前世でやる気のない転生者が女神補佐を目指します。 step1 めだかボックス   作:呪壊 赤城

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 まずはお詫びを・・・。

 遅れてしまい申し訳ありませんッッッ!!

 それと、今回で終わると思っていましたが、流石に無理があったので1度切る事にしました。

 お待ちしてくださった皆様本当にすいませんでした!!

 次回で流石にこの章は終わりですええ。


 そんなわけでゴオッ!!な本編をどうぞ。 


第53攻 [今回はお前に譲ってやる。]

戦神鶴戯、安心院なじみの2人が封印から出て来ようと鶴喰鴎と不知火半袖の前から姿を消していた同時刻。

人吉善吉が月氷会の兎洞武器子に刺され、桃園喪々に封印された事により、箱庭学園生徒会執行部の面々+球磨川禊が今にも襲い掛からんという雰囲気を(1名は明らかに違ったが)出していた。

 

 

「漆黒宴三次会は代替機が用意できるまで延期ということになります。というわけで・・・ではみなさん!出発までしばしご歓談のほどを―」

 

「「「「出来ると思うのか!?」」」」

 

 

兎洞武器子が何事もなかったかのように言い放ち、そそくさと移動しようとしたため、ぶちギレた生徒会執行部+球磨川禊はゴオッと言う音が聞こえそうな(やはり1名は違うが)勢いで道を遮った。

 

 

「気持ちは分からなくもねーけど、そういきり立つなよ君達。」

 

[なじみの言う通りだ。それに善吉が死んだからって冷静さを欠いた時点でお前らの負けだぜ?]

 

 

しかし、そんな彼らに聞こえる筈のない2人の声が聞こえたことでその場にいた全員が驚いた。

 

 

『『『『『『っ!』』』』』』

 

『・・・早かったね2人共。』

 

 

いや訂正しよう。全員ではなく、球磨川禊を除いた全員が驚いていた。

特に桃園喪々は封印が解ける兆候のようなものもなく突如として2人が現れた事で動揺を隠しきれなかったようである。

 

 

[さて、それはそうと桃園。覚悟はできてるか?]

 

 

ギィとドス黒いながらも実に良い笑顔と共に言い放った戦神鶴戯を見た桃園喪々はそこに己の首元に鎌を突き付ける死神の姿を重ねた。

戦神鶴戯の笑顔から機嫌が悪いと(封印されたから当たり前だろうが)思った桃園喪々は冷や汗を流しつつも滞りなく漆黒宴を終わらせる為に口を開いた。

 

 

「ま、待て。吾輩から提案があるっ!!」

 

 

 

______________________

 

 

 

 

[さて、それはそうと桃園。覚悟はできてるか?]

 

 

我ながら良い笑顔を浮かべつつ桃園喪々にそう問うと奴は酷く焦りながらついでに冷や汗も流しながら慌てたように口を開いた。

 

 

「ま、待て。吾輩から提案があるっ!!」

 

 

ちなみにこの時点で俺の勝利はというか、めだかの勝利は決まっていたりする。

何故かというと、今回の漆黒宴、黒幕が望む戦いはあくまで心理戦だからだ。

 

なンでそれをそれを俺が知ってるかと言われると、近い内に分かるだろうとしか言えないが、

取り合えず向こうの婚約者側は黒神めだかと心理戦を繰り広げるだろう展開を予想するのは案外容易い。

 

だからこそ心理戦において一番面倒な桃園喪々に不満をぶつけた。

とはいえ、桃園喪々が焦ったのは俺がそれを知ってるからと言うよりは、武力行使に出たのはそっちが先だから殺られても問題はないよな?という意味でだったりする。

 

補足すると、脅しではなく本気で仕返しをするつもりだった。少なくとも、桃園喪々を10回位は殺すつもりで、だ。

正直な所、桃園喪々の提案なンか知ったこっちゃねェ。というのが本音でそのまま殺るつもりだったのだが、黒神めだかに止められた。

 

 

「待て戦神。気持ちは分かるが今回は私に譲ってくれ。私は善吉を助けたい。頼む。私に善吉の為に戦わせてくれ。」

 

[おいおい本気か?黒神(・ ・)。俺は個人的に桃園をぶちこ・・・八つ裂きにしたいだけだぞ?]

