前世でやる気のない転生者が女神補佐を目指します。 step1 めだかボックス 作:呪壊 赤城
はい。マジ遅くなりました。今までわりと好き勝手やってましたが今回は原作に支障をきたさないように鶴戯君の台詞をどうしようかで結構時間食いました。すいません。
取り合えずミスってないとは思いますが「いやいや言っとるやん!」とか矛盾があったらお教えください。
そんな訳で漆黒宴編ラストな本編どうぞ。
―漆黒宴決勝戦『
ゲームの勝敗だけでいうと勝ったのは桃園喪々である。
しかし、可笑しく聞こえるかもしれないがそれでも勝ったのは、やはり黒神めだかであった。
負けたのに勝った。意味が分からないかもしれないが、言葉のみで簡潔に言うとやはり黒神めだかは負けながらも勝った。
―どうやって黒神めだかは勝利を掴んだのか。
それはその場にいる全員の言葉に制限を掛ける話術を用い、桃園喪々に負けを認めさせたのだ。
―
『降参』という言葉を直接桃園喪々の口から言わせることによって。
ただ、あのまま桃園喪々が負けを認めなければ黒神めだかは今頃結婚をしていたのかもしれない。
いや、もしかしなくとも異常なまでに姉に拘る鶴喰梟の元に行っていたのかもしれない。
・・・とはいえ、起きてもいない『もしも』を話しても意味はないだろう。
黒神めだかが勝ち、桃園喪々は敗北した。
それが今回の漆黒宴の結果なのだから。
昨日の出来事についてはこれくらいにしておく。
これから自分は黒神めだかの元に行かなければならないからだ。
・・・桃園喪々が漆黒宴で話した事で全てを隠すわけにはいかなくなってしまったのだから。
漆黒宴に参加したのは自分の意思だが、
しかしそれでも黒神めだかに問い詰められるだろう事を考えると実に憂鬱だ。本当に。
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「はァ・・・。」
日記を閉じ思わず出た
漆黒宴決勝戦が行われた黒神宇宙開発センターから帰還してから既に1日が経過している。
とはいえ、漆黒宴が終わるまで俺、なじみ、禊、鶴喰鴎、不知火半袖は封印された分もあるせいか、時間が経つのが速かったような気がする。
1週間以上あったはずなのだが、体感時間的には数日程度だったくらいだ。
さて・・・、めだかとバーミーこと鶴喰鴎と先に向こうに着いているだろうなじみの元に向かうまでの間、時間があるから漆黒宴決勝戦について思い返してみるとするか。
―漆黒宴決勝戦。『消失しりとり』。
順番は
黒神めだか→杠かけがえ→寿常套→桃園喪々
となった。
プレイヤー達は月氷会から用意されたテーブルとイスに座っていたが黒神めだかは開始と同時に席を外し盤外戦術に出た。
それにより、桃園喪々は杠かけがえ、寿常套に同盟を組まないかと持ち掛けた。
「・・・ねぇ鶴戯。めだかちゃんは何を見据えて中座したんだろうねぇ?」
同盟について江迎がどういうつもりだと言っていたりしているのを眺めつつなじみが俺に声を掛けた。
[俺に振るなよ。だが、アイツは桃園喪々に勝つ為にやってるのは間違いねェだろう。]
「そうだろうけどさ。今までの彼女の戦い方には似つかわしくないと思ってね・・・って何、本と音楽プレイヤー取り出して私は関係ありませんみたいにしてんだよ。」
なじみに回答しつつ、俺は話ながら取り出していた本を開き音楽プレイヤーに着いたイヤホンを片方だけ耳に着け壁に背を預けた。
それに気付いたなじみはジト目で何してると言いたげに問い掛けてきた。
[めだかの奴が何考えてるか推測して逆にアイツの思惑を壊したりしたら洒落にならないだろ?]
