ガイム&パンツァー  戦車道・ライダー道極めます!   作:フルーツ大将軍

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本編の仮面ライダー鎧武はクライマックスですね、どういう結末になるのか楽しみです

では、どうぞ!


第4話「戦車道教官登場です」

                 『艦舷の公園』

 

 一真・みほ・沙織・華・優花里は授業でかいた汗をシャワーで流した後制服に着替えて公園に来ていた

 

「あ~疲れた~」

 

 一真は左肩を回しながら言った

 

「うん、そうだね」

 

 みほが海を見ながら一真に答えた

 

「でも本当に今日中に終わったね」

 

「あぁ、みんなで力を合わせればできない事はないさ」

 

「ふふ、そうだね」

 

 一真とみほはお互いに顔を見ながら話した

 

「おぉ!、なんか2人ともいい感じだね~♪」

 

「そうですわね、お似合いのカップルみたいです」

 

 そこに沙織が2人を茶化し華も沙織に便乗した

 

「え・・・そんな事もないと思うけど/////」

 

 みほは2人の言葉に顔を赤らめて答えたが

 

「それは違うよ沙織ちゃん」

 

 一真は真っ向から否定した

 

「えっどうしてそう思うの・・・」

 

 沙織は一真に尋ねた

 

「みほちゃんにはもっと相応しい良い人がいると思うんだ・・・(俺みたいな最低な男より良い人が必ず・・・)」

 

 みほたちは一真のさっきの言葉の後半部分は聞き取れなかったが、その様子から一真は自分を責めているそれ以上に憎んでいるように感じ取っていた

 

「そういえば、この艦の帰港日って知っている」

 

 一真がみほたちに尋ねた

 

「えーと、確か今週の週末です」

 

 華が一真に答えた

 

「あぁ~、早く陸に上がってアウトレットでお買い物したいなぁ」

 

 沙織がこんな願望を言っていると

 

「私みなとみなとに彼がいて大変なんだよね~」

 

「えっ、沙織ちゃん彼氏がいるの!?」

 

 いきなりの沙織の爆弾発言に一真は思わず聞き直してしまった

 

「違いますよ一真さん、さっきのは行きつけのカレー屋さんのことです」

 

 華が沙織の発言を訂正した

 

「ビックリしたでしょ~♪」

 

 沙織がいたずらっぽく笑いながら一真に言った

 

「えぇ・・・それはかなり・・・」

 

 一真も苦笑いを浮かべながら言った

 

「あ・・・あの良かったら少し寄り道していきませんか?」

 

 優花里がみんなを誘った

 

「えっ・・・」

 

「だめですか・・・」

 

 みほが意外そうに優花里を見ていると、優花里は断られたと思い俯いてしまった

 

「そんなことないよ・・・みんなはどう?、俺は全然大丈夫だよ」

 

 一真が優花里の発言を否定し、みほたちに聞いた

 

「私も大丈夫だよ!」

 

「私もです」

 

「私も大丈夫だよ」

 

 全員大丈夫だったので、一真たちは優花里の誘いを受け寄り道をすることにした

 

 

 

 #####

        

 

 

                『せんしゃ倶楽部』

 

 一真たちは優花里の案内で戦車関連の商品を取扱う専門店せんしゃ倶楽部に来ていた

 

「こんなお店があったんだ・・・」

 

 このお店は沙織も知らなかったので少し驚いていた

 

 一真たちはお店の中に入った、するとそこには戦車の部品やそれに関連する本や服などが陳列していた

 

「すごいですね~」

 

 華があまり見慣れない光景にそんな感想を洩らしていた

 

「でも、戦車って全部同じに見える」

 

「違います!、全然違うんです!、どの子も個性というか特徴があって・・・」

 

「動かす人によっても変わってくるんです!」

 

 沙織の発言に優花里が真っ向から否定し戦車の違いを力説した

 

「華道と同じですね」

 

「ライダーでも一見同じ見た目でも変身している人が違うと全く違ってくるんだよな」

 

 一真も華も優花里の発言に同意するかのように言った

 

「うんうん、女の子にもそれぞれの良さがあるよね~、目指せ・・・モテ道!」

 

 沙織も頷きながら答え最後に優花里に向かってサムズアップをした

 

「話が噛み合っているようなないような・・・」

 

 沙織と優花里の妙な食い違いにみほがそんな感想を言っていた

 

