ガイム&パンツァー  戦車道・ライダー道極めます!   作:フルーツ大将軍

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 お待たせしました、第54話です

 やっと第2回戦の決着です

 では、どうぞ!


第54話「第2回戦決着です!」

 これまでのガイム&パンツァーは

 

 鎧武と相対する進化したスプレーモマエストロ、バロンと龍玄に対し怒りの炎を燃え上がらせる龍星、斬月と武神鎧武の覚悟を確かめようとするカロン

 

 大洗のライダーたちは切り札である破神総一から受け取ったゲネシスドライバーとエナジーロックシードを使用し逆転を図ろうとする

 

 大洗戦車チームも敵フラッグ車を撃破する為に打って出た!

 

 全ては試合に勝利しその先の自分たちが望む未来を勝ち取る為に!!

 

 だが必ずしも戦いで得た未来が自分が望む物ではない事にあるライダーたちは知っていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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              『全国大会第2回戦 試合会場 荒地地帯』

 

 分度器作戦によりP40に合流を図ろうとしていたセモヴェンテ2両を追撃していたウサギさんチームのM3リーは・・・

 

「みんな、敵が合流する前になんとかやっつけるよ」

 

「さっきまで逃げてばっかりだったけど、やっと撃てる!」

 

 梓が冷静に指示を出して砲手のあゆみや文がさっきまで逃げ回っていた事もあり撃ちたくてうずうずしているようだった

 

「ドゥーチェまであと1.2km!」

 

 セモヴェンテ2両に向かって砲撃を開始するもやはり行進感射撃では命中率が低下し実際に当たらなかった

 

「あーもう!、当たんない!!」

 

「やっぱり腕が足りないせい?」

 

「「急ぐ時こそ立ち止まって深呼吸」一度停車しよう」

 

「はい、停車!」

 

「「「「「「すぅ~・・・はぁ~・・・」」」」」」

 

 誰の言葉か知らないがウサギさんチームは停車し深呼吸をする

 

「あや、撃ってみて!」

 

「オーケー!」

 

 梓の指示であやは砲撃すると当たりはしなかったが至近距離に着弾した。

 

「あゆみもお願い!」

 

「任して!、あやのおかげで大体は分かったから!」

 

(右に1mで上に50cm・・・ここ!)

 

 あやの砲撃から砲を修正し砲撃すると命中しセモヴェンテ1両に白旗判定が出る

 

「当たった!」

 

「すごーい!!」

 

「もう狙えないから追いかけるよ、でも落ち着いて冷静に」

 

「梓、西住隊長みた~い♪」

 

「でもさっきの梓の言っていたのって一真さんの受け売りだったよね?」

 

「あっ!?、も~う気付かないと思ったのに~」

 

 どうやらさっきの言葉が一真から教えられた事であり梓と紗希以外のウサギさんチームはセモヴェンテを追いかけながらもニヤニヤしていた

 

「本当梓も紗希ちゃんも一真さんが大好きだよね~・・・あっいけない!?、一真さんに通信開いたままだった!?」

 

「えっ!?、うそっ!?、そっそっそっそんな!?」

 

「動揺しすぎ、さっきのが台無しだよ、紗希を少しは・・・」

 

 優季の嘘にさっきまでの凛々しさは消えてしまい狼狽してしまう梓にあゆみが言おうとするが紗希も顔を真っ赤にして俯いていた

 

 その頃カバさんチームのⅢ突と至近距離での砲撃戦を行っていたカルパッチョが装填手を務めるセモヴェンテは・・・

 

「次で決着を着ける!、正面で撃ち合った直後に!」

 

「背後に回り込む、装填スピードで決まる!」

 

 互いに誰が乗車し何を担当しているのか見切り一度距離を取ると互いに激突しに行くように全速力で走り案の定ぶつかるが車体をスライドして一瞬停止した瞬間に狙いを定めてほぼ同時に砲弾が発射されその直後2つの爆発が起こった

 

 

 

 

 

 

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               『全国大会第2回戦 試合会場 森林地帯』

 

その頃、敵フラッグ車を追撃するP40に乗車しているアンチョビはヴィヴァルディに何度も通信を試みるが応答がなかった

 

