ガイム&パンツァー  戦車道・ライダー道極めます!   作:フルーツ大将軍

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大変長らくお待たせしました、第48話です

今回はサブタイ通りの少し欝展開はありましたが当初予定していた物より希望が見える展開にしました

それではどうぞ!


第48話「仮面ライダーという罪です」

                   『幻想郷 人里近くの森林』

 

 全てを受け入れる幻想郷の人里の近くの森でステンドグラスのような怪物と聖職者のような仮面の戦士が戦っていた

 

「数が多すぎる!・・・このままじゃ人里に「こいつら」が!!」

 

 どうやら仮面の戦士は怪物を人里に近付けないように戦っておりマシンピストルのような銃を怪物に向かって連射し近付いてくるとグリップを収納し赤い刃がせりあがり怪物を切り裂いていく

 

 仮面の戦士と怪物の激闘の最中、偶然森を訪れていた少年が戦闘に釘いるように見ていた

 

「こんな所に人間がいたのか、お前の命を頂くぞ!」

 

「たっ助けてー!!」

 

「なんでこんな所に子供が!?」

 

 少年に気付いた怪物が攻撃態勢に入ると仮面の戦士は慌てて腰を抜かす少年の前に立つ

 

「死ねぇぇぇ!!」

 

 怪物は光弾を発射すると仮面の戦士が少年の盾となり防ぐが戦闘での疲労もあったのか吹き飛ばされ仮面の戦士が解かれてしまった!

 

「大丈夫?、早く逃げっ!?」

 

 仮面の戦士に変身していた少女、衣玖は少年を逃がそうとするが少年は黒い笑みを浮かべて衣玖の首根っこを掴み普通に立ち上がり持ち上げる

 

「間抜けな女だ!、俺の正体に気付かないとはな!!」

 

 少年はそう言うと顔に牙のような模様が浮かび瞳もステンドグラスみたいなると一瞬の内に衣玖が戦っていた怪物と似たような姿になる

 

 少年が変身した怪物は衣玖を力任せに放り投げ衣玖は大木に叩き付けられる

 

「さ~て龍宮の遣いの命の味は格別だろうなぁ~」

 

「あっ!・・・ぐっ!!」

 

 怪物はさぞ楽しそうに言い半透明の大きな牙のような物がゆっくりと衣玖に近付き衣玖はあまりにもダメージに逃げる事が叶わなかった

 

(こんな所で・・・私は!)

 

 諦めず必死に立ち上がろうとするが思い通りに身体が動かず大きな牙がもうそこまで迫った時!

 

「フィーバー姉ちゃんをやらせるかー!!」

 

「やらせませんよ~!!」

 

 やたら芸術に詳しそうなコウモリとテンションが高そうな小さいドラゴンが流暢な日本語を喋り大きな牙を叩き落し怪物に突進する!

 

「衣玖さん!?、大丈夫ですか!?」

 

「なん・・・とか・・・」

 

 その直後、中学生ぐらいの少年が衣玖に駆け寄り衣玖は微かな声で答える

 

「ここは自分に任せてください!」

 

 少年はそう言うと笑顔でサムズアップをし衣玖もサムズアップをし返す

 

「くそっ!、小賢しい真似を!!・・・!?」

 

 怪物はコウモリとドラゴンを払い除けゆっくりと立ち上がる少年に襲い掛かろうとするが振り返った少年の眼光を見て怪物は固まってしまう

 

「まさか・・・あの男は!?」

 

 他の怪物たちも合流すると少年を知っているような素振りを見せて同じように固まってしまう

 

 その少年の眼光はまるで数多の激戦を潜り抜けてきた戦士・・・いや最早戦神と言えるべき迫力であり怪物たちは本能的に恐怖を勝手に体が後退っていく

 

「しっ死ねぇぇぇ!?」

 

 少年の真正面にいた怪物は恐怖のあまり持っていた剣を振り下ろすも少年は掴み取り怪物に裏拳を浴びせる

 

