ガイム&パンツァー  戦車道・ライダー道極めます!   作:フルーツ大将軍

70 / 70
お待たせしました、第56.5話です。

今回は幕間という事でサブタイ通り大人たちのメイン回です。

そして意外な繋がりがあったり…

では、どうぞ!


幕間
第56.5話「大人たちの話し合いです」


             『東京都 練馬区 陸上自衛隊 陸上総隊司令部』

 

東京の陸上自衛隊の司令部の一角にある大きな会議室には陸海空の幕僚長と亜美と美織、西住流の代表者として西住しほが島田流からは師範の島田千代、ライダー道の4大流派の1つ呉島流の師範「呉島 貴虎」と速水流の師範 「速水 仁」そして破神流の師範である総一と秘書の里彩が物々しい雰囲気で会議を開いていた。

 

「この資料によると…クラック発生件数は前年の優に20倍超…しかも有事の際に陸から避難する為にも維持している学園艦上にその3割とは…」

 

「調査ミス…ではないのですね、だがこの異常の増加量は…」

 

「破神師範、まさかこの現象の原因は!?」

 

「えぇ、かの者たち…オーバーロードが活動を再開したと考えています」

 

確信を持って言う総一にライダー道側以外は驚きを隠せずにいた。

 

「だがオーバーロードたちの王は既に討伐されたはず!?」

 

「まだヘルヘイムの森に眠っていたオーバーロードがいてもおかしくはありません」

 

「なんせあそこは人の身に余る禁断の地、我々がその全貌を知る由もない」

 

「そして人類はかの者たちの王の命を奪った、人類を憎み報復を起こしても何の不思議ではない」

 

それぞれの幕僚長や亜美は顔が真っ青になりしほや千代も目線を落として家族の身を案じていた。

しかしライダー道の師範たちや美織は既に覚悟が決まっていると互いにアイコンタクトを取り頷いていた。

 

「今更怖気づいても仕方ありませんよ」

 

「我々ライダー道も戦車道も自衛隊も何の為に装備の強化・人員の育成に力を注いできたのですか?」

 

「確かにそれは…」

 

「なら怯えている場合じゃないですよね?」

 

「オーバーロードとの最後の戦闘が何十年前だと思っている!!、いくら装備も人員も揃っていても我々には一切の経験がないんだぞ!!」

 

「クラックから出て来るインベスとは桁が違うまさに人智を超えた怪物だ、インベス相手でも毎回の出動で被害を出していると言うのに…」

 

「オーバーロードとなれば被害の規模は想像が着かん!」

 

狼狽える幕僚長たちにあからさまに溜め息を付くライダー道の師範たち、美織も小馬鹿にしたような笑みを浮かべる。

 

「誰も自衛隊だけにその全てを請け負ってもらうつもりはありません」

 

「寧ろ自衛隊と戦車道連盟は我々の支援に回ってもらいたい」

 

「なんですって?」

 

「私たちもですか?」

 

総一たちからの提案に千代は静かに尋ねるがしほも何も言わないものの明らかに怒っている様子だった。

 

「我々ライダー側では新型ロックシードとロックビークルそれに既存のドライバーの改良を進めています」

 

「まず私の呉島流では戦極ドライバーでの運用を前提とした新型ロックシード「フレッシュロックシードシリーズ」」

 

「速水流ではロックビークルの後継機として「エナジーロックビークル」の開発を」

 

「破神流では現在試作段階だが最高クラスのSSSを超える「クラスXロックシード」の開発を進めている」

 

「そして新たなロックシードの性能を発揮し耐えられるように戦極・ゲネシスともに試作第6世代・第3世代の試験運用を開始、既に呉島君のフレッシュロックシードと共に一定数以上の試験データを獲得している」

 

「勿論戦車の方も神道で新型カーボン装甲の他、現在自衛隊で使用している対インベス用の特殊榴弾の改良型とオーバーロードの戦闘を想定した装備を開発を進めている」

 

「装備の開発というのは新型戦車かしら?」

 

「いや…そちらは支援装備だ、戦車開発はある有力な支援者からの御意見のあったのでね止めさせてもらっている」

 

そう言って総一はしほを見ると鋭い目付きで睨んでいたが何かが可笑しかったのか総一は鼻で笑う。

 

