ガイム&パンツァー  戦車道・ライダー道極めます!   作:フルーツ大将軍

54 / 70
お待たせしました、第43話です

今回はタイトル通り鎧武がゲネシス変身します!

そしてバロンたちにも新たな力が・・・

では、どうぞ!


第43話「ようこそ黒森峰へ!(前編) 鎧武のゲネシス変身です!」

 これまでのガイム&パンツァーは

 

 4チーム対抗のゲーム大会が行われその賞品には一真を迎え入れる権利が用意され俄然やる気を出すライバル校チーム

 

 大洗チームも奮起しゲームに取り組むがダージリンの忠告が無視できない一部の者は本気を出せず結果は最下位になってしまった!

 

 一真は聖グロリアーナが迎え入れる事になったがみほたちの必死の説得を聞いた一真は大洗に残る決断をする

 

 渋々受け入れたライバル校チームだが「あなたたちは必ず一真を苦しめる」という恨み節を残していった

 

 その頃、総一はまほの報告を受け新たな動きへと移そうとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#####

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                『黒森峰学園 機甲科 校門前』

 

「ここが・・・黒森峰か」

 

「みぽりんが・・・前にいた学校・・・」

 

「うん・・・」

 

 みほ・沙織・華・優花里・麻子と各チームの隊長たちに鈴仙と早苗を除いたライダーチーム隊員全員が黒森峰学園の機甲科前に集まっていた

 

 遡る事、強化合宿から直後生徒会に届いた総一からの招待状が全ての始まりだった

 

「今日は黒森峰の戦力を見せてくれるっていう話なんだよね?」

 

「あぁ、先日のルクレールでの非礼を詫びる目的だって」

 

「今思い出しただけでも腹が立ちます!、西住殿を腰抜け扱いするなんて!」

 

「でも一真その直江とか言う男を倒してくれたからスッキリしたけどな」

 

一真は天子に招待状を投げ渡し天子はその内容を簡潔に言うと優花里たちがルクレールでの一件を思い出す

 

「一真君が戦ったんですか?」

 

「あぁ・・・」

 

「よっぽど腹が立ったのね・・・どれだけその直江がボッコボコにやられたのか想像が着くわね」

 

「確かに一真さんが怒ったのはあの時初めて見ましたが・・・あの時の姿はとても凛々しかったです///」

 

華がうっとりとした表情で言うのを沙織たちや何故かみほも頷き一真は苦笑いを浮かべていると

 

「お待たせしました大洗戦車・ライダーチームの皆さん、お入りください」

 

「すいませんがドライバーとロックシードは預からしてもらいます、お帰りになる際までにはバージョンアップをさせてもらいます」

 

 門が開きお出迎えと思われるまほ・エリカ・正均・不機嫌な頼道がみほたちを扇動し一真たちは正均たちに戦極ドライバーとロックシードを渡す

 

「お姉ちゃん・・・」

 

 みほの呟きが聞こえなかったのかまほは無言のまま構内まで案内し一真は複雑そうな表情をする

 

 その一真の姿を一度一真を打ち破った真名が構内の窓から確認し真紅の瞳の輝かせニヤける

 

「やっと来たか・・・」

 

「戦うつもりなの?」

 

 真名の呟きに黒森峰の制服を着た虎の体色のような金と黒の混ざった髪に花を模した飾りを付けた少女が睨みながら問いかけその隣でクセのあるダークグレーの髪に丸いネズミのような耳!?を付け腰からは同じくネズミの長い尻尾!?を付けた少女も睨み付ける

 

「ならお前たちが代わりに戦ってくれる?」

 

 真名は挑発地味た物言いをし2人は応えるようにゲネシスドライバーを取り出し装着しようとする

 

「ふんっ、お前たちと戦っても面白くもない、それに今の一真と戦うつもりはないよ」

 

 真名は鼻で笑ってそう言うと2人は意外そうに見る

 

「意外ね・・・一真を見たらすぐに飛び出すと思ったのに」

 

「楽しみって言うのは待ては待つ程楽しくなるんだよ、あの時の戦いも最高に楽しかったが、次はもっと一真が力を取り戻してからだ、あたいのドライバーとロックシードもやっと完成したし」

 

 ネズミの耳の少女に真名がそう答え今いる部屋から出ようとする

 

「お前たちやあの尼はどうなの?」

 

