ガイム&パンツァー  戦車道・ライダー道極めます!   作:フルーツ大将軍

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お待たせしました、第37話です

今回は名前通りの沙織回です

ではどうぞ! 


第37話「一真君と沙織さんのヘルヘイム遭難記です!」

 これまでのガイム&パンツァーは

 

 戦車を捜索中に身動きが取れなくなったウサギさんチームたちを連れ帰る為に暗い艦内を進む一真とみほたち

 

 その頃、ウサギさんチームたちは心まで沈みかけるも沙織と幽香の励ましにより士気を回復する

 

 一真たちウサギさんチームたち救出の切り札として新アームズジンバーピーチアームズを使用し位置を特定する

 

 しかしまたもクラックが開きその異変に気付いた幽香と付いてきた沙織はインベスの襲撃に遭ってしまう!

 

 間一髪の所で間に合った一真に助けられひと安心するのも束の間怪我をした沙織をおぶっていた一真はクラックヘルヘイムと学園艦に繋がっていたクラックが閉じてしまった事によりヘルヘイムから抜けさせなくなってしまった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                      『ヘルヘイムの森』

 

 生い茂る木々にロックシードの元となるヘルヘイムの果実が実るヘルヘイムの森に取り残された沙織をおぶる一真はアテもなく森の中を歩いていた

 

「ごめん・・・俺のせいで」

 

「自分を責めないで一真君のせいじゃないよ」

 

 申し訳なさそうに謝る一真に沙織は励ますが表情は暗いままだった

 

「それより一真君、私って・・・重くない?」

 

「えっ?、全然むしろ軽いぐらいだけど、沙織ちゃん無理なダイエットとかしてないよね?」

 

 沙織は少し躊躇いながら尋ね一真は予想外な質問に呆気に取られるがそう答える

 

「そんな訳ないよ~!、体重をキープする為に頑張っているけど」

 

「そっか・・・それなら良いんだ」

 

 膨れっ面で言う沙織に一真は微笑する

 

「やっと笑ったね、最近の一真君無理している姿しか見ていなかったから」

 

「そんな事・・・ないよ」

 

 意味ありげに言う沙織に一真は顔を逸らして答える

 

「私やみぽりんたちみんな本当に一真君の事を心配している」

 

「・・・・・」

 

 心配そうに言う沙織に対し一真はまた影を落とし答えない

 

「なんでそんなに無理をするか理由は聞かないよ、でも私たちといる時ぐらいはもっと肩の力を抜いて良いんだよ」

 

「沙織ちゃん・・・分かった、ありがとう」

 

 沙織の言葉に一真は微笑みながら答え沙織も満面の笑みを返し一真はヘルヘイムの森の中を歩いていく

 

(一真君の背中って暖かくて落ち着く・・・)

 

 すると安心したのか沙織はそう思いながら麻子が一真の背中で気持ちよさそうにしていた事に納得していた

 

 それから数十分後・・・

 

 ひたすら歩く一真だが一向にクラックは見つからず一真と沙織は小川が流れる辺で休憩していた

 

「沙織ちゃん、左足は大丈夫?」

 

「まだ少し痛むかな」

 

 一真の問いに沙織は自分の左足首を見ながら答える

 

「少し見せてもらって良い?」

 

「えっ?、うん良いけど・・・」

 

 沙織は少し恥ずかしがりながらも靴を脱ぎ靴下も脱ぐと一真は腫れた左足首をまじまじと見始める

 

「そんなに腫れはひどくないな、これならすぐに治りそうだな」

 

「一真君って医療関係も詳しいんだ」

 

「永琳先生から少し教わっているだけさ、大した事じゃないよ」

 

 語る一真に沙織が尋ね一真は微笑するとそう答える

 

「少しハンカチ濡らしてくるからここで待ってて」

 

「うん、分かった」

 

 一真はそう言って沙織から離れ沙織は辺りを見渡すと腹の虫を鳴る

 

「そういえば、森に入ってどれぐらい経つんだろう?もう夕飯時なのかな?」

 

 沙織はそう呟いていると教科書でも習ったヘルヘイムの果実が目に入る

 

(あれ・・・なんだろう・・・すごく・・・美味しそう!)