 受けた怪物は吹き飛ばされ木に叩き付けられてしまい少年は掴み取った剣を投げ捨てる

 

「「-----」、衣玖さんを頼む・・・「----!!」」

 

「了解しました~」

 

「よっしゃーいくぜ!、ガブッ!!」

 

 小さいドラゴンは衣玖は安全な場所に誘導しコウモリは少年が掴み取り口を開くと少年はコウモリに自分の右手を噛ませるように持っていく

 

 するとコウモリは少年に何かを流し込むように噛みつき少年の顔に牙のような模様が浮かび腰には何本もの鎖が巻き付いたと思ったら赤い止まり木のようなベルトに変わる

 

「変身!」

 

 少年は怪物たちにコウモリを見せつけるように突き出しベルト中央の止まり木部分にコウモリをセットする

 

 するとコウモリの目から赤くなり少年の身体がまるで鎧を纏ったように変化していくとまるでヴァンパイアのような仮面の戦士に変身した!

 

「------・・・キバ!」

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

 怪物の1人が仮面の戦士、キバの名前を言うとキバは独特の構えで怪物たちに向かって駆け寄り怪物たちの光弾にも意を返さずにジャンプし怪物にキックを叩き込もうとしていた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                   『大洗学園艦 衣玖の部屋』

 

「ん~・・・あの日の夢ね、・・・まだ楽しかった昔の・・・」

 

 朝日が昇って間もない頃、衣玖はベットから起き上がり重い瞼を開けてそう悲しげに呟く、どうやら幻想郷での出来事は衣玖が見ていた夢だった

 

「私が・・・奪ったんだ・・・一真君の夢も笑顔も!、私はただ・・・守りたかっただけだったのに・・・なのに私は!」

 

 衣玖は写真立てに飾っていた一真と天子それに衣玖が笑顔でサムズアップする写真を見てその写真を抱き抱え泣き崩れてしまう

 

「一真君ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・」

 

 

 

 

 

 

                   『大洗学園艦 一真の部屋』

 

 一方一真は目が覚めるとまるでマシュマロのような感覚に違和感を感じ離れようとするがホールドされて動けない

 

(・・・まさか)

 

 一真は頭を捕まえる何かを掴み何とか除けると何故か下着姿の美織が一真を抱き枕にして寝ていたようだった

 

(やっぱりな、久しぶりだからあるとは思っていたけど)

 

 一真は少々うんざりしながらも慣れていたのか特に気にせずトレーニングウェアに着替える

 

「待てぇ~カズ君~、こちょばしの刑だぁ~♪」

 

(この寝言も久しぶりに聞くなぁ~・・・あまり変わってなくて安心したよみお姉)

 

 美織の寝言に一真は微笑し日課である早朝ランニングに出掛けようする

 

 

「・・・行ってきます」

 

 一真は美織を起こさないよう小声で言いランニングに出掛けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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             『大洗学園艦 ランニング帰りの公園』

 

 一真はおよそ30分で大洗学園艦の全周を2周分を走り終わり帰りにいつも通る公園に入る

 

「あっ紗希ちゃん、おはよう!、今日も早いね」

 

「・・・・・おはようございます」

 

 すると公園のベンチで座っていた紗希に一真は挨拶をし紗希も少し顔を赤くして挨拶をする

 

「これ・・・」

 

「ありがとう、いつも悪いね」

 

 紗希は持っていた水筒を一真に差し出し一真は嬉しそうに受け取り水筒に入っているお茶を飲み始める

 

「最近毎日ここにいるけど、紗希ちゃんの日課なの?」

 

「はい・・・わたし・・・朝が苦手なので・・・一真さんを見習って・・・」

 

 一真の問いに紗希はそう答えるが実はそんなに朝が苦手という訳ではなかった

 

「そうか・・・お互い頑張ろうな!」

 

「・・・/////」

 

 実はこうやって一真と話すのが目的であり毎日お茶を差し入れをするのも一真に喜んで欲しい為だけだった

 

