていたあなたを治療しました」

「・・・・・・そう、此処はアルハザードではないのね」

 

・・・・・・アルハザード?説明の途中で顔を下に向け不意にそう呟くプレシアさん(説明前に自己紹介しました)もしかしてアイ姉さんの知り合いかな?

 

「アルハザードに用事なら連絡取りましょうか?」

「・・・は?坊や何を言ってるのかしら」

「へっ。だから、アイシア・アルハザードに用事なんですよね?」

「アルハザードを知ってるの?いえ、アイシアって人の名前・・・もしかしてアルハザードは次元世界ではなく人だった・・・」

 

二人の間で妙な空気が生まれだし、魔女さんが爆弾を投下。

 

「もしかして、その筒に入ってる子の死者蘇生が望みなのかしら?」

 

うすうす感じていたがどうやら図星のようだ。死者蘇生・・・アイ姉さん曰く「死者蘇生はできるが、私の術は外法の術だ。行使する気はないな」と言っていた事がある。つまりプレシアさんの望みは叶わないという事だ。

 

「アリシアを生き返らせる為に全てを捨ててきたの。今さら引き返せないのよ」

 

顔を上げたプレシアさんには狂気を感じられる。以前の城だったら間違いなく人外に堕ちてしまっていたかもしれない。これはどうしたものかと俺と魔女さん、プレシアさんの間で緊張が走る・・・・・・ことはなくある声によって台無しにされた。

 

「こら~~~~!い・い・か・げ・ん・に・し・な・さ・い」

「「「はっ?」」」

 

声の主は透明感ばっちりの(比喩に非ず)金髪の少女というかカプセルの中の少女だった。

 

「ア、アリシア。アリシアなのね」

「ママ!」

 

どうやらこの二人親子らしい(似て無いにもほどがある)。つまり感動?の再会だろうか?片方の空気が妙なんだが。プレシアさんはアリシアが透明で触れ合えない事に困惑していたが魔女さんの幽霊の説明で納得していた。

 

「アリシア。待ってて頂戴。もうすぐあなたを生き返らせてあげれるわ」

「ママ!私の話を聞いて!」

「どうしたのアリシア?」

 

アリシアの語る内容は自分が死んでからのプレシアの行動。クローンとして生まれた妹。後悔を残して消えた使い魔。そして、自分を生き返らせる為に犯罪に手を染め妹を捨てた事。その時その時の思いを一生懸命伝えるアリシア(子供なのに難しい事良く知ってんな)の話を聞き最後の一言で泣き崩れた。

 

「私のママは優しくて人に迷惑かけたりしない。今のママは私の好きだったママじゃ無い。たとえ、どんな方法で生き返っても私の好きなママが居なくなったら意味無いよ!」

「ごめんなさい、ごめんなさいアリシア」

 

ふむ、プレシアさんから狂気が消えたみたいだし一件落着かな。

 

「ねぇ?これっていつまで続くのかしら?」

「魔女さん空気壊しちゃだめだよ」

「むしろ、私たちが空気よね?そう思わないデス」

 

デス?魔女さんが声を掛けた方向に目を向けると空中にデスが現れた。・・・何でいるのさ。

 

「あ、死神さんママに会わせてくれてありがとう。昔のママに戻ってくれたから思い残す事もう無いから連れてってくれていいよ」

「待って、アリシアを連れて行かないで。連れて行くなら私を代わりに」

「「「・・・・・・・・・」」」

 

盛り上がる二人。ますます、なんだこれ?状態の俺達。双方のすれ違いが正されるにはもう少し時間が掛かるのであった。

 





 ・・・・・・・・・ギャグだな。いやコントか?まぁ、いいか。こういう話がホントは書きたかったんだ。シリアス続きで「あらすじ詐欺だよ!」って自分突込みしなくてもいいし。

 え~私的な事情により更新が遅くなります。来る25日に『閃の軌跡2』が発売されるのでプレイするのに集中したいんです。プレイが終わったらまた更新しますのでお待ちください。


~おまけ~

 さて、差出人不明の手紙が俺の元に降ってきたがどうしたもんか?宛名は俺だから問題ないと思うが(大有です)読むと間違いなく面倒事に巻き込まれる。手紙を見つめながら歩くとみんなとの待ち合わせ場所に着く。待ち合わせ場所にはすずか、アリサ、アリシア(なんでいる?)、〇ー〇の四人。春と冬の季節の変わり目に起きた事件で知り合ったユ〇〇に迷惑を掛けたお詫びにプレゼントをすると言ったら、どこからか聞きつけたすずかとアリサが自分たちもついて行くといい、みんなで出かける事になった。その後俺の持つ手紙に興味ひかれた4人に聞かれ、詳細を話すと中を見てみたらと言われ手紙の封を切る。これが新しい旅の始まりになるとは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「はっ、夢か!」
「いや、現在進行形で落ちてるよ。知らない人が三人ほど」
「ていうか、助けなさいよ」
「ヤハハハ、空飛ぶとかすげぇなお前ら」
「はぅはぅ。し、知らない人がいっぱいですぅ」
「空飛ぶってどんな気分なのかな?三毛猫はどう思う」
「えっと・・・みんな結構余裕あるの・・・・かな?」
「すずか、無理してこのノリに付き合う必要ないわよ」

~おまけなのかな?終り~

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