「私たちは・・・一真が失った宝を取り戻し再び一真を抹殺しようとする輩共を排除するだけだ」

 

「宝・・・「笑顔と夢」か、仮にも寺に勤めていた奴が言う言葉じゃないが・・・利害は一致しているようだな」

 

 虎のような髪の少女は真名を問いに決意の眼差しで答えると真名はそう答え部屋を出た

 

「まさかあの龍神真名が総一に協力するとは・・・」

 

「気にするな「ナズーリン」、我々はやるべき事をやるだけだ、「白蓮様」の為に!」

 

 ネズミの耳の少女「ナズーリン」に虎のような髪の少女はそう強く答えるとナズーリンはニヤける

 

「自分の為でもありますよね~、勿論私は自分の為ですよ~♪」

 

「バッバカを言うな!?、誰が一真の為に・・・」

 

「あれ~私は一真の為なんて一言も言ってませんよ~」

 

「ナッ!?ナズーリーン~!!」

 

 虎の髪の少女「寅丸 星(とらまる せい)」はナズーリンの引っ掛けに顔を真っ赤にして怒鳴った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#####

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                『黒森峰学園 機甲科 戦車格納室』

 

 一真たちは戦車チームの現在黒森峰が主戦力で使われているパンターシリーズやティーガーを筆頭とするアニマルシリーズの戦車が並んでいた

 

「お~!!、パンターやティーガーⅠとⅡそれにエレファント!!、流石は黒森峰が所有する第2次世界大戦時のドイツ軍を支えた栄光の戦車たちです!!」

 

「確かに・・・これは壮観な眺めだな!」

 

 当然の如く優花里やカバさんチームの代表であるエルヴィンがテンションが振り切れそうな様子で言う

 

「写真を撮っても良いですか?」

 

「良いですよ、この後には自由時間も用意していますので記念撮影も満足頂けるまでやってください」

 

 一真の問いにエリカが営業スマイルのような笑みで答え一真は違和感を感じる

 

「そんな他人行儀にならなくても・・・みほちゃんもいるんですしなんならゆっくり話しても・・・」

 

(そんな事出来るわけないでしょう、周りを見てみなさい)

 

 エリカの小言に一真は辺りを見ると窓や扉の隙間からこちらを見る奇異な視線・睨む者や逆に心配そうな悲しそうに見る者が飛び交う

 

(あんたはみほから話を聞いているでしょう?、今の機甲科はみほを歓迎する者ばかりじゃない・・・みほを頼んだわよ)

 

 エリカの頼みに一真は頷き黒森峰の生徒たちの視線に気付いたみほが怯えるが肩に優しく手を置いた一真は小さく頷くと何故かみほは安心感を感じる

 

(みほ・・・すまない、今の私では守ってやれない・・・ありがとう破神一真、今までもそうやってみほを守ってくれたんだな)

 

 そんなみほと一真にまほがそう思いながらも進行を続け正均は複雑そうな表情でみほを見る傍らでは頼道が憎々しげに一真を睨んでいた

 

「次は私たち黒森峰ゲネシスライダーチームが実際に使っているライダーシステムが保管している保管庫に行きます、そこにはこれまで我々が戦ってきた全戦闘データも保管されています」

 

「へぇ~そいつは凄いな」

 

「でもそんなに見せても良いのか?」

 

「はい、学校側にも許可も得ていますので気兼ねなく閲覧してください」

 

 戦車格納室からライダーシステム保管室に向かう道中、一真は不意に真上を気になり見上げると大きなUFOのような物が吊り下がっているのを発見する

 

「あれはなんですか?」

 

「あれはこの学園艦に偶然墜落したUFOです」

 

「本当ですか?」

 

 黒森峰らしからぬ発言に一真たちは耳を疑い尋ねる

 

「冗談です」

 

 正均が笑みを浮かべて答え大洗の一同は苦笑するが一真だけはそのUFOのような物に既視感があった

 

(あのUFO・・・何処となく・・・あの人の・・・)

 

「どうした一真?」

 

「あっいや・・・なんでもないよ」

 

 麻子に呼ばれ気になりながらも一真は後を付いて行く

 

「一真・・・元気そうで安心したよ・・・」

 

 そのUFOのような物の上には黒髪のショートボブで右の後ろ髪だけが外に跳ねた左右非対称の髪型をした少女が一真を見て微笑みながら言い青いラインの入ったノートのようなホルダーを開きその中に入っている赤いタカ・黄色いトラ・緑のバッタなどの18のメダルを懐かしむように見る

 

 その一枚であるタカのメダルを手に取り握り締めると少女の瞳が赤く光る

 

「もうお前にこんな物を使わせない為にも今の私がいる・・・お前に・・・「欲望」は似合わない」

 

 少女はクジャクとコンドルのメダルも手に取り握り締めると巨大な2つの赤い翼が生え!?そのまま飛び去った

 

(これは・・・まさか!?)