「なにかあったのか?、まぁあいつの事だし大丈夫だな!、我らは敵フラッグ車の撃破に専念するぞ!」

 

「「「「Si!」」」」

 

「敵に思い知らせてやれ!、アンツィオは弱くないじゃなかった強いという事を!」

 

「目指せベスト4じゃなかった優勝だぁー!!」

 

 仲間に奮起を促すアンチョビだが自分たちが誘き出されている事にまだ気付いてなかった

 

 その時、P40のもとに急ぐベパロニが乗車するCV33は・・・

 

「ドゥーチェ、待っていてください!!」

 

「最後の1両、なんとしても倒すよ!」

 

 89式に追い掛け回され振り切る事が出来ないままでいた

 

 

 

 

 

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               『全国大会第2回戦 試合会場 荒地地帯』

 

 

「うわっ!?、うぐっ!!、うぁぁぁぁぁ!!」

 

「衣玖!?、まさかドライバーが?」

 

「余所見をするな!!」

 

 その頃、龍星と対峙していた龍玄は変身した直後からまるでゲネシスドライバーが衣玖を拒絶するような電流が流れ龍玄は真面に立つことも出来ず注意が逸れたバロンは一瞬の隙を突かれてリュウガンシャフトの突きを受けて数メートル吹き飛ばされてしまう

 

「ちっ!、あたしも人の事を言えないか・・・」

 

 バロンが装着するゲネシスドライバーにもあまり適合しきれていないのか軽い電流が流れ龍星の苛烈な攻撃に次第に防御もままならない状態になっていた

 

「天子様!・・・うっ!?、うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 龍星に真面に太刀打ち出来ないバロンの姿に龍玄はなんとか気合で立ち上がり雄叫びを上げる、すると電流が収まり走りながらソニックアローの弓部分を引いて龍星に向かって放つ

 

「っ!、ホワチャ!」

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

「衣玖!、でりやぁぁぁ!!」

 

 バロンも立ち上がり龍玄と協力して攻勢に転じるもそれでも龍星には叶わずに尽く攻撃を躱されてリュウガンシャフトの横薙ぎを受けて2人は鎧から火花を散らしながら転げ倒れる

 

「言ったはず、覚悟の違うお前たちには絶対に遅れは取ったりはしない!!」

 

「言ってくれるね・・・でも」

 

「ここで倒れる訳には・・・いきません!!」

 

なんとか立ち上がるバロンと龍玄はソニックアローの弓部分を引いて何発も放つが龍星はリュウガンシャフトを振るい黄色とピンク色の光矢を砕いていきバロンと龍玄に迫る

 

(クソッ!、やっぱり戦極ドライバーと同じくこれにもイザナミ鉱物が使われているの?、そのせいで全く性能が発揮できていない!!)

 

 ソニックアローの剣部分で迫る龍星に切り掛かるが簡単に捌かれ逆に闘気を纏った一撃を受けて転げ倒れるバロンは自身の装着するゲネシスドライバーに目を落とす

 

 その間に龍玄も龍星の背後から切り掛かるが読んでいたように避けて足に向けてリュウガンシャフトに振るい足払いをすると宙に浮いた龍玄に向かって振り下ろし地面にワンバウンドしてから横薙ぎの一撃を与えて吹き飛ばす

 

「これでお前たちの運命が終わる!!、地獄でこれまでの蛮行を詫びろ!!!」

 

「何度も同じ事を言わせるな・・・詫びる事など1つもない!!」

 

「一真君を救う為にも・・・ここで立ち止まる訳には!!」

 

 充分なダメージを与えたと思った龍星は決着を付けようとシーボルコンプレッサーを2回押し込みリュウガンシャフトを投げ捨ててジャンプしバロンと龍玄も満身創痍の身体を押してフラフラしながらも立ち上がりシーボルコンプレッサーを2回押し込みジャンプする

 

【リュウガンエナジースパーキング!!】【レモンエナジースパーキング!!】【ピーチエナジースパーキング!!】

 

「ホォォォォォ・・・ホワチャァァァ!!!」

 

「セェイィィィィィ!!」「ハァァァァァァ!!」

 

 互いに右足に最大限のエネルギーを溜めて龍星の龍星脚とバロン・龍玄のギャバリーエンド・龍玄脚がぶつかり合い地面を抉る程の衝撃波が起きていた!