 

 ヘルヘイムの果実の恐ろしさは沙織も知っていたがお腹が空いたのもあるのか段々とヘルヘイムの果実に手が伸びる

 

(これって・・・食べたらどんな味がするんだろう?)

 

 ヘルヘイムの果実が発する強烈な食欲に呑まれる沙織は果実を手に取る

 

「・・・して・・!?さ・・ちゃん!!」

 

 誰かの声にも耳を貸さずに果実に口を運ぼうとする!

 

「やめろ!!沙織ちゃん!!」

 

 すると戻ってきた一真がひったくるように果実を取り果実がロックシードに変化していく

 

「っ!!、ごめん一真君!!なんでか急に美味しそうに見えて・・・これって確か」

 

「あぁヘルヘイムの果実はベルトを持っていない者に強烈な食欲を促す作用がある、それに呑まれてしまったんだな」

 

 間一髪で沙織を救った一真はひと安心し濡らしてきたハンカチを沙織の左足首に当てる

 

「痛む?」

 

「ううん、もう大部良くなったみたい、ありがとう一真君」

 

 腫れた左足首もかなり良くなり笑顔で答える沙織は一真が持っているロックシードを見る

 

「一真君・・・それって」

 

「うん?、あぁ・・・これになったのか」

 

 一真も沙織に促され手に持つロックシードを見ると果実はオレンジロックシードに変わっていた

 

「すごい・・・本当にロックシードに変わるんだ」

 

「あぁこういう風にドライバーを持っているとヘルヘイムの果実がロックシードに変わるんだ、量産型かゲネシスドライバーがあれば良かったんだけど・・・」

 

 沙織は初めて見る光景に思わず呟き一真も説明し少し悩み始める

 

「そういえば一真君たちフルーツライダーさんのドライバーってゆかりんが言っていたけど「登録型戦極ドライバー」っていう種類なんだよね」

 

「そうだよ、変身者に合わせて調整出来るのが一番の特徴だけどその代わりに変身者以外はこのドライバーを使えないんだよね」

 

 一真はまたも沙織に説明し森に入ってからずっと付けている戦極ドライバーをつつく

 

「そうなんだ・・・ねぇ一真君?、さっきのオレンジロックシード貰っていい?」

 

「あぁ・・・良いけど、何に使うの?」

 

 一真は疑問に思いながらも沙織に手に入れたオレンジロックシードを渡し沙織は大事そうに受け取る

 

(なんでだろう・・・すごく一真君の想いと優しさが伝わってくる)

 

 沙織はそう感じ取り抱くようにしてロックシードを握りこれまでの一真の事を思い出す

 

(最初見た時はものすごいイケメンが来て騒いじゃったけど、仮面ライダーだしそれに神道コーポレーションの御曹司とは思えない程に性格良いし、到底私には手が届かない雲の上の存在と思ったけど・・・)

 

 初めて一真に会った時・初めてインベスに襲われ助けられた時・一緒に戦車の捜索した時これまでの試合そして華に話した一真の過去を

 

(一真君はとても苦労してボロボロになって、今も私たちの為に必死に頑張っているのを言わないけど見てるだけで分かる、おこまがしいかもしれないけど一真君を・・・少しでも支えたい!) 

 

「どうしたんだ?」

 

 決意を固めた沙織はまじまじと一真を見ると一真は怪訝そうに尋ねる

 

「一真君・・・私も一真君みたいに強くなれるかな?」

 

「・・・俺みたいに強くなる必要はないよ、みんな気配りが出来て親身になれる沙織はちゃんは充分は強い、俺はそう思っている」

 

 真剣な表情で尋ねる沙織に一真も沙織を見つめて真剣な表情で答える

 

「ほんとう?」

 

「あぁ!俺が保証する!」

 

 自信がなさげに尋ねる沙織に一真は満面の笑みで答えサムズアップをする

 

 すると沙織は突如顔を赤くし心臓の鼓動が人一倍大きく聞こえる

 

(なんでだろうすごくドキドキする!?、もしかしてこれって!?)