 その後優花里は店内に置かれていた戦車ゲームをしており沙織と華はそれを近くで見ていた、一真とみほもその姿を少し離れた場所から見ていた

 

「アクティブで楽しそうです」

 

 華がゲームを見てそんな感想を言っていた

 

「でも顔は怪我したくないよね・・・」

 

 沙織は戦車道をやる上でそういう不安をゲームを見ながら言った

 

「大丈夫です、試合では実弾も使いますが充分に安全に配慮されていますから」

 

 優花里がゲームをしながら沙織に答えたみほは優花里の言った事に少し不安げな表情で浮かべながら後ろにあったテレビに目を移した

 

『続いて戦車道の話題です、高校生大会で昨年MVPに選ばれ国際強化選手に選ばれた西住まほ選手にインタビューしてみました』

 

(うん?、西住まほさんってもしかしてみほちゃんのお姉さんか?)

 

 一真もテレビの声に聞き耳をたてており、ある単語が気になりテレビを見た、沙織や華もみほの元に近づいていた

 

『戦車道の勝利の秘訣はなんですか?』

 

 レポーターがまほに聞くと

 

『諦めない事そして・・・』

 

『どんな状況でも逃げ出さない事です』

 

 まるでその言葉はみほに言っているようだった

 

 みほもそう感じ取ってしまい暗い顔になってしまった

 

(みほちゃん・・・大洗に来る前にお姉さんと何かあったのかな?)

 

 一真はみほの顔を見ながらそんな事を考えていた

 

 沙織と華はお互いに顔を見合いながら何かを考えており沙織が両手を叩いて何か閃いたような素振りを見せた

 

「そうだ!、これからみほの部屋に遊びに行って良い?」

 

「えっ」

 

「私もお邪魔したいです」

 

 沙織と華はみほを元気付けようとしていた

 

「うん!」

 

 みほもそんな2人の心配りが嬉しく了承した

 

「あの・・・」

 

 優花里は手を上げながら申し訳なさそうに言った

 

「秋山さんもどうですか?」

 

 華はもちろん優花里も誘った

 

「ありがとうございます!!」

 

 華の言葉に感謝しながらお辞儀をした

 

「じゃあ俺はここで・・・」

 

 逆に一真は自分の部屋に帰ろうとしていた

 

「えっ、一真君は来てくれないの?」

 

 みほが一真に聞いた

 

「男の俺がいたらみんな気を使ってしまうし、本当に邪魔にしかならないからね」

 

 一真は自分がいる事で今の雰囲気を壊してしまうと思いそう言った

 

「そんなことないよ・・・それにいつも一真君には助けてもらってばかりだから少しでも恩返しがしたいの」

 

「そうだよ!、みほもそう言っているし一緒に行こうよ!」

 

「私も一真さんと一緒に行きたいです!」

 

「私も破神殿と一緒にいるほうが楽しいです!、だから一緒に行きましょう!」

 

 みほたちは必死に一真を説得した、その姿を見た一真は少し考え

 

「わかった、じゃあ俺もみほちゃんの部屋に遊びに行こうか」

 

 一真はみほたちに応じ行く事にした

 

「ありがとう一真君!」

 

 みほが嬉しそうに礼を言った

 

「でも女の子のお誘いを断ろうとするなんて男が廃るよ一真君」

 

 沙織が少し膨れっ面になりながら一真に言った

 

「うん・・・それもそうだね、以後気をつけます」

 

 一真は沙織を見ながら微笑みながら答えた

 

 その後一真たちは買い物を済ました後みほの部屋に行った

 

 

 

 #####

 

 

 

                   『みほの部屋』

 

「散らかってるいるけど、どうぞ」

 

「うわ~可愛い~♪」

 

「ここがみほちゃんの部屋か~」

 

「西住さんらしい部屋ですね」

 

 一真たちはみほの部屋を見て思い思いの感想を言っていた

 

「うわー・・・」

 

「どうしたの?」

 

 一真が何かあったと思いみほに聞いた

 

「ううん、ただ雑誌を落としちゃって・・・」

 

「俺が取ろうか?」

 

 みほは雑誌を落としたらしくそれを聞いた一真が拾おうとした

 

「大丈夫、もう取れたから」

 

 もうみほが自分で雑誌を取っていた

 

「よし、じゃあ作ろうか!」

 

「華はじゃがいもの皮を剥いてくれる?」

 

「は・・・はい」

 