 

 

 

 

 

 

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              『全国大会第2回戦 試合会場 森林地帯』

 

 

 その時、ジンバーアームズに強化変身を遂げた斬月と武神鎧武は・・・

 

「さ~て・・・初手はこれでいこうか!」

 

【リキッド! ヒガンフラワーエナジースカッシュ!】

 

 カロンはシーボルコンプレッサーを1回押し込みヒガンサイスを真上に上げると身体に巻き付いていた硬貨が外れ宙に舞いヒガンサイスと硬貨にエネルギーが溜まっていく

 

「デスメダルレイン・・・シュート!!」

 

 カロンはヒガンサイスを振り下ろすと一斉に無数のエネルギーを纏った硬貨が斬月と武神鎧武に向かっていく!

 

「夜罪!」

 

「分かってる!!」

 

 斬月と武神鎧武はアームズウェポンであるソニックアローを目一杯引き矢部分にエネルギーが溜まると上空に向かって撃ち放つ

 

 すると上空で光矢がメロンとさくらんぼう状のエネルギーに変化し光矢が放射状に斬月と武神鎧武の目の前に降り注ぎ無数の硬貨に命中する

 

「うっ!?」

 

「チッ!、派手な爆発だな」

 

 その瞬間、爆発と爆風で顔の前で両手を交差して耐える2人だが・・・

 

「まだまだこんなもんじゃないよ~」

 

 カロンは能力を使いヒット&アウェイで何度も2人を切り付けていく

 

(なんとか方向だけでも分かれば・・・)

 

 カロンの攻撃を受けながらチャンスを伺っていると武神鎧武の目の前が空を切り爆発に生じた煙に穴が開く

 

【ガキィン!】「今だ!、幽香!!」

 

「よしっ!」

 

 カロンサイスの一撃を受ける武神鎧武だがその瞬間斬月に合図を出しメロンディフェンダーを取り出してブーメランのように投げる

 

(何をしようと・・・っ!?、なるほどそういう事)

 

 斬月の行動を奇妙に思うカロンだが能力をつかおうとしてその理由が分かってしまう

 

 爆煙も収まり辺りがはっきりと見えてくるとメロンの網目のような電磁フィールドがドーム状に斬月と武神鎧武それにカロンの周囲を包み込む

 

「へぇ~これがジンバーメロンアームズの能力ね・・・」

 

「驚くにはまだ早いぞ!」

 

 武神鎧武は反撃と言わんばかりに無双セイバーとソニックアローを振り下ろしカロンはヒガンサイスで受け止め競り合うと斬月が背後からソニックアローの光矢を放ちカロンの背中に命中する

 

「随分合理的な戦い方だなこと!」

 

 だがあまりカロンにはダメージが通らず武神鎧武との競り合いを簡単に押し退けて切り付け背後にいる斬月にはカロンサイスを向けて硬貨を放ち斬月は咄嗟にソニックアローで防御姿勢を取る

 

「あまり効いていない!?」

 

「だが狙い通りだ!」

 

 斬月にカロンの注意が逸れた直後に武神鎧武はまるで力を解放したように全身からエネルギーが溢れ出てぶつけるように両手の武器で切り付ける

 

「ぐっ!?、流石に効くねぇ・・・」

 

「減らず口もここまでだぁぁぁ!!」

 

 パワーが格段に増した武神鎧武の乱舞にカロンの鎧からも火花が散り後退していきフィールドの壁際まで追い詰められる

 

「よしっ!、今だ!!」

 

「これで決める!!」

 

 ここぞと言わんばかりに斬月と武神鎧武は並び立ち必殺技を放つ為にカッティングブレードを2回倒す

 

【ソイヤ! メロンオーレ!! ジンバーメロンオーレ!!】【~♪ ブラッドオレンジオーレ!! ブラッドジンバーチェリーオーレ!!】

 

 斬月と武神鎧武のソニックアローの剣部分にオレンジ色と赤黒いエネルギーが溜まっていき・・・

 

「「はぁぁぁぁぁ!!」」

 

 2人はソニックスラッシュを放ちカロンに直撃し大きな爆発が起きた瞬間に電磁フィールドを解除する

 