 

 偶然にも少女が落とした赤い羽根の1枚が一真の目の前に舞い一真は拾うと驚愕し先程のUFOのような物を見る

 

(まさか黒森峰にいたのか・・・「ぬえちゃん」?)

 

 一真は翼を生やす事が出来る!?少女「ぬえ」の名前を呟く

 

 するとある黒森峰の男子生徒と一真たちの目の前に立ち塞がる

 

「どうした?、保管室の準備は出来たのか?」

 

「どうしてですか西住隊長!・國村隊長!、なんでこんな無名校の奴ら相手に我々が下手に出なければいけないんですか!?」

 

 どうやら一真たちを快く思わない者たちであり納得が行かずに出て来てしまったようだった

 

「我々は無礼を働いてしまった、無礼を働いたら相応な侘びをしなければいけないのは当然な事だ、破神教官も言っていた事だ」

 

「それに大洗チームはサンダースチームを打ち破ったチームだ、間違いなくこれから注目されるチームの1つだ」

 

「そんなマグレの勝利なんか!・・・それに・・・!!」

 

 まほや正均の言葉にも耳を貸さず黒森峰の男子生徒の1人がそう声を荒らげてみほを睨む

 

「私たちの元を去った腰抜けがのうのうと!!」

 

「あっ・・・私は・・・」

 

「みほちゃんに文句があるなら、俺が聞きますよ・・・!」

 

 怯えるみほを庇うように一真が立ち黒森峰の男子生徒を以前ルクレールで頼道が膝まづいた程の眼力で睨む

 

(やはりこの眼力・・・父親譲り・・・いや!?)

 

まほがそう考えていると急に男子生徒が震え上がり白目を向いて倒れてしまった!

 

「一体何をしたんだ!?」

 

「どうしてでしょうねぇ~・・・」

 

「くっ!」

 

(まぁ一真の「あれ」に当てられたら普通の人間はああなるだろうね、昔だったらあたしでも失神したよ)

 

 別の男子生徒が一真に詰め寄ろうとし天子は無理もなさそうに考えていると頼道はルクレールでの一件のせいかまた身体に震えが起きる

 

「何をしたか答えろ!!」

 

「お前たち何をしている?」

 

 今にも殴りかかりそうな男子生徒だがいつものスーツ姿の総一が現れ周りにいた黒森峰の生徒全員が息を呑む

 

「こっ・・・こいつの変な手品のせいで1人倒れてしまって!」

 

「ほぉ・・・」

 

 少し慌てながらも男子生徒が答え総一は倒れた生徒と一真を見る

 

「國村・直江、予定を変更して先に特別演習をしろ、既に準備は済ましてある」

 

「了解、すいません大洗チームの皆さん、先に特別演習から行ってもよろしいですか?」

 

「別に良いですよ~」

 

 杏が答えると一真たちはトレーニングルームを向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#####

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               『黒森峰学園機甲科 トレーニングルーム』

 

 一真たちは中央に大きなリング状のステージの天井に何かの装置が置かれ周りも近代的な機器が置かれたトレーニングルームに到着する

 

「ここってトレーニングルームですよね?、なんでこんなにメカが多いんですか?」

 

「それはすぐに理由は分かる、直江と事前に発表した20名と・・・一真、ステージに上がれ」

 

 総一の指示に幽香が何か言おうとするが一真が止め頼道たちと共にステージに上がる

 

「一真さんはドライバーもロックシードも預けているのにどうやって戦うんですか?」

 

「破神君なら生身でも戦えそうだね~」

 

「案外外れてもないから困るんだよな・・・」

 

「でもあの人数であのステージは狭すぎるんじゃ・・・」

 

 大洗チームメンバーが思い思いの疑問を投げ掛けると妖夢がジュラルミンケースを片手に総一に駆け寄る

 

「破神教官、例の物をお持ちしました」

 

 妖夢は総一にジュラルミンケースを渡し中身を確認した総一は頷く

 

「ならもっと広い場所に「移ろう」か、その前に一真、これを受け取れ」

 

 総一はそう言って一真にジュラルミンケースを投げ渡し一真は総一に目を向けると隣にいた妖夢に気付く

 

「妖夢さん!」

 

 一真が妖夢の名前を言った直後、総一は懐から取り出したリモコンのボタンを押す

 

 するとステージにいた一真や頼道たちが中央の装置から発せられた光で瞬く間に消えてしまった!