そしてライダー道の師範たち推し進めていた新たなシステムを詳しく説明していき幕僚長たちや亜美の自衛隊側や千代は納得した様子だがしほだけは終始戦車側の説明もしていた総一を睨んでいた。

 

 

 

 

 

#####

 

 

 

 

その後、程なくして会議が終わり総一と里彩は会議室から出て少し歩いた休憩室で美織からSDカードを受け取っていた。

 

「この1週間の御子息の近況と大洗の動きを監視した映像を保存したデータです」

 

「ありがとう美織君、それで最近の一真の様子は?」

 

「はっきり言って悪化の一途を辿っています、ライダーチームの総隊長もあのクズ天人どもと世界会どもの共謀で外されあの河嶋とか言う小娘の狂言でありもしない罪をでっち上げられ代表者である角谷もそれを支持しています」

 

「罪?、一体何の?」

 

「盗撮と盗聴です、勿論確たる証拠も提示出来ずにいましたがカズ君があのクズ天人どもの正体がバレる事を恐れて黙秘している事をいい事にありもしない罪を認めさせました、今日も登校時に風紀委員どもの監視を付けて他の生徒と接触させないようにしていました」

 

「そうか…差し詰め学園という牢獄と言って差し支えないな」

 

「カズ君だけの事ならもう既に…いえ、あの大洗の者たちには」

 

「あぁ話せないだろうな、今回は自分の世界の禁断の果実の顛末まで話さないといけない、特にこの世界では…」

 

「話せば大洗の連中をいずれ起きるであろう禁断の果実の争奪戦に巻き込む可能性がある…ですか」

 

その場にいた3人は理解は出来ても到底納得出来るはずもなかった。

 

「まぁいい、理解した通りに一真を総隊長を降ろしたのなら辞めやすくなったのは確実だ」

 

「次の大洗の連中の試合相手は呉島君の率いる私立世界樹学園チーム、そちらの仕込みも既に完了ですので次までは様子を見ましょう」

 

「あぁ、それにライダーも一真以外のライダーはイザナギ鉱物の特性を発揮できない中で東風谷早苗や鈴仙・優曇華院・イナバも参加を拒否をするだろう…新たなライダーもまずこの状況を知れば猛反発し精々試合にも1回参加する程度だ」

 

「了解しました、大洗への対応はどうしましょう?」

 

「美織君は何時でも一真を大洗から脱出させれるようにこれから里彩が呼んでくる者と準備を頼む、大洗の方は既ににとりを始め手は打ってある」

 

「里彩さんが…呼んでくる?」

 

「あぁ、君の古くからの親友で一真が最初にコンビを組んだ者だ」

 

「えっ?、薫ちゃんを!?、でも今は向こうで警視正を!?」

 

「二条ちゃんからも二つ返事でOKしてくれたわ、丁度こっちの警視庁の副総監が不祥事で辞任してポストが空いているからね」

 

「二条君は刑事に戻りたいって言っていたが、まぁ兼業でやってもらう事で手を打ってもらった、これからの世代は二条君のような理解者に上に立ってもらわないと」

 

「これからの世代…そんなことを言う見た目じゃないですけどね」

 

「見た目など差異に過ぎん、重要なのは中身だ」

 

「それに年齢だけで言えば私も総一さんもこの星の年齢よりも上だったりしてね」

 

総一も里彩も微笑し美織も笑いそうになるが…

 

「私も破神家の皆さんのようになれれば…」

 

「美織君、君は一真の為にも人間のままでいてくれ」

 

「でも!!、そのカズ君が私のせいでライダーに!!、私が…考古学者なんて夢見たから…九郎ヶ岳遺跡なんて見つけたからカズ君が…」

 

「それは…私たちの落ち度でもある、だが今はその「クウガ」にも「アギト」にもなれない、あとは鎧武の力さえ自らの手で手放せばもう一真は戦わせたくても戦えなくなる」

 

「…分かりました、その時が来たら私が代わりにカズ君の分まで戦います!!、カズ君の笑顔を守る為に!!」

 

義理の弟の為に更に決意を固める美織はその場を出て監視の為に大洗の学園艦へと戻っていった。

 

「彼女のように誰かの為に戦い強くなれる人こそが真に強い人だ」

 

「ですね」

 

「だが、そんな人はほんの一握りしかいない」

 

