切り裂き魔と精霊ちゃん達   作:ぼけなす

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前半は四季と『士道』の関係です。ではどうぞ。


第三話 恋愛シュミレーション? 改造してくれるわ(by五河四季)

 

 

 『士道』は士道ではない。原作主人公に憑依転生したとき士道は消えた。しかし四季の中には士道がこれまで経験したときの記憶がある。

 

 つまり記録として士道を知っていた。彼が両親を失い、虚ろな人生の中で手を伸ばされてる状況であったことを知った。

 

 そこに四季は彼に興味を持った。彼がこれからどのように生き、そしてどのように天寿をまっとうするのかに興味を持った。

 

 ゆえに彼は自身の知識から感情を代価に『士道』という魂を作り出した。

 

 一人で二人――――それが五河四季という人間だ。四季と『士道』は兄弟のように育ち、こうして今も生きている。

 

 

――――いつかは終わる兄弟ごっこだとしても

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 四季は琴里の話を聞いていた。四季が接触したのは精霊という空間震を引き起こした存在である。

 

 彼女達が顕現されたときにその余波が空間震で、それは大きくも小さくできる。つまり、人類の敵は精霊となる。

 

 それを抹殺するのがAST――――陸自の対精霊部隊だ。まあ前話で説明した通りの武器で戦う女達というわけだ。

 

 そして<ラタトスク機関>に所属する神無月、琴里、そして解析官の村雨令音の目的は精霊と対話し、無力化することだ。

 

「無力化ということは封印か? それでどうやってだ」

「精霊とデートしてデレさせる」

「…………」

「何よその顔は?」

 

 四季は「えー? 面倒くさ」と言いたげな顔を琴里に向けていた。

 

「だってデートってあれだろ? 男女がキャッキャッウフフフした後にベッドで最終決戦するヤツだろ?」

「最後のヤツはイヤらしいわよ」

「違うのか? では最終決戦はベッドではなく空中浮遊都市か?」

「ベッドよりスゴいところでヤり合ってる!?」

「あ、違うか。あれは殺し合いの殺るだった」

「どんなデートよ!! それがデートだったら、戦争のルビがデートになるわよ!」

「知ってるか? ラスボスがヒロインってのが人気なんだぞ。かの殿町先生が言っていた流行だ」

「なにそのこの小説に当てはまりそうな言葉!」

 

 メタイ琴里に四季は首を傾げる。やはりこの男は世間一般から駆け離れた思考回路をしている。不味い。このままでは四季が精霊をデレさせるのは『全ては遠き理想郷』になりそうだ。

 

 それだけは避けたい。ゆえに琴里は命じる。

 

「明日、都立来禅高校――――三○○にて訓練を行うわ。拒否権はない!」

「えー……」

 

 気だるそうな糸目で四季はしぶしぶそれを応じることとなった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 翌日。

 

「来て」

「んー?」

 

 四季は何が起きたのか理解してないまま折紙に手を引かれて教室に出た。クラスからキャーキャーと女子の黄色の声や男子の「うぎゃー! 我らの女神がー!?」と悲鳴をあげる聞き覚えのある馬鹿がいた気がした。

 

 折紙は無言のまま、階段に上り、しっかりと施錠された屋上への扉の前までやってきてようやくその手を離した。

 

 下校する生徒達の喧騒が、随分遠くから聞こえる。人がいる場所から十メートルも離れていないのに、まるで隔絶されたかのような寂しさのある空間だ。

 

「なんだ……俺のお気に入りの場所を知っていたのか」

「あなたもここに?」

「たまに考えたくなるときには」

 

 四季はフェンスにもたれかかる。昨日は知らないオジサンとの書類を見て確認しているうちに深夜となり、寝不足気味だ。規則正しい生活をしていたからなぁと彼がぼんやり考えているとズイッと折紙が顔を出して聞いてきた。

 

「昨日、なぜあんなところにいたの」

「面白いことをしていたから」

 

 ジトリと四季を見つめる折紙に「参った、降参だ」と自分が吐いた嘘を認める。

 

