Jumper -IN CHRONO TRIGGER-   作:明石明

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どうもこんばんわ、某麻雀ゲームでCPU相手に戦っていたら一回目の半荘でCPUに数え役満の直撃をもらってトビ、2回目の半荘であわや別のCPUから大三元・四暗刻・字一色の3倍役満を喰らいかけた作者です。

さて今回はパレポリからチョラスに移動する話です。
巨人のツメには次あたりから攻略に入りますが、ルストティラノはさらに次あたりになりそうです。

ところで、皆さんおわかりだと思いますが、この小説はできるだけ健全な話を目指しています。故にR-18なことがあってはならないのはお分かりいただけますね?
それを今一度心に刻み込んで今回の後半をお楽しみください。

それでは第14話、始まります。


第14話「酒で寝落ち+宿屋=……」

 今後の方針を決めた尊たちは一度準備を整えるためパレポリに向かっていた。魔王軍が消滅したことでパレポリのチョラス行きの定期便が使えるようになったかの確認と、必要物資の購入のためだ。

 強力な魔物がひしめく場所なので回復アイテムは言わずもがな、食料やシェルターの予備、そして着るものの衣食住だ。ちなみに資金に関しては古代でシドとして行動しているときにジールから日払いでもらっていた給料があり、この世界なら1年ほどは普通に生活できるほどの資金を手にしていた。

 巨人のツメから一番近いチョラスまでどれほどの時間がかかるかわからないが、しばらく現地で活動する可能性が高いことに変わりはなく、必然的にキャンプをする必要もある。

 特にサラも着の身着のまま古代から中世に移動したため、着替えがないのは由々しき事態にあった。ちなみに尊は今まで野宿をすることはなく、宿に泊まるなり洗濯を依頼していたので古代に移動するまでずっと同じ服を着まわしていた。

 以前は尊しかパレポリに足を運ばなかったが、今回はガイナーたちも同行していた。――忘れがちではあるが――魔物である彼らが街に入れるかは正直微妙なところだったが、ガイナーたち曰く、巨人のツメで生き延びるために動いていたらいつの間にか気配を完全に消すスキルを身につけたという。

 なお、それを聞いた尊は「もはやなにも言うまい……」と額を抑えたという。

 かくして、問題なくパレポリに到着した一行はまず二手に分かれる。物資の購入を担当するのは尊とサラ。船の状況を確認するのはガイナーたちだ。

 ガイナーたちは街に着く前に姿をくらましており、現在大通りでは尊とサラが並んで歩いていた。

 

 

「アイテムはチョラスの方が揃えがよかったので、まずは服を買いますか」

 

「わかりました。……ところで、ミコトさん」

 

「なんですか? サラさん」

 

「私はもうジール王国の姫でもないのですから、敬語を使わなくてもいいですよ。名前も呼び捨てでかまいません」

 

「……いいんですか?」

 

「そっちの方がミコトさんも喋りやすいのでは?」

 

 

 お見通しか。と呟き、降参の意味を込めて両手を上げる。

 

 

「了解した。ではこれからサラと呼ばせてもらうよ」

 

「はい。よろしくお願いしますね」

 

 

 そんなやり取りから数分、目当ての店でサラ用に服を数着(ニヤニヤと笑みを浮かべる女性店員に「彼女さんにプレゼントですか?」と尋ねられたが――若干頬を赤らめながらも――それを否定する)購入し、店を出たところで全身をローブで包んだ男が現れた。

 

 

「御館様」

 

「その声……マシューか?」

 

 

 ローブの影から覗いてみると、右目の上に傷跡があるフリーランサーのマシューが笑みを浮かべていた。

 

 

「調べたところチョラス行きの定期便が10分後に出発とのことです。ガイナーたちは既に現地付近で待機しておりますが、いかがいたしましょう」

 

「行動は早い方がいい。それに乗り込もう」

 

「承知しました。では――」

 

 

 その言葉を残し、マシューはすぐ近くの裏路地へとはいって行った。なるべく姿を見せないようにしながら移動するらしい。

 

 

「よし、じゃあ行くか」

 

「はい」

 

 

 サラは自分の服を自前の亜空間倉庫にしまうと、ここ気来るまでと同じように尊の隣に並ぶのだった。

 

 

「……イチャイチャするカップルは全て爆死すればいいのに」

 

 

 なお、店の中から一部始終を見ていた女性店員は仲睦まじそうに去っていく尊たちを眺めながらそう毒づくのだった。

 

 

 

 

 

 