 爆発が収まった後仰向けで倒れているカロンを見て2人は肩を抜く

 

「恐らく天子と衣玖の方にも総一の息の掛かった奴が向かっているはずだ、急ぐぞ」

 

「意外に呆気ない・・・「流石は分かっているねぇ~」っ!?」

 

 天子たちの元に急ごうとする武神鎧武だが斬月の違和感通りカロンは何事もなく立ち上がりまるでホコリを払うような仕草を取る

 

「流石に痛かったけど、イザナギ鉱物を発揮していなかったらこの程度ってことみたい」

 

「三文芝居を・・・これでケリをッ!?、なにっ!?」

 

「夜罪!?、うっ!?、こっこれは!?」

 

 武神鎧武は再び必殺技を放とうとカッティングブレードに手を添えるが自身が装着していたドライバーから電流が走り身体の自由が効かなくなりその場で跪き斬月の装着するドライバーからも電流が走り武神鎧武も同様に跪いてしまう

 

「なるほどねぇ・・・イザナギ鉱物を発揮していなかったらジンバーアームズで戦える時間も制限って訳ね」

 

「でも一真はもうとっくに発揮しているのにお前さんは発揮していなかったとは思っていなかったよ、お前さんも色々と思うところがあったって事かい?」

 

「お前らを叩き潰す覚悟などとっくに・・・うぁぁぁ!?」

 

 武神鎧武はカロンの口車に乗せられ立ち上がろうとするが激しい電流が全身を駆け巡り再び跪いてしまいカロンはその姿を鼻で笑う

 

「口ではいくらでも・・・ってやつだね、ここいらであがらせてもらうよ!!」

 

 カロンは止めを刺そうシーボルコンプレッサーを2回押し込み空高くジャンプする

 

【リキッド! ヒガンフラワーエナジースパーキング!!】

 

「ヒガンルトゥーキック!!」

 

「まだ・・・こんな所でぇぇぇ!!」

 

「くそったれがぁぁぁ!!」

 

 右足に最大限のエネルギーが溜まり必殺のライダーキックを浴びせようとするが斬月と武神鎧武は気合でなんとか電流を打ち払いカッティングブレードを1回倒す

 

【ソイヤ! メロンスカッシュ! ジンバーメロンスカッシュ!】【~♪ ブラッドオレンジスカッシュ! ブラッドジンバーチェリースカッシュ!】

 

 斬月と武神鎧武はカロンに向かって光矢を放ち斬月の目の前にはメロンと夕張メロンの断面のサークルが武神鎧武の目の前にはブラッドオレンジとさくらんぼの断面がカロンとの間に交互に現れ2人はサークルを潜って行き斬月の右足と武神鎧武の両足にエネルギーが溜まっていく!

 

「もらったぁぁぁぁぁ!!」「ハァァァァァァ!!」「デリヤァァァァァ!!」

 

斬月の「ジンバー無刃キック」と武神鎧武の「ジンバー武神キック」がカロンのライダーキックと激突しぶつかり合うエネルギーが大木を次々と薙ぎ倒していき3人を覆う巨大な爆発が起きた!

 

 

 

 

 

 

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 その頃、ジンバーメロンアームズにアームズチェンジを果たした鎧武は・・・

 

「例えジンバーアームズでも私の旋律を崩す事など出来ません!!」

 

 対峙していたスプレーモマエストロは自身の体を実体化した旋律に変えて鎧武を巻き上げようとする

 

「それはどうかな?」

 

 だが鎧武は立ち止まり降ってくる旋律を真面に受けながらもある一点を見つめその軌道を目で追っていく

 

(オレンジとメロンエナジーとでは相性が悪かったのか?)