「妹が外にいるって誤解してな。ほら、携帯のGPS機能あるだろ? それで間違えて外にいると思ってたんだ。そしてら謎の美少女に剣を向けられ、お前に遭遇。OK?」

「OK。つまりあなたはただの部外者……ということね」

 

 昨日まではなと内心呟く四季に、折紙は続けて口を動かした。

 

「――――昨日、あなたが見たことは忘れた方がいい。そして私やあの少女のことも誰にも口外しないで」

 

 有無を言わせぬ迫力で言ってきた。とは言え四季にはそれは無意味だし、口外するつもりなんて更々ない。

 

 彼が興味を持つ少女を琴里や折紙達以外の他の誰にも渡すつもりも関わらせるつもりもない。

 

「あの少女は何者かわかるのか?」

「あの少女は精霊。私達の敵」

「ふーん……それで、あんな怪物染みた相手によく戦おうとするな」

「当然。私の両親は五年前、精霊のせいで死んだ」

 

 五年前――――あの大火災の日と四季は覚えている。あのときは記憶が曖昧で思い出せないことが多い。しかし、それがもし精霊の仕業だとすれば折紙の復讐は正しいのだろう。

 

 怨敵とも言える精霊が現れれば、憎悪を向けるのは当然だろう。

 

「どんな精霊か覚えているのか?」

「覚えてる。炎の精霊だった」

「なら、あの精霊に憎悪を向けるのはどうかと思うな」

「関係ない。相手は精霊。もう、私のような人を作り出したくないから、私はここにいる」

 

 「ふーん」と四季は立ち上がり、扉まで向かう。そこで彼はふと聞いた。

 

「精霊って秘匿情報だろ。それを俺に言っていいのか?」

「あなたなら構わない」

「それを俺が言い触らすことをしたらどうする?」

「それは…………困る」

 

 四季はガクンと躓く。この少女、天然なのか知らないか抜けている。

 

「ま、貴重な情報ありがとさん。あとお前にアドバイス」

「何?」

「例え、クラスメイトであれどそんな秘匿すべき情報は簡単に喋るな。そして知られたらどんなヤツでも消せ――――でないと困るのはお前とその組織だぞ?」

 

 折紙はゾッと背筋が凍る感じがした。目の前の少年はただ者には見えなかった。

 

 秘密を知られたら殺せ。それは組織の考えだ。

 

「ま、あくまでもアドバイスだ。俺はお前のことや精霊のことを言い触らすつもりなんて毛頭ないし、興味もないからな」

 

 いつものような調子に戻り、四季は扉の中に消えていく。残された折紙は目の前にいた少年が何者か、思考するのだった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 四季は指定された目的地に向かう途中、副担任となった令音と出会う。この隈が分厚く長い髪の女性は三十年間も不眠症というもはや超人レベルの活動記録を残している。当初、四季も「人間かコイツ」と疑う目で見ていたら、なぜか視姦された誤解されて琴里に「イヤらしい」と言われてしまった。

 

 そのときムカついた四季は琴里をアイアンクローしようとしたことはもはや『士道』が見るいつもの日常だ。なお、そのとき受けたのは神無月だったりする。恍惚とした彼の顔は忘れられない。

 

 せっかくの美青年も性癖で台無しだ。

 

 それはさておき、令音と合流した四季は物理準備室前まで来ていた。スライド式の扉を開けるとそこには機械的な部屋となっていた。コンピュータやデイスプレイで埋まった部屋に入る四季はふとここ住人のことを思い出した。

 

 ここの住人たる長曽我部正市(通称・ナチュラルボーン石ころぼうし)先生が安らぎの地である。そのことを令音に聞くと「ふむ、彼か」と考え込む。

 

「…………」

「…………」

「……さて、訓練を始めようか」

「オイ、ヤツをどうした?」

 

 その先生のことなどどうでもいいが、ツッコミは別である。どうしたのかと聞いた令音は目を逸らして黙秘。

 

