魔王になった少年と魔法少女たち   作:旅人H

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 なぜか、サブタイがおかしい気がするが気にしない。


老人会(蒼真を見守る人達)

 

--- 神秘秘匿委員会 日本支部 ---

 

 

 やれやれ、漸く管理局側との交渉も終わったの。まさか三日も掛かるとはあのリンディとかいう小娘、若いのになかなかのやり手じゃのう。まぁ、やり手だったおかげでこちらの意図を察してくれておったから、強硬手段に出なくて済んだんじゃがな。っと、考え事しておったら部屋についてしまったな。『支部長室』我の仕事部屋じゃが、中に人の気配がするの。いや、人外の気配か。我は気配の人物が知り合いだと気付き

 

「今戻った。なにようじゃ、アルカード」

「久しぶりだな、アルハザード」

 

警戒することなく部屋に入る。部屋のソファーで紅茶を飲みながら挨拶するこやつの他に気配のみ(・・・・)が五つ。やれやれ、用件が予想できるだけに過保護すぎじゃろこいつら。

 

「なに、あちら側との交渉が終わったと耳にしてな」

「別に、終わったその日に聞きにこんでもよかろうに」

 

我の部屋なのに誰が紅茶用意したんじゃろうか?というか、いつから此処に来ておったんじゃろう。

 

「我は久しぶりの交渉で疲れておるんだがのう。少しは休ませてほしいものじゃ」

「申し訳ありませんが、今回の件はあの子の未来に関わりますので心配なのです」

 

この場にいない人物の声が部屋に響く。やれやれ、思念を飛ばしてまで聞きたがるとは

 

「『仙女』よ、それは我にもわかっておる。ゆえに交渉に失敗するわけなかろうが」

「しかし、我らが主は時に試練をお与えになりますゆえ、万が一にもと思ってしまうのですよ」

 

こいつは、十字架握りしめて祈ってる姿が容易に想像できるの。

 

「『法王』よ、むしろ魔王と神は相容れないと思うのじゃが」

「ならばこそ、心配するのは当然でしょう」

 

時差的にこいつは昼間じゃろ、仕事せんでいいのかのう。

 

「『ヒーロー』お主、表の仕事はどうした。報告は後にしてさっさと戻ったらどうじゃ」

「ふむ、妾のお気に入りを何処とも知れぬ馬の骨に探られるのは不愉快じゃ」

 

あぁもう、交渉は無事終わったというのにこやつは

 

「『女帝』気の短いのは直せと言っておろう。蒼真に呆れられるぞ、まったく」

「はっはっはっ、やれやれ委員会最高幹部『七剣人』も形無しですな」

 

のんきに笑うぐらいなら止めてほしいものじゃ

 

「『長老』お主が一番古株なんじゃから、皆の手綱位握らんか」

 

はぁ、とは言っても皆あの事件で蒼真に負い目があるからのう。心配するのは当然か。

 

「とりあえず、地球に魔法並びに神秘が存在することは管理局自体には報告しないよう取り決めた。蒼真に関しては術を使って魔王関係は記録に残らんようにしてある。むこうは、魔法が使える子供としか分からぬよ」

「交渉に応じた人物は信用におけますかな」

 

こやつ、神信じてるくせに疑り深いのう。蒼真に会ってから性格変わっておらんか?

 

「あの事件の様に私達の見通しが甘く、また彼に重荷を背負わせてしまったらと思うと」

「じゃがあの事件は、あの狂人が一枚上手じゃったせいじゃ」

 

あのクソッタレめが我ら七剣人の足止めにあの様な事をしでかしおって

 

「悪魔城の封印解除の余波を利用した一部地域の【時間停止】。あの様な事をされてしまったら、正常な地域と停止した地域でのズレが生じ、どのような天変地異が起きるかわかりませんからね」

「下手したら地球は人の棲めぬ地になっておったぞ。とっさに妾達六人で地球自体に時間停止を掛けたから良かったものの。まぁ、地球の公転周期が多少遅れてしもうたが微々たる問題じゃの」

 

とっさとはいえ間に合ってよかったと思うべきじゃが、こやつは違うからの。

 

「あの事件の責は私にある。いかな罰でも受けよう」

「『魔王子』どのあまり自分を責めるものでは無いぞ。此処にいる全員が、八歳の子供が人の為人外に堕ちる選択を取るなど考え付きもせぬ」

 

身動きとれぬ我らと違いあの城に乗り込んでいたからこそ自分を責めるのは仕方あるまい。じゃが委員会の監視の網が薄い日本で事を起こすなど奴の用意周到さに出し抜かれた時点で全員の責じゃろう。

 

「やはりここは私の管理地区で蒼真の身の安全を守る方が、そうです、そうです。私が常に寄り添って守れば安全です」

「何を言うか。それなら妾の城で騎士団の保護を受け、妾の寵愛を受けながら過ごす方が言いに決まっておる」

 

おい、おい。またこの話題を繰り返すのかこやつらは

 

「いい加減にせぬか主等は」

「まったくだ、蒼真を育てるならアメリカが一番さ。そしてゆくゆくは僕の後をついでスーパースターの仲間入りだ」

「あほか~~~~!」

 

えぇい、こやつら本気で暴走しておるな。誰か味方は、

 

「蒼真なら主もきっと受け入れて下さるでしょう。受け入れぬ信徒には天罰(左遷)が落ちるでしょう」

「おい、今私情はさんだだろ」

 

こやつを法王に任命した奴ら今頃後悔しとらんとよいが・・・・・・しとるな、うん。

 

「ふむ、では間を取って私のいる「「「「「却下!!!」」」」」・・・最後まで言わせてくれてもいいと思うが」

「どこの間を取ったらそうなる。長老が一番ありえんわ。それに蒼真は家族のいる日本が良いと言っておったろうが」

 

まったく、蒼真はまだ9歳じゃぞ。家族と引き離すなどもってのほかじゃ。

 

「では、『アルハザード』。私の中国支部長の席とあなたの日本支部長の席を取り換えませんか?ただとは言いません、この中国に伝わる不老不死の妙薬を」

「ずるいぞ仙女。のうアルハザード、妾のイギリス支部長の席と交換せぬか?今なら貴族の地位を女王陛下に頼んでもよいぞ」

 

・・・・・・こいつら、ものすごく頭が痛くなってきたわ。ちなみに、この下らぬ議論はアルカードが蒼真に通信(助け)を繋ぎ、冬休み中に各支部を訪問すると約束した事で終結した。

 

 こいつら今さらじゃが100年以上生きてる自覚あるのかのぅ。見た目がいくら20~30代とは言え・・・・・・・・・はぁ。





 と言う訳で『最高幹部 七剣人』の皆様でした。皆さんの気分は『初孫に会った祖父母』、『自分達と対等(次期七剣人)の有望株(女性陣は婚期的な)』という事でダダ甘です。

 感想にて『非殺傷について穴を突っつき過ぎ』とありましたが、自分たちの知らない未知の技術が安全かを確かめるのは普通の事だと思ってます。別に非殺傷を否定していませんし、そのような発言は誰もしていません。言っているのは『安全だと思い込んでいると危険だよ』って事です。

 まぁ、正直言うとリリカルなのはの管理局の子供の扱いに対しては個人的に嫌悪感がありますが、それ以外には設定に疑問点があるぐらいでキャラ劣化等してまでアンチしたりはしません。約束します。(管理局側あんまり出てこないし)

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