 

「どうしたんだ沙織はちゃん?、気分でも悪くなったの?」

 

 慌てて頬を隠す沙織に一真は覗き込むように見ると沙織は更に赤面しそっぽを向き一真に芽生えたある感情に気付く

 

(もしかして私は一真君の事をすっ!?・・・好きになちゃったの!?、でも!?華もゆかりんも一真君の事がそれに多分梓ちゃんも・・・でもやっぱり・・・私はこの気持ちに嘘はつきたくない!)

 

(俺に保証されても嬉しくないに決まっているし気持ちも悪くなるよな・・・最低な男である俺なんかじゃ・・・)

 

 自分の気持ちに素直になると決める沙織に対し一真は何故か自分で自分を気持ち悪がる

 

 そんな2人を遠くから眺める1つの人影があった

 

「全く、いつまでも手間をかけさせるんだから」

 

 人影は呆れ半分嬉しさ半分で言うと右手を一真たちがいる方向に向かって突き出す

 

(誰だ?、誰かが俺たちを見ている)

 

 その頃一真は謎の視線を感じをキョロキョロと辺りを見る

 

「一真君、どうした・・・!?、見て一真君!」

 

「っ!!、あれは!?」

 

 一真の様子が気になり尋ねる沙織だが突如何かに気が付いたように叫び一真も沙織が見ている方向を見ると

 

 そこには「クラックに非常に良く似た空間の裂け目」が現れる!、その先はなんと大洗女子学園に繋がっていた!

 

「やった~!!、これで学校に帰れる~!!」

 

 沙織は喜びのあまり足の腫れも気にせず一真に抱き着く!

 

「ちょっと沙織ちゃん!?、あっ!?・・・当たってる当たってる!!」

 

「えっ?・・・!?、ごっごめん!!」

 

 一真はいきなりの事に動揺しながら指摘すると沙織もようやく気付き茹でダコのように顔を真っ赤して離れる

 

「俺が相手でゴメンな、もっと良い男性が良かったよな」

 

「そっ!?そんな事ないよ一真君!!(寧ろ一真君じゃないと嫌だよ~)」

 

 いつものセリフを言う一真に必死に弁解する沙織だが左足の痛みがぶり返しその場で蹲る

 

「沙織ちゃん、また閉じたらあれだから急ぐよ」

 

「う・・・うん//////」

 

一真は沙織を背負う体勢になり沙織は照れながらも一真の背中に掴まる

 

「よし!じゃあ帰ろうか沙織ちゃん」

 

「うん!」

 

 一真と沙織はそう言い合うと一真は沙織をおぶって歩き無事裂け目から学園へと帰る事が出来た

 

「なんとか戻れたな沙織ちゃん・・・うん?」

 

「どうしたの?」

 

「あ・・・いや・・・」

 

 沙織に言葉を掛ける一真だが何か気付いた素振りを見せる

 

(これはクラックじゃない・・・まさかこれは!?)

 

 クラックに似ていたが「切れ目の両端はリボンで縛られている」空間の裂け目は一真が気付いた同時に閉じた

 

「クラック閉じちゃったね」

 

「まさか・・・あの人までこっちに?」

 

「誰かこっちに来るの?」

 

「いやなんでもないよ、それよりも早く左足の腫れを治してもらおう」

 

 一真は話題を逸らし沙織をおぶって保健室に向かった

 

「無事に帰る事が出来て良かったわね、一真」

 

 するとヘルヘイムの森にも謎の人影の正体八雲紫は微笑みながらそう言い指パッチンで現れた先程のクラックに似た空間の裂け目「スキマ」の中に入っていった

 

 その後保健室に向かい永琳の診察を受けた沙織は八意印の特製湿布で数分の内に完治したのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(みほサイド)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   『大洗学園艦 艦内通路』

 

「どうしよう!?、沙織さんと一真君が!?」

 

「110番ですか!?それとも119番ですか!?」

 

「いや恐らくここだと自衛隊じゃないか?」

 

「でも自衛隊の番号っていくつですか!?」

 

