前半部分は改定前と同じですが、後半部分は変えました。
では、どうぞ
「せやぁっ!!」
気合の入った声と共に振られたカゲミツは、相手の体を切り裂き、そのHPゲージを奪い去った。
それと同時に浮かび上がるチームの勝利表示を視界に収め、カゲミツを右、左に振った後、エネルギー刃を消しながら右のフックにかける。
「お疲れ様です、キリトさん」
「あ、クロウもお疲れ」
近くにいたシルバー・クロウに挨拶すると、別の場所で戦闘していたシアン・パイルとリーファも出てくる。
彼らにも挨拶した後、最後にブラック・ロータスが姿を現した。
「さて、今週の領土戦も無事、この杉並エリアを守ることができたな。皆、お疲れ様」
ブラック・ロータスがそう言うと、各々が挨拶をし返し、その後シアン・パイルがやや小声で口を開く。
「お疲れ様です。…それでマスター、すみません。僕とリーファは今部活の休憩時間中なんで…これで失礼します」
「ロータスさんも、キリトさんも、沖縄、楽しんできてください!」
一礼しながら消えた二人を見ながら、黒雪姫はふふっ、と小さく笑う。
「リーファは一年からやってるとはいえ、彼の方はもう立派な剣道部員だな。二人ともレギュラーなんだろう?」
「ええ、まあ…それで、その…剣道部員のことなんですが」
シルバー・クロウは辺りを小さく見渡した後、俺たちに少し近づくようにジェスチャーして、小声で話し出した。
「まだ確証は得られないんですが、タクと一緒にレギュラー入りした新一年生が、バーストリンカーなんじゃないかって…」
「なんだと?」
レギュラー入りした一年というと…こないだの剣道大会でタクムに勝利した一年生のことか。
クロウの話によると、その一年生が≪フィジカル・バースト≫というレベル4から使うことができる、三秒間だけ思考を≪加速≫させる能力を使っていたらしい。
証拠はあるのか?と問いかけた黒雪姫にクロウは、タクムも前に剣道でそれを使った経験があるから見間違えることはないと返した。
「…でも、それっておかしくないですか?≪フィジカル・バースト≫コマンドを使ってるってことは、その能美って人もバーストリンカーなんですよね?でも、マッチングリストに表示されていないなんて…」
俺の言葉に―—この半年でこの喋り方も中々板についてきたが、やはり精神的にきついものがある――黒雪姫はうむ、と頷く。
「彼の目的がわからないな…バーストリンカーであることを隠したいなら、≪フィジカル・バースト≫コマンドを使う必要がないだろう?そして、向こうには我々のリアルの情報が知れている筈なのに、それを利用して≪対戦≫もしてこない…彼は何がしたいんだ?」
黒雪姫の疑問には誰も答えない。
その能美とやらが梅郷中のバーストリンカーのリアルを知っているのは恐らく事実だろう。
俺の方はわからないが…目の前の黒雪姫は勿論、シルバー・クロウやシアン・パイル、リーファたちのことも知っていると考える。
とは言え、マッチングリストにそのバーストリンカーがいるだけで、誰がどのアバターかなんてわからない筈だ。…恐らく、それ相応の情報網を持っていると考えた方が良い。
俺に関しては≪美少女型アバター≫が男子生徒っていう時点で十分隠れ蓑になってるしな…
そう考えていると、シルバー・クロウがあやふやな口調で言葉を発した。
「やっぱり、あいつがリストに出てこない仕組みを見破って、直接≪対戦≫して聞くしか…」
「まあ…な。本当なら私が挑みたいところなのだが…残念ながら明日から一週間、修学旅行だからな…。…仮病でも使って残ろうかな…」
「だ、駄目ですよそんなの!中学の修学旅行なんて、一生に一度の経験じゃないですか!!能美の件は僕らで何とかしますから、行ってきてください!!」