「俺は最近ランニングするのが楽しみになってきたんだ、美味しいお茶の差し入れも貰えるし紗希ちゃんともこうやって話せるからね♪」

 

「/////」

 

 笑顔で言う一真に紗希は顔を赤くして俯いてしまう

 

「じゃあね紗希ちゃん、また学校でね」

 

 手を振って去っていく一真に紗希も小さく手を振って見送った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                  『大洗学園艦 一真の部屋』

 

 一真はランニングを終えて自分の部屋に帰るとそこには・・・

 

「あっカズ君おはよう~、もう朝ご飯の準備は出来ているよ♪」

 

「おはようみお姉、今日はやけに起きるのが早いな」

 

下着の上にエプロンを羽織っている美織に一真は先日のように叫ぶ事もなく普通に答え用意していたタオルで汗を拭いた後、テーブル前に座る

 

「みお姉は今日はどうするの?」

 

「それは勿論挨拶に行くわよ、当然でしょう?」

 

 美織は当たり前のように答えるが一真は干してある美織の服を見て唸ってしまう

 

「服は1着しか持ってないよね?」

 

「今日の午後までには残りの荷物が届くから問題な~し♪」

 

 陽気に答える美織に一真は頷くと美織が並べ終え向かい合うようにして座る美織と共に手を合わせ

 

「「頂きます」」

 

 朝食を取ってから数分後

 

「後片付けはやるから」

 

「ごめん、後は任せた」

 

 一真は学ランに着替え美織に礼を言うと部屋を出て行った

 

「一真君、おはよう」

 

「おはよう・・・今日は早いなみほちゃん」

 

 踊り場に向かうと既にみほが待っており一真は少々驚きながら挨拶をする

 

「今日はなんだか早く目が醒めちゃって」

 

「そうか・・・じゃあ行こう」

 

「あっカズ君!、忘れ物だよ~!」

 

 いつも通り学校に向かおうとするが美織が呼び止める

 

「はいお弁当、今日はカズ君の好きな物ばかりだからね♪」

 

「いつも学食で済ましてるからいいのに・・・?、どうしたみほちゃん?」

 

 美織は一真にお弁当を渡すと一真は目の輝きが消えゆっくりと美織を指差すみほに怪訝そうに尋ねる

 

「この人・・・なんで・・・」

 

「あぁ・・・俺の義理の姉・・・っ!?、みお姉なんて格好で出ているんだ!?」

 

 一真は意図している事が分かり慌てて美織の背中を押して部屋の中に戻そうとする

 

「え~別に寮の中だし良いじゃない♪」

 

「良いわけないだろう!!、荷物が届くまで部屋で大人しくしてよ!!」

 

 先ほどと全く変わらない姿の美織に一真は取り乱しながらもなんとか美織を自分の部屋に追いやる

 

 一真は溜め息をつくが目の輝きが消えたみほに一真は苦笑いを浮かべる事しか出来なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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〈みほサイド〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 みほは一真と学校に向かう道中、ずっと一真の部屋から出てきた女性の事が気になっていた

 

(あの人・・・「みお姉」って呼んでいたけど一真君にあんな綺麗な人と暮らしていたんだ・・・)

 

 みほは美織の容姿を思い出しそしてある事にも気付いていた

 

(一真君・・・かなり砕けて話していた・・・まだ私は・・・あんな風に話した事もないのに)

 

 みほだけでなく沙織たち戦車チームを接する時に何処か遠慮して距離を保っているような一真の言動に対して美織と砕けて話す姿が何故か胸が苦しくなってしまう

 

「あの・・・みほちゃん?、あの人は俺の義理の姉で・・・」

 

 一真が必死に美織の事を話していたがみほの頭には全く入ってこなかった

 

(なんでだろう?・・・最近一真君の事を考えると胸が苦しくなったり逆に嬉しくなったり・・・どうしちゃったのかな?)