 

 疑問に思うスプレーモマエストロだが徐ろに鎧武はソニックアローを振るう

 

(しまっ!?)「うわぁぁぁぁぁ!?」

 

 ソニックアローの一振りがある旋律を捉えると旋律が火花を散らし元の姿に戻りながら宙を舞い地面に叩き付けられる

 

(やっぱりな・・・)

 

 予想が的中した鎧武は立ち上がろうとするスプレーモマエストロに迫り左手のソニックアローと右手の無双セイバーで怒涛の連撃を浴びせ後退るスプレーモマエストロに無双セイバーのグリップを引き銃弾が装填されるとスプレーモマエストロに向かって全弾撃ちつかさずソニックアローの弓部分を引いてからすぐに離して光矢を放ち追い打ちを掛ける

 

「まだ・・・まだ私は!!!」

 

「あぁ・・・勝負は着いていない、どちらが力尽きるまで・・・」

 

 相当なダメージが蓄積されているが自分を奮い立たせるスプレーモマエストロの姿に鎧武は自分に言い聞かせるように言い立ち上がり自身に向かって走ってくるスプレーモマエストロに見据えながら歩いていく

 

(もうこちらの能力が効かないなら、接近戦しかない!!)

 

 スプレーモタクトで切り掛るが鎧武はその場で無双セイバーを地面に突き刺し真面に攻撃を受ける

 

(まさかこのジンバーアームズの能力は?)

 

 スプレーモマエストロはそう考えていると一瞬スプレーモタクトを持つ右手の動きが鈍った瞬間鎧武がその右手を掴み空に掲げる

 

「相手の目の前で考えことなんて、美鈴さんに見つかったら説教じゃ済まないよ」

 

 鎧武は軽い口調で言うがそう言いながらソニックアローを振るう姿は軽くなく何度もスプレーモマエストロに浴びせスプレーモマエストロもなんとか鎧武の左手を掴むが簡単に払い除けられてしまいソニックアローの切り上げで身体が浮き上がった瞬間に手を離すが今度は鎧を掴んで地面に叩き付けて仰向けのスプレーモマエストロに向かって横薙ぎの一撃を浴びせる

 

(そんなぁ・・・攻撃する度にどんどん威力が・・・これが・・・破神さんの・・・)

 

 あまりにも威力に地面を滑るスプレーモマエストロは最早強制変身解除寸前だったが気力で鎧武に一矢報いようと背後から殴りかかるがそれすらも読まれカウンターキックを受けて吹き飛ばされ大木に激突する

 

「ヴィヴァルディ!、ヴィヴァルディ応答してくれ!!」

 

「どうしたん・・・です、ドゥーチェ?」

 

「すまない!、敵の囮に引っかかってしまった、大ピンチだ!!」

 

「っ!?、すぐに救援に向かいます!!、10秒だけ耐えてください!!」

 

 アンチョビからの通信で危機を知ったスプレーモマエストロは大木に寄りかかり座った状態で自身を実体化した旋律に変えようとする

 

 しかし鎧武もその隙を突こうと右手にソニックアローを持ち替え弓部分を引いて光矢を放とうとする

 

「させるっかってえの!!」

 

【ソーダー! リュウガンエナジーアームズ】「ホォォォォォ・・・ホワチャ!!」

 

 すると能力を使って切り掛るカロンに鎧武は咄嗟に避けて空から青い隕石のようなエネルギーが降ってくるとその中から龍星が飛び出してリュウガンシャフトを振り下ろし鎧武はローリングで回避する

 

「早く行きな!!」

 

「一真は私たちが抑える!!」

 

「教官・・・直ぐに帰ってきます!!」

 

 スプレーモマエストロは今度こそ自身を旋律に変えてアンチョビの元に急いだ

 

「行ったねぇ・・・さて、久しぶり一真!」

 

「出来ればこんな形で再会したくはなかった・・・」

 

「こまっちゃん・・・美鈴さん・・・」

 

 少し距離を空けて明るい声色で挨拶をするカロンだが仮面の下ではかなり無理をした笑みを浮かべていて龍星に至っては悲痛な表情で言いその素顔が想像できたのか鎧武もやるせない様子でソニックアローを握る力が強まりミシミシと音がしていた

 

「まぁお役目なんでね、覚悟してもらうよ!」

 

「一真、貴方はもう・・・戦ってはいけない!!、ましてあんな外道な奴らの為に!!!」

 

「外道!?、例え美鈴さんでも侮辱は許しません!!」

 

 龍星の叫びに鎧武は怒りを示し互いに駆け寄り鎧武は左手に持ち直し旧友同士の戦闘が始まった!