 沙織たちは各自分担して料理を作り始めたが、華はなぜか自信なさげだった

 

「私ご飯炊きまーす♪」

 

 逆に優花里は楽しそうにしており、背負っていたリュックからある物を鼻歌交じりで取り出した

 

「え・・・飯ごう?、いつも持ち歩いているの?」

 

 沙織が優花里に尋ねた

 

「はい、いつでもどこでも野営できるように~♪」

 

「うわぁ!」

 

 台所のほうから悲鳴が聞こえた、なんと華が包丁で指を少し切ってしまった

 

「すいません、花しか切ったことしかないので・・・」

 

 華は料理の経験はないようだ

 

「あっ待って!、絆創膏どこに閉まったかな?」

 

 みほは華に絆創膏を渡すために探していたが、みほ自身もどこに閉まったのか忘れてしまっていたようだ

 

「みんな・・・意外に使えない・・・」

 

 みほたちを見てそんな感想を言うと溜め息をつき自分のかばんからメガネを取り出しメガネをかけた

 

「俺は何もしなくて良いの?」

 

 一真が1人だけ何もしていないのが疑問に思い沙織に尋ねた

 

「うん、一真君は座って待っていて」

 

 沙織は一真に答えると一真は頷き座った

 

「よしっ!」

 

 沙織は自分自身に気合いをいれ料理を作り始めた

 

 それから幾分か経った後、料理が完成しみんなでテーブルを囲っていた、一真は1人みほの机で食べる事にした

 

「じゃあ、食べようか!」

 

「「「「はい!」」」」

 

 そう言うとみんな手を合わせて

 

「「「「「いただきます!」」」」」

 

 そう言うと一斉に食べ始めた

 

「う~んおいしい~♪」

 

 みほが本当においしそうに言った

 

「いや~男を落とすならまず肉じゃがだからね~♪」

 

「・・・落としたことあるんですか?」

 

 沙織の発言が気になり華が沙織に尋ねた

 

「何事も練習だもん!」

 

 どうやら沙織は男を落とした経験はないようだ

 

「というかそもそも男子って肉じゃが好きなんですか?」

 

「都市伝説じゃないですか?」

 

 優花里が言うと華もそれに便乗して沙織に聞いた

 

「そんなことないもん!、ちゃんと雑誌のアンケートに書いてあったし!」

 

(雑誌のアンケートって本当にあてになるのかな?)

 

 沙織が優花里と華の意見を否定したが、その根拠に一真は苦笑いを浮かべながら疑問に思っていた

 

「一真君は肉じゃが嫌い?」

 

 唐突に沙織が一真に聞いた

 

「えーとそうだな・・・俺は肉じゃがはそんなに好きってほどじゃないけど、沙織ちゃんの肉じゃがはとてもおいしいよ」

 

「えっ・・・そ・・・そう?、あ・・・ありがとう/////」

 

 一真は自分が感じたありのままの感想を言うと沙織はそう言われるとは思ってもおらず顔を赤くして照れてしまった

 

「お花も素敵~」

 

 みほはテーブルに置かれていた花瓶に入っていた花を見て言った

 

「すいません・・・これぐらいしかできなくて・・・」

 

 華は料理があまりできなかった自分を責めるように言いしゅんとしてしまった

 

「ううんそんなことないよ、お花があるだけですごく部屋が明るくなるよ!」

 

「ありがとうございます!」

 

 みほは励ますように言うと華はにっこり笑いながら礼を言った

 

 その後料理を食べた後に一真が使った食器などを片付けた、最初はみほたちがやる予定だったが一真が「なにもせずにタダ食べただけじゃ後味が悪くなる」と言い進んでやったのだ

 

 片付けた後、一真とみほは寮の玄関まで来て沙織・華・優花里を見送っていた

 

「それじゃあまた明日!」

 

「おやすみなさい!」

 

 沙織と優花里が2人に向かって言った

 

「おやすみなさい!」

 

「おやすみ!、夜道には気をつけるんだよ!」

 

 みほも手を振りながら言い、一真は女子だけで帰るので一応用心するように言った

 

 3人も手を振ってそれぞれの帰路についた

 

「やっぱり転校してきて良かった!」

 

「あぁ、俺もこっちにきて良かった」

 

 3人を見送った後みほは嬉しそうに言った、一真もそれに同意するかのように言った

 

「でも、一真君の部屋が私の部屋の真下だったとは思わなかった」

 