「落ち着きなさい!、私たちが取り乱してもどうにもならないわ!、私が総一に連絡するから、まず私たちは梓ちゃんたちを連れ帰るわよ!」

 

 取り乱すみほたちを何とか落ち着かせケータイで総一に電話をしながら梓たちの元に向かう

 

「・・・電話状態が悪い、これじゃあ繋がらない!」

 

 幽香は少し苛立ちながら何度もかけ直すが一向に繋がらなかった

 

「あっ幽香さん!、西住先輩たちも!・・・あれ?、破神先輩と武部先輩は?」

 

 数分後、ウサギさんチームがいる地点に到着したみほたちにあやがそう言って駆け寄るが一真と沙織がいない事に尋ねみほたちは答える事が出来なかった

 

「一体どうしたんですか?」

 

「実は・・・」

 

 梓にも尋ねられ答えようとする幽香のケータイに着信が入りみほのケータイにも着信が入るその相手は・・・

 

「っ!?、一真!?」

 

「沙織さん!?」

 

 互いに掛けてきた相手に驚く2人は通話ボタンを押し電話に出る

 

「もしもし一真!?、何処にいるの!?」

 

「沙織さん!?、今何処にいるんですか!?」

 

「今は保健室にいるけど」

 

「なんとか帰って来て今は保健室で八意先生に湿布を貰った所だよ」

 

 2人とも同じ事を尋ね一真と沙織もそれぞれの言い方で答える

 

「それにしてもいつ帰ってきたの?」

 

「ついさっきだよ、恐らく紫さんが開いてくれたスキマのおかげでね」

 

 幽香の問いに一真は近くにいた沙織には聞こえないように小声をで答え幽香は納得した表情をする

 

「そう、運良く学園前に開いたクラックで帰ってきたのね」

 

「あぁ・・・幽香たちはもう学校にいるのか?」

 

 次は一真が尋ね幽香は質問した意図が分からないような表情をする

 

「クラックが閉じてあなたから電話が掛かってくるまで精々5分ぐらいよ、そんな短時間で学園まで帰れるわけないでしょう」

 

「そんな・・・俺と沙織ちゃんはヘルヘイムに数十分はいたぞ」

 

 幽香はやれやれと言わんばかりに答え一真は時間のずれにそう呟き考え始める

 

(ヘルヘイムと繋がっている世界の時間の流れは同じはず、こんなに極端に変動しない・・・もしかして俺たちの世界とも人工的に繋がっている事でヘルヘイムの森の時間の流れがおかしくなりつつあるのか)

 

「どうしたの一真?」

 

 ある答えに至る一真だが幽香に尋ねられ我に戻る

 

「なんでもない、一度それについては父さんに聞いてみるよ」

 

「そう・・・梓ちゃんたちは私たちで連れ帰るからあなたは武部さんをお願いね」

 

 幽香は一真にそう答えると電話を切る

 

「お父さんがどうかしたの?」

 

「また「会わなきゃいけない理由」が出来てしまっただけだよ」

 

 沙織の問いに一真は意味深な言い方をし余計に沙織は分からなくなってしまう

 

 その後、みほたちはウサギさんチームを連れ帰る事に成功しウサギさんチームたちがいた地点で1両の戦車をみほたちが発見したのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(みほサイド OUT)

 

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               『大洗女子学園 仮設男子シャワー室』

 

 戦車チームとライダーチームの女子たちが大浴場で次の試合も頑張ろうと意気込みを語り和気あいあいとやっている中、一真は仮説で作られた男子用(ほぼ一真専用)のシャワー室で汗を流していた

 

(俺がモタモタしなければ沙織ちゃんをヘルヘイムの森に取り残す事もなかった!、それ以前に俺がもっと駆け付けていれば怪我も幽香が戦う事もなかったんだ!、全部・・・俺が弱いせいで!!)

