前世でやる気のない転生者が女神補佐を目指します。 step1 めだかボックス 作:呪壊 赤城
今回はバレンタイン企画をお送りいたします。
票が1票でしたので、自動決定でいきました。
今回はここに来て安心院さんが!!的な感じに仕上がっております。又、時間軸的には漆黒宴の後の話になっています。(まだそこまでいってないのですが・・・)
それと、次話の投稿は恐らく水曜になると思います。申し訳ございません。
それではチョコレートのように甘い?本編どうぞ。
漆黒宴も無事に終わり訪れた2月14日。
この日は戦神鶴戯にとって地獄の様な日であった。まぁ、言わずと知れたバレンタインの日だが、戦神鶴戯にとっては面倒臭いのオンパレードで正直外にも出たくないレベルだったりする。
とはいえ、その理由を聞いたら他の人間(特に男子)がぶちギレかねないが。
今回はそんな戦神鶴戯の面倒な1日と中学時代に起きたちょっとした事件をお送りする。
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[・・・はァ。]
戦神鶴戯は溜め息を吐いていた。勿論、何も理由がなくて溜め息を吐いている訳ではない。面倒臭いのだ。今日は学校に着いた途端から下駄箱やら机やら手渡しやら色んな女子から仕舞いには先生までから袋を渡されたのだから。
まぁ、時期的に考えてバレンタインだからなのだが、鶴戯はそこら辺のイベント関係については少々どころかかなり疎い所がある。その為、彼にとっては中学以降からなんかチョコレートをこれ見よがしに渡してくる面倒臭い日としか思っていないのだ。
・・・他の奴(主に貰えない男子)がそれを聞けば血の涙を流して怒るかもしれないが。いや、つーか気付こうぜ幸せ者がぁぁぁぁ!!と半ば思わなくもないが。
それはさておき、そんな鈍感幸せ者こと戦神鶴戯が溜め息を吐きつつ両手にチョコレートを入れた袋×6を持って歩いていると、鶴戯の背後から球磨川禊と雲仙冥利の2人が歩いてきた。
「よぉ兄ちゃん。溜め息なんて吐いてどーした・・・って・・・チョコ貰いすぎじゃね?」
[あー、冥利と禊か。]
『・・・』「モテてるね。鶴戯ちゃん」
[は?何言ってンだ禊。あー、それよりなじみの奴知らねェか?朝まで一緒に居たンだけどそっから用事があるっつって居なくなったンだよな。]
チョコの袋を見ながら軽く唖然としてる冥利もなんだかんだで風紀委員辺りから結構な数貰っていたりするのだが、なんというか数が多い。はっきり言って数が多すぎる。大事な事なので3回言う。数が多すぎる!!禊に至っては途中から括弧が付かなくなっているくらいだ。ちなみに、そんな禊もチョコを何個か貰っていたりする。本命かどうかは渡した者達しか分からないが、球磨川禊は生まれてはじめてバレンタインにチョコレートを貰ったと言って喜んでいたりする。まぁ、禊のモテてるねと言う台詞とチョコレートの数がどう関係しているのか全く分かっていない鶴戯は頭にハテナマークを浮かべながら思い出したように安心院なじみを見なかったかと質問したが。
「いや、俺は見てねーな。」
『僕も見てないよ?』『後』『安心院さんに会うつもりなら』『そのチョコなんとかした方が良いんじゃない?』
[そォか?なら仕舞うか。]
禊に指摘され、スキルを使って別空間基、自宅の冷蔵庫に突っ込んだ鶴戯は怠そうにしながらそのまま下駄箱に行き靴を取り出そうとしたが、ガサッと言う音と共に小包が落ちてきた為、靴を取らずにそれを受け止めた。
[・・・またかよ。]
『あー』『そう言えば』『中学の時もあったよね』