「俺もびっくりしたよ」

 

 そう一真の部屋はみほの部屋の真下だったのだ、一真とみほは自分の部屋に戻っていると

 

「一真君・・・明日から一緒に登校しない?」

 

 みほがはいきなり一真に頼んだ

 

「うんいいよ、じゃあ部屋のすぐ横の踊り場で待っているから」

 

 一真はみほの頼みを聞きいれた

 

「ありがとう一真君!」

 

 そう言うとみほはるんるん気分でスキップをしながら階段を登っていた

 

「おいおい・・・スキップをしながら登っていると足を滑らせるよ」

 

「大丈夫だよ!、私もそこまでのドジじゃないから・・・」

 

 一真がみほに軽く注意するがみほは受け流した

 

「きゃっ!」

 

 案の定みほは足を滑らせてしまった、それを見た一真は素早い動きでみほの肩を両手で支えた

 

「大丈夫みほちゃん?」

 

「うん・・・ありがとう一真君/////」

 

 一真はみほに何事もなかったか聞いたがみほにはなんともなくみほは一真に礼を言った

 

「また明日ね一真君!」

 

「あぁ、また明日ねみほちゃん!」

 

 お互いに手を振りながら言い合い、それからそれぞれの部屋に戻っていた

 

 

 

 #####

 

 

 

 次の日一真はみほとの約束のために部屋のすぐ隣の踊り場にいた

 

「もう結構いい時間だな・・・みほちゃんどうしたんだろう?」

 

 一真は携帯電話の時間を見ながら言っていた、その時間はあともう少しでここを出ないと遅刻してしまう時間まで迫っていた

 

「ごめん!、おまたせー!」

 

 みほは慌てて階段を降りてきた

 

「おはようみほちゃん!、全然待っていないよ」

 

 一真とみほは時間がなかったので走って学校に向かっていたが、その途中で同じ学校の女子がまるでダンスを踊るようによれよれと歩いておりいかにも辛そうな雰囲気だった

 

「大丈夫ですか?」

 

 みほがその女子に尋ねると

 

「・・・・・辛い」

 

「えっ、なんですか?」

 

 一真は最後の部分しか聞こえず女子に聞きなおした

 

「生きてるのが辛い・・・」

 

 本当に辛そうな顔で言った

 

「ここが夢の中ならいいのに・・・」

 

 女子はそう言って膝を地につけてしまった

 

「大丈夫ですか?」

 

「しっかりしてください!」

 

 一真とみほは女子を立たせた

 

「だが、行く!・・・行かねば・・・」

 

 一瞬気合いが入ったがすぐに抜けまたよれよれと歩き出した、見ていられなくなった一真とみほは2人で女子の両肩を支えながら学校に向かった

 

「礼泉さん、これで連続245日の遅刻よ」

 

(えっ、この人そんなに遅刻してるのか・・・)

 

 案の定遅刻してしまったが、一真は女子の遅刻数に内心驚いていた

 

「朝はなぜ来るのだろう」

 

 一真とみほに支えられている女子 礼泉麻子が哲学的に言った

 

「朝は必ずくるものなの、成績が良いからって遅刻ばかりしてると留年しちゃうよ」

 

 学校の門に立っていたみどり子がきつく麻子に注意した

 

「えーと西住さんそれと破神君、もし途中で礼泉さんを見かけても次からは先に登校するように」

 

「は・・・はい」

 

「わ・・・わかりました」

 

 みどり子の言葉に一真とみほは一応答えた

 

「・・・・・そど子」

 

「何か言った?」

 

 麻子はみどり子のあだ名らしき名前をぼそっと言いみどり子はあまり気にいってないらしく威圧的な態度で聞きなおした

 

「別に・・・」

 

 麻子もそっぽを向いてみどり子と目を合わせようとしなかった

 

 一真たちはみどり子から解放され教室に向かっていた

 

「悪かったな」

 

「いえ・・・気にしないでください」

 

「そうです、困った時はお互い様です」

 

 麻子は一真たちに謝ると一真たちも麻子に答えた

 

「いつか借りは返す」

 

 そう言いながらも教室に向かっていたが麻子も一真とみほと同じクラスだった

 

 

 

 #####

 

 

 

              『グラウンド ガレージ前』

 

「2人とも遅かったので心配していました」

 

 華が一真とみほに言った

 

「ごめん、寝過ごしちゃって・・・」

 