 

「っ!?、一真さんたちが消えた!?」

 

「どっ何処に行っちゃったの!?」

 

「それは隣の計測室で話そう」

 

 梓や典子たち大洗チームが驚き総一の言葉で隣の計測室に入っていくがみほや沙織たちにはそれよりも気になる事があった

 

(あの刀を背負っている人はもしかして・・・一真君の友達なのかな?)

 

 みほたちがそんな疑問を持っているとは知らず妖夢が穏やかな笑みを浮かべていた

 

(一真・・・少しだけでも顔を見れて良かった)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#####

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           『人工衛星トリフネ内部 擬似ヘルヘイムの森』

 

「ここは・・・ヘルヘイムの森・・・にしてはいつもの不気味な雰囲気が全くない」

 

 一真はステージから急にヘルヘイムの森に似た場所に飛ばされるも特に動じずに辺りを見渡しそう言う

 

「そこは擬似的に作り出したヘルヘイムの森だ、そして人工衛星トリフネの内部でもある」

 

 すると森に総一の声が響き一真がいる場所を説明する

 

「人工衛星って・・・一真さんは無事なんですよね?」

 

「あぁ問題ない、実際に見た方が早いだろう」

 

 華の質問に総一がそう答え正均に合図を送ると計測室にあるPCを操作しみほたちの目の前にあるモニターに擬似ヘルヘイムの森にいる一真の姿が映し出される

 

「では特別演習を開始する前にルールを説明する、15分間の間に一真は逃げ切るか黒森峰のライダーたちを戦闘不能状態したら勝ちだ」

 

 総一がルールを説明し終わると頼道たちが変身した仮面ライダーシュヴァルツ4人と残りの隊員はゲネシスドライバーと松ぼっくりの形をしたクリアーパーツのロックシード「マツボックリエナジーロックシード」で変身した黒影トルーパー・真が一真の周りを取り囲む

 

「ライダーだったら逃げたりしないよな~?」

 

「えぇ・・・逃げるつもりはありません」

 

 シュヴァルツの挑発に一真は臆せず答えジュラルミンケースを置いて構えを取る

 

 黒森峰の隊員は仮面の下で馬鹿にしたような笑みを浮かべながら見合う

 

「一真、お前はそのケースに入っている物を使え」

 

 総一の通信で一真はジュラルミンケースを不審そうに開ける、そこにあったのは・・・

 

「ゲネシスドライバーとメロンエナジーロックシード!?」

 

「先日戦極島でのゲーム大会で賞品として用意していた物の1つだ、お前が変身したら演習開始だ」

 

 一真はゲネシスドライバーとメロンエナジーロックシードを手に持つと天を仰ぐように上を見る

 

「っ!?」

 

 その時衣玖はまるでトラウマでも蘇ったように右腕が痙攣し必死に左腕で右腕を掴んで止めようとする

 

(衣玖さん、すぐに終わらせます!)

 

 一真は衣玖の状態が分かっているかのように心の中で呟きゲネシスドライバーを腰に装着しメロンエナジーロックシードを掲げる

 

「変身」

 

【メロンエナジー♪】

 

 一真はメロンエナジーロックシードを開錠し変身ポーズを決めてドライバーにセットしハンガーにロックを掛ける

 

【LOCK ON!】

 

 待機音声が流れると一真はシーボルコンプレッサーを握り締め一気に押し込む

 

【ソーダー! メロンエナジーアームズ!】

 

 頭上に降りてきたアームズがクルクルと回りながら一真の頭に覆い被さりメロディーと共に展開され一真は仮面ライダー鎧武に変身した!