 

 一真は握り拳を作り自分に責めて憎しみすら沸き思わず壁を殴ってしまう

 

 すると更衣室から設定していないケータイのアラーム音が聞こえ疑問に思いながらタオルで身体を拭きながらケータイを確認する

 

「っ!!、大洗町にクラック!?、しかも同時に3つも!?」

 

 アラーム音の正体は最近神道コーポレーションで開発された「クラック・インベス探知システム」であり、クラックまたそれに伴い出現するインベスが出現すると近くの軍事組織又はライダー隊員に通知されるシステムだった

 

「いつもの予兆がないって事は・・・誰かがロックシードで呼び出したのか!?」

 

 一真はそう言いながら一人では手に負えないと思い天子たちに電話するが・・・

 

「くっ!、なんでこんなに大きい「スイカ」がいくつも転がっているの・・・」

 

「っ?、忍私の胸に何か付いているの?」

 

「働いた後のお風呂は最高ね~」

 

「・・・いい湯だ」

 

 お風呂に浸かっておりケータイの呼び出し音に気付かない!

 

「やっぱりまだお風呂だな、いや天子たちを頼るのはお門違いだ」

 

 一真は手早く着替え髪の毛もまだ充分乾ききっていない状態で更衣室が出る

 

 その頃、巫女道の授業が終わり家に帰宅している最中の早苗は

 

「今日も疲れた~、今日の夕飯はカレーで良いかな?」

 

 夕飯のメニューを考えていると颯爽と走り抜ける一真と校門前で擦れ違う

 

「一真さん!?、どうしたんですか!?」

 

 早苗に気付かず走りながらサクラハリケーンロックビークルを開錠し投げるとビークルモードに変形し一真は飛び乗るとアクセル全開で突き進み時空間転移で大洗町に向かう!

 

「一真さん、まさかインベス退治に・・・でも」

 

 一真の必死さにそう予想する早苗だが一つ気になる事があった

 

「なんで天子たちは来ないの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                   『大洗町 商店街』

 

 まだ夕飯の買い出しに主婦や子供たちがいる時間帯、突如開いたクラックそして現れたインベスにより商店街は悲鳴とインベスの鳴き声が飛び交う地獄絵図に変わりつつあった

 

「あっ!」

 

「キシャアァァァ!」

 

 すると一人のツインテールの少女が何かに躓き転けてしまうと一体の初級インベスが鋭い爪で切り裂こうとする

 

「みーちゃん!!」

 

 母親と思われる女性の叫びも気にせずインベスは爪を振り下ろし少女も思わず目を瞑る・・・その時! 

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

 1台のバイクが飛び跳ね初級インベス向かって体当たりをする!

 

「ギシャアァァァァァ!!」

 

 インベスは悲鳴を挙げながら吹き飛ばされ体当たりしたバイク「サクラハリケーン」は着地し乗っていた一真は少女に駆け寄りながら被っていたヘルメットを脱ぎ捨てる

 

「大丈夫?、怪我はない?」

 

「・・・うん!」

 

「みーちゃん!!」

 

 一真は少女の目線の高さまで腰を落とし尋ねると少女は元気良く頷き母親も駆け寄る

 

「早く安全な場所に!!」

 

「ありがとうございます!!」

 

 一真は少女の母親に促すと母親は礼を言ってすぐさま少女を連れて逃げる

 

 すると一真はインベスたちを睨みながらゆっくりと立ち上がり戦極ドライバーを腰に装着しオレンジロックシードを取り出す

 

「変身!」

 

【オレンジ!】

 

 一真はロックシードを開錠し変身ポーズを決めるとドライバーにセットし殴りつけるようにロックを掛ける

 

【lock on!】

 

 待機音声が流れるとカッティングブレードでロックシードを切ろうとするが突然目眩に襲われる!

 

「もう誰もライダーに・・・戦わないようにする為にも俺が戦わなくちゃいけないんだ!」

 

 蓄積する一方の疲労とダメージにもう限界を超えていた一真だが自分に喝を入れカッティングブレードでロックシードを切る

 

【ソイヤ! オレンジアームズ! 花道 オンステージ!】

 

 頭上から降りてきたアームズが一真の頭に覆い被さり電子音声と共に一真は仮面ライダー鎧武に変身した!

 

「ここからが俺の舞台だ!」

 

 鎧武に変身した一真はいつもの決め台詞を言うと大橙丸と無双セイバーを構えてインベスたちに立ち向かっていく!

