バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜   作:ぷろとうぃんぐ

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翼「え、更新はやっ………」

蓮「奇数日だもの」

鈴「さ、教頭の末路は!?感想は”蒼龍”さんだけだね」

翼「死んじゃったかもね…………」

蘭「そんな凄まじいものだったの………?」

鳥花「この小説は青少年の育成に相応しくないものがあります!ご注意下さい!」

蓮「R18じゃないから、安心しなさい」

翼「それじゃ完結編!始まるよ!」


51話 結末と平穏

「ふ…………ははははっ!!」

 

18時。

これから後夜祭が始まる時間でもあり、清涼祭のフィナーレを締めくくるイベントが始まる頃だ。

後夜祭伝統的イベント、フォークダンスや屋店、花火が打ち上がる。

文月学園も随分凝った演出をするよね。

しかし、そんな中ただ1人、不気味な笑みを浮かべる男がいた。

場所は使われていない空き教室。電灯すらつけずにノートパソコンに向かう。

 

「くくく………これさえあれば、この学校も終わりだ………!」

 

スーツのポケットに入れて持ってきた小型のハードディスクをパソコンで読み取った。

あとは、たった1度、マウスで押せば『データが流出する』ようにした。

そのデータは、召喚システムに関わる全ての事項、内部的に行われていた如月グループの密論。

特にこの学園に恨みを持っている訳ではない。

果ては自分の天下の為に、そして富と名誉の為に準備してきた。

 

「あとは………!!」

 

もうやり残すことはない。

手を震わせながら、マウスに手をかけた、まさにその時だった。

 

ガッチャァァァンッ!!

 

「-------------なっ!?」

 

凄まじい轟音と共に、パソコンのデスクトップを破壊する一閃。

その音源は男の真後ろのドアのガラスを突き破って、一矢狂わずパソコンに突き刺さっている。

 

「もう終わりでしょう?観念なさいな」

 

警戒を怠っていた為、ろくにロックも掛けていないドアから少女が現れた。

間違いなくそれは、この学校の生徒だった。

少女は溜息をつきながら言う。

 

「いきなり貴方を探せ……と言われた時は何事かと思いましたわ。ですが………」少女は部屋を一瞥して、「ここまでのようですわね?」

「馬鹿な………!何故ここが……」

「数刻前からつけさせて貰いましたわ。途中見失ってしまったので時間は取ってしまいましたが……」

 

男は狼狽える。

学園長は今、サブコンピュータの復興に忙しいはずだ。その隙をついたのだが、見破られていたのだ。

更に、少女の後ろから黒マントの集団が大量にいるのに気付いた。

1人の少年が一歩前に出て、暗い篭った声で言い放つ。

 

「貴様が我らFFF団の女神を連れ去った悪党か」

「なんだお前は………!?」

「私か?私は異端審問会会長だ。名前などお前ごときに教える訳にはいかんがな」

 

黒マントの集団。

異端審問会。

その正体を男は聞いたことがあった。

学園を闊歩し、断罪を下す黒マントの集団。その時はたかだかただの生徒の烏合の衆だと思っていた。

 

「その審問会とやらが、俺に何のようだと言うんだ………?」

「とぼけても無駄だぞ。我らが女神……姫路瑞希、霧島翔子、木下秀吉。それだけじゃない!島田葉月でさえも手をかけたはずだ。まさか知らないはずはないだろう?」

「なっ、何の根拠があってそんな当て付けを………!」

「お黙りなさいな。貴方にはもう逃げ場なんてないんですわよ」

 

少女は男にも見えるようにメモリーカードを掲げる。

 

「このカードには、とあるパソコン技術に特化した友人が纏めた証拠が入ってますわ。言い逃れすら不可能のはずですわね」

「く…………!」

「警察に引き渡して差し上げてもいいんですが………まずはこっちが先ですわね」

 

少女は後ろに下がる。その瞬間、10人ほどの黒マントの少年たちが前に出る。

持っているものは縄ロープやガソリン、灯油など、この場に相応しくない物品だらけだ。

 

「な、なにをする気だお前ら……!?」

「知れたこと。私たちはまずは貴様に断罪を下す!正義と言う名の断罪(ジャッジメント)をな!!」

 

ザザザッ!と素早い動きでおっかなびっくりの男の周りを囲む。表情は伺えないが、殺意を感じるほど憎悪が歪んでいた。

 

「……これ以上は時間の無駄ですわね。やっておしまいなさい!」

『『『イエッサー!!』』』

 

少女が手を上げた瞬間に、十字架に貼り付けられて火炙りさせる男。

苦しみのあまり呻き声をあげる男に会長を名乗る少年が問いただす。

 

「………最後に、何か言い残すことはあるか、囚人よ」

「……くっ、くくく…………まだだ、まだ終わっていない………!」

「……毎回死刑囚はそう言うんだ。さぁ、やれ!」

 