 

「あれ?、確か前に変身した時は肩のアーマーって・・・」

 

「右肩に付いていましたが・・・」

 

「一真が左利きだからか?」

 

 以前総一が変身した時とのアームズの展開の仕方の差異に気付き口々に言い合うと総一は微笑する

 

(オートフィット機能・・・まぁ中々使われる事も知っている者もいない無駄な機能だと思ったがちゃんと役に立ったな)

 

 総一がそう思いながらもモニターに目を移す

 

(最初に鎧武を倒したライダーがあのメロンエナジーを貰える話だったな、あんな無名校にいる名前負けの奴なんて軽く一捻りだ!)

 

 すると1人の黒影トルーパー・真は総一との約束を思い出しニヤリと笑い戦列を飛び出して鎧武に仕掛ける!

 

「もらったぁぁぁ!!」

 

「っ!、はっ!」

 

 黒影トルーパー・真は影松を振り下ろすが鎧武はソニックアローで軽く弾き返し黒影トルーパー・真の腹部にミドルキックを叩き込む

 

「ぐっ!?」

 

「あいつ勝手に!!・・・俺たちは一気に仕掛けるぞ!!」

 

 頼道は独断先攻に腹を立てるも指示を出して一気に鎧武に畳み掛ける!

 

「ふっ甘い!!」

 

「なにっ!?」

 

「バカなっ!?」

 

 だが鎧武は頼道たち黒森峰のライダーたちの攻撃を全て躱しソニックアローを振るい切り付けていく

 

「なんだこいつは!?」

 

「我々の攻撃が通じないだと!?」

 

「態勢を立て直せ!、俺と他のシュヴァルツで遠距離から手数で倒す!」

 

 目の前の事実が信じられない黒森峰のライダーたちに頼道はすぐに指示を出して鎧武から距離を取り4人のシュヴァルツは弓部分を引き一斉に光矢を放つ

 

 だが鎧武はソニックアローで光矢を斬り払った直後連発でエネルギー矢を放つ

 

「なにっ!?、全員散開しろ!」

 

 頼道は咄嗟に指示を出して鎧武が放った光矢を避ける

 

「チマチマと待ってられるか!、一気に叩き潰してやるぜ!!」

 

「あんな英雄気取りに負ける訳がない!!、速攻で潰してやる!!」

 

 するとまた別の黒影トルーパー・真が堪忍袋の緒を切れそう言うと他の黒影トルーパー・真も呼応し鎧武に駆け寄る

 

(本当に吠えるだけの犬だな、まだあの直江という奴がマシに見える)

 

 鎧武は黒森峰のライダーを見て改めてそう思うと弓部分を引いてエネルギーを溜め真上に向かって光矢を放つ

 

 すると鎧武の放った光矢はメロンの形に変化しそこから複数の光矢が黒影トルーパー・真に向かって放たれる

 

「なにっ!?、ぐわぁぁぁ!!」

 

 マトモに受けてしまった黒影トルーパー・真たちは鎧から煙を出しながら倒れる!

 

「ちっ!、一気に必殺技で決めるぞ!」

 

 頼道は舌打ちをし指示を出すとシュヴァルツたちはシーボルコンプレッサーを1回押し込む

 

【【【【ソーダー! ライムエナジースカッシュ!】】】】

 

 シュヴァルツたちはソニックアローを振るいソニックスラッシュを浴びせようとする

 

【ソーダー! メロンエナジースカッシュ!】

 

 だが鎧武もシーボルコンプレッサーを1回押し込み刃部分に緑色のエネルギーが溜まると応戦するようにソニックスラッシュを放つ!

 

(4対1、流石にパワーではこちらに分がある!、今度こそ倒した!)

 

 数での優位で押し切れると確信する頼道だが

 

「ハァッ!!」

 

 鎧武の放ったソニックスラッシュはシュヴァルツたちが放ったソニックスラッシュを軽く切り裂きシュヴァルツたちに直撃する!