 

 そんな鎧武の勇姿を建物の屋上から眺める者がいた

 

「一真以外に来て欲しかったがまぁ良いか・・・このシステムの実験も出来たしどうやらあいつの力も衰えていないみたいだしな」

 

 眺めている黒森峰の制服のような着た真紅の瞳を輝かせる少女はケータイを片手にそう言うと微笑しその場を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

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                  『大洗女子学園 更衣室』

 

それから十数分後、みほたちと天子たち更衣室で着替えていると沙織は一真から貰ったオレンジロックシードを大事そうに持ち眺める

 

「武部殿、そのロックシードはどうしたんですか?」

 

「一真君とヘルヘイムで迷っていた時に偶然一真君がダブったこれを記念に貰ったの」

 

 優花里の問いに沙織は微笑みながら答え目を瞑りまるでロックシードに篭る温かみを感じようとしていた

 

(今は私の一番の宝物・・・)

 

(沙織・・・お前まさか?)

 

 そんな沙織の様子に麻子は自分が抱いている気持ちと同じ物を感じる

 

「あれ?、衣玖これってなに?」

 

 着替え中の天子はふとケータイに入っていた通知を開くが地図と数値だけの表示に意味が分からず隣で着替えていた衣玖に尋ねる

 

「これは?・・・・・っ!!、最近開発されたクラック・インベス探知システムです!、しかもこの場所は大洗町!?、2つは郊外ですが1つは商店街のど真ん中です!」

 

 衣玖の衝撃の発言にその場にいた全員が驚き天子は慌てて出ようとする

 

「ですが、この情報を見る限りクラックは既に閉じていますしインベスも倒されています!」

 

「よかった~・・・でも、一体誰が倒してくれたんだろう?」

 

「3箇所同時という事は相当な数のはずだ、軍隊でも出動したのか?」

 

 典子とエルヴィンはそう言い合うと衣玖はシステムにリンクされている人工衛星トリフネの衛星画像から調べると衣玖はかなり辛そうな表情をする

 

「・・・まさか」

 

「戦っていたライダーは1人・・・仮面ライダー鎧武です」

 

「一真君・・・」

 

 衣玖の表情に幽香は答えが薄々分かりながらも尋ねると衣玖の答えにみほたちが心配そうにし天子も着信履歴を見る

 

(やっぱりそういう意味であたしに掛けてきたんだな、久しぶりに奴が頼ってきたのに限ってあたしは・・・!)

 

 天子は一真からの電話に気付かなかった自分に怒りが沸くが

 

「ふんっ、大洗の総隊長ライダーを務めているのだから最低限それぐらい出来てもらわないとは」

 

 鼻で笑いさも当然のように言う桃に杏は冷ややかな目で見た後大きな溜め息をついた

 

 その頃、学園艦に帰ってきた一真は

 

(表示されていたクラックは確かに3箇所だったが商店街以外は1つは確かにクラックが開いた形跡があったが俺が駆けつけた時には既にインベスは倒されたしもう1つはクラックが開いた形跡すらなかった)

 

(システムのバクか?、でもインベスを倒したのは一体誰なんだ?)

 

 そう考え込みながら校門前に到着すると早苗が校門前で待っていた

 

「一真さん・・・」

 

「あれ?、もしかして早苗ちゃん!?、早苗ちゃんもこっち・・・!?」

 

 心配そうに呼ぶ早苗の声で初めて気付き驚愕する一真だがまたも目眩に襲われ膝を着いてしまい早苗が慌てて駆け寄る

 

「一真さん大丈夫ですか!?、すごい量の汗も流してまた無茶してるんじゃ!?」

 

「そ・・・そんな事は・・・ない・・・よ、お・・・俺は・・・自分に・・・出来るだけの・・・」

 

 早苗は一真の尋常じゃない様子にそんな予想が浮かび一真は息も絶え絶えになりながら答える

 

「天子たちは後で駆けつけたんですよね!?、まさか1人で・・・」

 

「一真!?それに早苗もどうしたの!?」

 

 早苗が尋ねようとすると下校途中の天子とみほたちに出会い一真と早苗に駆け寄ると早苗はある事に気付く

 

(シャンプーの香り・・・まさか!?、一真さんが戦っている時にのうのうと!!)