呆れを含んだ溜め息を吐きながら鶴戯は小包に貼られていた手紙を開いてみた。
手紙には
『無花果は1時に全てを捨て去り、手は濁ってこそ言葉を繋げる。
蟻の頭は反対を指、金は定刻に意味をなさん。
私は待っている。
終わりと始まりは素晴らしきかな。
感じるあまり虚を付かれるな。IIII字』
[・・・・・・本当にまたかよ。]
『えっと』『もしかしなくても』『中学の時と状況が似てるよね』
「なんか兄ちゃんがスゲー嫌そうな顔してっけど中学ん時何があったんだ?」
とんでもなく嫌そうな顔をしている鶴戯と地味に何か言いたげな禊を見て冥利は中学の時に何があったのか聞いた。
[別に何もねェ・・・ぞ。]
明らかになんかありそうな言い方をする鶴戯。まぁ、思いきり何かありそうな言い方にしか聞こえない。そんなわけで、冥利は話しそうな禊に何があったか聞こうとしたが、禊は何を思ったか鶴戯に話を投げた。
『いや』『僕はその時付き合わないでそのまま帰ってるから僕も聞きたいな鶴戯ちゃん』『それに』『冥利ちゃんなら案外答えを導き出してくれるかもよ?』
[いや、別に答えを出さなくても良いだろ。こンな面倒臭い方法でチョコ渡してくる奴にわざわざチョコの礼?を返す必要なンてねェわけだしよ。]
「いや、もしかしたらなじみの姉ちゃんがそこに隠れてっかもしんねーじゃん?まぁ、なじみの姉ちゃん探すついでだと思って教えてくれよ。もしかしたらコレのヒントになってっかもしんねーし。それになんかこーゆーの解くのもおもしれーじゃん?」
何故そこになじみの名前が出てくるかと言えば、禊の動作が彼女に関係していそうだったからとしか言えないのだが、それ以外にも単純に鶴戯の想い出話なんかを聞いたことがなかった為、聞きたかったというのもあったりする。まぁ、本音しか言っていないわけで、挙げ句何気に普通に面白そうとか言われると、鶴戯も言わないわけにはいかなくなり、観念して話すことにしたのだった。
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その日は普通に帰ろうとしてた。確か2月の14日だったな。その頃はチョコを渡して3月の14日に欲しい物を返させる日だとか知らねェから貰ってたンだよ。不知火とかは満漢全席作れとか言ってたしよ。
違う?別に全部間違いってわけじゃねェだろ?良いように言いくるめられてるって・・・いや、まァ諦めたからそれは良いンだけどよ。別にイベント知らないからっつったって飯食えなくなるわけじゃねェし。基準はソコなのかって・・・話が逸れてきたじゃねェか。戻すぞ?
で、普通に帰ろうと下駄箱か?そン中見たらなンか今回みてェな小包が置いてあったンだよ。で、そン中に書いてあったのは
『4時に
魚は廻る。私の周りを
幾年掛った。私が変わったのは
棺桶に掛かった。私は疲れたから
表の反対だったの。私からの愛情は
出掛けました。あなたに寄り添いながら
松の木ノ下です。私はいつでもどんなときでも』
的な感じだった筈だ。場所は分かったのかって?ああ、簡単だろ。まァ、面倒臭い空気がしてたっちゃしてたが一応気になったから体育館裏の物陰に隠れて誰が来るのか確認しようと思ったンだよ。野郎だったら奇襲仕掛けて殴れるしな。で、4時丁度になったら知らねェ女子が来てたな・・・なンだ?なじみと関係無いのかって・・・そりゃあ最初からなじみは関係ねェだろ。
で、その女子はキョロキョロしながら人を探してた感じだったンだよ。まァ、俺だろうから取り合えず話を聞こうと近付いたンだが・・・。
[あー、もしかして俺になんか用なのか?]