 四季は「やれやれ」と石ころぼうし先生とまた出会うことを祈っていた。

 

「来たわね四季。さあ、これが訓練に使うシュミレータよ」

 

 催促された席に座り、パソコンのディスプレイを見た。

 

 画面にはかわいらしくデザインされた<ラタトスク>の文字が浮かんだ。次にポップな曲とともにカラフルな髪の美少女達が順番に次々と表示され、そしてタイトルと思しき『恋してマイ・リトル・シドー』と表示される。埴輪の『士道(シドー)』さんは『なぜに俺の名前!?』とツッコむ。

 

「……シュミレータってギャルゲーなのか?」

「そうよ。やだ、何を想像していたの? さすが妄想力だけは一級品ね気持ち悪い」

「それは『士道』だ。というか俺の妄想は想像力だ。年がら年中エロいこと考えてるのは『士道』だ」

『待て! それだと俺がエロいってことだろ!?』

「まあいい。それよりギャルゲーとは久しぶりだな。殿町のをやらされて以来だ」

『オイィィィィィ無視すんなよォォォォォ!?』

 

 『士道』をスルーし、令音の説明を聞いた。<ラタトスク>総監修の元に現実に起こりうるシチュエーションをリアルに再現しているらしい。

 

 とりあえず『はじめから』をセレクトする。すると主人公のナレーションが始まり、妹らしき人物が主人公の上に乗っている場面が映る。

 

「あ、これ『士道』が体験したことだ。俺は体験したことないなぁ」

『いやお前はトラップとか仕掛けるだろ。それで琴里は近づかなくなったし』

「何を言う。あの程度がトラップなど生ぬるい。ホントなら配管工事のおっさんのゲームで出てくる土管の植物をセットする予定だったんだぞ」

『害虫の人形を頭から落とされるよりもキツいだと!?』

 

 四季の場合だと「我の目覚めを邪魔する者には罰を!」というスタンスである。そのため琴里が失神したという記憶はまだ新しい。

 

 『士道』が寝たとき以外はだいたい琴里は失神してる毎日である。

 

「お? 選択肢が出てきたぞ? どれどれ?」

 

①「おはよう。愛してるよリリコ」愛を込めて妹を抱きしめる。

 

②「起きたよ。ていうか思わずおっきしちゃったよ」妹をベッドに引きずり込む。

 

③「かかったな、アホが!」踏んでいる妹の足を取りらアキレス腱固めをかける。

 

『ってなんだこの三択!? どこがリアルだ! 俺はこんなんしたがってことねえぞ!?』

「む? ②は即ベッドインか。やるなこの主人公」

『いやお前はなんで冷静なの!? てか、これって制限時間付きなのか!』

「問題ない。既に答えは出している」

 

 おお! と『士道』は感心する。彼もツッコミはしたものの答えは決まっている。①こそ正しい。四季はそれを選ぶはずだと思っていた。

 

「ここは③だろ」

『オイィィィィィ!? なんで妹抹殺なんだよ!』

「何を言う。兄の眠りを妨げる愚かな妹には制裁を。古今東西、眠りを妨げるやかましい女を排除せよと古代の人は言っていたぞ」

『いや、ねえからそんな言葉! ①だろ! 世間一般から見れば①だろ普通!』

「①も①で問題よ」

 

 琴里に指摘され、『士道』は埴輪姿で乱心。ブンブンと動き回る。

 

 四季が③をセレクトする。

 

 アキレス腱固めは妹に回避され、妹にサソリ固めを決められる。その後、主人公はそのときの怪我が原因で半身不随となり、一生車椅子での生活を余儀なくされた。――――そしてそのまま、エンディングへ。

 

「チッ、なんだこの主人公。虫か。よわっちいパラメーターかよ」

『いや労れよ主人公! お前のせいでバッドエンドを迎えただろ!』

「知らん。むしろサソリ固め決められる前にパンツを脱がして窓から放り投げて、逃走しろ。そうすれば妹から逃れるだけの時間は稼げる」

『いつからVS(ぶいえす)妹になってるんだよ! てか、お前のやり方一部変態が混じってる』

「変態ならばそのパンツを被り――――逃げる!」

『それもバッドエンドだろ!!』

 

