Jumper -IN CHRONO TRIGGER-   作:明石明

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どうもこんばんわ、このSSを書きながらDS版クロノトリガー攻略に精を出している作者です。
さて、今回は前半に探検家のトマ、後半に魔王軍三大将軍筆頭でおなじみのお酢、もとい、ビネガーがちょっとだけ出てきます。
ここでも少しオリジナル設定が出てきますが、ご容赦ください。

それでは本編第3話、どうぞご覧下さい。


第3話「ゼナンの橋での共同戦線」

「いやー、まさか万能薬が二日酔いにも効果があったとは……。教えてくれてありがとな、トマ」

 

「いいってことよ。あんたは万能薬の新しい使い方を知って、俺様はその礼に酒が呑める。ギブアンドテイクってやつだ」

 

 

 トルース村の宿屋に泊まろうとしたところで酒場で偶然飲み比べ大会が開催されており、優勝賞金5000Gに目がくらんだ俺は後先考えず参加費200Gを支払ってジョッキをあおりまくった。

 結果、優勝は出来たものの凄まじい吐き気と酔いに苛まれてトイレと仲良しになっていた。

 そこへ声をかけてくれたのが探検家のトマだ。原作だと虹の貝殻の場所を教えてくれる大事なキーパーソンだが、この時期だとトルースではなくサンドリノにいたような。

 まあそれはいまどうでもいい。トマは気持ち悪がっている俺を見かねたのか、万能薬を持っているならそれを飲めと助言してくれた。

 ゲームだと混乱とか毒とかの状態異常にしか使う用途がなかったが、まさか日常生活のこんなところにも役立つとは。あれ、だったら何でガルディア21世は床に伏せったんだ? 万能薬で治せる病気じゃなくて過労か心労だったか?

 とにかく、万能薬の新たな可能性を教えてもらった俺はそのお礼としてトマに酒を奢ることにした。

 

 

「ところで、ミコトはこれからどうするんだ? パレポリ方面にいくなら早く行ったほうがいいぜ。近々、魔王軍の侵攻でゼナンの橋が戦場になるって噂だ」

 

「魔王軍が?」

 

「ああ。しかも魔王の片腕とされるビネガー将軍が直々に指揮を取るって話だ」

 

 

 ゲームではガルディア軍は終始押されっぱなしだったがクロノたちの加入を得て一気に巻き返すことが出来た。こちらでもおそらく数日以内にクロノたちがゼナンの橋に到着するだろうが、そうか。『あの』ビネガーを一目見るチャンスでもあるのか。

 

 

「なるほどな。まあ、大丈夫だろう。俺が得た噂によれば、ガルディア軍は優秀な戦士たちを呼び寄せたって話だ。まだ到着にはいたってないらしいが、ほぼ確定情報らしい」

 

「へぇ、それが本当ならガルディア王国も安心だな。 なら、俺は一足先に行かせてもらうぜ」

 

「そうか。それじゃ、次にあったらまた酒でも飲み明かそうぜ」

 

「おう。今度は割り勘でな」

 

 

 ニッと笑みを浮かべたトマは後ろ手に手を振って店を後にした。

 俺の予定としてはまあレベル上げで時間を潰して、頃合を見て橋に向かうとするか。

 クロノたちが攻略していたらそれでよし。交戦中なら恩を売ってよし。まだ来てなかったら……もう少し時間を潰すとしよう。確かに力はそれなりにあるが、正直心許ない。

 そうと決まったら、今日はもう寝るか。宿代は先払いで済ませたから……あとはトマの酒代だけだな。

 

 

「えーっと、支払額は…………え゛?」

 

 

 よ……4980G、だと?

 伝票には銘柄と値段がつらつらと並んでおり、その下には変わらぬ文字でトータル4980Gと記されていた。

 ふと前方から気配を感じてブリキの玩具のようにぎぎぎと顔を上げれば、カウンターのお姉さんがニコニコと営業スマイルと共に手を差し出していた。

 高い、教えてもらった内容に対して本当に高い授業料を取られたと思いながら俺はトマを一発殴ることを誓いつつ手に入れたばかりの賞金とサヨナラをした。

 

 

 

 

 

 