 

 みほは未だに分からない感情を理解できず自問自答を繰り返していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                  『大洗女子学園 ガレージ前』

 

美織との一件があってから数時間後、戦車道とライダー道を受講する時間となり生徒会と亜美の指示で一真とみほたちはガレージ前に集まっていた

 

「今回は新たにライダー道を受講する者とライダー道の教官を紹介する」

 

 桃がそう言うと一同が騒めく中、事実を知っている一真はあまり嬉しくなさそうな表情をする

 

 すると生徒会の前に制服姿の華扇と陸上自衛隊の制服を着た美織が現れみほは美織の姿を見て驚いてしまう

 

「新たなライダー道受講者の茨木華扇」

 

「華扇です、よろしくお願いします」

 

 まず桃は華扇を紹介し華扇は深々と頭を下げて自己紹介をすると天子は驚く素振りを見せて顔を背けてしまう

 

「そしてこの方はライダー道教導隊の隊長、元宮美織一等陸佐だ」

 

「一等陸佐!?」

 

 桃の紹介に優花里は驚きのあまり言ってしまうがその驚きは当然と言える

 

(大隊の指揮官クラスがライダー道の教官を来るなんて普通だと有り得ない、みお姉も会長さんたちもどんな手品を使ったんだ?)

 

 一真はそう思いながらも美織は一歩前に出ると

 

「どうも~カズ君の彼女の元宮美織で~す♪」

 

「「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」」

 

 予想外の自己紹介の仕方に戦車チームは呆気にとられ一真も頭を抱えてしまう

 

「「「「「「「「「「えぇーーーーー!!!」」」」」」」」」」

 

 するとやっと内容が頭に入ったのか戦車チーム一同は叫んでしまい特に沙織・華・優花里・梓や麻子や明後日の方向を見ていた紗希も美織を凝視しみほも驚きのあまり放心状態になる

 

「いや何を言っているんだよみお姉!!、みんなもこんな与太話を真に受けないでよ」

 

「え・・・嘘!?」

 

「みお姉のいつも悪い癖だから気にしないで」

 

「でも・・・今朝は一真君の部屋にいたよね・・・」

 

「えっみほちゃんには先に説明したよね!?、それはみお姉がこっちで・・・」

 

 みほの思いがけない一言が更に波紋を呼び一真は答えるが一部の者はがっくりと落ち込んでしまう

 

「まっまさか同棲!?」

 

「確かに昨日から一緒に暮らしているけど、みお姉は俺の・・・」

 

「みお姉・・・そんなあだ名で呼ぶ間柄なんですね・・・」

 

「いやみお姉はその呼び方通りで・・・」

 

「美人で社会的地位も高く、気さくな方なんて・・・勝ち目がありません!」

 

「勝ち目ってなに?、いやだから俺の話を・・・」

 

「最初から私たちの一人相撲だったという事か」

 

「一真さんがどんどん遠くに見えていきます・・・」

 

「みんなちゃんと話すから一旦落ち着こう!」

 

 なんとか一真が纏めようとするが全く効果がなく天子たちは予想していたように苦笑いを浮かべていた

 

「遂に面倒くさい奴まで来たわね」

 

「あぁ・・・だが美織だけで良かった、「あいつの妹」まで来たら手に負えなくなるからな・・・」

 

「「弟君」の方はそうでもないですけどね」

 

「「妹」の方は「兄」の事になると本当に加減知らずになるからな・・・」

 

 遠い目をして答える天子たちだが戦車チームが騒いでいる中、美織は冷静に見定めるように戦車チームのメンバーを見ていた

 

(ふ~ん成程ね、確かに総一さんが選んだ学校とはいえ本当に「ハズレ」かもね、そして今朝会ったあの子がこの学校で唯一総一さんが気に掛けている西住みほね・・・)

 

「みんな冗談だよ~彼女じゃなくてカズ君の義理の姉だよ♪、一緒には暮らしているけどね」

 