 パレポリから出発した定期便に乗り込んで数時間。正規ルートで乗り込んだ尊たちと誰にも悟られることなく船に忍び込んだガイナーたちは合流するとここからの予定を相談していた。

 既に陽は傾き空は茜色となっており、沖合へ出ようとする船は一隻もない。必然的に、巨人のツメへの上陸は明日へと持ちこしにとなったからだ。

 

 

「寝泊まりは……前にここに来た時と同じでいいか?」

 

 

 以前、北の廃墟へ修業に向かったとき尊はチョラスの宿をとり、ガイナーたちは近くの森で渡したシェルターを使い夜を明かしていた。市販されているシェルターは一度設置したら24時間存在し、時間が切れると土に還ると言う謎の科学力満載の逸品である。ちなみに初めてそれを知った時、彼は「この世界の科学の力ってすげー! でも文明のレベルとアイテムの科学レベルが釣り合ってねーよ!」と語った。

 それはさておき、提案された内容にガイナーたちは「我等は一向にかまいませぬ」と了承し、以前のようにシェルターを受け取ると近くの森のへと消えていった。

 そして残った二人はまず営業中のグッズマートでアイテムを(シェルターとポーションを中心に)購入し、宿へ向かう前に一先ず食事と言うことになり以前尊が訪れた酒場を目指していた。

 

 

「それにしても……。この時代は賑やかですね」

 

「まあ、脅威が取り除かれた上での平和だからな。賑やかになるのは必然ともいえるな」

 

 

 きょろきょろと物珍しそうにサラが周囲を見回しながらそう漏らす。

 確かに古代にいたころには見られない光景だろう。あそこは上流階級と貴族とかそういった物静かな雰囲気と、貧しさに苦しむ暗い雰囲気の二つを持ち合わせていた。

 ただ、まさかこの世界の脅威の対象がサラの弟だったなどと口が裂けても言えはしないが。

 内心で尊がそう思っているとやがて目的地にたどり着き、二人はそろって中に入る。以前来た時より活気があり、誰もが楽しそうに飲食を楽しんでいた。

 そんな中で空いている席がないかと店内を見回すと、やがて尊はカウンターの二つの空席の隣に見たことのある男の後姿を見つける。

 

 

「よお、トマ」

 

 

 声をかけて近づくと、名前を呼ばれた相手はぎょっとした表情でこちらを見る。

 

 

「お前、ミコトか!?」

 

「ああ。久しぶりだな」

 

 

 酒を片手に男――冒険家のトマは酒飲み仲間を迎えようとすると、隣にいたサラに気づく。

 

 

「えーっと、そっちの女性は……お前の嫁さんか?」

 

「その質問をしたのはお前が二人目だが、違うぞ」

 

「なんだ、恋人だったか」

 

「いや、そっちも違うから」

 

「はっはっはっ。顔を赤くして否定しても説得力ないぜ」

 

「なっ!?」

 

 

 言われて思わず顔を覆うとトマの笑みがさらに深くなり、唐突にはめられたということを悟る。

 

 

「トマ……。てめえ……」

 

「み、ミコトさん。落ち着いてください」

 

「はっはっはっ、照れるな照れるな。 マスター、二人に上等な酒をやってくれ。俺のおごりだ」

 

 

 からかわれて不機嫌な表情を作っていた尊だが、トマの一言が意外すぎて目を丸くしする。

 

 

「……お前が酒をおごるとは……。明日は嵐か?」

 

「おいおい、俺のことどう思ってやがんだ?」

 

「自分の胸に手を当てて思い返してみろ、酒が絡んだときの俺とお前のやり取りを」

 

 

 言われ、腕を組んで思い返すように目を瞑るトマ。すると次第に顔色が悪くなり、体が小刻みに震え始めた。

 

 

「どうだ?」

 

「私が悪うございやした」

 

 

 トラウマを呼び覚まされたトマはがくっと俯き、溜め息のように謝罪の言葉を口にした。

 一先ずカウンターに座り、尊は以前注文したメニューと同じものを二つ注文する。注文が受けられるとカウンターの店主からトマの注文した酒が二人の前に並べられる。

 

 

「とりあえず、再会に乾杯」

 

「ああ」

 

「お嬢さんも、出会いに乾杯」

 

「あ、はい」

 

 

 グラスとジョッキをぶつけ合い、ゆっくりと喉に流し込む。

 尊は久しぶりに飲むトマとの味に頬を緩ませ、サラはこの時代の酒の味に口に手を当てて驚く。

 