 高い授業料に涙で枕を濡らした翌日、俺は既にクロノたちが攻略したマノリア修道院を訪れていた。

 理由は二つ。まずクロノたちが取り損ねた宝箱がないかのチェック。あるならあるで遠慮なくいただき、今後の生活費の足しにさせてもらおう。

 もう一つは単純にレベル上げと資金稼ぎである。魔物が残っていればそれを狩って文字通り今後の糧としていくのだ。ゲームだとクリアした後はシスターが一人お祈りをしているだけで魔物はいなかったが、いたら儲けものと割り切るか。

 仮にいたとしても序盤のダンジョンなので敵から得られる経験値は低いが、俺には精神コマンド『努力』がある。

 これの効果で経験値が2倍となり、比較的に早いペースでレベルを上げることができる。実際、ヘケランの洞窟でもこれのおかげで一気にレベルを上げることができたからな。

 などと思いながら修道院に足を踏み入れると、ゲーム通りシスターが一人ステンドグラスに向かってお祈りを捧げていた。となると、魔物はもういないのだろう。隠し扉も出しっぱなしだし

 そう判断した俺はシスターに一言断りお宝求めて奥へと進んだ。

 

~~~ミコト探索中・・・しばらくおまちください・・・~~~

 

 用済みとなった修道院から出てきた俺は戦利品に頬をほころばせていた。

 ダンジョン部分に入ってすぐにキングクリムゾンが起こった気がするが、何故か触れてはいけない気がするのでスルーだ。

 予想通り、魔王の像が置いてある部屋の宝箱が手付かずになっていた。おかげでプロテクターとスピードベルトを入手できたので、さっそくスピードベルトを装備する。

 ゲームと違ってアクセサリは干渉さえしなければ複数装備できるみたいなので、リング系やイヤリング系は進んで装備するようにしよう。

 しかし予想以上に早く終わってしまったな。ゼナンの橋の攻防までまだ時間があるはずだからどこかで時間をつぶした方がいいのだろうが、この当たりでレベル上げできる場所と言えば……。

 

 

「ガルディアの森しか残ってないな」

 

 

 仕方ない、小遣い稼ぎついでに訓練といこうか。サテライトエッジの武装もハルバードやツインソードの近接武装ばかりでなくブラスターやボウの遠距離武装も使わないと。

 そんな訳で、ガルディアの森にいるまるまじライダーには尊い犠牲になっていただこう。

 

~~~ミコト訓練中・・・しばらくおまちください・・・~~~

 

 ある程度狩り終えたところでステータスを確認する

 なんかまたキンクリが発生した気がするが、今回もスルーだ。宇宙の法則が乱れそうだし。

 さて、今回の訓練で技ポイントがそこそこ溜まり、それなりの回復力を持つ魔法『ケアル』を習得した。これでポーションの節約が出来るぜ。

 資金に関しても塵が積もって大金になったおかげで一先ず昨日の酒代の半分くらいは取り返せた。ただレベルに関してはやはりもらえる経験値が少ないのがネックになっているのだろう、18のまま止まっている。

 しかしゼナンの橋に現れるボス、ジャンクドラガーを『努力』付きで倒せば間違いなくレベルは上がる。うまくいけば20にもいけそうな気がするが、流石にこれは高望み過ぎるか。

 さて、流石にゼナンの橋の攻防はまだのはずだから一度トルース村の宿に戻って休むとするか。

 そう決め込んで森を抜け、何気なく橋の方角へ眼をやる。

 

 ――――――黒い煙が立ち込めていた。

 

 

「……ファッ!? まさかもう始まってるのか!?」

 

 

 しかも黒煙は橋の半分以上から上がっているではないか。

 どうする、当初の予定通りクロノたちの有無で行動すべきか? いや、元々そのつもりだったから何ら不都合はないはずだ。ちらっと戦況見てから行動を……。

 などと考えていると、またひとつ橋から新たな黒煙が立ち上った。

 

 

「――ッ、ああもう! 見捨てたら寝覚めが悪くなっちまうじゃねえか!」

 

 

 なまじ力があるのも考えものだと思いながら俺は最初の予定をすべて破棄して橋の方へと駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 ゼナンの橋はガルディア軍と魔王軍の攻防で地獄の体を表していた。

 兵の質自体はガルディア軍が圧倒していたものの、それを上回るほどの兵力が魔王軍にはあった。

 いかに歴戦の戦士と呼ばれるガルディア軍も倒してもきりがない軍団に疲弊して各個撃破されついには最終防衛銭まで押しこまれる事態となった。

 しかしそこへ現れたのがかつてリーネ王妃を救いガルディアの窮地を救ったクロノ一行だ。

 彼らは人間から失われたとされる魔法を駆使し、その圧倒的な力で魔王軍をぐいぐいと押し返していた。

 