と、慌てながら黒雪姫を止めるシルバー・クロウ。
「ん、そうか。だが、あまり無理はするなよ?そういえば、お土産は何が良いか決まったか?」
「あ、あまりかさばるものお願いしても悪いんで…先輩が撮った動画とか見せてもらえればそれで…」
「ふむ、わかったよ。じゃあ、たっぷり撮ってキミに送るよ」
「あ、はい。お願いします…あ、キリトさんも、楽しんできてくださいね」
「はーい。後のこと、よろしくお願いね?」
俺の言葉に頷いたシルバー・クロウはバースト・アウトと言ってその場から消えた。
残り時間はあと三分ほどか。
「…さて、どう見る?」
誰も無くなり、二人っきりになったのを確認した黒雪姫が俺に問いかける。
その言葉に少し考えた後。
「個人的に、何か一波乱が起きるんじゃないかって思ってる。リアルは互いにもう割れてるも同然だろ?仕掛けてくるなら、俺たちが修学旅行に行った後だと思う」
「王の不在を狙った犯行…か。そうなると、ハルユキ君たちだけで対処することになるな…」
「バックドアだっけ?あれ使って、いつでもこっちにダイブできるようにはできないのか?」
俺の言葉に黒雪姫は首を横に振る。
「…無理だ。タクム君の事件のあと、パッチが当てられて同種のプログラムは使用できなくなっている」
「………そうか…」
それと同時にタイムアップ。
なんにせよ、今週も≪ネガ・ネビュラス≫の領土は守られたのだった。
*
「お兄ちゃーん、明日の準備したー?」
時刻は夜。
夕食を終えて、明日からの修学旅行の準備をしていると、直葉が部屋に入ってきた。
「ん、大体な。そういえばスグ、お土産どうする?」
「んー…何でもいいよ?」
「じゃあサーターアンダギーでいいか。母さんも食べれるたろうし」
「…それ私のお土産じゃなくて家族のお土産じゃないかなぁ…」
うむむ…と唸りながらこちらを見た直葉は、やや真面目な顔になると。
「能美って人の件、聞いた?」
「ああ。領土戦の終わりにクロウから。スグは…あ、タクムとかか」
俺の言葉に直葉は頷く。
「私、頑張るね。有田君たちも、皆、私が守る」
「……そんな気張るなよ。スグはスグができることを全力でやれば良い。仲間だろ?皆で協力すれば、何とかなるって」
「……………ん」
直葉の頭をぽんぽんと叩きながらそう言うと、直葉はコクリと頷いて。
「じゃあお兄ちゃん、いってらっしゃい!明日はちゃんと起きてよ?」
そう言って自分の部屋へ戻っていった。
それを見届けた俺は、荷物チェックをして忘れ物がないことを確認し、ベットに入った。
薄暗い部屋の中で、例の能美というバーストリンカーについて考える。
マッチングリストに表示されないバーストリンカー。
≪フィジカル・バースト≫を、他のバーストリンカーがいるのに使った理由。
わざわざ自分の正体をばらすようなことをする理由が見つからない。
これでは調べてくれと言っているようなものだ。
「………矛盾してるなぁ…」
ふぁ、と欠伸を一つ。
睡魔に耐え切れずに眠りそうな中ふと思ったことは―――
ハルユキ達が能美について調べることまで彼の計算の内だったとしたら…
ということだった。
*
かくして、黒雪姫と桐ヶ谷和人の二人は、飛行機にて沖縄へと向かった。
「桐ヶ谷先輩、少しいいですか?」
そして翌日の四月十五日、剣道部の部活が終了した時刻。
シャワーを浴び、帰ろうと昇降口で靴を履こうとしていた直葉に、やや高い声が聞こえた。
先輩、ということは後輩だろう。
んー?と、間延びした声で振り向いた直葉は、その人物を見た瞬間に目を細める。
「ええと…少し練習したいことがあるんですけど…付き合ってもらいたくて」
そう言いながらこちらに話しかけてくる人物は、能美征二。