出口から見送っていた総一と里彩がそう言い振り返ると怒りが収まらない様子のしほが総一を睨みながら歩いてきた。

 

「随分と怖い顔だな西住師範」

 

「貴方はまだ戦車道に横槍を入れていたとは、一体どういうつもり?」

 

「戦車道自体をどうこうするつもりはないと何時も言っているはず、今回も自衛隊や各国の正規軍に頼まれて対インベス・オーバーロード限定で開発を進めていただけだ」

 

「実際に黒森峰でも戦車道チームには私たちから一切何のアプローチもしていませんよ」

 

「どうかしらね」

 

総一と里彩の言葉を信じないしほだがその言動から一真たち大洗チームの訪問の件は知らないと理解し頷き合う。

 

「なにか?」

 

「いやなんでもない、にしてもそこまで戦車道いや西住流に心血を注ぐ西住師範のお姿には本当に頭が下がる思いだ」

 

「貴方だってそうでしょう?、まさか馬鹿にしているの?」

 

「いえいえとんでもない、だが私にとっては流派もライダー道も単なる手段に過ぎないのでね」

 

「手段?、ここまで広めて大きくしておいて…いざとなれば貴方は簡単に切り捨てるっていうの?」

 

しほの問いに総一は鼻で笑い更に油を注いだしほの前で戦極ドライバーを取り出して…

 

「こんな下らない物など用済みとなれば…」

 

その場で落とし…

 

「完全に踏み潰してやるまでだ」

 

言葉通り踏み潰して粉々にしてしまい踵を返し去っていく。

 

「それに私たち破神家にとっては仮面ライダーという存在概念そのものが憎むべき対象だ」

 

(破神総一…どこまでが本当なのかしら?、でも…)

 

未だ信じられない様子のしほだが総一の後ろ姿でも分かる仮面ライダーに対する怒りに恐怖すら感じていた。

 

 

 

 

 

#####

 

 

 

 

   『長野県 長野市 BAR VISION』

 

その日の夜、総一は旧友の経営している馴染みの店のカウンターで呑んでいた。

 

「今日は奥様の方はお仕事で?」

 

「あぁ、知人を呼びに元の世界に戻っている」

 

「忙しいですね、世界を行ったり来たり」

 

「愛する家族を守る為だ、世界の壁ぐらい越えてやる」

 

老齢だが芯のしっかりをしているマスターと親しく話しながら壮一は胸ポケットに入れていた家族写真を取り出しカウンターに置く。

 

「家族…昔の貴方なら考えられなかった言葉ですね、総一」

 

「そうだな、幻想郷を出るまでは考えられなかったなぁ…妖忌」

 

そう言って笑い合う総一と老齢のマスター「魂魄妖忌」。

 

その時、店に1人の来客者が現れた。

 

「お隣よろしいかしら、破神師範?」

 

「良いですよ、島田師範」

 

千代もまるで常連のように馴染んでおり何時もの定位置のように総一の隣りの椅子に座る。

 

「ご注文は?」

 

「彼と同じ物を」

 

「かしこまりました」

 

注文を言い終えた後、千代はカウンターに置かれていた総一の家族写真に気付く。

 

「こちらのは貴方のご家族?、拝見しても良いかしら?」

 

「是非」

 

千代は総一の写真を見て微笑み総一に返す。

 

「とても良い笑顔ね、でも子供が3人兄弟だったのは初めて知ったわ」

 

「長男はこっちに来ているが、双子の姉弟は向こうの世界で私たちの代わりをやってもらっている」

 

「長男…確か一真君ね、こっちに来ているって向こうの世界で療養中だったんじゃ…」

 

「向こうの世界には息子の居場所はない、だから少しでもマシだと思ってこっちの世界に連れてきたんだ」

 

「その様子だと何やら問題があったのかしら?」

 

総一を心配する千代に総一は無言で頷く。

 

「やるせないわね…例え強大な力を持っていたとはいえその心まではね、貴方を見ていたら良く分かるわそう君」

 

「君みたいな理解者ばかりなら私たちも力限りを尽くせるんだがな、ちよきち」

 

あだ名で呼び合う総一と千代はどんどんと酒も進み話しも進んでいく

 

「ねぇねぇ~まだしぽりんとは上手くいってないの~?」

 