 美織はそう分析し特にみほを注意深く見るといつもの陽気な感じで言い場の騒めきが収まる

 

「義理の・・・お姉さん?」

 

「あぁ・・・みお姉は義理の姉でこっちで暮らす部屋を見つけるまでの間だけ俺の部屋で暮らすことになったんだ・・・ってみほちゃんには説明したよね?」

 

 みほも放心状態から戻りそう呟くと一真はそう説明する

 

「あっ・・・ごめん・・・全然聞いてなかった・・・」

 

(まぁあんな衝撃な初対面だと上の空になっても仕方ないか・・・)

 

 一真は今朝の一件を思い出し苦笑いを浮かべていた

 

「あっあのぉ!、元宮教官はどんなライダーに変身するんですか!?」

 

「う~んそうだね~・・・デンジャラスなライダーよ♪」

 

「デンジャラスですか、とても前衛的です」

 

「そっちの如何にも生真面目そうな彼女はどんなライダーに変身するんだ?」

 

「私のは・・・パンチが効くライダーです」

 

「パンチだと?、う~ん・・・」

 

 カエサルたちカバさんチームは得意の歴史ネタを言おうとするがネタが浮かばず唸るのを見た天子は生温かい視線で見ていた。

 

「丁度いい機会だ、茨木とそれに元宮教官、変身してもらってもよろしいですか?」

 

「もっちろ~ん♪」

 

「分かりました」

 

 桃の提案に2人は答えると戦極ドライバーを取り出し腰に装着する

 

「お2人ともフェイスプレートにライダーの顔が描かれていますね、両方とも登録型ドライバーみたいです」

 

 優花里の解説も交えながらも進め美織はドリアンの形をしたロックシード「ドリアンロックシード」を取り出し顔の近くまで掲げ華扇はクルミの形をしたロックシード「クルミロックシード」を取り出し同じように掲げる

 

「へん・・・しん!」

 

「変身!」

 

【ドリアン!】

 

「クルミ!」

 

 美織はロックシードを見て掛け声と共に正面に向き直しロックシードを開錠し華扇も開錠すると頭上のクラックからドリアンの形をした鎧「ドリアンアームズ」とクルミの形をした鎧「クルミアームズ」がゆっくりと降りてくる

 

「まだクルミは分かるがドリアンは・・・」

 

「ドリアンって果物なんですか?」

 

「さぁ?」

 

「一応臭いはさておき「果物の王様」と言われるぐらい美味しい果物なんですよ」

 

 ドリアンに難色を示す戦車チームだが衣玖の説明で一応納得する

 

 その間にも美織と華扇は変身ポーズを決めドライバーにロックシードをセットしハンガーにロックを掛ける

 

【【lock on!】】

 

 武神鎧武とロック風の待機音声が両方のドライバーから流れ2人とも独特のポーズでカッティングブレードを倒しロックシードを切る

 

【~♪ ドリアンアームズ!】 

 

【~♪ クルミアームズ!】

 

 2人の頭にアームズが覆い被さり!

 

【ミィース! デンジャラス!】

 

【ミィース! ナックル~!】

 

 電子音声と共にアームズが展開され美織は刺々しく(頭のトサカや仮面の傷が)何処か世紀末な雰囲気のライダーに華扇は量産型に近いライダーに変身した!

 

「どう~?、似合っているでしょう~」

 

「いや~でもこれは・・・」

 

「確かに前衛的で良いですね~」

 

 2人の変身した姿、特に美織の変身した姿に言葉を失うが華だけは何故か好印象だった

 

「確かにこれはパンチが効きそうなライダーだな・・・」

 

「確かに大きいグローブっぽいですね・・・良いスパイク打てそう」

 

「なんか正統派ヒーローって感じです!」

 

 それに比べ華扇の変身した姿は中々の人気でみんなが群がっていた

 

「ありがとうございます、私の変身したライダーは「仮面ライダーナックル」と言います」

 

