妖魔?……もしかしてクレイモア!?   作:Flagile

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どうもFlagileです。
初めて投稿する処女作です。
唐突に思いついて書き始めて出来上がってしまったので投稿しました。
需要とかあるのかな?
あったら続きます。
感想とか批判とかくれるととても喜びます。
拙い作品ですが、それでもよろしければ是非読んでいってください。


序章 誕生
妖魔の誕生


あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!「目が覚めると俺は妖魔だった」

な、何を言っているのかわからねーと思うが

おれも何をされたのかわからなかった……

神様転生とかトリップとかそんなチャチなモンなんかじゃねー

……とは記憶が無いから言えないのだが

 

 

さて、いきなりネタに走ってしまったが、残念ながら全て本当の事だ。

あれは数十分程前の事だっただろうか?

 

ふと目が覚めるとそこは森の奥深くだった。

鬱蒼と木々が生い茂りほんの数十m先も見通すことができない。

空からはうっすらと日差しが差し込んでいるのが分かる。

日の差す方向から考えるに今はお昼ぐらいだろうか?

心地良い風が身体を優しく撫で、木々をざわめかせる。

穏やかで安らげる環境。

時の流れすらいつもと違うように感じる。

森林浴するならば最高の環境だろう。

日頃のストレスから解放された大自然の中、些細な悩みなどふっ飛ばしてくれそうなくらいだ。

 

実に良い環境だ。で、ここ何処?

というか、俺は誰?

何も思い出せないですけど……

 

そんな感じで周りを見回していたら頭の中にふと思い浮かんで来る一文があった。

 

我々妖魔は古より人々の側にあり人間共を糧として存在してきた。

人間にとって我々妖魔は絶対的な上位捕食者なのである、と

 

そんな感じの認識が当然のモノとして意識の底の方にあるのだ。

どうやって認識してるんだと言われると困るが、ただそれが正しい事なのだ、という疑う事のできない(・・・・)真実のように感じられる。

もう、この段階であれー?って感じだったんだが、そんな訳無いだろと思って自分の姿を確認してみた。

両手、両足、頭、基本的なパーツの構成は人間と同じだった。

しかし、口は大きく裂けており、歯が鋭く尖っていた。

そして瞳は金色に光り、瞳孔が縦に割れていた。

ついでに肌は青みがかった灰色……

 

「……クレイモアの妖魔かよ!?」

 

つい俺は大声で突っ込んでしまう。

今までの話から分かるかも知れないが俺は妖魔という存在について知っている(・・・・・)

具体的に言うとクレイモアというマンガの敵として、だ。

その中で妖魔は人に成り済まして人を襲い喰らっていた。

そしてクレイモアと呼ばれる半人半妖の者達のみが妖魔を打倒できるとされ、クレアを中心としたクレイモア達の戦いを描いた物語だったと思う。

一体この知識が何なのかはよく分からないが、おそらく前世か何かの知識だろう。

前世の事なんか何も思い出せないから違うのかもしれないけど、ネット上でそう言った小説があった気がするし。

ネット上とかそんな事は分かるのに自分の事は何一つ分からないってどうなんだ……

 

いつまでも落ち込んでいても仕方がない。

気持を切り替えていこう。

さて、ここで問題となるのは妖魔は雑魚でしかないという事だ。

ん?問題はそこじゃないだろだって?

いやいや、とりあえず何をするにしても生き残る事が最優先でしょう?

だったらこの弱肉強食の世界において強さって言うのは大事な事だと思う訳なのですよ。

まぁ、雑魚とは言っても一般人からすれば途轍もない脅威だったようだし、物語の初期の方では妖魔相手でもわりとクレアは苦戦していた。

 

しかしだ、当初のクレアはクレイモア中で最弱の存在だということを思い出すべきだろう。

クレイモアは妖魔の血肉をその身体に埋め込んだ半人半妖とでも言うべき存在だ。

しかし、クレアは妖魔ではなく最強の戦士だったテレサの血肉で戦士となった特殊体だ。

そのため力も弱く、速さも遅い、最弱の戦士だった。

そんな最弱の戦士だったクレアですら足手まといとか人質が居るなど特殊な状況以外で苦戦した事はなかった筈だ

この事から分かるのはクレイモアからすれば妖魔は限りなく雑魚でしかないという事だ。

実際に複数体の妖魔に囲まれてもあっさりと皆殺しにしていた。

その上妖魔()から見たらどうしようもないクレイモアをさらに越えた強さを見せつける覚醒者とか、それを越える深淵の者とか、深淵の者を倒す深淵喰いとかこの世界には化け物がゴロゴロ転がっているのだ。

ちなみに覚醒者ってのは戦士が自らの限界を超えて妖魔化してしまった存在の事を言う。

化け物みたいな外見に硬い装甲、驚異的な再生力、膨大な妖力と圧倒的な強さを誇る存在である。

ましてや覚醒者を超える深淵の者とか……

 

「……無理だろ、これ」

 

orz←こんな感じで俺は崩れ落ちる。

まぁ、救いと言って良いのかは微妙だがクレイモアは基本的に依頼が無ければ妖魔を倒さない筈だ。

それに覚醒者は妖魔を積極的に襲う事はなさそうだということだろうか?

こちらから積極的に喧嘩を売らなければ生き延びられる筈だ、そう信じる事にする。

……クレイモアの多くが妖魔を憎悪してる事とか根拠がほとんどないとかそう言った事からは目を逸らす事する。

 

そして、これは重要な事だが、まだこの世界がクレイモアの世界だと確定していない事だろうか?

そう、まだ俺は森しか見てないのだ。

クレイモアの世界ではないかと判断した根拠は頭に思い浮かんだ妖魔だって認識と自分の姿だけなのだ。

という事は自分が妖魔であると思い込むぐらいクレイモアの妖魔大好き人間で、この格好も特殊メイクか何かの可能性もあるのだ!

……まぁ、可能性は低そうだけど

そもそも自分がそんな痛い人間だと思いたくないけど……

できれば、クレイモアの居ない安全な世界であって欲しいなぁ……何もしていないのに殺されたくないし

俺は平和主義者で穏やかな生活がしたいだけなのだが、それは可能なのだろうか?

まぁ、とりあえず当面の目標は生き延びる事だろう。

何と言ってもここが一体何処なのかすら分からないのだ。

早く人里か何か見つけるんだ。そして、衣食住を確保するのだ。

 

「……「食」って、やっぱり人間なのかなぁ」

 

一人呟く。

今の所腹は減っていないが、できれば人間を食べたくはないと思う。

どうも妖魔になった所為か人間を食料として見る事にあまり違和感はない。

だからと言って微妙に残っている前世?の感覚が人を襲うのはなぁ、と言っている。

とは言え俺は自分を犠牲にしてまで他人を救いたいとか言う聖人ではないから、必要となれば襲ってしまいそうだが……

できる限り人間でいたいと思う……既に妖魔なのだが

まぁ、極力人間は襲わない方針で生きていきたいと思う。

 

「さて、ここ何処なのかな?本当に周り一面森しかないんだけど……」

 

こうして俺はとりあえず適当な方向に歩き始めるのだった。

ちなみにこの方向を選んだのは単にこっちの方が明るいような気がしたからだ。

何の手掛かりも根拠もないのだからどっちを選んでも大差ないだろうと思う。

こんな実質遭難しているのと変わりない状況だが、妖魔になった所為かさして問題とは感じずに俺は気楽に妖魔の体を色々と試しながら歩いて行くのだった。

 


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