「あぁ、どうもしほ君とは馬が合わなくてな」

 

「でも私と組むの断ったじゃな~い」

 

「確かに君と組めば盤石だが、彼女が國村と組んだらそれこそ日本の2大武道の終わりを意味する」

 

「まぁ~ねぇ~あの國村師範、自分の事しか考えない典型的な自己中だも~ん、その跡継ぎの息子もね~」

 

「間違いなくしほ君だと反発し合い空中分解するのは目に見えている、まだ君の方が上手くやってくれると理解したからな」

 

「まぁ~それなりにはね~…でも」

 

「娘さんの事か?、今は飛び級で戦車道大学選抜チームの隊長だったな」

 

「えぇ…愛里寿は人見知りで國村の跡継ぎにも色々とね…結構辛いみたい」

 

「そうか…娘さんには苦労を背負わせてしまった、本当に申し訳ない」

 

娘の話だけは神妙な様子で話す千代に総一は頭を下げる。

 

「だ~か~ら!、そう君のところのえ~と一真君だっけ?、ちゃんと紹介しなさ~い」

 

「良いのか?、私の息子でその…」

 

「べっつにぃ~そう君の息子でしょ?、絶対に良い男に決まってるじゃない、私が食べちゃいたいぐらいよ~」

 

「君はちょっと辞めさせたいな」

 

「なんで!?」

 

「加減知らず、それに酒癖もわ・る・い!…なんてな」

 

そう言って2人とも笑い合い妖忌もグラスを拭きながら苦笑いをしていた。

 

その後、千代が事前に呼んでいた島田流の門下生に連れられて帰る直前。

 

「しぽりんと仲良くしてあげて」

 

「別に嫌いな訳じゃない、寧ろあういう不器用だが実直な性格は割と好きな方だ、もう少し家族にもそうであってほしいと思うがな」

 

そう言って見送り総一もまた帰路へと着いた。

 

 

 

 

 

 

#####

 

 

 

 

 

            『神道コーポレーション本社 代表取締役室』

 

次の日、新型ロックシードの開発を進めていた総一の所に1人の訪問者がいた。

 

「次の試合、君たち指導する世界樹学園戦車チームとフレッシュライダーチームの活躍を期待する呉島君」

 

「お任せください、して破神社長、世界樹学園に転入させたい者とは一体?」

 

総一と同じく呉島道流派の師範、呉島貴虎の問いに総一は指パッチンをしその合図で一室に新たな人物が入ってくる。

 

「紹介しよう、幻想郷の住人で天邪鬼の鬼人正邪」

 

「幻想郷の…という事は?」

 

「おめえ同じだっいすきな仮面ライダー(大嫌いな宿敵)だ、感謝するんだな(後悔させてやる)

 

そう言って正邪は骨のようなロックシードを見せびらかしニヤリと笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

次回ガイム&パンツァー!

 

全国大会第3回戦その相手は…

 

「私は私立世界樹学園で戦車道とライダー道の教官を受け持っている呉島貴虎だ」

 

破神流と並び称させるライダー道4大流派の1つ呉島流が率いる私立世界樹学園チーム!

 

「俺は世界樹学園のフレッシュライダーチームの総隊長!、葛葉紘汰又の名を仮面ライダーフレッシュ鎧武だ!」

 

「僕はフレッシュライダーチームの駆紋戒斗!、仮面ライダーフレッシュバロンだよー」

 

「僕もフレッシュライダーチーム、仮面ライダーフレッシュ龍玄の呉島光実です」

 

そして変身するライダーは一真たちが変身するライダーと瓜二つ⁉

 

その時は一真は新たに受領された戦車の搭乗員を求めてある場所へと向かう。

 

第57話「もう1つのライダー道流派、呉島流です!」

 

「あぁ、世界樹学園チームの本拠地である沢芽市、お前が会ったとされる別世界の神の故郷だ」

 

 

 

 




如何でしたか?

なんだかこのガルパン世界の均衡がかなり怪しくなってきましたね。

そして最後に現れた鬼人正邪が持っていたロックシードと程度の能力…ウッ…頭が

そんな戯言はさておいて次回からは7章第3回戦世界樹学園チームとの試合です。

多分これが初の完全オリジナルになると思います。

次回でも意外なキャラ同士の繋がりが…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。