 

 

 

 

 

 

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                『全国大会第2回戦 試合会場 エリア外の丘』

 

「破神君、また格段に強くなっていますね、これじゃあの2人のゲネシスライダーでも・・・」

 

「でっでもあの武術を使うライダーは十六夜さんやスカーレット教官姉妹さんがいた紅魔館の門番さんなんですよね!?」

 

 その頃、観戦していた聖グロリアーナチームのアークは尚を早まる鎧武の成長速度に驚かず何処か哀れに思っているとオレンジペコが食い気味に紅茶を淹れている咲夜と本を読むパチュリーに尋ねる

 

「はっきり言うとあの2人じゃ無理ね」

 

「どうしてかしら?」

 

「最新の一真の戦闘データから導き出された成長速度ならあの2人で同等でアンツィオの隊長ライダーが加われば勝てる計算でしたがこんな短期間で鉱物を特性を発揮出来ると予想が出来ていませんでした」

 

 はっきりと告げるパチュリーにダージリンが納得がいかないのか尋ねると咲夜が答える

 

「つまり破神君は確固たる意志と覚悟で戦っていると?」

 

 ダージリンの問いにパチュリーは本を読みながらも頷きオレンジペコは驚きを隠せなかった

 

「何故です!?、理解どころか自分を陥れようとするチームとも呼べない寧ろ敵と言える大洗の為にそこまで!?」

 

「別に一真は誰かに理解される為に戦ってなんていない、ましてや一真にとってはアンツィオも大洗も敵じゃないわ」

 

「確かにあれ程の力があれば・・・」

 

 次はパチュリーが答えアークの言葉にパチュリーは不意に本を閉じる

 

「そういう事じゃない、一真にとって敵と呼べる者は・・・」

 

 最後の答えは言わず影を落とすパチュリーと咲夜にその場にいる聖グロリアーナのメンバーに何が言いたいのか分かってしまう

 

(自分自身が唯一倒したい敵か・・・)

 

 

 

 

 

               『全国大会第2回戦 試合会場 審判エリア』

 

 別の場所では審判長を務める映姫がアンツィオチーム引いては小町が変身するカロンの勝利を願っていた

 

(小町、あともう少しだから持ち堪えて!!、そうすれば一真はやっと・・・)

 

「大丈夫かな?、四季さん試合が始まってからずっと辛そうだけど・・・」

 

「やっぱり最高裁判長と審判長の兼任は辛いんじゃ・・・?」

 

「でもそれだけじゃない気がする・・・」

 

 試合のしかも審判長を務める者としてはあるまじき事で頑張って隠そうとするが隠しきれず表情に出てしまい香音たちが心配していた

 

(マズイ!?、小町避けなさい!!、あっ!?)

 

 

 

 

 

 

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                『全国大会第2回戦 試合会場 崖下』

 

 アンチョビがヴィヴァルディに通信を入れる十数秒、敵フラッグ車である38tを崖下まで追い詰め砲撃をするが僅かに逸れてしまい38tも応戦するがやはり明後日の方向に砲弾が飛んでしまう

 

「よしっ!、ここまで追い詰めたぞ!!、装填急げ!・・・ってあれ!?」

 

 ふとアンチョビは視線を上に向けるとそこには崖の上で待ち構えていたⅣ号戦車がいた

 

「しまった!?、追い詰められたのは我々か!?」

 

「ドゥーチェ!!、遅れてすいまっ!?・・・キャッ!!」

 

 大洗戦車チームの罠だと気付いた矢先に生き残っていたセモヴェンテの乗員からの通信が入るが崖からセモヴェンテが派手に転がり落ちてくる

 

「コラ!!、無茶するな!!、怪我したらどうする!!」

 

 アンチョビはセモヴェンテの乗員の身を案じながら一喝しセモヴェンテの盾になろうとP40を後退させるが到着したウサギさんチームのM3リーの砲撃が命中し白旗判定が出る

 

「アンチョビ姐さーん!!、只今とうちゃッ!?」

 

そしてベパロニが乗車がするCV33も到着するが追いかけてきたアヒルさんチームの89式の砲撃でエンジン部分を撃ち抜かれ地面に打ち付けながら飛んでいきセモヴェンテにぶつかってようやく停まり白旗判定が出る

 