「私の変身したライダーは「仮面ライダーブラーボ」よ、憶えていてね♪」

 

「ナックル・・・ブラーボ・・・華扇さんもみお姉も・・・っ!」

 

 2人が自身が変身したライダーの名前を言うと一真は名前を呟き自責の念に駆られたように辛い表情を見せる

 

「一真君・・・」

 

 そんな一真を見つけたみほも辛そうに一真を見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                       『演習場』

 

 その後、みほたち戦車チームと一真たちライダーチームは対アンツィオ戦の為の練習が行われようとしていた

 

「そういえばライダーチームの皆さんはどう動くつもりなの?」

 

「はい、今回の相手は音を武器をするライダーで広範囲に攻撃を仕掛けられます、それを全方位で囲い込むように展開してくるでしょう」

 

「でも前回の試合では囲い込んで逃げ道を無くすというより・・・」

 

「その通りだみほちゃん、敵のムジカライダーチームは退路を断つと言うより戦車チームとの分断を狙ってくる、恐らく高台に見張りを付けてずっと相手の動きを監視しているんだろう・・・今回も恐らくここに見張りを付けてくると予想しています」

 

 一真の予想に集まっていた戦車チームの隊長たちも納得し頷いていた

 

「戦車チームはともかくムジカライダーチームはかなり堅実だからね~」

 

「えぇ、まるで1つの曲を奏でるミュージカルバンドですからね」

 

「でもチークワークで動いているって事は・・・」

 

「あぁ1人でも足並みいや不協和音が流れれば曲は脆くも崩れ去ってしまう」

 

「問題はどうやって不協和音を流すかって話だろう?、勿体ぶってないでさっさと答えろ」

 

 痺れを切らした桃が少し苛立った様子で説明していた一真を急かす

 

「すいません・・・こちらの作戦としては先に高台を制圧しここから自分たちが接敵した直後に仮面ライダーイナバのルナティックウェーブを放射し相手の音攻撃を無力化します」

 

「波長を操るルナティックウェーブなら音を乱して無力化出来るという事か・・・」

 

「・・・放射時間はどれぐらいですか?」

 

「多く見積もって・・・5分だね」

 

「いえ10分です」

 

 一真の予想に実際にイナバに変身する鈴仙は訂正する

 

「そんな5分以上使ったら身体が持つかどうか分からないって永琳先生に言われていたはずだ!、ましてや10分なんて命の危険が!?」

 

「誰かさんが考えた練習のおかげで鍛えられていますから任せてください隊長」

 

「なら10分でも20分でも試合に勝つまでやってもらおうか」

 

 心配のあまり声高に言う一真だがある1人はあまり関心がなさそうに答える

 

「そんな!?」

 

「本人がそう言っているなら大丈夫だろう、それにお前たちライダーチームの作戦如きで長々とこっちの時間を使わせる気か?」

 

「・・・すいません、こちらの作戦内容は以上です」

 

 俯いて答える一真を気にもせず38tに乗り込む桃に杏は大きな溜め息を着きみほは心配そうに一真に歩み寄る

 

「一真君・・・大丈夫?」

 

「あぁありがとうみほちゃん、元々俺が悪いんだし・・・そういえばP40のデータはカバさんチームのみんなから貰ったんだよね?」

 

「うん、だからこっちは問題はないよ」

 

「破神君~今日は私たちと一緒に練習しない~?」

 

「分かりました、じゃあ自分たちもそちらに合わせて編成します、丁度黒森峰に行った際に貰ったゲ・・・」

 

「わぁー!?、一真ちょっとロックビークルの調子が悪いから見てもらえないか!?」

 

「本当?、最近にとりさんに見てもらったばかりだろう?」

 

 いきなり天子が遮るように言いみほと杏は疑問に思うが自分たちの戦車に乗り込む

 

 だが美織はその意味が分かっていたように微笑していた

 