あまりに残忍な拷問は以降も続けられていたと言う。

 

「…………ねぇ、あれ死んでないよね」

「……さぁ、どうかしらね」

 

私と蓮は学内を闊歩していると、どこからか悲鳴が轟いた。間違いなく今の声は教頭の声だろう。

実はあの管制室へ入る前に、須川君と咲未さんには教頭が黒幕だということ、それから蓮がコピーしたメモリーを手渡していた。

何とか事前に防ぐことが出来たようだ。それだけは安心だけど、ちょっとやりすぎじゃ………

 

「これで、終わったのよね」

「うん。多分ね。棒に降った学園祭だったけど」

「まだ後夜祭があるじゃないの。綿菓子奢ってあげるから、元気出しなさい」

 

そう言って蓮は私の肩を叩く。

まだ謎は多い超絶召喚やTASシステムについて……あの暴走召喚獣の覚醒した真の姿………

平穏ではないことは確かではあるけど………

 

「そういえば、学園長から何を貰ったの?」

「ん………まだ開けて無かったわね………」

 

学園長からはお礼に如月ハイランドのプレミアムペアチケットと、1人ずつ袋に入ったアイテムを贈呈された。その中にはシークレットアイテムも入っているんだとか。

ペアチケットは、私たちには過ぎたものなので、霧島さんにあげて置いた。坂本君も………別の意味で悲鳴をあげることになりそうだ。

補習は後日することになったわけだけどね。

蓮は袋を開けて、中身を確認する。

 

・学園長特装フィギュア(にいてんご)

・学園長プロマイド(グラビアレア写真)

・学園長キーホルダー

 

「……………………ちょっと、文句言ってくるわ」

「まぁまぁ。私もそれ、1枚貰ったから」

「ちが………あの人もしかしてナルシストなわけ?こんな自分量産して、悲しくなって来ないのかしら」

「……自称永遠の17歳にそんなこと言わない」

「どうせ逆返して71歳でしょ!?年相応よ!」

 

蓮が珍しく怒っていらっしゃる……

しばらく激昂した後、蓮は呼吸を整えながら聞く。

 

「そういえば、アンタは何だったの?」

「え、中身って違うの?」

「当たり外れあるんでしょ。翼のも一緒だったら下克上してやるわ……」

 

袋の封を切って中身を取り出す。中に入っていたのは……

 

・謎の鍵

・黒ひげ危機一髪の剣(赤色)

・自転車のチェーン

 

「…………何よこれ」

「……今思ったけどこれ、清涼祭の宝探しの残った景品だよね、多分」

「こんなどうでもいいのがあったなんて………もう取り分だけで十分よね、翼?」

「そりゃ十分だよ。黒ひげにおいては使い道ないし、私徒歩通だし」

 

中身を袋に戻してポケットに入れる。この鍵が気になるけど……大切に取っておこう。

いつか使える日があるかもしれないしね。

 

「翼!蓮!!」

 

すると、向こうから走り寄って来る蘭さんと鈴さん。

 

「後夜祭参加しないの?」

「え、う、うーん………」

「人混み苦手なのよね………」

「そんなコミュ障みたいなこと言わないの。ほら、早く来なさい」

「「事実(だ)よ!!」」

 

無理やり蘭さんに引っ張られて、中庭に連れて行かれる私と蓮。

其の後は以下省略だ。単に蓮と鳥花さんと手を繋いで、慣れないフォークダンスを踊ったり、霧島さんが坂本君にアイアンクローを決めながら踊っていたり、吉井君と姫路さんがいい雰囲気だったり、いろいろあったけど、楽しかった。

 

最後の、花火も同様に--------

 

 

『----------これで清涼祭全プログラムは終了しました。後片付けを終えたら安全に下校を行って下さい。繰り返します----------』




鳥花「終わっちゃいましたね………」

鈴「え、うん………ギャグのカケラもない話だったね」

あれですよ。結局喫茶店で得たお金で設備買ってDクラスの設備になりました………で、終わりですね。

蘭「ま、姫路さんの転校もお流れになったわけね」

翼「あの裏で、姫路さんと吉井君が原作通りのことやってたけど、そこはカットしました」

蓮「色々伏線張ったけど、気づいて貰えたかしら?」

次の話は原作3.5巻へ飛びます。如月ハイランド編………んー……

蘭「………何よ、考え込んで」

いや………と思ったんですが………雄二たちがハイランドへ行く話は恐らく端折ります。

東雲姉妹「「ええぇ!?」」

翼「じゃあ………どうするの?」

翼と蓮サイドの話になるかもしれませんね。『如月ハイランド編』か『翼と蓮の邂逅編』を予定しています。

蓮「そ、それじゃ次回はオリキャラについてね!」

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