前世でやる気のない転生者が女神補佐を目指します。 step1 めだかボックス   作:呪壊 赤城

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どうも皆様、猫と犬なら断然仔猫派の呪壊です。

そう言えば戦挙後の後日談を書く予定なのですが、亜沙と空洞さんを遊園地に行くのを書くべきか否か迷っています。ただ、そうなるとあの2人は絶体ラブコメ展開になる気がしないんですよね。何だかんだであの2人はいい感じの雰囲気は出してるんですがね。

出来れば皆様からのご意見を聞きたいと思っています。無ければ駄作者の気が向いたときに番外編の枠でも作ってやるかもしれません。

ではそんなこんなで本編どうぞ。


第15攻 [此方の戦い方]

8月15日。

 

短いようで長かった生徒会戦挙もいよいよ後半戦に入った。現在までの勝敗は現生徒会が2勝、-13組は未だ無勝。しかし会計戦の際に引き分けに持ち込んでいるため、今回の副会長戦に勝利すればまだ逆転のチャンスが残っている。

そして副会長戦の対戦表は-13組から戦神鶴戯、現生徒会からは日之影空洞という組み合わせだった。-13組は完全に切り札のような存在だが、彼の妹戦神亜沙の話では日之影空洞が戦神鶴戯にとっての唯一の勝機だと言うことからある意味では切り札であった。

そんな副会長戦は一体何が起きるのか。

 

それはまだ誰も知り得ない。

 

 

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試合開始時刻よりも2時間早く暇潰しをしようと受付会場に来ていた俺は融通の奴と今度作ろうとしているゲームのパワーバランスの取り方を話していた。その話をしながらゲームやるときこいつに判定してもらおうかとか思っていると-13組のメンバーが来た。時間を確認すると予定時刻を1時間切っていた。向こうのメンバーも俺の姿に気付いたみてェで江迎さンが嬉しそうな顔をして手を振ってきた。

 

「あ、戦神さーん!」

 

[ああ、江迎さン。]

 

・・・なンであンなに嬉しそうなンだ?まあ嬉しそうでなによりではあるけどよ。取り合えず他の2人にも挨拶はしねェとな。

 

[よォ、蝶ヶ崎くンと志布志さン。]

 

「あ、鶴戯さん。どうも。ついでに破ぜて下さい。」

 

「は?蛾ヶ丸どうしたんだよ。あー、戦神さんこんちは。」

 

蝶ヶ崎くンは相変わらず俺の事が嫌いみてェだな。まぁ本当は副会長戦に出るのが蛾ヶ崎くンだったし仕方ねェよな。それにしても志布志さンとはあンまり会話とかしてねェよな。この際だから交流でも深めるか。

 

[あァ、まァ蝶ヶ崎くンは相変わらずだな。志布志さンとはちゃンと話すのは始めてか?よろしくなァ。]

 

「あ、ああ。なんつーか球磨川さんから聞いてた感じと大分違うんだな。」

 

おいおい禊の野郎、志布志さンになに吹き込ンだンだよ。内容次第じゃ帰ったらシバくか。取り敢えずは何て聞いたか聞いてみるけどよォ。

 

[あー、ちなみに禊は俺のこと何て言ってやがったンだ?]

 

「え?あー確かいっつも苛々してるとか言ってた気がすっけど。悪い意味じゃないと思うからな。」

 

・・・そンなつもりはなかったンだがな。まァ流石にこれを聞いてシバくのは酷い八つ当たりになるからする気はねェけど、もし変なこと言ってたら間違いなく帰ってからシバいてたな。取り合えずその事は置いておいて話を再開するか。

 

[マジか。まァ禊にはちょくちょく八つ当たり染みた言い方にはなっちまってたかもしンねェわ。でも流石に後輩相手に八つ当たりみたいな言い方はしねェから安心してくれよ。]

 

俺がそう言うと志布志さンは幾らか安心したような顔になった。・・・俺ってそンなに怖がられてるのかよ。いや、でもこの場合は禊の話し方も俺の苛つきの原因だと思うけどな。大体俺はアイツと話すとき以外は口が悪くてもそこまで威圧する言い方ではないと自覚してるぞ?そもそも仲間とかじゃない奴には普通の話し方に無理矢理変えてるしな。そンな考え事を頭の隅っこでしながら志布志さンとの会話を続けているといつの間にか開始時刻が迫ってきたようだ。まァ当初の目的だった志布志さンとの交流は大分深まったし問題はねェけどよ。ちなみになンで時刻が迫ったか分かったのかと言うと黒神さン達生徒会メンバーがやって来たからだ。黒神さン達が受付会場に到着すると丁度時間になったみてェだな。