 

 

おっとついつい本音が出そうになった。

隠しきれてない?知るか。

というか、暴れられると思って来たのに全く暴れられないわ、封印されちまうわで冗談抜きで俺は苛ついてたりする。

 

だからか、普段よりは殺気は抑えれなかったりするわけで、今でも俺が本音を少し漏らしただけで桃園喪々なンかは顔色が悪くなって震えているくらいだ。

 

だというのに、めだかは顔色を悪くし、震えながらも俺の目をしっかり見詰め強い意思でそう言いきった。

少なくとも、俺がお前を代わりに八つ裂きしてもいいのかと問えば戦いが終われば構わないと言う勢いの眼差しで。

 

 

[・・・・・・ま、今回はお前に譲ってやる。その代わり報酬はちゃんと貰うからな。]

 

 

流石にそこまで強い思いがある奴の戦いを潰す程下種

(ゲス)ではない。外道で人でなしではあるが。

それに、真剣な眼差しを向けられて殺る気が失せた。

 

 

「ああ。勿論だ。」

 

[だそうだ。良かったな首の皮が繋がって。まァ・・・。]

 

「安心しろ。吾輩も二度も同じことはせん。・・・吾輩とて命は惜しいからな。」

 

 

次はないという意味で桃園喪々に視線を向けると向こうも頷き封印はしないと言質をとれた。

だからまァ、小さな声で命が惜しいと呟いたのは聞かなかった事にしておくか。

 

 

「それで提案とはなんだ。」

 

「第2回漆黒宴予選は現時刻をもって終了とし、これより、この場で決勝戦を開始しよう。」

 

 

・・・となると、俺の出番は無さそうだな。

桃園の奴ももう落ち着いちまったし、なンだかンだ良いながら、変態影武者共と戦えなかった時点で俺が暴れられる機会は無くなったって気はしてたからな。

 

それでも桃園を物理的にぶちのめしたかったが。

 

さて・・・つーことは暇になるよな俺。

もう帰るか?することもねェし。

そう思い、部屋を移動し終わり、俺に注意が向いていないタイミングを見計らってこの場から去ろうとした。

 

 

「おいおい、戦えなくなったからって何さっさと帰ろうとしてるんだよ鶴戯。こういうのはちゃんと最後まで見守るもんだぜ?」

 

 

しかし、それに気付いたなじみに止められた。

まァ、なじみが気付くのは当たり前だろう。

隣にいたし、付き合いがこの中で一番長い俺のしそうな事は予想してたのだろう。

 

 

[アイツの勝ちはほぼ決まりだろ。仲間の為ならどれだけ不利な状況でも強くなる奴なンだからよ。黒神めだかって奴は。]

 

 

そしてこれを仕向けた黒幕がこの展開を大方予想し裏で笑っているということも。

奴はめだかを、黒神めだかを勝たせるために裏で色々と手を回している節があるからな。

 

無論、それを口には出さないが。

 

だが、少なからずこのままここに居れば間違いなく俺の気分は降下するだろう。

だからこそこの場からさっさと去りたいのだが・・・。

 

 

「・・・そういう問題じゃないだろう?君はあれか体育大会とか運動会で自分の出番が終ったら応援しないで寝てるってタイプか。こういうのは何が起こるかわからないんだから応援くらいはするもんだろ?・・・それとも今回の黒幕の鶴喰梟君(・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・)と繋がりがあると知(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)られたくないからかい(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)?」

 

 

やれやれと呆れられた視線を向けながら最後の部分は誰にも気付かれないようにこっそりと耳打ちをしてきた。

 

その内容に僅かながら目を見開く。

とはいえ、別に図星だからというわけじゃねェ。

まァ完全に外れてもいないから返答には困るンだがな。それよりも、なじみが鶴喰梟が黒幕だと気付いたのに少し驚いていた。

 

 

[・・・意外だな。お前なら「死後に暗躍するなんてよっぽど不思議なこと言ってるぜ」って思ってそこには行き着かないと思ってたンだがな。何時奴が黒幕だって気付いた?]