「ヒャッ!!ってせっせせせ戦神先輩!!あ、あああああの!!え、えええええええっと!!こ、ここここれ!!う、受け取って下さい!!わ、私の想いです!!」
顔を赤くしながらその女子は居なくなろうとしたンだが、手紙の事は聞いといた方が良いと思って俺はその子に声を掛けたンだよな。渡された時に書いてあった字と手紙の字の書き方が違ったから、手紙を見て来たのか、それとも誰かから教えてもらってここに来たのか。まァ筆跡が違うから同一人物の線は低いだろうから、普通に考えて彼女に教えた人物が差出人の可能性が高いって思ったわけだ。
[おい。ちょっと待ってくれ。]
「ひゃ、ひゃい!?な、なんですか?」
[アンタが俺の下駄箱にこの手紙を入れたんじゃないよな?誰かに教えてもらって来たのか?出来れば教えてくれ。]
「えええええええっと!!あ、あああああの!!そ、そそうですね。可愛い猫ちゃんを追い掛けてたらここに来て・・・そう言えば見失っちゃいました。そしたら運良く、その、せ、先輩に会えちゃったりしたんです。へへへへ。」
[そ、そうか。サンキュー。あと、これもサンキューな。そういや、アンタ名前は?]
「あ!?わ、私ったらすいません。
つって、その三潴三茉は居なくなったな。あー、確かその後、バレンタインに貰ったらホワイトデーに返さないといけねェって知ってその子にはティラミスを返したな。あ?手紙とかメッセージは無かったのかって?ああ、なンか『静かで雰囲気が素敵です。一目見た瞬間から先輩の事以外考えられません!付き合ってください!!もしyesならホワイトデーの日に今日と同じ場所で白い薔薇を受け取って下さい!!』とか書いてあった気がすンな。どうしたかって、翌日には丁重に断ったぞ?
その後、結局手紙の差出人は現れなかったンだよなァ。
「で?それからどうなったんだ?」
[どうもねェよ。だから嫌なンだよ。あれなら不良の果たし状とかの方がまだマシだぜ?結局誰も居やがらねェからムカつきながら帰ったしな。]
そう言いながら、俺はあの時の事を思い出し、ムカつくあまり手紙を小包ごとスキルで燃やそうとしたが、禊と冥利に止められた。
『じゃ』『じゃあ』『もしかしたら正体掴めるかもしれないよね鶴戯ちゃん』
「ケケッ!気に食わなかったら殴るなりできんだし、良いんじゃねーの。」
2人にそう言われて、俺はなンとか燃やすのを止めた。確かに、この前何故現れなかったのか、何故手紙を小包と一緒に置いていたのかと聞かなければならねェと思ったからだ。そうじゃなければ今すぐ燃やしていたな。まァ、なじみを見付けるついでに良いだろうと、手紙に示された時計台の屋上に向かった。
どいつか知らねェが大した理由がなく呼んでたら多少は殺っても問題ねェだろ。
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所変わって、時計台屋上。
安心院なじみは袋を何度も確認しながら鶴戯が来るのを待っていた。
鶴戯の事だからバレンタインにチョコを貰ってて飽きそうだしと思って鶴戯が大好きなケーキを作ってみたけど慣れないことはしない方が良かったかな。と思ったりしている彼女は手紙を出した本人ではない。
まぁ、協力を仰いだ相手が今回は悪かったということはあるだろうが。
勿論、そんな事を知らないなじみは協力を仰いだ相手が呼びに言っているのだろうと思っていたのだ。
[テメェがややこやしい手紙人の下駄箱ン中置いたのかってなじみか?手紙の差出人。]
「へ?手紙ってなんの事だい?僕はついさっきまでケーキ作ってたから知らねーな。あ、それはそうと、これ贈るぜ。たまには店とか自分以外の奴が作ったケーキを食べるのも悪くないだろうからさ。」
そう言いながら、先程から時々確認していた大きめの紙袋を鶴戯に渡した。
[おう。サンキュな。じゃあ誰か手紙出しそうな奴知らねェか?]