 

「あぁ・・・早苗ちゃんに再会した喜びでコケちゃって」

 

 怒りが沸き起こる早苗だが一真は平静を装い頭をさすり笑いながら答える

 

「じゃあその人も一真君の友達?」

 

「あぁ紹介するよ東風谷さ・・・あれ?」

 

 一真が早苗を紹介しようとするが早苗は何も言わずに歩きその場を後にするがその後ろ姿からは凄まじい怒気を天子たちは感じ一真は意味が分からなかったが天子たちには分かっていた

 

(多分あたしが早苗の立場なら怒るに決まっているはずだからな)

 

 無理もないと天子が考える中、早苗は意を決した表情をしケータイを取り出す誰かを掛け始めた

 

「・・・もしもし東風谷です、実は・・・」

 

 

 

 

 

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               『大洗学園艦 早苗の家』

 

 偉い人の目玉ぽい何かを集めるゴーストが出てもおかしくない丑三つ時、家族である神奈子・諏訪子の横で寝ていた早苗は起きると2人を起こなさいように静かに着替え身支度を済ませる

 

「行って来ます」

 

 早苗は小さい声で言った後、家を出てある場所に向かった

 

 

 

 

 

                   『艦舷の公園』

 

 深夜の公園に来た早苗は誰かを待つようにベンチに座っていた

 

(もう一真さんだけを戦わす訳にはいかない!、あの人たちが一真さんを苦しめるって言うなら・・・!)

 

 決意を固める早苗に「白くあまり見た事のない帽子を被り金髪に黄色の瞳をした少女」がジュラルミンケースを片手に早苗に歩み寄る

 

「・・・お久しぶりです」

 

「久しぶりね、早速だけど言われた物を持ってきたわよ」

 

 早苗は顔見知りのように挨拶をし金髪の少女も見知っているように答えジュラルミンケースを開け始める

 

「あの人は許してくれたんですか?」

 

「一応ね、丁度あなた用に作った物があったみたいだしあの人の事だから何か裏があるとは思っておいてね」

 

 不安そうに尋ねる早苗に金髪の少女も不思議そうに答えるとケースの中身を早苗に見せる

 

 その中身はミラクルフルーツの形をしたロックシードに戦極ドライバーだった

 

「・・・ありがたく受け取ります」

 

「そう・・・、所で一真君は元気にしている?」

 

 金髪の少女の問いに早苗は何も答えないが金髪の少女は早苗の辛そうな表情で察する

 

「そうなのね・・・一真君をお願いね」

 

「はい・・・メリーさん!」

 

 金髪の少女「マエリベリー・ハーン(通称メリー)」に強く答えメリーは満足そうに頷きケースを閉じて立ち去る

 

(この力で・・・一真さんを助けてみせる!)

 

 早苗はロックシードと戦極ドライバーを握り締め決意の篭った瞳で家に帰るのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回ガイム&パンツァー!

 

 新たなにライダーチームに加わる鈴仙そして

 

「私もライダーチームに加えさせてください!」

 

 突如ライダーチームに加入を申し出る早苗!

 

【ウドンゲ!】

 

【ミラクルフルーツ!】

 

 2人の実力は如何に!?

 

「私がやった事って間違いだったのかな?」

 

 そしてみほの過去に一真が言った言葉とは?

 

「お前との戦いを待ち焦がれていたぞ!、一真!!」

 

 襲いかかる最強の刺客に遂に一真は・・・

 

第38話「新ライダーと私の過去と最強のドラゴンライダーです!」

 

「しっかりしろ一真!・・・一真?、かずまぁぁぁぁぁ!!」 




いかがでしたか?

今回は沙織の攻略に遂に東方の自機組である早苗も動き出しました

次回は大洗の新ライダーのお披露目にみほの過去そして一真を狙う最強の刺客に遂に一真が・・・乞うご期待です!

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