 

「気付いたかどうかで言うなら、鶴戯が最初から(・ ・ ・ ・)黒幕の正体を隠す気が(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)なかった(・ ・ ・ ・)ってとこからだね。始めから教えるつもりだったんだろ?」

 

 

・・・そこまで気付いてたか。

 

そうこうしているうちにルールの説明も大まかな物は終わってしまったようだ。

となると、これから先はそう簡単には帰れないだろう。ベストなタイミングは過ぎちまったしな。

 

 

「ま、確信したのは鶴喰君に答えていた時だね。[別々じゃあねェンだよ。今回も前回も。]なんて聞いたら幾ら突拍子がなくても死人が生き返って黒幕をやってるってことを思わざるおえないぜ。」

 

 

チラッとこちらを見て笑みを浮かべている辺り、始めから俺を帰らせない為に自分の考えを告げたようだな。

そういや移動中も無駄に話し掛けてきたりしてたし。

そう思った俺はなじみを睨み付けるが、なじみはただ肩を竦め、でも事実だろう?と返した。

 

 

「・・・どう思う安心院さん、鶴戯先輩?」

 

 

と、ここまでの間に桃園に説明されていたゲーム『消失しりとり(デリートテールトゥノーズ)』の大まかなルールについてどう思うか名瀬さンに問われた俺となじみ。

 

ちなみにルールは『五十音表』を駒にし、自分の持ち駒を一番最初に全て使いきったプレイヤーの勝利という、ルールだけで考えるとわりと簡単なゲームだ。

 

 

「んー・・・どうって言うか、意外なほどフェアなゲームだぜ。」

 

[まァ、カードや駒みてェな道具を使うゲームと違って物理的なイカサマは出来ねェだろうな。]

 

 

だが、この手のゲームはそれ故に難易度がかなり高くなる。

イカサマが出来ないからこそ、盤外戦術でどうやって敵から冷静さを奪えるかにかかっているわけだ。

そして、先程俺となじみが会話している最中に桃園が言っていたが、今回『消失しりとり』ではこの基本ルールの他に幾つか特殊ルールを追加するらしい。

 

桃園の事だ。大方、特殊ルールは時間制限と文字制限だろう。しかもそれをめだかに決めさせるとかな。

 

 

『身一つの実力勝負になるわけだね。』

 

[だな。]

 

 

そンなやり取りを外野である俺達がしている間にもルールについてめだかが詳しく確認をし始めた。

 

会話を纏めるとこンな感じだ。

 

・自分の番に言葉を作れなかった場合、そのプレイヤーは失格。

 

・パスは無し。

 

・別のプレイヤーが作った言葉を使うと失格。

 

・同じ文字を使ったら失格。※ただし、前プレイヤーの文字は受け継げる。

 

・最後に『ん』がついても失格。

 

・濁音、半濁音、促音、拗音は元の音と同じ扱いとする。

 

・用言を使う場合は体言化すること。

 

という具合だ。まァ、『ん』から始まる言葉だってあるとか禊は言っていたが、それは無視する。

なじみは律儀に「だから君は勝てないんだ」と言ってたがな。

 

 

「基本ルールは以上である。黒神めだか他に質問は?」

 

「・・・・・・・・・。ない。いいゲームだ。

・・・・・・もっとも付け加えたいルールはあるかな。暴力的に他プレイヤーの思考を妨害する行為の禁止だ。当たり前の話だが・・・念のためにな。でないと危なっかしくて言葉使いと言葉遊びなど出来んよ。」

 

「それはこちらからお願いしようと思っていたことだ。ゲーム中に1京のスキルやら武器で攻撃されてはたまらんわい。」

 

 

めだかの台詞に両手を広げチラリと俺となじみの方に視線を向けた後に皮肉を込めたように桃園にそう言われた俺となじみは沈黙せざる終えなかった。

 

 

「・・・・・・♥」

 

[・・・なじみお前・・・。]

 

 

まァ、なじみは舌を出して、バレたか。みたいな表情をしている辺り、本気で1京のスキルを1京分ぶっこむ気だったらしいな。

 

俺?ンな面倒な事はしないな。

・・・というか、こういう時に妨害するのは負け犬のすることだから殺るつもりは―

 

 

「僕の事言えないだろ鶴戯だって。腰に着けてるナイフを抜こうとしてた辺り。」

 

[・・・・・・・・・。]

 

 

・・・チッ、バレてたか。

妨害(物理)する気はあったからな。

『バレなきゃイカサマじゃあねぇ』って奴だ。

・・・・・・なじみにはバレたが。

 

 

「あ、他の奴等は気付いてなかったみたいだぜ?ま、鶴戯なら殺りそうって勘かな?」

 

 

そう言われ、取り合えず腰のナイフに伸ばしかけていた手を戻した。

言われなければ刺してたかもしれないが。

 

 

[1京のスキルぶちこもうとするよりはマシだろ。]

 