「だからあまり介入しないって事かい?」
あァ。と言う意味で頷くと溜め息を吐かれ、隣に移動してきた。
「それなら僕もそうすることにしようかな。流石にめだかちゃんの意図を妨害はしたくねーし。・・・ところで、何聴いてるんだい?」
[洋楽だ。]
「・・・ふうん。」
俺がそう答えると大して驚かずに着けていない方のイヤホンを着け聴き始めた。
「ってこれジョ○ョのエンディングじゃないか!!」
だがジャンル的には洋楽でも間違いじゃねェ。
と言いたげに見ると沈黙で返された。
それから1時間後。
「待たせたな第1手は『
そう答えた黒神に贄波が「辞書を見てきたのでは」と因縁つけてきたり、桃園が「怪しまないでおく」と言ったりのやり取りをした後に黒神は
「怪しまれたままは気持ち悪い」と言って月氷会の兎洞武器子を連れまた席に着くこともなく、部屋から出ていった。
以降暫くは何も起こらず、ただただ順調に進ンでいった。
杠『
そして、そのまま何も起こらないのかもしれないと俺は落胆し掛けた。
しかし、13手目の黒神の番になったときに事態は大きく変化し始めた。
「『
そう言ってまたその場から出ていこうとすると叶野遂が「そのくらいにしときや」とイラついていると言うのを隠さずに言い、ついでに「しりとりの決まりごとに抵触するやろ!」と兎洞武器子に問い掛け、「何も訝しい事はしていない。」と答えのを聞き、悔しげな顔をしたりのやり取りが起きた。
そして、出ていこうとした黒神に虎居砕が黒神めだかはヒロイックに正々堂々と勝つべきだの言い始め、当の黒神は「私は黒神めだかだ。何が変わってもそれだけは変わらない。そして、言われるまでもなく、黒神めだかは如何なる時でも仲間に恥じる戦いはしない。」と実に主人公らしい名台詞を言い放った。
・・・いや、流石主人公と言うべきだな。
俺には到底言える台詞じゃねェ。主に「仲間に恥じる戦いはしない。」は。
どちらかと言うと某究極生命体の「勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」の方だからな。
・・・とはいえ、そのやりとりが終わった後、桃園が「鶴喰博士を殺した者を教えてやる。」と言い出し、黒神が話を聞こうと座った時点で、戦局が代わり始めたのは俺にとっては幸運か。
話を始めた桃園の話を纏めると、
「20年前に黒神家現総帥黒神舵樹が7つの分家の婚約者全員と結婚をしたが為に漆黒宴が開かれるようになった。
そして、黒神めだかの母親は当時の鶴喰家代表の鶴喰鳩という女だった。彼女は鶴喰梟の姉であり、それ故に鶴喰梟は黒神めだかを娘としか愛すことが出来なかった。
その結果として鶴喰梟は初代の月氷会の者に殺されたのである。」というものだった。
・・・まァちょいちょい省いたが良いだろう。
流石に桃園の遠回りで意味深な言い回しを一々言うのも面倒だからな。
「・・・とはいえ、愛する娘を落命した程度で諦める鶴喰博士でもなかった。博士は
「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」
桃園のその台詞で全員が俺に目を向ける。
嘘だろ?と言いたげな視線や信じられないと言いたげな視線やらを受け流しつつ桃園を軽く睨み付けると、奴は関係がないという顔で笑っていた。
・・・・・・・・・さて、どうしたモンか。
「・・・事実、なのか?」
睨み威圧するように此方に問い掛ける黒神。
その目は嘘を吐いてもすぐに見透かしそうな目をしていた。
・・・やれやれ、これは素直に言った方が無難そうみたいだな。
[・・・ああ。奴は同じ轍を踏まない為に自ら立ち上がらず新たに許嫁を仕立てたってわけだ。
誰が勝ち、誰と結ばれたところで黒神・・・お前を手に入れられる形を作ってな。で、俺は生き残りの許嫁を始末する代わりにスタイルを教わり、コイツらはスタイルを教わる代わりにそれぞれ矢面に立ち名乗りをあげたってわけだ。]
ニィと笑みを浮かべて答えてやると黒神からの視線が強くなったが、桃園が黒神が口を開く前に言葉を紡いだせいで黒神は聞き役に徹することになっていた。
「吾輩達が1人残らず女子であることが不思議ではなかったか?いわばそれは実姉の血を継ぐ者に他の男を近付けたくないという博士の『親心』だよ。」
・・・『親心』より『下心』だろうと思いつつ、ツッコミはせずあくまで口は開かない。
『おいおい』『待てよ鶴喰博士が死後に他の許嫁を始末を依頼したとか仕立てたとか』
『よっぽど不思議なことを言ってるぜ?』
『それとも博士がその後生き返ったとかあり得ない絵空事をおっしゃるつもりかい?』
どの口が言うンだ。と禊のスキルを知る面々が思っただろうことを桃園が言い、スタイルとスキルの違いについて話そうと立ち上がりつつも奴は「『
その行動に対しほぼ全員が「は?」と言いたげな顔をしていたのは見物だった。とはいえ、鰐塚は不思議そうな顔で何故同盟を組んだ2人を脱落させたのか不思議そうではあったが。