 

「それでは定刻となりましたのでこれより生徒会戦挙副会長戦の形式を決定していただきます。」

 

融通のその台詞を聞いて俺は1歩前に出る。すると日之影くンも習うように1歩前に出てきた。亜沙の奴は上手くやってたみてェだな。早く日之影くンとバトりたくなってウズウズしている気持ちを押さえながら13枚ある戦闘形式から戌のカードを選んだ。ちなみに融通の説明を要約するとこンな感じだ。

 

戦闘形式はその名も「狂犬落とし」。名前の由来はルールにあるようで建設中の校舎が会場だかららしい。

校舎の鉄骨の上から相手を地面に突き落とした方が勝利となる。参加者の安全を考え、セーフティネットが張ってあり、そこも地面の一部と見なされる。地面に落ちたとしても自らの下に鉄骨の一部など地面やネットに直接触れなければ敗北とはならず、試合は続行される。

 

これの何処が安全面を考えてンのか全く分からねェけどまァ内容は理解したから問題はねェ筈だ。そンで現在俺はバトル会場に到着した訳で、実はもう戦闘開始の声を待つだけの状態だったりする。

 

「それではこれより生徒会戦挙副会長戦「狂犬落とし」を開始いたします!」

 

融通の開始の声を聞いたが俺達はその場を動かない。まァよくある先に動くと負けるの法則を守ってとかじゃねェけども取り合えずは互いに話をしておきたいと言うのもあるからだった。実際本気で殺りあうのが始まったらまともに会話なンか出来なくなるだろうしな。しかも俺的には戦う前に宣言しておきたい事があるからなァ。

 

[よォ日之影くン。暫く会わないうちに大分変わったンじゃねェか?]

 

「久しぶりだな鶴戯。そう言うお前も纏う雰囲気が前までと違うようだな。」

 

[まァな。でも亜沙から聞いたぜ?俺に言っときてェ事があンだろ?今のうちに言っといたらどォだ?]

 

「ああ、それもそうだな。戦神から聞いたならわざわざ話す必要もないだろうから聞くが・・・あれは本当か?」

 

あれっつーのは庶務戦の時の奇襲を黙って黙認してたかということだろォな。それを言ったら亜沙もその一人だけどな。まァ言う必要はねェだろうけど。

 

[知ってたぞ。]

 

それを聞いた日之影くンは少し押し黙ってから言った。

 

「・・・そうか。なら良かったよ。友達としてお前とちゃんと戦うことが出来そうだ。」

 

[なら良かったぜ。でも戦う前に俺からも1つあるぞ。]

 

「なんだ?」

 

[俺は-13組の一員として今ここに居ンだ。だから俺はお前と戦うときに[過負荷]のスキルだけで勝ってやるよ。]

 

「それをどうやって見極めろって言うんだ?」

 

互いに嬉しさの笑みを浮かべてるが野郎2人がこンな鉄骨の上でニヤニヤしてるとかあンまり嬉しくねェよな。まァそンなすぐにバトルに入らないのは悪いとは思うけど友人同士の戦いなンだから少しは語り合っても良いだろ?

 

[融通、ルールに但し今回は-13組側の戦神鶴戯のスキルの使用を[過負荷]のみに限定するとかって加えられるか?]

 

「出来ますが宜しいのですか?」

 

[あァ勿論だ。]

 

「畏まりました。それでは追加ルールとして戦神鶴戯さまは副会長戦の間はスキルの使用を[過負荷]のみに限定し、使用した場合は反則負けと見なします。」

 

それを聞いて反応したのは黒神さン達だった。

 

「何故わざわざ不利になるようなルールを加えた!ふざけているのか!?」

 

「黒神落ち着け。成る程な。お前らしいじゃないか鶴戯。」

 

[まァなにも考えずに此方に入っちゃいねェよ。此方に入ったからには此方の戦い方をさせて貰うぜ。だから正々堂々と卑怯に殺らせて貰うぞ?]