 キリッとした顔でサムアップする四季に『士道』は叫ぶ。すると琴里が口を開く。

 

「あ、いい忘れてたけど緊張感を得るためにペナルティーあるから」

 

 ペナルティーとしてディスプレイに写されたのは『腐食した世界に捧ぐエチュード』という漫画で刺激されたポエムである。当然、四季が書いたモノではない。

 

『な……ななななななんであれが……ッ!?』

「ふふ、いつか役に立つと思って拾っておいたのよね」

『どうするつもりだそれを……ッ!?』

 

 琴里はにやりと笑いながら「やりなさい」と言った。ディスプレイに映る男は『はっ』と短く答え、ポエムを丁寧にたたみ込んで、手近な下駄箱に放り込んだ。

 

「明日来た生徒はあれを見て何を思うのかしら」

『うぎゃあァァァァァ琴里ィィィィィ! なんてことを!』

「ククク……アハハハハハ!」

『四季、お前も笑ってるじゃねえよ! お前も被害に遭うんだぞ!?』

「何を言う。お前のポエムはなかなか興味深かったぞ。中学のクラスメイトに見せると『スゲー痛い』って評価されてたぞ」

『見せたの!? 俺の黒歴史を見せたのか!』

「俺に似たは再従兄弟(はとこ)として紹介したがな」

 

 『うぎゃあー!!』と悲鳴をあげる『士道』に楽しく笑う四季に琴里は不満だった。本人にはダメージ無しではペナルティーにはならない。

 

「しかし困った。このままでは再従兄弟(士道)の黒歴史が徐々に掘り返されるな……ニヤリ」

『あ、コイツ! わざと間違えるつもりだな!』

「いやいや俺はなんと心苦しいことか。ハートが張り裂けそうなくらいドキドキワクワクしているからなぁ」

『ワクワクはいらないから! お願いしますお兄様! 何卒、我が黒歴史を封印してください!』

 

 「やれやれ」と呟きながら再開した四季は再び出てきた妹の選択肢をあえてスルーした。すると好感度を上下することなく、話は進み、登校することなる。

 

 と、主人公は誰かにぶつかり胸を堪能することとなる。ぶつかった相手は女教師である。

 

「テンプレだな」

『いやテンプレって……こんなの日常にはないだろ』

「いや俺は見たぞ。殿町がぶつかってたぞ――――筋骨隆々な漢女(おとめ)に」

『まさかのプロレスラー!?』

「『ヤ ら な い』と迫られてたところをあえて見なかったことにしておいた。ヤツもこれで漢女(おとめ)とのラブストーリーを展開するだろう」

『そんなラブストーリーなんか嫌だ!』

 

 次に出てきたのは――――

 

①「こんなことされたらでは先生のこと好きになっちゃいます」おもむろに抱きつく。

 

②「ち、乳神サマじゃぁー!」胸をわしづかみにする。

 

③「隙ありィィッ!」と腕ひしぎ十字固めに移行する。

 

『だからなんでこんな三択なの!? ホントまともな答えないな!』

「殺っちまいなyou!! ゆけ、選択③ッ」

『だからなんでVS(ぶいえす)女教師するの!?』

 

 まさかの選択に『士道』の脳内にバッドエンドが思い浮かんだ。しかし彼女――――柔道部顧問・五所川原チマツリ

は主人公の寝技に持ち込こまれ、意識を胸から勝負に持っていかれたため、「くっ」と苦しまぎれに拘束を解いた。

 

『なかなかやるわねボウヤ』

『くっ……甘かったか……!』

 

 なんかライバル的な会話をしている二人に『士道』は呆然となる。すると四季はまた呆れた息を吐いた。

 