新入生のバーストリンカーではないかと、ハルユキ達が疑っている生徒だ。
マッチングリストに現れないので、本当にそうなのか確証はないが、警戒はしていた方が良いだろう。
少し警戒しながらも、直葉は首を傾げる。
「ええと…確か能美君だよね、一年生なのに男子剣道部員で一番になったっていう…えっと、何で私なのかな?男子と女子じゃ、色々と差が大きいと思うんだけど…。黛君とか、良いんじゃないかな?」
一応話すのは初めてなので、初対面の振りをして話す。
すると、能美は肩を竦めて。
「黛先輩、今日はすぐ帰っちゃったんですよ。まあ、あの人じゃ駄目なんですけどね?」
そう言いながら取り出したのは、XSBケーブル。
「疑ってるみたいですし、正体を教えてあげますよ。そう、僕も貴方たちと同じ加速能力者………貴方たちにわかりやすく言うと、バーストリンカーです。実は今日、面白い能力を手に入れましてね?その練習相手になってほしいんですよ」
それを自分のニューロリンカーの端子に装着しながら能美は自身のことを加速能力者…バーストリンカーだと吐き捨てるように言った。
自分から正体をばらした能美の真意が掴めず、直葉の視線が鋭くなる。
「………あなたの目的は、なんなの?」
「怖いなぁ…そう睨まないでくださいよ。僕はただ、平穏にこの学校生活を送りたいだけなんですから…お互い荒事は避けたいですよね?何簡単です。ここでどっちが優位か、決めましょうよ。あなたが勝てば、僕はあなたがたに手出しも何もしません。大人しくここから出ていきます。でも、僕が勝てば……」
能美はわざとらしくポーズを取って。
「あなたは僕に、ポイントを捧げる犬になってもらいます。勿論、あなたが卒業するまでですけどね」
チャンスだ。と直葉は思った。
ここで彼を倒せば、梅郷中は、彼の魔の手から逃れられる。
ポイントを捧げるということはつまり、≪フィジカル・バースト≫をするためのポイントだろう。
≪加速≫を使ってそんなことをする奴は…許せない。
「………わかった。やろう」
能美からケーブルを受け取った直葉は、自分のニューロリンカーの端子に接続する。
それを見て薄ら笑いを浮かべた能美も、ケーブルをつけ加速コマンドを唱えた。
「バースト・リンク」
リーフ・フェアリーの姿になった直葉は、目の前の敵に視線を移す。
全面がのっぺりとしたバイザー状で、奥には赤紫色の眼が輝く。体はシルバー・クロウのようにほっそりとしているが、右腕に大型カッターに、左腕には三本に別れた触手と、奇怪な両腕をしていた。
相手の名前は…ダスク・テイカ―。
ステージは≪煉獄≫ステージ。
生物的なステージの中、二人は睨みあっていた。
「それが≪妖精≫リーフ・フェアリーでしたか…ふむ、本当に妖精みたいですね。驚きましたよ」
リーファの姿を見て素直に驚いた声を出すと、ダスク・テイカ―は「そういえば」と呟く。
「貴方たちの情報を集めていた時、面白いものを見つけたんですよ。ええと…≪ミッドナイト・フェンサー≫でしたっけ?彼って、あなたの≪親≫だったんですね?それで…彼が全損したのは≪黄の王≫の策略…でしたね?」
「…だから何?」
冷たい声で返すリーファにダスク・テイカ―は、まあまあ、と彼女を落ち着かせるような素振りをする。
「こう見ても僕、色々と知り合いが多いんですよ。王の側近とかにもね。それで、物は相談なんですけど…仇、討ちたくないですか?あなたが僕に、ちゃんとポイントを捧げてくれるなら、彼らに話して戦いの場をセッティングしてあげてもいいですよ?」
何故、このタイミングで彼はこんなことを言うのか?
それを言うなら、私と対戦する前に言っておけばよかったのではないか?
それとも…私に勝てる可能性が低いから、こうして交渉した…?