「ヴィヴァルディ!、ヴィヴァルディ応答してくれ!!」

 

「どうしたん・・・です、ドゥーチェ?」

 

「すまない!、敵の囮に引っかかってしまった、大ピンチだ!!」

 

「っ!?、すぐに救援に向かいます!!、10秒だけ耐えてください!!」

 

 やっとヴィヴァルディに通信が届きP40はⅣ号目掛けて砲撃をするが命中せず反撃を許してしまいⅣ号がP40に向けて砲撃する

 

「させるかぁぁぁ!!!」【ソーダー! アセロラエナジースカッシュ!】

 

 だが土壇場でヴィヴァルディの変身するスプレーモマエストロが到着したと同時にシーボルコンプレッサーを1回押し込みP40の目の前に旋律の結界を作りⅣ号の砲撃を受け止める!

 

「そんなっ!?」

 

「あれはもしかして仮面ライダーマエストロがゲネシスドライバーで進化したんですか!?」

 

 次々と大洗の戦車が砲撃するが旋律の結界を破ることが出来ずにいた

 

「マズイ!?、全車後退してください!!」

 

「あの無能隊長が!!、よくもやってくれたな!!!」

 

 Ⅳ号戦車に乗車するみほが咄嗟に指示を出し桃が一真に対して怒りを爆発させるが杏は今の現状とは違う意味で焦っていた

 

(もうここまでライダーの差が埋められてくるなんて・・・いよいよ破神君たちライダーを頼りには出来なくなってきたね・・・)

 

(あまり気は進まないが、崖からフラッグ車諸共を叩き落とすしか勝機はない!!)

 

【ソーダー! アセロラエナジースパーキング!!】

 

 スプレーモマエストロはシーボルコンプレッサーを2回押し込み最大限のエネルギーを溜めて放とうとするといつの間にかカロンが歩いてきていた

 

(小野塚教官?、まさか鎧武を倒したのか!?、でもそれなら放送が・・・)

 

 そう疑問に思うと前のめりに倒れてしまい強制変身解除されてしまう

 

「ごめん・・・かず・・・ま・・・」

 

(紅教官の・・・っ!?、まさか!?)

 

 スプレーモマエストロは教官ライダーたちが鎧武に敗北したと確信した直後上空に空間の裂け目が出来てそこから桜吹雪が舞う

 

「これはっ!?」

 

「鎧武!!、やっぱり来ましたか!、だがそれがその登場の仕方が貴方の致命的なミスだ!!」

 

 鎧武のサクラハリケーンにより時空間転移でありスプレーモマエストロはクラックから現れた直後に止めを刺そうとジャンプしライダーキックの態勢に入る

 

 するとクラックからサクラハリケーンが姿を少しずつ現していくとスプレーモマエストロは全エネルギーを右足に集中させエグゼツィオフィナーレを叩き込む!

 

「でやぁぁぁぁぁ!!」

 

「「「「「「っ!?、一真(君、さん)!?」」」」」」

 

 エグゼツィオフィナーレは確かに命中し爆発して崖に叩き付けられスプレーモマエストロも宙返りを決めながらガッツポーズをする、しかし・・・

 

【ソイヤ! オレンジスカッシュ! ジンバーメロンスカッシュ!】

 

「なにっ!?」

 

 クラックからオレンジと夕張メロンのサークルが交互にスプレーモマエストロ目掛けて現れて信じられない様子のスプレーモマエストロは崖に叩き付けられたそれを改めて見る

 

 それは確かに鎧武が使用するサクラハリケーンだが鎧武が跨っていなかった

 

「そんな・・・・・」「セイハァァァァァ!!」

 

 鎧武の掛け声も耳に入らない程に呆然とするスプレーモマエストロに鎧武はジンバー無頼キックを浴びせる!

 

 断末魔も挙げずスプレーモマエストロは吹き飛ばされ地面に激突し巨大な爆発が起きる!