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!!」

 

「なん・・・だと!?」

 

「そんなバカなッ!?、あんな名前負けでゲネシスも初めて使う無名校のライダーにこけにされるなんて!!」

 

 未だ事実を受け止めれずそう叫ぶ黒森峰のライダーに総一と正均は大きな溜め息をつく

 

(ジンバーアームズを使いこなすのにゲネシスを使いこなせない訳がないだろう・・・あれほど演習前にサンダース戦での戦闘映像を見ろと言っていたのにな・・・)

 

 総一はそう心の中で呟き頭を抱えると正均も同様に頭を抱える

 

(そろそろお開きにするか・・・)

 

【LOCK OFF】

 

 鎧武はシュヴァルツたちに歩み寄りながらドライバーのロックシードを外しソニックアローにセットしロックを掛ける

 

【LOCK ON!】

 

「っ!、やらせるか!!」

 

 鎧武のソニックアローの刃部分にに再びエネルギーが溜まっていくと痛みに耐えながら立ち上がり鎧武に迫る2人のシュヴァルツと黒影トルーパー・真たち

 

「でやぁぁぁぁぁ!!」

 

【メロンエナジー!】

 

 だが鎧武は1回転しながら必殺の斬撃を放ち迫って来たシュヴァルツと黒影トルーパー・真たちに浴びせる

 

「「「「「うわぁぁぁぁぁ!!」」」」」

 

 受けたシュヴァルツと黒影トルーパー・真たちは断末魔を挙げながら派手に転げ倒れ強制変身解除されてしまった!

 

「今だっ!、もらったぁぁぁ!!」

 

【ライムエナジー!】

 

 すると他のシュヴァルツが鎧武が必殺技を放った隙を突いてソニックボレーを放つ

 

【LOCK ON! メロンエナジー!】

 

 だが鎧武は即座にロックシードのロックを外しすぐに掛けると悲鳴を挙げるようにソニックアローから電流が流れるも弓部分を引きながらソニックボレーを放ったシュヴァルツに向けて自分もソニックボレーを放つ!

 

「なんて反応速度!?、ぐわぁぁぁぁぁ!!」

 

 鎧武のソニックボレーがシュヴァルツのソニックボレーを貫通しシュヴァルツに直撃する!

 

 シュヴァルツは爆発し吹き飛ばされ強制変身解除されてしまった

 

「2度目はないはずだ!、これでぶっ潰れろ!!」

 

【ソーダー! ライムエナジースパーキング!!】

 

 最後に残った頼道は空高くジャンプしシーボルコンプレッサーを2回押し込む右足に緑色のエネルギーが溜まりライダーキック「ブリッツトレーテ」を浴びせようとする!

 

【LOCK OFF】

 

【LOCK ON!】

 

鎧武はロックシードを外しドライバーにセットし直すとまたも電流が走りドライバーに目が向く

 

「くたばれぇぇぇぇぇ!!」

 

「っ!」

 

 シュヴァルツは構わずにブリッツトレーテを鎧武に浴びせ大きな爆発を起きる!

 

(一真君!?)

 

(まさか破神一真はこれで破れた?)

 

 みほや大洗チームが心配そうにモニターを見つめまほが鎧武が負けたと思えずに疑うようにモニターを見る

 

「やったな・・・」

 

 シュヴァルツは確かな手応えを感じ自分の勝利を確信しながら後ろを振り向く

 

 そこには鎧武の姿はなく煙を上げ壊れたソニックアローが落ちていた

 

「なにっ!?、まさか!?」

 

【ソーダー! メロンエナジースパーキング!!】

 

 その光景に頼道は驚愕すると電子音声が聞こえ頼道は真上を見る

 

「ハァァァァァ・・・セイハァァァァァ!!」

 

 そこには無頼キックを浴びせようとする鎧武の姿がありシュヴァルツは防御は間に合わずに受けてしまう!

 

「おっ俺が2度も!?・・・うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 爆発が起きて頼道は吹き飛ばされそのまま強制変身解除されてしまい転げ倒れる

 

「演習終了、すぐに再転移の準備を済ますからその場で待機していろ」

 

 総一からの通信が入り一真はロックシードを元に戻し変身解除する

 

『バチバチバチ・・・ペキーン!』

 

 するとロックシードが黒く変色しドライバーから勝手に弾き飛ばされ粉々になるとドライバーも小刻みに爆発音が聞こえ勝手に身体から外れ地面に落ちた瞬間に黒い煙を上げて壊れてしまった

 

「やっぱり戦極島の時と同じ事が・・・あの時はドライバーが壊れなかっただけマシだったのか」

 

 一真は壊れたドライバーとロックシードを拾い上げてそう言うと総一は眉間にシワを寄せる

 

(元々チューニングでパワーは40%しか発揮できないはずですのに早々100・・・いや200%まで発揮してしまうとは・・・それにその他の数値も普段総一さんが発揮しているぐらいの数値を叩き出しました)

