前世でやる気のない転生者が女神補佐を目指します。 step1 めだかボックス 作:呪壊 赤城
タイトルからお察しの方もいらっしゃるでしょうが、今回は安心院さんがはっちゃけます。原作?元キャラ?完全にございません!(今更すぎる。)
そして、本の少しだけ、鶴戯君が過去語りします。本当に本の少しです。
それでは聖なる夜に、ノリノリな安心院さんをご覧ください!
黒神さンの関門も終わり、俺的にはあれは・・・まァ止めとくか。黒神さンを除いた皆で和気藹々と時計台を降りていく。
そういや、善吉居ねェのこいつら気付いてンのか?・・・俺には関係ねェけどよ。
その事を禊に聞くと苦笑いしながら『善吉ちゃんだし仕方なくない?まぁ、皆もそう言う感じで触れてないだけでしょ』とのこと。
いや、お前ら流石に冷たくね?というツッコミは取り合えず言わないでおく。寧ろ、やっぱり生徒会もその程度かとか思ってるからなとか言った方が正しいか?まァ、俺には関係ねェから置いとくか。
で、レクリエーション開始地点まで行くと、御愁傷様つーか、なんというか、まァ、俺的にはやっぱり解けなかったか善吉くンよォ。だけどな。
だけども、流石にあそこまで見苦しい言い訳は見てられなかったな。何が「球磨川があんな事言わなきゃ解けた。そもそも、途中で鶴戯先輩が邪魔して解けなかった。」だ。俺も禊もなンもしてねェだろうが。・・・あー、まァ俺は声掛けたか。それにしても言い方がなァ?
とんだダメオだな。[普通]とか[異常]とか[過負荷]以前に人に責任押し付けるのは駄目だろ。
男としてというか人として。
まァ、そンな俺の持論はさておき、見るに耐えない姿を晒した残念な善吉は黒神さンにぶン殴られて、しまいには見限られて、一人取り残された。
とはいえ、だ。俺も流石に黒神さンのあの一言には些か腹が立った。腹が立ったというより煮えくり返ったっつった方が正しいか?
兎に角、幾ら気分屋だとか、自分勝手だとか、禊達には言われてるし、ついでに自覚しちゃあいるが、そンな俺でも、流石に物好きな奴であっても自分にわざわざ付き合って振り回されてる奴にあの言葉は吐かねェな。わざとそう言ったンだろうけど。それでも、聞いてた方からしたら正直イラッとしたりもしたわけで。
当初に考えていた黒神さンに勝ってみるって言って考えていたシナリオを真面目に書き替えようと思ったのが一時間くらい前。
で、俺が腹ン中でそンな考えを巡らせている間に、なじみはどうやら善吉をバッチリ唆していたようで、俺がなじみの方を見ると、OKマークをしっかり手で作って合図をしてきたりした。
まァ、なじみは初めからこれが目的だったらしいけど、俺は知らねェ。というか、こうなるように仕向けてるとかみたいなツッコミをするのもいい加減疲れてきてるからな。あくまで、聞き流す。
「まぁ、それがそうなって、こうなるわけで、鶴戯も手伝うよね?僕プロデュース!『真革命☆フラスコ計画ぅ!パァート10♪』」
・・・だから、なじみがツッコミ満載の『フラスコ計画』を言ったところでつっこまない。
そういうツッコミは今後、善吉が担当するだろう。俺?いや、流石に楽しそうにやってるなじみを見てつっこむのも野暮だろ?
「いや、安心院さん!?なんすか、そのお花畑が浮かびそうなフラスコ計画は!」
とか、善吉がつっこみ、なじみが真面目に落ち込んでる振りをしてるのを見ても気にしない。いや、流石にこのネーミング良くね?って呟いているのは些かどうかと思うがな?いや、わざとだろう。というか、真面目に気になるが、こいついつの間にここまで変わり果て-変わっちまったンだ?つーかもう、シュミレーテッドリアリティーが治っているように見えるのは気のせいなのか?そンな俺を尻目になじみはガッバッァと勢いよく立ち上がると、俺としてよく片手に螺ぶっ刺さってるのにそこまで動けるよな!とか言いたいが、兎に角、なじみは起き上がると、平然と何事も無かったかのように、善吉に歩みよった。
「兎に角、僕の冗談はさておき、『真フラスコ計画』をやろうじゃあ、ないか!」
「え?あ、ああ!」
「じゃあ、明日の放課後からだよ。遅くなったら、僕からとびきりのお仕置じゃなかった。お話を聞かせてあげるからね?善吉君、遅れちゃダメだぜ?」
今のなじみから、遅れたときの恐ろしいbadendが見えたのだろうか?・・・まァ、俺も見えたからな。あれは流石に厳しいだろうな。あの未来を回避しようと、善吉は遅れずに来るだろう。
遅れたとき?知らねェな。俺はその説教には関わらないし、関わりたくないな。
クトゥルフよろしく、あれはリアルにSAN値が削れる代物だ。どんなものかは想像に任せる。正直、あれは口で説明もしたくねェ。
[俺は、適当なタイミングで茶々入れに行くだけに押さえるぞ?今回の『フラスコ計画』はお前プロデュースだからな。]
取り合えず、今回は戦挙の時なじみがした風な感じの役割につくことにする。という感じの意味でなじみにアイコンタクトをとる。それが通じたのかなじみは取り合えず、頷くと今日はこれで終わり!という感じの旨を善吉に言い、俺に帰るよ。と言って手を引っ張ってきた。
善吉の姿が完全に見えない場所まで、というか学園を出て少し歩いてから、なじみは何やら大丈夫だ上手くいくだとか言うと深呼吸をして俺に向き合った。
「ね、ねぇ鶴戯。」
[あ?ああ、あれだろ?シャンプー変えてみたけどどうだろって奴だろ?良いンじゃねェか?]