「俺も・・・」

 

 ガレージ前には一真たちAチームだけではなく全てのチームが集合していた

 

「教官も遅い~、焦らすなんて大人のテクニックだよね~」

 

 沙織がぼやきながら教官を今か今かと待ちわびていた

 

 すると一機のかなり大きい輸送機が向かってきていた、その輸送機はハッチを開け学校の駐車場の真上までくると1両の戦車が3つのパラシュートを開きながら降下してきた、降下してきた戦車は駐車場を滑り赤いフェラーリに衝突してしまった

 

「学園長の車が!」

 

「お~やちゃったね~」

 

 そしてわざとかただの不注意か定かではないが学園長の車を踏み潰してしまい車は見るも無残な姿になった

 

「ポテチ・・・」

 

 そうまるであのお菓子を連想させるような・・・

 

 戦車は車を潰したあと少し進み停車した、降下してきた戦車は今現在自衛隊が使っている10式戦車だった

 

 戦車のキューポラから人が出てきた、その人は被っていたヘルメットを外すとその人は綺麗な女性自衛官だった

 

「こんにちは!」

 

 女性自衛官はグラウンドにいた一真たちに向かって元気良く挨拶をした

 

 その後一真たちはチームごとに縦1列に並んだ

 

「騙された~」

 

「でも、素敵そうなかたですね」

 

 沙織は教官が男じゃなかったことに不満を洩らしていると華が沙織を慰めていた

 

「特別講師の戦車教導隊 蝶野亜美一尉だ」

 

 生徒会広報の桃が教官の紹介をした

 

「よろしくね!、戦車道は初めての人が多いと聞きましたが一緒に頑張りましょう・・・・・あら?」

 

 亜美は全員の顔を見渡しながら言っていると何かに気付いたようだ

 

「西住師範のお嬢様じゃありませんか?」

 

 そう言うとみんながざわめきだした

 

「師範にはいつもお世話になっています、お姉様もお元気?」

 

「あ・・・はい」

 

 みほが覇気のない声で答えた

 

「西住師範って?」

 

「有名なの?」

 

 そう口々に言っていると

 

「西住流っていうのはね、戦車道の流派の中で最も由緒正しき流派なの」

 

 亜美が西住流について説明した、みほは触れられたくない部分を触れられて暗い顔になってしまった

 

「教官!、教官はやっぱりモテるんですか?」

 

 それを察した沙織が話しを逸らすために亜美に質問をした

 

「え・・・そうね、モテるというより、狙った的は外したことはないわ、撃破率は120%よ!」

 

 亜美は意外な質問に少し考え自信をもって答えた、亜美が答えている間みほが後ろにいた沙織に顔を向けて「ありがとう」と言わんばかりに笑顔を見せた

 

「教官!、今日はどんな練習をやるんですか?」

 

 次に優花里が質問した

 

「そうね・・・本格戦闘の練習試合早速やってみましょうか」

 

 亜美の発言にまたもみんながざわめきだした

 

「えぇぇ!、いきなり試合をするんですか?」

 

 生徒会副会長の柚子がみんなの心の声を代表するかのように言った

 

「何事も実践よ、戦車なんてバーと動かしてダーと操作してドーンと撃てばどうにかなるわ!」

 

(確かに百聞は一見にしかずって言うけど、せめて操作方法ぐらい教えてからにしましょうよ・・・)

 

 亜美の言葉に一真は心の中で言っていた、みんなも不安を隠しきれない様子だった

 

「じゃあそれぞれのスタート地点に移動してね」

 

 亜美は地図を広げながらみんなに言った

 

「これどうやって動かすの?」

 

「知ってそうな友達に聞いてみたら良いんじゃない?」

 

「ネットで聞けば早いよ」

 

「それより教本を見たら良いんじゃないかしら?」

 

 Dチームでは、戦車の動かし方が分からず悪戦苦闘していた

 

「ここで頑張ればバレー部は復活する!、あの廃部を告知された屈辱を忘れるな!」

 

「ファイトーー」

 

「「「「「オーーー!!」」」」」

 

「でも、キャプテンこの戦車どうやって動かしますか?」

 

「あ・・・・・」

 

 Bチームは気合いで乗り切ろうとしたがそうも言っていられない状況だった

 

「初陣だぁぁ!」

 

「車係の陣でいきますか・・・」

 

「ここはパンツァーカイルで」

 