 

(そうか・・・今回の演習で無駄に自信とプライドだけは高いあいつらの鼻っ柱をへし折る事が出来たのは良いがまた一真の成長速度が格段に上がってきているとは・・・)

 

 総一は耳に付けていたインカムで別室で演習での戦闘データを取っていた里彩と小声で話す

 

(でも今回はカズ君じゃなくても良かったと思いますが・・・)

 

(その点については1つ確かめたい事があった)

 

 総一は里彩の問いにそう答えながら一真が勝利した事に安堵するみほたち大洗チームを見る

 

「教官、転移の準備が済みました」

 

「すぐに頼む、その後は昼食休憩を取ってくれ」

 

 総一の指示に正均はPCを操作するとトレーニングルームの装置から光が放出されると一真たちが転移してくる

 

「どうだ國村、一真の戦いを見てどう思う?」

 

「技術や経験なんかを飛び越えた底知れない強さを感じました、はっきり言って私が戦ってもまるで勝ち目なんてないと思います、ですが・・・」

 

「どうした?」

 

 言葉を詰まらせる正均に総一が尋ねると

 

「・・・・・なんで彼はあんなに辛そうに戦うのでしょうか?」

 

「國村、お前はやはり私が見込んだ男だ」

 

 正均の言葉に総一は少し嬉しそうに答えその場を後にする

 

(くっくそっ!!、なんで何も知らない無名校のライダーに2回も負けたんだ!!)

 

 学園に帰って来た頼道は悔しそうに床を叩き一真を睨んでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#####

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんなぁ~!、今日はたくさん用意しているからジャンジャンおかわりしてね~」

 

 その後みほたち大洗戦車チームは食堂に向かい黒森峰機甲科の生徒に混じって昼食を取っていた

 

「そういえば幽香さんたちは何処に行ったんですか?」

 

「あ~そう言えばさっき破神教官に呼ばれて教官室に向かったみたいだよ~」

 

 梓の問いに杏がそう答えるとみほは誰かを探すように辺りを見る

 

「どうしたのですか西住殿?」

 

「ううん、なんでもないよ」

 

 優花里にそう答え再び食事を取り始めるみほだがある事に気付いていた

 

(お姉ちゃんもいなくなっている・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 『黒森峰学園機甲科 教官室』

 

 みほたちが昼食を取っている頃、一真たち大洗のライダーチーム隊員は教官室に集められていた

 

「話って長くなるの?、結構お腹空いているんだけどなぁ~」

 

「大丈夫だそんなに時間は掛からない、お前たちに「ある物」を渡すだけだ」

 

 総一の答えに一真たちは疑問に持つと扉からノックが聞こえる

 

「入っていいぞ」

 

「失礼します」

 

 断りを入れて誰かが台車を押しながら入ってくるとその人物は一真たちが知る人物だった

 

「妖夢さん!、それに・・・」

 

「久しぶりねカズちゃん♪」

 

「その呼び方は相変わらずですね幽々子さん」

 

 台車を押しながら入ってくる妖夢と幽々子が教官室に入ると一真以外の全員に台車に載せていた黒いケースを渡す

 

「開けてみろ」

 

 天子は総一に促されケースを開け一真の隣にいる天子のケースを覗き込む

 

 そこにあったのは・・・

 

「これは!?」

 

「あ!・・・・あぁ!!・・・あぁぁ!!」

 

 天子たちが預けていた戦極ドライバーとロックシードにゲネシスドライバーと天子にはレモンエナジー・衣玖にはピーチエナジーとメロンエナジー・幽香にはメロンエナジー・夜罪にはチェリーエナジーロックシードが入っておりその事に衣玖が一番動揺していた

 

「お前たちのドライバーとロックシードはこの世界の水準までバージョンアップした、特に戦極ドライバーは現在実験重ねている「試作第6世代型」まで跳ね上げている」

 

「「試作第6世代型」?」  

 

 総一の説明であまり聞いた事のない単語が聞こえ夜罪はそう復唱する

 

「あぁ、試作第6世代型はドライバーの強度を上げる目的で最近発見された謎の鉱物「イザナギ物質」を使っている、この鉱物は使う者によって特性が変化するから未だに研究過程なんだがドライバーの強度が倍増する点では我々にとっては魅力的な鉱物だな」

 