 

「くぅ! 人間のくせに魔法を使うとは!」

 

 

 これに動揺したのが魔王軍前線指揮官のビネガーだ。

 数で押し込もうとしたりガルディア兵の死体を魔物に変えたりと策を巡らすが、あの一行はそれをものともせず自分へと向かって来ていた。

 

 

「もう後はないぞ!」

 

「抵抗なんて無駄なんだから!」

 

「大人しく観念なさい!」

 

「ちぃ! 生意気なことを! ワシがこのまま引き下がると思うか!?」

 

 

 ついに反対側まで押し切られたビネガーはクロノたちの勧告にそう返すと魔法を使い今まで倒された骸たちを集め、自分の前に押しやった。

 すると骸たちは混ざり合い、やがて一つの形を成し始める。

 

 

「くひひ! ワシを追いたければこいつを倒すんだな! いでよ! ジャンクドラ――ぐはぁ!?」

 

 

 突如、クロノたちの後方から光の光弾が飛来しビネガーに直撃した。

 痛みにのたうちまわるビネガーを無視して何事かと思い振り向いた先には、チタンベストを纏った黒髪の男がクリアブルーの刃がついたハルバードを携えて現れた。

 

 

「――不意打ちで失礼するが、初めましてだな。ビネガー将軍?」

 

 

 

 

 

 

「み、ミコトさん!?」

 

「よお、マールの嬢ちゃん。その二人はお仲間か?」

 

 

 緊張と震えを押し殺し、俺はマールに軽く返しながら3人の前で足を止める。

 しかし、まさか既に戦線に加わっていた上にもうここの終盤とは……予想以上の早さだ。

 ちなみにさっきビネガーに打ち込んだのはサテライトエッジのボウモードだ。威嚇のつもりだったんだが、まさか直撃するとは。

 背中を冷や汗が伝うのを感じるが、同時に気持も高揚してくるのを感じる。

 

 

「あれを倒すんだろ? 共同戦線といかないか?」

 

「それは嬉しい限りですけど、さっきの攻撃は……」

 

「悪いが、そいつは企業秘密だ」

 

 

 ルッカの問いかけにニッと笑って答えると、今度はクロノの方を向きあくまで初対面として振る舞う。

 

 

「少年、俺と君で前衛を担当するぞ。嬢ちゃんたちは後ろから援護を頼む」

 

「あ、はい」

 

 

 並んでビネガーへ向き直すと、ちょうどビネガーも体勢を立て直したところだった。

 

 

「よ、よくもワシの見せ場を邪魔しおって……! 絶対に許さんぞ若造!」

 

「悪いな、今回ばかりはちょっと余裕がなくてな。出来ればここで倒されてくれ」

 

「馬鹿にしおって! 改めて出でよ! ジャンクドラガー!!」

 

 

 ビネガーの言葉と共に骸たちが融合し、巨大な骨の魔物ジャンクドラガーが姿を現した。

 ジャンクドラガーを呼び出したビネガーはさっさと後退し、今から追っても到底追いつける物でもなさそうだった。アニメとかの悪党にも言えることだが、なんであの逃げ足を初めから発揮しなかったんだろうな。

 

 

「さて、ジャンクドラガーか……。確かこいつは物理はなんでも効くが、魔法を使う際に注意しろ。文献によれば、上半身は天と火を、下半身は冥と水を吸収するらしい」

 

「と言うことは、それ以外の属性なら効くってことだね?」

 

 

 その問いに頷いて返すと、ルッカとマールは頷きあって魔法を唱えた。

 

 

「上半身に『アイス』!」

 

「下半身に『ファイア』!」

 

 

 それぞれの魔法が標的に着弾し、ジャンクドラガーは痛みでその身をよじった。

 

 

「おおおおおおッ! 『回転切り』!』

 

 

 クロノが懐に飛び込んで凄まじい勢いで回転ぎりを放つ。うーん、初めて目の当たりにするが、この早さは人間業じゃないな。

 感心しながら俺も後れを取るまいと上半身に攻撃を仕掛ける。先に上半身を倒しておかないと外道ビーム喰らうからな。MPバスター? んなもん屁でもないわ! 横薙ぎと唐竹割のコンボを喰らえ!

