さて、今回の話はどうしょうか悩みましたがこのルートで進めていきます。ご都合主義でも幸せならいいじゃない。
すずかとアリサの魔法勉強会は、二人の肉体が魔力に慣れるまで吸収・維持・放出の3動作を繰り返す事を宿題にして様子見となった。一応二人の見守り役にプチルとフェイをそれぞれ置いて来ているので無茶はしないだろう。無茶しそうになったら容赦なく気絶させていいと伝えてあるし、二人にも言い聞かせた。さて、宿題を与えたことで暇な時間が作れた俺は、空間の狭間に隠してある悪魔城に来ていた。悪魔城に来た理由はいくつかあるが何から始めるかと悩みながら通路を歩く。
悪魔城の事は、事件後アル兄さんとウォルターのおっさんを説得して(リヒターが説得に協力してくれなかったら無理だったかも)封印はせず、俺が管理することになった。その際に七剣人の一人が俺と一緒に城の管理に付く事になった。本人は
「今回の事件、蒼真に重荷を負わせたことは私の責任だ。城の事は任せると良い」
と、俺が魔王になった事と
通路を進み、あるフロアへの扉を開くとそこには見渡す限りの本と本棚で創られた『蔵書庫』フロアに出た。此処に来たのは書庫の主と呼ばれる(フロアボスとは違うらしい)爺さんに会いに来たのだ。
「爺さ~ん、元気?」
「ほぉ~ほっ、ほっ、元気にしとるぞ。若き主殿」
優しそうな外見の爺さんだが見た目に反して金にがめついという困った人物だ。ただ、金さえ用意すると隠し持ってる道具や薬を売ってくれたりする。事件の際はリヒターともども力になってくれた人物の一人だ(ただし、値引き交渉は応じてくれなかったが)。
「本日は何用かな?」
「魔法初心者用の装備一式と、護身用のアクセ。もしあるなら使い魔製造用の魔道具って所か」
「ふむ、それならいくつか見繕いましょう。魔道具に関しては少し時間が掛かりますがよろしいか?」
「あぁ、他の見回りと用事があるから帰りに取りに来るよ」
「かしこまりました。では後程」
そう言って、爺さんは後ろの本棚に向かって小声でつぶやくと、目の前の本棚が移動し隠し倉庫への道が開いた。爺さんが隠し倉庫に入っていくと本棚が元の位置に戻りその場に俺だけが残った。此処での用事は済んだので次に行くのはどこにしようか考えながら歩き出した。
次に来たのは地下水脈へと続く通路。此処は最初問答無用に落とされた為、降りる際どうしても足場の確認をしてしまう(今は魔力で飛べるが突然の落下は怖すぎる)。ゆっくり降りていくと水脈へ続く縦穴に着き、縦穴に向かって大声で呼ぶ
「お~~い、魔女さ~ん」
呼びかけ、少しすると
「は~い、蒼真。何用かしら」
箒に横乗りし、三角帽子をかぶり黒のローブを着た物語に出てくるような魔女の服装をした美少女が縦穴の奥から現れた。彼女も事件で知り合った協力者だ。彼女曰く、「新しい城主がナル野郎より蒼真の方が好みだから」だと言って協力者になってくれた。箒に乗って針の通路の奥、空を飛ばないと届かない高い所などへ連れて行ってくれた。また、俺が使う初歩魔法の手解きもしてくれた(事件解決後はアル兄さんや七剣人のみんなが教えてくれたが)。
「久しぶり、元気だった?」
「えぇ、元気よ。蒼真の方は?」
「こっちも元気だよ。俺がいない間城はどうだった」
魔女さんは俺とアル兄さんが城の管理をする事になったと言った日から、二人が城に来れない日の見回りを受け持ってくれた。いわば常駐警備員だな(しかも結構強い)。
「いつも通り、一部の危険区域以外は平和ね。居候さん達も与えられた居住区でおとなしくしてるしね」
「うん、それはよかった」
危険区域とは、力が強く知恵もある上級悪魔や先代魔王に仕えていた幹部たちが暮らす区域の事だ。中には、人間を毛嫌いしている者が多く新しい魔王が人間の味方をするのが心の奥では納得していない為、油断すると襲ってくる奴らもいる。一応デスが纏め役として動いてくれているが、あの顔は怖くて慣れない。
「ふふ、今日は時間大丈夫なのかしら?また魔法の手解きしてあげましょうか?」
「おっと、今日は魔法の事で話があるんだ」