「いや、スキルなら証拠残らないだろ?1京分の1のスキル全部ぶちこんじゃえばさぁ。」

 

『・・・・・・いや』『どっちもどっちだから』

 

 

そンな会話をしているうちにも、特殊ルールの話になってたみたいだな。

 

とはいえ、予想通り文字制限と時間制限についてらしく俺はめだかがどう仕掛けるか以外の興味は失せた。

 

 

「文字制限は・・・まぁ4文字以上でいいだろう。そして、制限時間は1時間だ。」

 

[・・・・・・成る程な。]

 

 

1時間(・ ・ ・)とは、明らかに何か狙ってるな。めだかの奴。

 

 

「・・・よかろう・・・くくく。しかし、思ったより冷静だの。4文字以上はともかく1時間以内とは―」

 

「いや違う。1時間以内ではない。1時間だ。つまり、1時間未満の時点で答えても失格だ。」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

「・・・・・・・・・。」

 

 

桃園はめだかの意図を探っているだろうが、読めていないのだろう。

何故なら俺も、そしてこの場にいるですら読めないのだから。

 

それでも、桃園は釈然とはいっていないようではあったがそれでも制限時間は1時間とするというルールを承諾した。

そして、急ぐようにめだかがゲームを始めようと促した所で、桃園は動揺させるためにめだかと奴との間での提案を持ち出した。

 

 

「待て待て。もうひとつだ―これは老婆心ながら仮に汝が優勝したとしても結局、この先吾輩が例のスタイルで再び人質をとるという不安は拭えまい?・・・例えば、そこの生徒会執行部の連中であったりな。」

 

 

俺と隣にいるなじみ、禊とは目を合わせないようにしつつそう問い掛けた。

・・・どうやら俺達を人質にしようとすれば命が危ないと思い、あくまで俺達を人質することはないとアピールをしたかったようだな。

ま、俺を封印する気がないのであれば別に誰を封印しようと関係はないが。

 

 

「同様に、吾輩達としても敗北した汝が力ずくで全てを引っくり返す可能性を危惧せんわけにはいかん。だからそんな不安を拭うために吾輩と汝との間でもう1つの賭けをしようではないか。」

 

 

ギィと何か企ンでいる笑顔で舌を出し桃園喪々はそう言った。

 

 

「汝が優勝すれば吾輩は、この舌を自ら切り落とす。吾輩が優勝したら汝は自らその観察眼()を抉り取れ。」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!

なっ・・・んっ・・・。」

 

 

俺、なじみと未だ婚約の権利がある婚約者達以外は驚いていた。

この場にいるほとんどの人間が驚いたというのには語弊があるか。

正確には贄波以外の婚約者は桃園喪々が何を企ンでいるのかと言う疑惑の感情だったわけだ。

・・・まァ贄波は驚き方がオーバー過ぎて逆にわざとらしく感じるがな。

 

とはいえ、箱庭学園側の奴等もめだかを含め驚き過ぎな気がするがな。

この漆黒宴はどちらかと言うと裏に近い世界だ。俺はこれくらい普通だと思うが、学生組には少々キツかった様だ。

・・・あァ、禊の奴は大して驚いてないか。

 

後、月氷会の兎洞武器子は身体の一部をかけるとか正気か?という方に驚いているようだった。

 

しかし、驚こうが驚くまいが、桃園喪々はそンな事関係なしにゲームの開始を告げた。

 

 

「ではオープン・ザ・ゲーム!『えぐりとり』の『()』から!」

 

 

そして、漆黒宴決勝戦が幕を開けたのだった。

 

 




~安心院さんのォォォ!!これで安心っっっ!!後書きボックスゥゥゥゥ!!~


なじみ「・・・」ドドドドドドドドドド

駄作者「・・・・・・。」

鶴戯[後書きコーナーが先日から駄作者処刑コーナーに変わってるな。]

駄作者「あ、そのちょっなじみさ―」

なじみ「フフフフフフ。」ドドドドドドドドドドドドド

駄作者「ウギャアアアアアア」ピチューン

鶴戯[・・・駄作者は再起不能だな。あー、今回は1ヶ月に近い間開いたからな。読者の怒りはこンな物じゃあねェとは思うが、取り合えずなじみがシバいたので勘弁してくれ。]

なじみ「今回は短いけどここまでで!じゃあな読者の諸君。」

駄作者「御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい。」

なじみ「じゃあ次回は早く投稿しろ。」

駄作者「はい・・・。」

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