…いや、それならさっきの対戦する前に言っていたほうがよかったではないかという話に戻る。
そう考えているリーファの前で、ダスク・テイカ―は肩を竦める。
「そんなに疑わないで下さいよ…奪われたから奪いたい。最高じゃないですか。僕は善意で言っているんですよ?その気持ちはよぉーくわかります。まあ、別に保留でもいいですよ?この戦いが終わって、あなたが勝ったとしても、あなたにその気があるのなら、協力してあげてもいいです」
「………………」
ダスク・テイカ―の言葉に、リーファは無言で長刀を構える。
その瞳は迷いに揺れているようにも見えるが、戦意は萎えていない。
ダスク・テイカ―はそんなリーファの表情に内心で微笑んで。
「そうですか…まあ、対戦を挑んだのはこちらですし…そろそろ始めましょうか」
そう言うと、右手の大型カッターを構えて走り出した。
突き出されたカッターを長刀で弾いたリーファは、ダスク・テイカ―の懐に飛び込んで、その剣を振るう。
「チィ…っ!!」
刃は彼の装甲を斬り裂くようにみえたが、左腕の触手が生き物のように動いて、リーファの腕に巻き付いてその動きを止める。
そのままダスク・テイカ―はブン、と触手でリーファを投げ飛ばす。
そのままステージと化した昇降口の廊下の壁にぶつかるかに見えたリーファだが、クルクルと回って態勢を立て直すと、その壁に両足をふわりと付け、壁を蹴る。
かなりの勢いをつけて突っ込んだリーファの剣は、回避行動をしたダスク・テイカ―の装甲を浅く斬り裂く。
リーフ・フェアリーのアビリティ≪跳躍力強化≫は、クロム・ディザスター討伐戦の際にシルバー・クロウのいるところまで飛んだ時にも使われた能力で、任意的に発動できるタイプである。
壁などを蹴った時の反動を増幅させ、さながらジェット噴射のようなスピードで飛ぶ姿は、かの≪スカイ・レイカー≫のようでもあるが、あくまでも瞬間的なもの。
壁を蹴った勢いが残っているうちは、背中の羽根によって若干の姿勢制御も可能であり、≪限定的≫の言葉ではあるが、リーファは飛行することができる。
≪スカイ・レイカー≫が空を飛ぶ部分で≪飛行型アバター≫に近づくなら、リーフ・フェアリーは姿勢制御の部分で≪飛行型アバター≫に近づいていたということだ。
その羽根で姿勢制御をしながら舞う姿はまさに≪妖精≫。
彼女の呼び名は、彼女の姿や、その戦い方からつけられたモノなのだ。
「せぁっ!!」
再び壁を蹴って突進したリーファの剣は、ダスク・テイカ―の大型カッターに防がれる。
「ちょこまかと…!!」
攻撃を弾かれて宙で一瞬止まったリーファの体に、ダスク・テイカ―の足が突き刺さった。
続いて振られる大型カッターが、リーファに叩きつけられ、彼女の体は窓ガラスを破って校舎の中庭の方に吹き飛ばされた。
HPゲージは互いに二割ほど削られている。
立ち上がって再び長刀を構えたリーファに対し、ダスク・テイカ―はゆっくりと歩いてきた。
「さて…と、桐ヶ谷先輩。僕は先ほど、能力の練習に付き合ってほしいと、言いましたよね?」
そう言いながら立ち止まったダスク・テイカ―に、リーファは何も答えずに睨みつける。
ダスク・テイカ―は肩を竦めた後、両腕をクロスさせ。
「だから…この翼の実験台になってもらいますよ!!」
そう言うと、バッと腕を開いた。
その瞬間、彼の背中から黒い、漆黒の翼が現れた。
驚愕した表情のリーファを見たダスク・テイカーはニヤリと笑うと、その翼を動かすと空中に浮かび上がった。
「≪飛行アビリティ≫……?」
「そう!これが今日僕が手に入れた能力ですよ!!僕の犬になった有田先輩から奪った、≪飛行アビリティ≫です!!」
こちらの呟きに高笑いしながら答えるダスク・テイカーに、リーファは驚きと、悔しさに唇を噛みしめた。
既に、彼の魔の手は梅郷中に伸びていたのだ。
そして、シルバー・クロウは彼と戦ってその翼を奪われたのだろう。
相手のアビリティを奪う能力なんて聞いたことはないが、そういうアバターもいるのだろう。
「さてと…≪パイロディーラー≫装備」