「あら、何かしら?」
まぁ、すずかとアリサに魔法を教えると言ったが素人に毛が生えた程度の俺とリヒターでは専門的な事は無理だと判断し魔女さんに協力を申し込むつもりだ(
「ふ~ん、魔法の教師役ねぇ~」
「ダメかな?」
「そうねぇ~うん、いいわよ。条件次第ね」
そう笑いながら告げられた条件は俺も勉強会に出る事だった。最初からそのつもりだったので条件を受け入れる事を告げ、次の場所へ移動した(魔女さんも暇だからとついて来た、と言うより箒に無理やり乗せられた)
最後にやって来たのは城の中庭に作られた一戸建ての家だ。この家には城に居候している
「は~~~い、どちら様ですか~」
「蒼真と魔女さんだよ」
出てきたのは、いかにも元気一杯と言った感じの金髪のツインテールの少女。クラスメイトに同じ顔と声の人物がいるがどんな関係かは知らん。
「あ、いらっしゃ~い。蒼真、魔女さん。久しぶり~」
「お邪魔します、いつも元気そうねお嬢ちゃん」
そう言いながら少女の頭をなでる魔女さん。俺も魔女さんに習い頭を撫でながら
「おう、久しぶりだな
アリシア・テスタロッサ。とある一件以来この城に居候している少女で、俺が初めて吸血鬼にした少女でもある。
うん、御都合主義と言われても仕方ないね。
さて、今回は『責任』について私の解釈をさせていただきますが。まず、力ってのは要するに技能(スキル)です。技能を身に着けようとするのに特別な資格入りません。ただ、最低限の条件(身体能力等)があるだけです。その後、身に着けた技能をどう使うかはその人に任されます。その人が身に着けた技能を使う、使わないはその人の自由です。もし使って事故、事件を起こしてしまった時に初めて『責任』を問われると思います。起こした事故、事件にどう向き合うか、どう付き合うかその行動にこそ『責任』を示す唯一の方法だと思います。
上で言ったことは人によっては無責任に思えるかもしれませんが、身近な例として技能を運転免許に置き換えてみてください。免許を取ろうとする人は免許を持つ責任なんて考えるでしょうか。免許を取った後で事故を起こすかどうかなどはわかりません。どれだけ最初に責任ある言葉を言っても、結果から逃げれば無意味です。
ゆえに、『力持つ責任』を気にするより『結果に対する責任』を私は重要視します。流浪に剣心の主人公 緋村剣心も人切り時代に切った人達への責任として生涯
あと、スパイダーマンが例に出てましたがあの人力を手に入れた当初は金稼ぎに利用して、結果金が貰えなかった腹いせに泥棒見逃す、その結果その泥棒に御祖父さんが殺されると、力を持つ責任とは正反対の人物ですよね(御祖父さんが死んだことで力を正義に使うと決めてますし)
ついでに、教える側の責任とは生徒が独り立ちするまで道を間違えないように指導し見守る事だと思います。教える側の努力むなしく生徒が挫折する事もあるでしょうが、挫折した生徒に対して教師が何をしてやれるかはその時の状況次第でしょう。なお、生徒が独り立ちした後に生徒が事故を起こしたら、周りは誰に責任を問いますか。教えた教師?生徒?それ以外?きっと大半は生徒に行くでしょう。独り立ちするとはそういう事です。
『力を持たない者は危険から自分の身を遠ざける』これは正しく、また間違いです。力が無いからと言って目の前に助けを求める人がいた場合、ほとんどは逃げてしまうでしょうが一部の人は立ち向かってしまうでしょう。原作のなのはでさえ、まだ魔法が使えないのにユーノの助けての念話を聞き助けに行っています。他にも力が無くても立ち向かう人たちは少数でもいるでしょう。
蒼真がすずかとアリサに魔法を教えるのはもし二人が少数派だった場合、危険だからです。少数派だったとしても護身程度の力があれば自分の身を守れるかもしれない、無いよりましと考えているからです。
一応書いといたほうがいいかな?
なお、作品の感想や疑問は受け付けますが、個人の考え方に対する批判はしないで下さい。
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