 

「アンツィオムジカチーム、総隊長ライダー含む全ライダーの戦闘不能により黒です!」

 

「たけしぃー!!、あっ!?」

 

 審判団の放送が聞こえ咄嗟に弟の名を叫ぶアンチョビだが着地しメロンエナジーロックシードを取り外しソニックアローにセットしロックを掛ける鎧武が目に入る

 

【LOCK ON!】

 

(後退していて狙えないか・・・)

 

 後退していてフラッグ車を狙えない戦車チームの代わりに鎧武はカッティングブレードを1回倒しP40に狙いを定める

 

【ソイヤ! オレンジスカッシュ!】

 

 弓部分を引いていきオレンジ色のエネルギーが溜まっていきオレンジと夕張メロンの断面を模したサークルが交互に現れ鎧武は弓部分を離しソニックボレーを放つ!

 

【メロンエナジー!】

 

 見事P40に命中し白旗判定が出る

 

「アンツィオチームフラッグ車P40走行不能により、大洗女子学園チームの勝利!」

 

 その直後大洗側の観客席から大きな歓声が聞こえたが1回戦と打って変わって応援に来ていた神奈子や諏訪子の表情は暗かった

 

「早苗・・・よく頑張ったよね」

 

「うん・・・でもこれで本当に良いのかな?」

 

 神奈子の問いに諏訪子は答えられずにいた

 

 大洗戦車チームもまた自身の勝利に喜び様々な反応を見せアンチョビはキューポラから身を乗り出しぐったりとするが変身解除した一真の姿を見て絶句していた

 

 その表情で決して勝利に喜ぶ姿じゃなく憂いに満ちて自分を責めているようでアンチョビの視線に気付くと誤魔化そうと笑みを浮かべ駆けつけた戦車チームにも笑顔でサムズアップする一真にアンチョビはどうにも納得がいかなかった

 

(破神・・・お前はライダーよりもっと相応しいジャンルがあると思うぞ?)

 

 

 

 

 

 

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『全国大会第2回戦 試合会場 エリア外の丘』

 

 

 その時、試合開始からずっと見届けていた紫と永琳は・・・

 

「随分、鈴仙も頑張ったけど・・・特筆するべきは一真の異常な成長速度ね」

 

「イザナギ鉱物の特性で更に「進化の能力」が格段に速まるなんて・・・今の一真でも貴方や隠岐奈じゃ停める事は無理なの?」

 

「「無理ね」」

 

 永琳の問いに紫とその背中から現れる金髪のロングヘアに冠を被っている超然とした女性、摩多羅隠岐奈(まだらおきな)が答え2人は驚きもせず紫は鼻で笑う

 

「あやつが自ら封印したのは「鎧武以外の仮面ライダーの能力」という元々外付けの力に過ぎん、あやつ自身の持つの力は我らはおろか一真自身の意思でも封印できんよ」

 

「そう・・・」

 

 隠岐奈の答えに永琳は悲痛な表情で呟き隠岐奈は変身解除した一真を面白そうに見ていた

 

「良いではないか、自身の感情も命すら運命に翻弄されるしかない人間を眺めるよりずっと面白い、そんな人間の為にのち打ち回りそれが当然の権利だとふんぞり返る人間の哀れで滑稽な姿を含めてね」

 

 すると3人はある者の来訪に気付き隠岐奈は鼻で笑い紫は顰めっ面になってしまう

 

「息子を追い込むような真似をして、何を企んでいるの?、破神・・・総一」

 

 そう紫が問いかけ3人は振り返るとスーツ姿の総一が縄で上半身を縛り拘束していた清蘭と琳瑚を連れて姿を現した

 

 

 

 

 

 

 

 次回ガイム&パンツァー!

 

 試合に勝利した大洗チーム!

 

「今年こそは勝てると思ったんだけどなぁ~・・・でも良い試合だった!!」

 

 それに対しアンツィオチームは互いに労い流儀として宴に誘う

 

「湯を沸かせ釜を焚けー♪」

 

 美味しい料理と賑やかな演奏で2つのチームは騒がしくも楽しい一時を過ごす

 

 第55話「試合後の楽しい宴です!」

 

(俺は結局・・・誰かを苦しめる事しか出来ないんだ・・・)

 

 ある1人の心が激しい憎しみによって更に傷ついている事も知らずに・・・

 




いかがでしたか?

大幅にパワーアップされたアンツィオチームに特にライダーチームが苦戦を強いられながらもなんとか勝利を手にしました

次回は試合後の楽しい宴・・・のはずです、乞うご期待です!


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