その後ドヤ顔で自信満々に「黒神めだかが人質が脱出するのを待っていたのであろ?」だの
「生憎だったの黒神めだかこれで汝の負けだ!」だの言っていたが、黒神は悔しそうなフリをしただけで、その実すぐに勝利を確信した顔になり「これで私の勝ちだ。」と言い放った。
「礼を言わせてくれ桃園喪々。いやまったく、後ひと回りするまでに見抜いてくれなければ私の負けは決まっていたよ。博士の話が一足早く聞けたのははっきり言って
と。ここで、俺は違和感の正体に気が付いた。
桃園は歯軋りしてる辺りハッタリだと思ったらしい。そうなるとこの勝負、黒神めだかの勝利は確実になったな。
その後は淡々と進んでいった。
黒神『
黒神『
黒神『
黒神『
黒神『
黒神『
黒神『
黒神『
黒神『
そして、ゲーム開始から2回目の午前7時。
「2桁を切っているはず」だの「おそらくは後ふた回り以内に」だの外野解説組は言っているが、正確には次の一手で全てが決まる。
後は桃園が気付くかどうかだったが、すぐに気付きそして焦り始めた。
外野組がタブレットで確認してるなか、黒神が『
ただ、鰐塚が「桃園が『
その後は桃園が「中座しながらでも会話の管理が出来たのに何故自分に勝敗を委ねる真似をしたのか」とか「気付かなければそれまでだったのだぞ!」とか悔しげに言ったり、黒神が「潔く負けを認めない貴様には心理戦で貴様を上回るしかなかった。目には目、歯には歯、舌には舌だよ桃園喪々。」と言い切り、禊が虎居砕に黒神を指して『相手に合わせたフェアなスタイルか』『ところで虎居ちゃんあれは誰かな?』とか言ったりしたが、黒神は笑みを称え桃園の目を見てはっきりと言い切った。
「ま、これで負けを認めないならお手上げさ。その時は貴様の勝ちだなんとでも言え。結婚でもなんでもしてやるよ。」
と。それに対して桃園は年相応に悔し涙を浮かべ降参を宣言したのであった。
こうして、漆黒宴は黒神めだかの勝利で終えることとなった。
・・・まァ、善吉がカッコ悪かったとか言って落ち込んで、この前仲違いしたときのデジャブというか同じ事をめだかが言ったりしたが、今回は仲違いすることもなく互いに笑みを交わしあって箱庭の学園に戻ってきたとかはあったが。
・・・・・・おっと、そうこうしてる間に着いちまったか。
おそらく、鶴喰梟の場所を聞かれるのは間違いないが、後はどうやって切り抜けたモンかと思いつつ、茶室のドアを開けた。
余談だが、俺が殺害した許嫁達には触れられず、鶴喰梟の所在ははぐらかしたら「やはりか」とその場にいた全員に納得されてしまったという事は記しておこうと思う。
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―そして彼等に訪れた束の間の平穏。
互いの関係が良い意味で変わった者も
悪い意味で変わった者も
或いは全く変わらない者も
普段の日常に当たり前に戻る者も
平穏に退屈そうにする者も
普段の業務に勤しむ者も
秘密を抱えた者も
心に闇を抱えた者も
別れが近付くのを感じる者も
時は同じく等しく、刻み重ね針を進めていく。
時間は美しくも残酷だ。
この僅かながらに彼等に訪れた平穏で平和な日常が崩れるとはこの時誰も知らなかった。
いや、皆何処かで分かっているのかもしれない。
―平穏で平和な日常なんてものがどれ程不確かで崩れやすいものなのか。
~安心院さんの!!これで安心っ!!後書きボックスゥゥゥゥゥゥゥ!!~
なじみ「読者諸君長らく待たせてしまったね。漸く漆黒宴編が終了したぜ。」
鶴戯[今回は俺が意味深過ぎる事言いまくってた気がする(´・ω・`)]
なじみ「そういや次の章は駄作者の奴気合い入れてるみてーだな。」
駄作者「あ、どうも駄作者です。そうなんですよ~。」
鶴戯[猫から人間になったか。]
駄作者「ええ。まぁ。というか、次章は鶴戯君の過去についてあれこれでるんですよーー!」
なじみ「へぇ。そうなんだ。そういや今まで鶴戯って読者から散々言われてたような気がするけど?」
駄作者「あはは…いやですよね~。ってかこれ書き始めた頃からこれ書こうと思ってたんですけど、結構書いてくうちに色々こうしようとかああしようとか出てきてたりするんですよね。」
なじみ「あーじゃあアンケートとかまたやる感じ?」
駄作者「ですね。今回は2つアンケート取ります。
・その1 番外編を挟むかどうか。
・その2 次の章で本編を終らせるかどうか。
詳しくは活動報告に載せてます。くれぐれも感想欄にはアンケートの解答はしないようにお願い致します。
追記:締め切り延ばします。7月15日迄アンケート募集します。奮って御参加頂けると嬉しいです。」
鶴戯[質問はメッセージから頼むぜ。]
なじみ「まぁ今回はここまでだね。それじゃあ。」
全員「「[See you next time!]」」