そう言うと、なじみはジョーだがブシャーだかいう感じの音と共に涙を決壊させていた。・・・あれ、俺なンかダメだったのか?
「うー。つ、鶴戯だけだよぉ。僕がシャンプー変えたって気付いたのー。うぅー。」
嬉しくて泣いたのか・・・。つーか、冥利も冥加も気付かなかったのか。他のやつはまァ、初対面の奴も居たから仕方ないか?いや、でも端末は気付いても可笑しくないような・・・。
[あれだろ?端末は分かってても気付いてないふりしてただけじゃねェか?]
そう言うと、ブンブンと首を振って否定した。
「違うよ。あれは気付いてない顔だったもん。はぁ・・・女心を分かってくれるのは鶴戯だけか・・・。」
・・・その台詞には些か返答しかねるな。
俺も大分昔の事になるが女子に分類されてたことがあったからな。補足しとくが、あくまで、俺が言ってるのは前世の事だからな?まァ、その頃は糞みてェな人生だったからな。もう記憶の隅にすら覚えちゃいねェ。・・・いや、それは違うか。少なくともあるにはあるが、糞な記憶とカス以下の記憶は全部抹消してる。兎に角、前世の俺は女心なンて鼻で笑うタイプだったな。大体、女心で飯は食えねェからな。
で、なンの話してたンだ?ああ、俺がなじみの言葉に返答しかねるってことだったな。流石にそれは言えねェよな。
[女心はよく分からねェな。ただ、匂いに敏感なだけだろ。]
と言った筈だが、なじみは何を勘違いしたのか俺が照れていると思ったらしい。いや何でだ。
「もう、鶴戯ったらそんなに謙遜しなくてもいいよ。鶴戯は女心がよくわかってるじゃないか。照れてるのかい?照れなくてもいいのにさー。」
くいくいっと肘でつつかれるが、俺としてはそンな大層な代物は持ち合わせちゃいねェ。だがここで言い合ってても仕方ねェか。それに、街中を螺ぶっ刺さった人間が、人外だが、歩いてたら騒ぎになるからな。まァ、今そういうのを気にしなさそうな奴が集まってる所に向かってるわけだが。
[まァ、それは置いといて、さっさと『壱火』行こうぜ?アイツ等も待ってるだろうし。]
「・・・むぅ。あからさまに話を逸らさないでよ。まぁ、鶴戯だしいいか。そうだね。そうしようか!」
少し拗ねたなじみだが、すぐに気を取り直した。
・・・そういや黒神さンと会ってからなじみの機嫌が良いな。
一体、なンの話してたンだ?・・・気になるけど聞いたらダメな奴だよな。ガールズトークとかそンな奴だろうし、デリケートな内容なンだろうな。・・・ただ、なじみと黒神さンがガールズトークしている姿が全く想像できねェ。
なじみは兎も角、善吉曰く生徒会室で平然と着替えするような黒神さンがガールズトークに花を咲かせる姿なンて、喜界島さンがお金を欲しがらないくらい違和感あるな。
まァ、それは兎も角として俺となじみは先に依哉の経営しているラーメン屋『壱火』に向かっているであろう、禊、冥利、冥加の元に急いだ。
急ぐっつってもスキルですぐなンだけどな?