(確か「次の試合で使うまではゲネシスドライバーとエナジーロックシードは戦車チームには伏せる、もし破った場合はカズ君以外のライダーシステムは全て自壊させる」って里彩さんからのお達しだったわね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                     『艦舷の公園』

 

 練習が終わり夕方を迎えた頃、美織の身の回りの物を買いに行こうとしたがメールで「亜美と一緒に買いに行ってくるから大丈夫だよ~あと呑んでくるから夕飯もいらないよ~(・∀・)」が送られ一真はアテもなく公園の手摺にもたれて沈んでいく夕日を眺めていた

 

(なんか今日は1人で夕飯を食べる気が沸かないな・・・)

 

 一真は何処か嬉しそうに眺めていたがふと戦極ドライバーを取り出すと憎々しげに睨むがそれは自分への怒りであり自身の握力でドライバーがみしみしと音を立てていた

 

「一真君、ここにいたんだ」

 

「探したよカズ君」

 

「てっきりお義姉さんと出掛けたと思っていたのですが」

 

「あれ?、一真殿戦極ドライバーがどうかしたんですか?」

 

「海に投げ捨てるつもりか?」

 

「あっいや・・・そんなつもりはないけど」

 

 するとみほたちが一真を見つけ一真は慌ててドライバーを収める

 

「私は・・・それでも良いよ」

 

「それでもって?」

 

「戦極ドライバー・・・ううん、仮面ライダーを辞めても」

 

 一真は心配そうに言うみほに驚き思わず背中を向ける

 

「でも一真殿が辞めてしまったら私たち不戦敗ですよ」

 

「えっそうなの?」

 

「ライダー道規定で全国大会に出場しているチームは基本増員はいくらでも許可されていますけど逆の場合特に総隊長ライダーが辞めてしまったら試合放棄と見なして不戦敗になってしまうんです」

 

 優花里がライダー道の1つのルールを説明したがみほはそのルールを知っていた上での言葉だった

 

「俺は絶対にライダーを辞めない、辞めるわけにはいかないんだ」

 

「「辞めるわけには」って事は何かお前には事情があるのか?」

 

「それは!・・・・・」

 

「一真さん、聞かせてください、何か力になれるかもしれません」

 

 一真はみほたちを見ると覚悟は出来ていると言わんばかりに真剣な表情で見つめていた、それに対し一真も・・・

 

「・・・みんなは仮面ライダーをどう思っている?」

 

「それは・・・みんなを守る正義のヒーローだよ」

 

「そうです!、特に一真殿が戦う姿はまさに英雄「真の仮面ライダー」です!」

 

「俺が真の仮面ライダー?・・・ふっ」

 

 一真は沙織や優花里の言葉に乾いた笑みを浮かべる

 

「何か可笑しい事でも言いました?」

 

「いやここまで認識が違うとは思っていなかったから」

 

「ならお前はどう思っているんだ?」

 

「俺は・・・」

 

 麻子の問いに一真は少し考えるように俯きそして顔を上げると衝撃的なな答えを出す

 

「仮面ライダーは・・・悪から生まれた史上最大の殺戮兵器なんだ・・・」

 

「「「「「っ!!」」」」」

 

 一同は驚きを隠せず特にライダーに憧れを抱いていた優花里は固まってしまう

 

「いくらなんでもそれは言い過ぎでは・・・」

 

「インベスがどんな物かって言うのは聞いているよね?」

 

「あぁ・・・インベスはヘルヘイムの果実を食べた生き物が遺伝子レベルで変身した姿だな」

 

「うん・・・もし」

 

 一真は関係のないようなインベスの話を始めみほたちは疑問に思うが・・・

 

「もしインベスがみんなの家族だったり友達のような大切な人だったら?」

 

「そっそれは!?」

 

 一真の問いに他人事ではない麻子は狼狽してしまいそんな麻子を沙織が支え一真を少し睨むが一真は俯き深く影を落としている姿に何も言えなくなる

 

「これまで俺が倒したインベスはもしかしたら誰かの大切な人かもしれない、それに逆を言えば俺はインベスになる前にその人を助ける事が出来なかったって事になる」

 