 そして始まるフルボッコタイム。弱点から対策まですべて網羅している俺の指示は呆れるほど有効的な効果を発揮し、ジャンクドラガーはわずかな抵抗しかできず崩壊した。無論、『努力』の使用は忘れていない。

 もう少し梃子摺るかと思ったが、存外あっけなかったな。と言うか、今さらながらこのサテライトエッジ強すぎないか?

 ヘケランの洞窟ではダメージを受けたときの心配ばかりしていたせいであまり深く考えていなかったが、よくよく思い出せば魔王のしもべも1発か2発くらいで倒せていた気がする。

 ガルディアの森では……まあ、序盤の雑魚ばかりだから一撃は全然おかしくないし。この橋の戦いだって俺が突入したころにはすでにランサーは全滅してビネガーとジャンクドラガーのみだったからな。

 ともかく、俺はサテライトエッジを亜空間倉庫に戻すとクロノたちへ向き直った。

 

 

「みんな、無事か?」

 

「はい。弱点や対策を教えてもらったおかげで、全然平気です」

 

「そうか。それじゃ、俺は行かせてもらう。少し先を急いでいるんでな」

 

「あ、ちょっとま――――!」

 

 

 ルッカの制止を振り切り俺は『加速』を使ってその場から離脱、サンドリノへ一気に向かうことにした。

 何故振り切ったかって? 嫌な予感がプンプンしやがるんだよ、それもメチャクチャめんどくさい方向に。

 

 

 

 

 

 

 尊に置き去りにされたクロノたちは、彼が走り去った方角を呆然と見つめていた。

 

 

「な、何てでたらめな早さなの……」

 

「加速の魔法か何かかしら? そういうのがあれば戦闘でも役立ちそうだけど」

 

「けど話を聞きそびれたのは結構痛いな。それにあの強さ。仲間になってくれたら心強いんだけど……」

 

「それはもう次に会ったときに聞きましょ。今度は逃がさないように……マール、お願いできる?」

 

「うん。やってみる」

 

「よし。じゃあミコトさんについてはそれでいいとして、一先ず国王様に勝利の報告をしに行こう」

 

 

 今後の方針を固めたクロノたちはゼナンの橋防衛成功の旨を報告すべく、尊が向かった方向とは逆の道へと引き換えした。

 一方、サンドリノ村に到着し宿屋兼酒場に突入した尊はと言うと――――――

 

 

「くぉらトマぁ! テメェよくもあんな高い酒ばっかり呑みやがったな!?」

 

「ちぃ! もう追いついてきやがったか! けどお前が知らなかった万能薬の新しい可能性を教えてやったんだから別にいいだろ!?」

 

「内容と額が釣り合ってないっての! 奢ると言った手前全額とは言わないが返せ! 半額でもいいから返せ! 今ならそれで手打ちにしてやる!」

 

「もう酒代に消えちまったよーだ!」

 

「――よろしい、ならばガチンコだ!」

 

 

 その日、サンドリノの宿屋は大いに荒れたそうな……。

 




何気に原作メンバーと共同戦線張りましたが、本格的な合流はまだ先になる予定です。
また、第1話にてUG細胞改のブーストアップと自己再生の説明文を一部修正加筆しました。よければそちらも確認してください。

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共通ステータス
名前:月崎 尊(24)
属性:天・水

魔法・精神コマンド
努力     MP2
サンダー ★ MP2
アイス  ★ MP2
集中     MP4
加速     MP4
ケアル  ★ MP4
???
???
???
???
???
???
???
???

特殊スキル
UG細胞改
亜空間倉庫
ブーストアップ
???
???
???
???

尊が認知できていない特殊スキル
次元跳躍
 └神の気まぐれによって付与された特典能力の一つ。
  特定条件を満たすか自分のすぐ近くで転移が起こるとそれに誘発されて別の世界へ飛ばされてしまう。また、クロノ世界ではゲートをくぐる際にゲートホルダーを必要としない。
  本来なら大量の魔力を消費するだけで転移の際に行きたい世界へ移動できるはずだったが、最初の転移で起こったエネルギーの暴走と謎の力の干渉で狙った世界へとうまく移動できなくなってしまった。
底力
 └体力が一定数以下になると攻撃力と防御力が上昇する。スパロボのアレである。

クロノ世界でのステータス
Lv   :19
HP   :210
MP   :38

力   :40
命中  :12
すばやさ:11
魔力  :18
回避  :13
体力  :44
魔法防御:27

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