 

「このお酒、おいしいですね」

 

「そりゃよかった。で、お前はどこでこんなきれいな人を見つけたんだよ?」

 

「仕事先でちょっとな。 そういえばお前、虹の貝殻を探していたよな? 結局どうなったんだ?」

 

 

 サラのことを深く探られる前に以前ここで会話した内容を引っ張り出し、それとなく尋ねる。しかしその話になるとトマは少し難しい顔をした。

 

 

「見つけたっちゃ見つけたんだが、取りに行くならやめとけ。確かにあれを手に入れられりゃ巨万の富を築くなんて造作もないことだろうが、命捨てることになるぜ」

 

「なんだ、やばいのがいるのか?」

 

 

 ルストティラノの存在を知っているが、尊はあえてトマの口から聞きだそうとする。が、その口からは予想外の言葉が飛び出してきた。

 

 

「実はな、現地で出会ったボロボロのフリーランサーたちが『命が惜しくばやめておけ。ここの怪物はただの人が相手にしてよいものではない』って警告してきたんだよ。で、本当かどうか見に行ってみると確かにヤバそうなのがいやがったんだ」

 

「ブフォッ!?」

 

 

 思い当たる節がありすぎる発言に思わず口にしていた酒を噴出しむせてしまう尊。

 隣に座っていたサラも思い当たる発言に驚きを隠せないでいたが、咳き込む尊を見て彼の調子を最優先とした。 

 突然噴出した尊に疑問を持ったが、それ以上に目の前の光景がトマに別の思考を持たせた。

 

 

「お似合いだよ、お前ら。 ――ん? リア充爆発しろ?」

 

 

 最後に何処からか受信した謎電波がつぶやきとして漏れたが、それを聞いた者はいなかった。

 

 

 

 

 

 

 トマと再会して酒を飲みわかしてどれくらいの時間が経っただろうか。ふともう一つの隣が静かだと思い見てみると、サラは疲れたのか眠りに落ちていた。

 

 

「ッと、少し飲ませすぎたか?」

 

「それもあるだろうけど、今日は少し疲れたからな。ここらでお開きにするか」

 

 

 トマもこの提案に反対することなく、飲み食いした代金を折半する。万能薬と水で酔いを冷まし、寝落ちしたサラをおぶり酒場を後にした俺はトマと別れて以前も泊まった宿屋を目指す。背中に感じたことのない不思議な感触があるが、俺は何も知らない。知らないからな!

 ――それにしても、少し無茶をさせすぎたか? 船で少し休んだとはいえ、海底神殿での出来事に加えラヴォスによる古代世界の崩壊、そして別の時代への移動。肉体的にも精神的にも疲労していてもおかしくはない。

 巨人のツメは……落ち着いてからでも遅くはないか。とにかく、今は休ませよう。

 背中にかかる重みを感じながらそう考えているとやがて見覚えのある宿屋の看板が目に入る。一直線に向かって入店し、自分とサラの部屋を取ったらさっさと寝ようと心に決める。

 ――が、その目論見は入店してから30秒も経たないうちに崩れ去ることとなった。

 

 

「部屋が一つしか残ってない?」

 

「大変申し訳ありません。本日は大変混雑しておりまして……。もうそこしか……」

 

 

 本当に申し訳なさそうに話すカウンターの女性から一度視線を外し、背中のサラに目をやる。

 すー、すー、と安定した寝息を繰り返しており、起きる気配が全くなかった。

 しかたない。彼女をベッドで寝かせて、俺は床で寝るとするか。

 最後の一室を取らせてもらい、鍵を受け取ると部屋まで移動する。

 

 

「――ここか」

 

 

 背中のサラを落とさないように鍵を回し、中に入って電気をつける。

 そのままベッドに下ろそうと進んだところで、俺は愕然とした。

 

 

「……だ、ダブルベッド、だと!?」

 

 

 そう、あろうことかベッドは一人用のシングルではなく、二人は優に眠れるサイズを誇るダブルベッドだったのだ。

 若い男女が宿のダブルベッドで一夜を過ごす……いかんいかんいかんッ!! そんな18禁的なことが許されてたまるか! 何故だかわからないが、やってしまえばいろんな意味で消されてもおかしくない! 

 煩悩退散煩悩退散と頭の中で繰り返し、一先ずサラを背中からおろす。彼女は相変わらず寝息を立てており、とてもじゃないか起きそうには見えなかった。

 

 

「よし、とりあえずこれ――でぁ!?」

 

 

 ベッドに寝かせて離れようとすると、不意に腕を引っ張られベッドに倒れこむ。何事かと思い重くなった左腕を見てみると、なんとサラが眠りながら腕をがっちりとホールドしていた――って、ううう腕が! むむ、胸に……!?