「でも・・・それは仕方のない事です、そんなに思い詰める必要は・・・」

 

「例えそうだとしても人もインベスだってそこに懸命に生きようとする生命だ、その生命を奪う事が英雄だとみんなが思うような真の仮面ライダーだとは到底思えない、それにロックシードなんてヘルヘイムの果実を加工した物だ、ある意味ライダーはインベスと仲間・・・同族と言ってもいいかもしれない」

 

「そんな・・・」

 

 自分を責め立てるように言う一真はまだ話し続ける

 

「だけど天子やアークさんたち他のライダーたちは違う、他の人はそんな事実は知らない内に戦っているんだ、自分の大切な人を自分の信念を守る為に」

 

「それを知っていて戦っている一真殿だけは悪だと言いたのですか?」

 

「あぁ・・・それに俺がいなければライダーなんて・・・それに天子たちだってあんな目に・・・!!、これで分かっただろう?、俺はみんなが考えるような正義のヒーローじゃない!、俺は何かに理由をつけて戦って人を傷付ける事も生命だって奪う最低な仮面ライダーなんだ!!、こんな俺だけは・・・いずれ!!・・・」

 

 そう言って一真はその場を立ち去ろうとするが・・・

 

「それでも私は信じる、一真君は私の中で一番のヒーロー・・・仮面ライダーだよ」

 

「私も・・・こんな事で私の・・・私たちの意志は変わらない!」

 

「そうです、それに嬉しかったです、初めて一真さんが私たちに心の内を話してくれて」

 

「私もです一真殿!、私は一真殿に完璧な仮面ライダーの姿しか見ていませんでしたが一真殿もちゃんと私たちと同じ人だって気付く事が出来ました!」

 

「私もだ・・・出来れば私は私たちはお前を助けたい、お前の力になりたい!」

 

「みんな・・・」

 

 一真は決意を固めた表情のみほたちに何も言えず逃げるようにその場を後にした

 

(あれが一真君が抱える心の闇・・・元々一真君があんな考えな訳がない、多分一真君の中でそう思わせる出来事があったんだ、もし・・・それを知る事が出来たら一真君を・・・助けられるかもしれない!!)

 

 そう考えより自分の気持ちを固めるみほたちを天子が物陰からこっそりと見ていた

 

(遂に一真は喋ったのか・・・それに西住たちも理解を示している、エルヴィンやカエサルたちももしかしたら?、この大洗チームなら本当の意味で一真を・・・救えるかもしれない!)

 

 天子はみほたちを見て新たに生まれつつあった一縷の希望を感じ取り別の場所では華扇もそんなみほたちを見て満足気に頷いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回ガイム&パンツァー!

 

 一真の心の内を聞き助ける方法を模索するみほたちは第2回戦の試合会場に向かう

 

「ベッベートーヴェンは敵で破神流だったのか!?」

 

「すいません・・・」

 

 その時ヴィヴァルディは一真に落し物を渡す、その物とは?

 

「まさか!?、そういう事なのか!?」

 

 一真はその物からある事実に気付く!

 

 第49話「一真君の謎の落し物です」

 

「それでも私の愛・・・じゃなかった!決意は変わらない!」

 




いかがでしたか?

今回は原作ライダーであるナックルとブラーボの登場そして一真はみほたちに自身の心の中を話しみほたちも少しずつ一真の抱える闇の部分に気付き始めました(すいませんが新ライダーを加えた練習シーンはオミットしました)
ここからみほたちも一真に対する見方が変わっていき他のチームももしかしたら気付き始めるかもしれません

次回は第2回戦が始まり早速アンチョビに一真のスパイ活動がバレますが予告通りに・・・言い忘れていましたが今作品ではアンツィオはアニメベースです、そしてヴィヴァルディから渡される謎の落し物・・・一真は何も落としていないはずですが?

次回も乞うご期待です!

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