その言葉と共に彼の腕に装着されたのは腕全体を覆うような火炎放射器。
「黛先輩ではなくあなたを選んだ理由はですね、コレから逃げ回る姿を見たいからですよ!彼のアバターはウスノロそうですしね!!」
そう言ったダスク・テイカーの火炎放射器の砲身に、赤い光が灯る。
リーファがそれを視認して反射的に横に飛ぶと、それを追うようにダスク・テイカ―の腕からドラゴンのブレスのような炎が発射される。
立ち止まっていればその炎で焼かれてしまうだろうが、≪跳躍力強化≫の恩恵によって加速したリーファには能美の攻撃は追いつかない。
勢いを付けたまま校舎の壁を蹴り、三角飛びの要領で空に飛んだリーファは同じように飛んでいるダスク・テイカ―に剣を振り下ろす。
「ぐっ!!」
まだ慣れていないのか、空中での動きがややぎこちない彼の装甲を斬り裂いたリーファは羽を動かして方向転換。
近くのポールに足をつけて能美を睨む。
ダスク・テイカ―は斬られた箇所を押さえながら、その翼を数度羽ばたかせると、納得したようにコクリと頷く。
「流石は≪妖精≫…ですかね。でも…僕もそろそろ慣れてきました…よ!!」
そう言ったダスク・テイカーは背中の翼をはためかせてリーファに向かって飛ぶ。
彼の右腕から放たれた火炎は真っ直ぐにリーファに飛んでいく。
それを視認したリーファは、逆にダスク・テイカ―に突っ込んだ。
「やぁっ!!」
迫りくる炎を背中の羽根による姿勢制御で難なく回避したあと、その装甲に向かって剣を振り下ろす。
「おっと」
しかしその攻撃はダスク・テイカ―が空中で横にスライドしたことによって空振りに終わった。
舌打ちをしながら地面に着地したリーファは、空中で自在に空を飛んでいるダスク・テイカ―を見上げる。
必殺技ゲージに関しても、シルバー・クロウが空を飛んでいる時と同じく消費され続けている。
よって、いつかは彼は地面に落ちるだろう。
「ほらほら、立ち止まっている暇はありませんよ!!」
しかし、その考えは直ぐに消え去る。
ダスク・テイカーの右腕に装着されている火炎放射器から放たれた炎は地面を焼き、それによって獲得される≪ステージ破壊ボーナス≫によって必殺技ゲージが常時回復しているのだ。
もちろん飛行アビリティと火炎放射器によるゲージの減少は始まっているが、その量よりもステージ破壊ボーナスによるゲージの上昇量がそれを上回っているのだ。
まさに永久機関。しかしそんな攻撃を大人しく食らうわけにはいかないので、リーファはダスク・テイカーの攻撃を回避し続ける。
「…ちょこまかと…!!」
そんなリーファに舌打ちをしたダスク・テイカーは、火炎放射器を先ほどの大型カッターに変えると急降下をしながらリーファに突っ込んできた。
いつまでたっても仕留めきれないということにイラついたのだろう。その動きは酷く単調だ。
高速で突っ込んできたダスク・テイカーの攻撃をバックステップで回避したリーファは、その長剣を構える。
それと同時に彼女の剣を、淡いグリーンの光が包み込む。
「しまっ…!!」
それを見たテイカーは慌てて上空に上がろうとするがもう遅い。
リーファは攻撃を避けながらこの瞬間を待っていたのだ。
相手が一度地面に着地した瞬間の僅かな硬直時間。
シルバー・クロウならともかく、飛行能力に慣れていない彼が地面に着地したあとは一瞬止まるはずだと考えていた彼女は、必殺技を放つ。
「≪フェアリー・スターズ≫!!」
左下から右上への斬り上げ、そのまま右下へ斬り下し。
続いて左上へ斬り上げて、右方向へ水平斬り、最後に左下への斬り下ろし。
星の形を描いた五連撃技は、ダスク・テイカーの装甲を斬り裂いた。
能美君はほら、自分は研究会の中で偉いんだ的なこと思ってませんでしたっけ
ほんとにパイプがあるのか…研究会の力なら何とかなりそうな気もしなくはないですね
ちなみにこの能美君は本心で言ってます。奪われたら仕返しするのに共感したんですかね
久しぶりだし皆さんの反応が怖い…
とりあえず、こんな感じでした
時間を見つけてはぼちぼちやっていきたいと思います
あ、スグの必殺技は一応オリジナルです
では、また次回!!