「兄ちゃんもなじみ姉ちゃんも遅かったなー。」
『もしかして』『善吉ちゃんを唆すの失敗したんじゃ』
「く・ま・が・わ・く・ん?」
禊の台詞に怒気+殺気を込めた嬉しくないプレゼントを貰った禊は黙ることしかできない。
・・・毎回思うが分かってンならわざわざ言わなきゃ良いのにな禊の奴。もしかして、なじみに何度もSAN値を削られてアイツもうリアルSAN値が0なンじゃ・・・。
なンて、なじみの手腕に恐れ戦いている的な感じのリアクションをしてると冥加につっこまれた。
「お兄ちゃん、わざとらしい。」
・・・あー、やっぱりバレるか。いや、自覚はしてたンだぜ?まァ、わざとらしくやってただけだけどな。で、そういう雑談してると、依哉が水を持ってきた。・・・1つだけ酒があるが。
あれは、依哉の分か。
「ははっ!お前も漸く来たか鶴戯。・・・で?そこの美女は?」
強制的に黙らさせられた禊はスルーして、なじみの事を聞く依哉になじみは律儀に答える。
「僕は、安心院なじみだぜ。僕のことは親しみを込めて安心院さんと呼びたまえ。」
俺も俺だが、なじみも相変わらずこういうところは変わらねェか。いや、安心したぜ。流石に安心院って呼んでくれると嬉しいね。とか言ったら引くなンてレベルじゃねェからな。
「安心院なじみ・・・?どっかで聞いたことがあるような名前だね。アタシは櫟野依哉だ。まぁ、宜しくね、なじみ。」
・・・依哉も依哉だな。人外とか、化け物とかでも絶対こいつは下の名前でしか人の名前呼ばねェもンな。逆に、俺も親しみ易いが。聞いたことがあると言うのにはもうつっこまない。恐らく箱庭学園の生徒時代に調べていそうだからな。
「まぁ、よろしく頼むよ櫟野依哉ちゃん。」
「さて、挨拶は済んだんだ。何食うんだい?ちなみに、家のラーメン屋に来る客はネジ刺さってるくらいでビビる玉の小せぇ奴は居ないから安心しな。」
[それは良いけどよ。依哉てめェ、閉店してもいねェのになに酒飲もうとしてンだよ。]
俺が気になってる事を聞くと、依哉は当然のごとく返答した。
「ははっ!閉店時間過ぎても居るつもりのお前にだけは言われたくないね。」
・・・読まれてやがる。まァ、仕方ねェわな。
そう言うなら、とことン居させて貰うか。
俺は言われたからと言って逆のことするタイプじゃねェしな。寧ろもっと居座るなりするタイプだな。それはそれとして、さっさと注文するか。
[俺はいつもの奴な。]
『僕もいつもの奴で』
「俺は今日は炒飯セットAで。」
「日替わりB特大セット。」
「えーっと、じゃあ僕は無難に醤油ラーメンで。」
「オーケーちょっくら待ってな!」
そう言うと依哉は厨房に姿を消した。するとなじみは何を思ったか、俺に質問をしてきた。
「そう言えば、鶴戯と球磨川君と冥利君は常連なんだっけ?」
[まァ、冥利は最近だが、禊とはちょくちょく来てるな。]
俺がそう言うと、なじみは羨ましそうな顔した後、お前が元凶だと言いたそうな怨めしい視線を禊に送った。今のは些か禊に同情する・・・訳もなく、自ら引き起こしたのだからと笑っている。
ドンマイだな禊心から同情しておくぜ(笑)(嘘)。
普通のより質が悪くないかってか?いやいや、質は悪くねェ。嘘でもドンマイと同情しておくと言ってンだからな。
それから10分も経たねェうちに、俺を除いた分を依哉ではない店員が運ンできた。
「お待ちどうさまです。」
そう言って、頼まれた品物を順々に置いていくとその店員はさっさと厨房に戻っていった。
そういや、ここの店員って何人居るか知らねェな。とか思っていると、今度は依哉が俺の頼んだ奴を持ってきた。
「ほら。」
[サンキュ。]
それを受け取ると、食い始めた。ちなみに、他はもう食い始めてる。なじみに至っては、余程口に合ったのか、半分は食っていた。
______________________
それから2時間後。
「こういうのも、悪くないね。」
鶴戯達を除いて客の居ない店内で、少し駄弁っていると、なじみがポツリと鶴戯に話し掛けてきた。
[まァ、ここはそこまで混まねェし、客もわりと変わり者が多いからな。]
それに、そもそも店長からして変わり者だからな。とまでは流石に言わずに、皿を洗いに行くと言って、鶴戯は厨房に向かった。厨房に入る前に少し後ろを見ると相変わらず、禊達は駄弁っている。
特に、禊の奴は酒に酔う依哉に絡まれて大変そうだと思いつつ、顔が紅くなっていないのに関わらず泥酔している依哉の姿に思わず溜め息を吐く。そして、ふと気付いた。
[・・・『相変わらず』、アンタは酒に弱いな。]
誰にも聞こえない独り言を意味あり気に呟くと鶴戯は皿を洗いに厨房に這入っていった。
そう言った後、一瞬だけ鶴戯の表情が少しだけ翳っているのに気付く者は誰も居なかった。
~クリスマス~
亜沙「そういえば、鶴戯はクリスマスは誰かにプレゼントあげるデスか?」
鶴戯[あァ。そういやそンなイベントあったな。]
亜沙「・・・あの。忘れてた、デス?」
鶴戯[今世では1度も殺ったことねェな。]
亜沙「字が違うデス!?」
鶴戯[あれだろ?サンタをぶっ飛ばして持ってる奴をかっさらうイベントだろ?]
亜沙「・・・え?」
鶴戯[違うのか?]
亜沙「冗談デスよね!?冗談。」
鶴戯[え?・・・・・・あ?ソウデスネ冗談デス。]
亜沙「・・・。(冗談じゃなかったんデスね。・・・というか、前世どんな生活してたデスか!?)」