「ふ~んそうなんだ・・・!?」

 

 総一の説明に一真は興味なさそうに答えるが何か気付いた様に衣玖を見る

 

 その時衣玖はケースを落とし蹲りカタカタと全身が震えながら頭を抱え込んでいた

 

「どうしたんですか衣玖さん!?、・・・これは!」

 

 一真は駆け寄り震えを止めるように衣玖の肩を抱き抱えると一真は衣玖がこうなった状態になった原因に気付く

 

「父さん・・・これは何の悪ふざけだ・・・!!」

 

「すまなかった、どうやら衣玖のケースには私の私物が混ざっていたようだ」

 

 一真は床に落ちたゲネシスドライバーとメロンエナジーロックシードを見て尋ねると総一は飄々と答えメロンエナジーロックシードを拾う

 

「ワザとじゃないだろうな・・・!!」

 

「さぁ・・・どうだろうな」

 

 一真は頼道に見せた以上に睨みを効かし天子たちや妖夢も息を呑むが総一には全く通じずニヤリと笑う

 

「一真、お前のドライバーとロックシードはさっきのトレーニングルームに忘れてしまったんだ、すまないが取って来てくれないか?」

 

 総一の問いに一真は怒りが収まらない様子だが天子を見て頷き合うと交代するように天子が衣玖を支え一真は握り拳を作って今にでも殴り掛かりそうな様子だが踵を返して部屋から出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               『黒森峰学園機甲科 トレーニングルーム』

 

 一真は1人トレーニングルームに戻り辺りを見渡すと出て行く時にはなかった黒いケースが中央のステージの真ん中に置かれていた

 

「これか・・・」

 

 一真はステージに上がり黒いケースを拾い開けて中身を確認する

 

 中身は預けていたドライバーとロックシードに新しいオレンジロックシードとレモンエナジーロックシードとゲネシスドライバーにメロンエナジーロックシードだった

 

「これでSSSランクが全種・・・いや、真名が使ったドラゴンフルーツも恐らくSSSランクだろうな」

 

 一真はそう呟くとステージから降りて部屋から出ようとする

 

(父さん・・・さっきのが故意にやったのなら俺は・・・!!)

 

「破神君、少し良いか?」

 

 一真はそう思いながらしかめっ面になるといきなり誰かに呼び止められる

 

「あなたは・・・みほちゃんのお姉さんの西住まほさん」

 

「君と場所を変えて話がしたい、少し付き合ってくれないか?」

 

「えぇ・・・それは構いませんよ」

 

 何故か一真を待っているその場にいたまほの頼みに一真は不思議そうにするも了承しまほの案内で別の場所に移動した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 『黒森峰学園機甲科 屋上デッキ』

 

 まほの案内で屋上までやってくると無言のまま背中を向けているまほに一真は落ち着かなさそうにする

 

「それで自分に話ってなんですか?」

 

 一真は痺れを切らして尋ねるとまほは振り返る

 

「サンダース戦での君の戦いぶりを見ても思ったけど今回の演習を見て余計に疑問に思った・・・」

 

 まほの勿体ぶった言い方に一真は怪訝そうに見る

 

「君は何故そこまでして自分を犠牲にして戦う事が出来る?」

 

 まほの問いかけに一真は真剣な表情でまほと見合うのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回ガイム&パンツァー!

 

 西住流後継者と破神流後継者、次代の戦車道とライダー道を担う2人の対談が始まる!

 

「私には理解できない・・・自分の為にしか戦車道を履修している私には」

 

「西住さんはもっとバカになれば良いんですよ」

 

 その頃天子たちは総一たちの追及を受け一真たちがこの世界に来た本当の理由を聞かされる!

 

「みほさん!、あの時はありがとうございました!」

 

「あなたは・・・」

 

 一方戦車チームではみほを敵視する者がいる中、みほに感謝を述べる者とは?

 

 第44話「ようこそ黒森峰へ!(後編) 西住流と破神流です」 

 

「俺はもう自分を犠牲にするつもりはありません、ある人と誓ったんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

今回はまさかの黒森峰へ訪問し何故か一真や天子たちにゲネシスドライバーとエナジーロックシードを与える総一など今後の展開を左右しかねない出来事が起きました

次回は一真とまほの対談に一真たちがこの世界に来た真相とみほと黒森峰と少しだけ和解をします

次回も乞うご期待です!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。