「なんだよ。そこは骨を折るくらいにやれよ駄主人公」

『いやなんでそう平然としているの!? おかしいだろ。寝技から始まるラブストーリーとかこの世にあるのかよ!』

「殺されて始まるラブストーリーもあるだろ。こんなもんまだ甘い甘い」

『どんなラブストーリーだよ!』

 

 そんな感じで四季の訓練は続く。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 訓練十日後。四季らしくない鈍足なペースでやっと第一段階の訓練は終了した。

 

 琴里としては三日以内で終わらせるかと思い気や、じっくりとクリアするのが驚きだった。まあ大半の原因は『士道』の黒歴史である。彼の黒歴史には『僕が考えたオリジナルキャラ』やら『部屋の中で技を練習する』などなど四季の身体でエンジョイしていたからである。

 

 『士道』がエンジョイしているときには四季は埴輪の中で眠っていたため、『士道』がこんなこともしていたのは気づかなかったのである。ゆえにミスすることで黒歴史が暴露されるので、あえてミスする四季を楽しませる結果となった。

 

 その度に『士道』のライフはゼロである。

 

「随分時間がかかったわ……けど、これで第一段階クリアよね令音」

「そうだな琴里」

「……あと聞いていいかしら?」

「なんだね」

「あのシュミーレションゲームって――――奴隷(・・)エンドってあったっけ?」

 

 四季が今見ているCG映像は主人公に首輪をはめられ、隷属されたヒロイン達。そのヒロイン達は悲しみの目はなく、恍惚として主人公を崇めている映像だ。

 

 このシュミーレションゲームはリアルな純愛を描いたストーリーであるなのだが、四季が映している映像は明らかに背徳な描写である。

 

 自分の妹でさえ、隷属する鬼畜っぷりに琴里は少しゾッした。

 

「あ、それは俺が改造したからだ」

「やっぱりかァァァァァ!」

 

 四季の仕業に謎が解けた。こんな映像は<ラタトスク>が許すはずもない。琴里はなぜ改造したのか聞いてみると、彼はケロリと平然と答えた。

 

「いや、これ全クリアしたのは実は五日前なんだよ。んで、感想を言わせてもらうと面白くないしありきたり過ぎて欠伸が出る。だからもっと面白くするために、令音さんの許可を得て改造しちゃった」

「令音ー!?」

「私もシンの言葉に耳を疑ってやらして見たが、まさか本当にするとはね……。すまない琴里」

 

 令音と四季は邂逅からまだ十一日しか経っていない。要するに彼のことは書類で知れても、どういう人物なのか知らないため、実行してもらった。

 

「ストーリー的にはときたまに病気になったり、ライバルや外道親父にヒロインを寝取られるというパターンが存在するし、ヒロインがヒロインに寝取られるという新しい世界もある」

「どんな世界よ! というか純愛シュミーレションじゃなくちゃったじゃない!」

「ドラマチックでいいじゃん。

 

 そしてクリア後にはバッドグッドビターの世界の記憶が最初の主人公の頭の中に流れ込んできて、誰も恋人したくなくなるが妹の励ましの言葉と奴隷のエロ本を渡されて奴隷ハーレムを目指すことになる。

 

 なお、このクリア後のイベントがクリアするまでその設定になるという某時間遡行な魔法少女と同じなんだぜ」

「まさかの壮大な物語!?」

『というか機関専用のシュミーレションゲームを改造しちゃったのがスゲーよ』

 

 『士道』の呆れた理由は何重ものプロテクターを剥がし、そのうえ頭の中でどんな物語と設定にすれば面白くなるのかシュミーレションすることで改造されたのだ。それができちゃうのが四季クオリティである。

 

「まあいいじゃん。これ売れば大儲けだぜ」

「売るために作ったんじゃないわよ!!」

 

 琴里のツッコミの裏腹に<ラタトスク機関>のクルーである『次元を越える者(ディメンションブレイカー)』がそのゲームをやってみた感想。

 

 「エキサイティングであったでござる」と口に興奮収まらず、漏らしていたそうな。

 

 

 

 

 

 




後にこのギャルゲーは大人気作品になったとかならなかったとか……

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