 年齢=彼女いない歴の俺にとって、こここれはあまりにも刺激が強すぎる!!

 

 

「おお落ち着け俺。そうだ、素数を数えるんだ。2、3、5、7、11ぃ!?」

 

 

 急に腕の締め付けが強くなったかと思ったらなんか抱き込みが深くなっとる!? なんだ!? 何なんだこの状況!? なにがサラをそうさせるんだ!?

 体温が急上昇するのを感じながらサラに目をやると、なんだか幸せそうな顔をして眠っていた。夢の中で何かいいことでもあったのか?

 とにかくこのままでは俺の精神的にも理性的にもよろしくないのでなんとか脱出を試みる。が、離そうとすれば彼女は嫌そうな顔をして手放すまいとさらに抱きつき、抵抗をやめれば再び幸せそうな顔をする。

 

 

「……こ、これじゃ眠れん……」

 

 

 その後、俺は悶々とした気持ちのまま数時間を過ごし、いつの間にか意識を落とすこととなった。

 

 

 

 

 

「…………んっ」

 

 

 瞼の裏を刺激する光でサラは目を覚ます。いつから眠っていたのかわからないが、酒場で飲んでいたあとからの記憶がない。

 加えて自分がいるのはどこかの部屋らしく、広いベッドの上で眠っていたようだ。

 

 

「私、一体……あら」

 

 

 自分の腕が何かに抱きついていることに気づき目をやると、どこか疲れた表情で眠っている尊がいた。

 

 

「……や、やだ! 私、どうしてミコトさんと同じ寝台で!?」

 

 

 バッと飛び跳ねてわたわたと顔を赤くし頬に手を当てるサラだが、その答えが判明したのは尊から説明を受けてからだった。




ヒロインが酒で酔って眠ってしまいベッドに寝かせたらこういう展開があってもおかしくありませんよね!?(力説)

この世界線の尊君は理性を保ちやり過ごしました。
別の世界線? どうなるんでしょうね……。

あと今更ですがガイナー、マシュー、オルティーはそれぞれ顔に傷跡があります。
ガイナーは眉間のやや下(人間で言う鼻の部分)に横一文字の傷。
マシューは右目の上に縦の一本線の傷。
オルティーは左の頬に十字傷となっています。

ともかく、今回はここまでです。また次回にお会いしましょう。
それはそうと、そろそろ本格的にタグを追加すべきでしょうか……。

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共通ステータス
名前:月崎 尊(24)
属性:天・水

魔法・精神コマンド
努力     MP2
サンダー ★ MP2
アイス  ★ MP2
集中     MP4
加速     MP4
ケアル  ★ MP4
熱血     MP6
レイズ  ★ MP10
勇気     MP20
???
???
???
???
???

※勇気について
「熱血」「必中」「不屈」「加速」「直撃」「気合」が同時にかかる
「必中」……次の攻撃・技・魔法が必ず当たる
「不屈」……最終ダメージを10%に軽減
「直撃」……バリア、防御系魔法、上昇した防御力を無力化
「気合」……ダメージ1.5倍
「熱血」と「気合」の効果で最終ダメージが3倍となる
ブーストアップと併用不可

特殊スキル
UG細胞改
亜空間倉庫
ブーストアップ
次元跳躍
底力(Lv3)
???
???


次元跳躍について
 └神の気まぐれによって付与された特典能力の一つ。
  特定条件(サテライトエッジに月の光を吸収させ続けると第7の形態として無作為に別の世界へ転移する扉<サテライトゲート>に変形する)を満たすか自分のすぐ近くで転移が起こるとそれに誘発されて別の世界へ飛ばされてしまう。また、クロノ世界ではゲートをくぐる際にゲートホルダーを必要としない。
  本来なら大量の魔力を消費するだけで転移の際に行きたい世界へ移動できるはずだったが、最初の転移で起こったエネルギーの暴走と謎の力の干渉で狙った世界へとうまく移動できなくなってしまった。
底力
 └体力が一定数以下になると攻撃力と防御力が上昇する。スパロボのアレである。

クロノ世界でのステータス
Lv   :31
HP   :380
MP   :59

力   :56
命中  :14
すばやさ:14
魔力  :36
回避  :17
体力  :62
魔法防御:48

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