「1両しかないじゃん・・・」

 

「というか、この戦車の動かし方分かるか?」

 

「「「「・・・・・・・・・」」」」

 

 Cチームではやはり歴史ネタを今日も炸裂していたが、天子の問いに答えられないでいた

 

「さあ!、早くみんな乗り込んで!」

 

 そう言って亜美はみんなを急かした

 

「私たちも乗り込みますか・・・」

 

「う~ん」

 

 Eチームも戦車に乗ろうと生徒会長の杏が車体に登ろうとしたが1人では登れなかった

 

 

「河嶋」

 

「はい」

 

 杏が桃を呼ぶと桃は駆け足で杏のもとに駆け寄った

 

「でもいきなり試合なんて大丈夫でしょうか?」

 

「確かにいきなり試合なんて不安要素しかないな」

 

 夜罪と柚子はいきなりの練習試合に不安を拭いきれないでいた

 

「まぁ、どうにかなるから~」

 

 と言いながら杏は桃を踏み台にして車体に登った

 

(あれについては何も言わないんだな・・・)

 

 踏み台になった桃を見ながら夜罪は思っていた

 

「それじゃ各チーム役割を決めてくれる?」

 

「3人のチームは車長と砲手と操縦手、4人のチームはそれに加えて装填手、5人のチームは通信手ね」

 

 各チームにそれぞれの役割につくように言った

 

「あと別働隊の人は手を挙げて」

 

「別働隊?」

 

 一真は役割については理解していたがさっき言った別働隊については意味が分からず首を傾げていた

 

「破神・比那名居・永江・風見・五翠、お前たちのことだ」

 

 桃にそう言われた一真たち5人は手を挙げた

 

「うん、その人たちね・・・・・あら?」

 

 亜美は手を挙げた人の顔を見ていると一真の顔をが目にが止まり何か既視感を憶えた

 

(あの子・・・どこかで見たような・・・)

 

 亜美は考えていたが、考えるのを止めて話に戻った

 

「別働隊の人は今日は自分のチームのサポートに入って、あとサポートに入る人は役割に入れないでね」

 

 そう亜美が言うと各チーム役割を決め始めた

 

「なんとか長とかなんやら手とか、もう訳が分からない~!」

 

 沙織は役割について理解しきれておらずぼやいていた

 

「私たちのチーム一真さんを除いて4人しかいませんよ」

 

「じゃあ装填手は通信手と兼任ね」

 

 華が懸念の声をあげたが、みほが案を立てた

 

「もちろん西住殿がコマンダーですよね!」

 

 優花里がさも当然のように言った、一真も唯一の経験者であるみほには車長が適任だと思ったが

 

「えっ、私には無理だよ!」

 

 みほは断固として拒否した

 

「もう~くじ引きで良いよ」

 

 Aチームでは結局くじ引きで役割を決めた

 

 Dチームでは・・・

 

「返事が返ってきたよ」

 

 あやがネットを使って戦車の動かし方を色んな人に聞いていた

 

「形式が分からないと返答のしようがありません」

 

「ググれかす」

 

「まず服を脱ぎます・・・」

 

 ネットでは思っていた解答はこなかった、それに対してあやは溜め息をついていた

 

 再びAチームでは、既に役割を決め車長は沙織が砲手は優花里が操縦手が華が装填手兼通信手がみほになり

戦車に乗り込みそれぞれの席に着いた、一真は空いている通信席に着いた

 

「鉄くさいです」

 

「狭い上に暑苦しいこんなでドライブするの?」

 

 沙織と華はそれぞれ不満を洩らしていた

 

『それでは・・・全戦車パンツァー フォー!』

 

 亜美から全チームに向かって号令が出された

 

「遂に戦車を動かす時が!」

 

 優花里はすごく楽しそうに言った

 

「どうやって動かしたら良いですか?」

 

「まずイグニッションを入れて」

 

 華の問いにみほがすぐさま答えた

 

「これですか?」

 

 華はみほに言われた通りに「スタート」と書かれたスイッチを押した、するとエンジンが掛かった

 

「ヒヤッホォォォウ!、最高だぜぇぇぇぇぇ!」

 

 エンジンが掛かると同時に優花里のテンションが振り切り叫んでいた、当然一緒に乗っていたメンバーが驚いていた

 

「ひっ人が変わった・・・」

 

「・・・パンツァー ハイ」

 