「うーん・・・あ、亜沙ちゃんに頼んでたんだよね。4時くらいまでには終わらせるからそれくらいに鶴戯呼んでくれるかなって。で、なんでそんなにイラついてるだい?」
[あ?あー、中学ン時になンか面倒臭い手紙を他人の下駄箱ン中に入れてた奴が居てよ。ソイツかと思って理由次第じゃ殺って殺ろうと思ってたンだよ。まァ、亜沙なら納得するしかねェから、良いンだけどよ。]
手紙を置いた犯人が戦神亜沙だと分かり、殺る気が無くなった鶴戯はなじみの隣に座った。
「そうかい。」
そう言いながら、なじみもその場に座った。そして、ふと思い出したように言った。
「あ、どうせなら食べろよケーキ。」
[は?・・・まァ、良いぜ。]
「ついでにあーんってやってあげようか?」
[いや、それは流石に止めとく。]
「そう。」
そのまま、暫く互いに沈黙しながら、鶴戯はケーキを食べ、なじみはそれを見ていた。
「・・・どう、美味しい?」
[・・・ああ。悪くはねェよ。]
「ふふふ。そうかい?・・・あ、クリーム付いてるぜ。」
[そうか。]
「ちょっとじっとしてろよ。」
そして、良い感じの空気になってきた2人はそのまま唇を重n―
[いや、別に自分で取れるぞ。]
なかった。鶴戯は空気を読まずにそのまま自分の指で掬いそのまま舐めた。
「え・・・ちょ、流石に空気読もう!?どう考えても今のは―ッ!!」
[ほら。食いたかったなら最初っから言えよ。]
そう言いながら、なじみの口にケーキを入れた。
まぁ、俗に言う間接キスとあーんなんだが・・・いきなりの事で流石になじみもフリーズした。
「・・・いや、別にそう言う事じゃ無かったんだけど・・・まぁ、いっか。」
[悪くはねェだろ?]
「いや、僕が作ったんだけどね?」
まぁ、悪くはないかと鶴戯とは違う意味で思ったなじみであった。中学で起きた面倒臭い事件もひょんな事から犯人が分かり、鶴戯も何気に気分が良かった。
後日、鶴戯が貰ったチョコレートやクッキーの消費を手伝わされたというのは言うまでもない。
~おまけ~
―球磨川禊の場合―
その①
禊『あ』『蛾ヶ丸ちゃんに飛沫ちゃんに怒江ちゃん』『どうしたんだい?』
飛沫「あ、球磨川さん。いつもありがとうございます。」
怒江「私もいつもありがとうございます。あ、幸せの1歩として、戦神さんから洋菓子とか教えて貰ってるんですよ。」
禊『へぇー』『そうなんだ』
蛾ヶ丸「リア充じゃなくても最近は貰えるらしいですからね。私も貰いましたから。」
その②
もがな「あ、禊ちゃん。これあげるね。何だかんだ選挙の時はお世話になったし。」
禊『え!?』『くれるの!?』『やった!』『ありがとうね喜界島さん!』
もがな「う、うん。(まだ喜界島さんなんだ・・・。)」
―雲仙冥利の場合―
愛でる会の皆様「あ、雲仙委員長!いつもありがとうございます!」
冥利「おう、サンキュー。」
で、1度に大勢の風紀委員から貰う。
―日之影空洞の場合―
亜沙「あ、日之影さん!!」
空洞「どうした。戦神。」
亜沙「いつもどうもデス!!これは本の気持ちなのデスよ!!」
空洞「お、おう。こっちこそいつも助かる。」
亜沙「デス!!あ、帰りにラーメン屋寄りましょう!」
空洞「それもそうだな。」
―人吉善吉の場合―
善吉「はぁ・・・。やっと終わりか。」
怒江「人吉君お疲れ様。」
善吉「おう。お疲れ。」
怒江「あ、集中した後は甘いものは良いらしいですよ。それで皆に持ってきたんです。チョコレート!」
夭歌「そうか。じゃあ俺も貰おうかな。」
怒江「はい。」
夭歌「あ、そういやここに俺が作ったキャンディーあるんだが」
善吉「いや、名瀬副会長それ嫌な予感しまくりなんすけど。」
処理「自分も頂くであります。」
砕「あ、では私も頂きます。」
怒江「お口に合いますか?」
善吉「ああ。」
夭歌「おう。うめーな。」
処理「そうでありますね。」
砕「美味しかったです。」
怒江「そうですか?良かったぁ。」
END
みたいな感じですかね。
それでは又次回お会いしましょう!