 

「来い鶴戯!!俺も正々堂々真正面から否定してやる!」

 

イイねイイねェ!さァて思いきり楽しませて貰うぞ。笑みがどんどん獰猛な方に深くなっていきながら全神経を戦いに集中した。お喋りは終わりだァ。ここからは命を懸けた本気の戦いだ。

 

 

______________________

 

生徒会戦挙 副会長戦・戌「狂犬落とし」

 

戦神鶴戯VS日之影空洞(副会長不在のため代理)

 

 

______________________

 

鶴戯がアテナから貰ったスキルは2つあったがその1つは彼女自身も神の倉庫にあった記憶にない凶悪極まりない[過負荷]のスキルだった。そのスキルの名は『 止まらない戯聖(ノンストップ・サクリファイス)』。自分の周囲の物や者を壊すスキルで又スキルを暴走させるスキルと言う他のスキルには無い2つの力があった。

書記戦の際に鶴戯自身も感じていたが転生直後にON・OFFを付けなければかなりの人数がこのスキルの犠牲になっていた筈だ。何故今そのような説明をするかと言うと鶴戯はこの戦いでこのスキルを使うつもりだからだ。

否この戦いで使うためだけに生徒会戦挙の期間に修行していたのだ。この戦いでまともな武器になるように、その為だけになじみに禊達の特訓を任せている間に修行を繰り返していたのだった。そして神経を集中させれば対象を絞ることまで出来るようになっていた。

 

 

______________________

 

俺の『 止まらない戯聖(ノンストップ・サクリファイス)』で鉄骨の留め具を少しずつ破壊しながら俺は日之影くンの攻撃を捌いていって数十回目。

・・・にしてもキツいな。日之影くンのスキル『光化静翔(テーマソング)』だったか?目にとまらぬ光の速度での移動・攻撃が出来るスピードの異常性みたいだな。会計戦で亜沙と戦って速いのに耐性ついてなかったらヤバかったな。

 

「・・・っ!?これも避けるのか。」

 

[『光化静翔(テーマソング)』だっけかァ?光の速さはキツいけど避けれねェ速さじゃねェぜ?ほらもっと本気で来いよォ!!]

 

「ならこれならどうだ『光化静翔(テーマソング)アコースティックバージョン 』!」

 

そう言うと日之影くンが何人も増えて四方八方から俺に襲いかかった。っ!?これは流石にキツ過ぎンだろ!?

 

[なっ!?っぐ。]

 

10発近い攻撃をモロに食らうと俺の体はかなり後ろに吹っ飛んだ。幸い鉄骨から落ちるなンて事はなかったが半分近く拳を食らったのはマズったな。だけどそろそろ完成するンだよな。

 

[イイねイイねェ!!でも残念だったなァ。時間切れだぜェ?]

 

後はこれを破壊して完成だ。

 

「なにを!?・・・なっ!?まさか鶴戯お前は。」

 

[あァ始めからこの足場を崩す為にスキルを使ってたんだよ。でも大変だったぜ?オマエの攻撃を避けながらはなァ。まァ最後のあれは焦ったけどなァ。]

 

足場が大きな音と共に崩れ落ちていく。その状態でもなお俺と日之影くンは拳を振り始めた。たださっきまでと違うのは俺もスキルを制御しながらじゃねェ事だ。

 

「っぐ!?さっきまでのは本気すら出してなかったってことか。」

 

俺の拳を食らいながらも反撃するために光速の拳を振るう日之影くンの攻撃を寸でのところで避け笑みを浮かべながら真剣に答えた。

 

[それは違うぜ?スキルを使いながらの本気だ。]

 

 

その台詞と共に鉄骨は地面に接触した。

 




~その頃のなじみ達~

なじみ「そう言えばそろそろ鶴戯の試合が始まるんじゃないかな。」

冥利「あー、そう言えばそんなこと兄ちゃん言ってたな。」

冥加「ガンバレ。」

禊「うん。まあ届いてないと思うよ?」

なじみ「まあ気持ちの問題だろう?良いじゃないか。・・・あ、なんなら応援だけでも届けようか。」

冥利「兄ちゃんの迷惑になんじゃねーの?」

冥加「10523688874501450。(届けることって意外と大事だと思う。)」

禊「迷惑とは言わないでしょ。」

なじみ「じゃあ皆から鶴戯に一言ずつ言ってね。」

冥利「兄ちゃん頑張れよー。」

冥加「ガンバレ!」

禊「負けないでねー。」

なじみ「だそうだぜ?鶴戯の事だから負けねーだろうけどさ、とりあえず今日はイタリアン作っとくから安心しな。じゃあ頑張れよ。」

その頃の鶴戯。

鶴戯[(あいつ等、戦ってる最中になにしてんだよ。負けるわけにいかねェじゃねェかよ。)」

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