 沙織は驚愕の表情で優花里を見ながら言い、みほには妙な造語を作られた

 

「すいません・・・」

 

 我に戻った優花里は恥ずかしくなり顔を赤らめながら謝った

 

「次はどうしたら良いですか?」

 

 華はみほに指示を仰いだ

 

「アクセルを踏んだら前進、前のが操縦桿で右のがシフトレバー」

 

 みほが答えると華は右にあったシフトレバーを倒そうとしたが

 

「お・・・重いです!」

 

 華が思っていた以上に重く両手で頑張ってなんとか倒した、するとエンジンが停まってしまった

 

「どうしてでしょう?」

 

 華には訳が分からずあたふたしていた

 

「クラッチを静かにつないでからアクセルを踏んで」

 

 みほが華に指示を出した

 

「わかりました」

 

 華はみほの言う通りにやった、すると戦車が動き出した

 

「ん?、なんか後ろに進んでいない?」

 

「えっ、本当?」

 

 一真は前に進んでいる気がしなかったのでそう言うと、沙織が疑いながらもキューポラから身を出して辺りを見た

 

「わぁぁぁ!、本当だ!、下がってる下がってる!」

 

 一真の言う通り後退しており沙織は慌てて言った

 

「ブレーキを踏んで!」

 

「はい!」

 

 華はみほの指示通りにやり、戦車は後ろの扉のぎりぎり当たらないところで停車した

 

「ふぅ・・・」

 

 ぶつからずにすみ華は安堵の溜め息をついていた

 

「大丈夫、落ち着いて・・・」

 

「はい!」

 

 華は気を取り直して操縦をし目的地に向かった、他のチームも苦戦しながらもそれぞれの目的地に向かった

 

 Aチームが快調に目的地に進んでる時に

 

「なぁみほちゃん、すこし聞いていいか?」

 

「なに一真君?」

 

 一真がみほに質問をした

 

「なんか俺や天子たちは別働隊ってなっているけどそれってどういう意味なの?」

 

 一真は戦車とは全く関係のない役割を与えられていた事について疑問に思っていた

 

「それは・・・・・」

 

 みほは少し考え

 

「一真君たちがライダーに変身して戦車と協力して敵を倒すの・・・」

 

「・・・それって本当?」

 

 みほは一真に答えると、一真はみほの言葉が信じられず疑った

 

「・・・ううん、ただの冗談だよ!、実は私にも良く分からないの」

 

「やっぱり、そうか・・・いや、答えてくれてありがとうみほちゃん」

 

 みほは笑みを浮かべながら言うと、一真も納得したように言いみほに礼を言った後自分の席に着いた

 

 それからほどなくしてAチームは目的地に着き、他のチームも目的地に着いた

 

『みんなスタート地点に着いたようね』

 

 亜美からの通信が入った

 

『ルールは簡単、全て車両を動けなくするだけ』

 

『つまりガンガン前進してバンバン撃ってやっつければいいわけ!・・・わかった?』

 

「ずいぶんザックリですね~」

 

「会長も言われたくないんじゃあ・・・」

 

 亜美のアバウトな言い方に杏がそんな感想言ったが、柚子に似た者同士だとツッコまれた

 

『戦車道は礼に始まり礼に終わるの・・・一堂、礼!』

 

「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」」

 

 一真たち全員で挨拶をし、試合が始まった

 

「遂に始まりましたね、とりあえず撃ってみます?」

 

 優花里は早く撃ちたくてうずうずしているみたいだった

 

「闇雲に撃っても・・・」

 

 みほが優花里を止めていると

 

「ねぇ、真っ先に生徒会を潰さない?」

 

「だって教官女の人だったもん!」

 

 沙織は生徒会に騙された事をまだ根に持っており一真たちに提案した

 

「まだ言っているんですか・・・」

 

 華は半ば呆れ気味に言った

 

「私が車長だから決めていいんでしょう?」

 

「う・・・うん」

 

 沙織がみほに聞きみほはそれに対して頷いた

 

「じゃあ生徒会チームのいる方に前進!・・・ってどっち?」

 

(ってそこからかい!)

 

 一真が心の中でツッコミを入れていると、何か爆発したような轟音が聞こえ戦車が激しく揺れた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

あと2話か3話ぐらい書いたら本作品のオリキャラやオリ設定について書きたいと思います

次回 ガイム&パンツァー

第5話「戦車乗っています」

次話もお楽しみに!

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