ガイム&パンツァー 戦車道・ライダー道極めます! 作:フルーツ大将軍
今回はこれまでより少し長めになっています
ではどうぞ!
これまでのガイム&パンツァーは
戦車・ライダーチーム合同で2回目の戦車捜索が行われる手分けをして探し始める一真たち
その頃夜罪は1人でライダー変身者を探し旧知の仲である永琳・鈴仙や文・はたて・にとりに会う
その1人鈴仙がライダー変身者となる意思を見せ新たなライダー隊員として加わる事になった!
そして戦車捜索も新たな戦車と砲身を見つけ出す!
だが艦内を捜索していたウサギさんチームと沙織や幽香が遭難してしまい、新たなライダー隊員の鈴仙もただならぬ思惑を隠していた
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『大洗学園艦 艦内通路』
一真は遭難した沙織たちを連れ帰る為暗い艦内通路を懐中電灯を片手に歩いていたそしてその後ろをみほたちが後をつけるように追いかけていた
「・・・俺1人じゃ不安なのは分かるけど必ず沙織ちゃんたちを連れ帰るからみんなは帰った方が良い、今ならまだ引き返せる」
「いえ!、絶対に引き返しません!」
「私たちも沙織さんを助けたいんです!、それに・・・」
「一真君が無理してないか心配で・・・」
一真は足を止めみほたちに引き返すように言うがライトを付けた優花里やみほたちも頑なに拒否する、どうやら一真が無理をして倒れないか心配していたようだ
「・・・無理なんてしていないよ」
一真はそっぽを向いて答え再び歩き始めみほたちも一真を追いかける
そんなみほたちに一真はあまり面白くなさそうな表情をするが何も言わなくなる
すると何か金属が落ちたような音が通路に響く!
「「っ!!、きゃあぁぁぁぁぁ!!」」
みほと優花里は思わず悲鳴を上げ前にいた一真に抱きついてしまう!
「2人とも大丈夫だよ、恐らく何か通路の隅に置かれていた資材でも倒れただけだよ」
だが平然と答える一真は音がした方向に懐中電灯で照らす
「ほ・・・本当?」
「あぁ・・・あれが音の正体だ」
ビクビクしながら尋ねるみほに微笑みながら答え懐中電灯の先を見るように促し優花里もその先を見る
そこにはなんの変哲もない資材が倒れていただけだった
「大丈夫ですよ」
「そうなんだ・・・ビックリしたぁ~」
「本当です、心臓が止まるかと思いました」
全く動揺していなかった華は普通に通り過ぎるとみほと優花里は安心したのかそう言い合う
「あのぉ・・・2人とも・・・もう良いかな?」
「えっ?・・・っ!?、ごめん一真君!!」
「すっ・・・すいません一真殿!!」
やっと一真に抱きついていた事に気付いた2人は慌てて一真から離れる
(2人とも怖いのに沙織ちゃんたちを助ける為に必死で頑張っているんだ、その思いも無碍にさせる訳にいかないな)
一真はやれやれと溜め息をつくがそう考えみほたちを熱意を認め自分を心配しているのは単なる建前かオマケに過ぎないと確信していた
「麻子さん?、大丈夫?」
するとみほは立ち尽くしている麻子の様子が気になり尋ねる
「おっ・・・」
「おっ?」
「オバケは・・・早起き以上に無理!」
顔面蒼白で答える麻子に対し一真は左手を差し出す
「みんなで手を繋いで歩いた方が気が紛れるだろう?」
「えっ・・・うっうん/////」
笑顔で言う一真に麻子は急に赤面しながら一真の手を握る
「かっ一真殿!!、わっ私も!?・・・・・」
優花里もどもりながらも一真と手を繋ごうとするが嬉しそうな麻子を見て言葉を切る
「っ?、どうしたの優花里ちゃん?」
「あっいえ・・・私は良いです」
「私も良いよ一真君」
(私も一真さんと手を繋ぎたいです!、でもみほさんと秋山さんが断ったって事は冷泉さんは恐らく・・・なら今回は冷泉さんの邪魔をするわけにはいきませんね)
「一真さん、私も大丈夫です」
麻子の気持ちに気付いているみほと優花里は断ると華も麻子の気持ちに気付き断る
「そうか・・・俺だけじゃ嫌だよな?」
一真は自分だけでは麻子が嫌がると思い手を離そうとするが麻子は一真の手を離さず頭を大きく横に振る
「ごっごめん!、それならこのまま行こうか」
一真は慌てて謝り麻子と手を繋いだまま捜索を再開し麻子は恥ずかしながらもとても嬉しそうだった
#####
その頃遭難しているウサギさんチームと沙織・幽香は・・・
「お腹・・・空いたね」
「うん・・・」
「今晩は・・・ここで過ごすのかな?」
長く暗い場所にいて気持ちが沈んだのかウサギさんチームは不安の声を挙げ続々と泣き始めるが紗希は相変わらず明後日の方向を向いていた
「だっ・・・大丈夫だよ!あっそうだ!、私チョコ持っているからみんなで食べよう」
なんとか励まそうとする沙織は持っていたチョコを配る
「大丈夫よ・・・必ず一真が助けに来てくれるわ」
「ほっ・・・本当ですか?」
すると幽香も励まそうとそう言い梓が不安げに尋ねる
「えぇ・・・例えどんな過酷な状況でたった1人でも諦めずに助けに来る・・・そんな「バカ」だからね」
幽香は神妙な様子で答えとある日の出来事を思い出していた
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『幻想郷 ???』
「私とした事がこんなヘマをやらかすなんて・・・災難だわ」
幻想郷のとある森既に夜を迎えていた頃、傷だらけで木にもたれ掛かる1人の少女・・・「風見幽香」がいた
「あんな格下の妖怪に遅れるを取るとは・・・タイミングが悪かったけど「あいつ」の本気が見れただけでも良かった」
幽香はある「戦士」との戦闘の直後にどうやら幽香をよく思わない妖怪の襲撃に遭い命からがらここまで逃げてきていた
すると近くから下劣な笑い声が聞こえ段々と幽香に近づいて来た
「モウニガサネェゾー、ココデオマエコロシテヤル!」
「コイツニハカリガアル、コロスダケジャオシイ」
「コイツ、ナカナカイイオンナ♪」
すると恐らく幽香を襲撃したクモとトカゲを合体したような最早魔物に近いような斧や槍を持った妖怪たちが片言で幽香を吟味するような会話をしていた
(こんな奴らに好きにされるなんて・・・とうとう私も年貢の納め時ってやつね)
虫ずが走る幽香だがもう逃げる体力もなく助けなんて来るはずもなく諦めていた
(どうせなら・・・あいつとの戦いで私の人生を終わらせたかった・・・)
幽香は目を閉じある人物を想っていた、唯一心を躍らし自分の好きな花を焼き払おうとしてしまうぐらい夢中で戦った「外来人の戦士」を
「そこまでだ」
妖怪の1人が幽香に手を伸ばしもうすぐで届くその瞬間!
突如として聞こえた声に妖怪たちは振り返り幽香も重い瞼を開け始める
(ま・・・まさか?)
「ダレダ!、オマエ!」
すると妖怪たちの前には中学生ぐらいの少年が幽香と妖怪たちの前に立ちはだかり幽香を掴もうとした腕を掴み投げるように払うと妖怪の1人が怒鳴りながら尋ねる
『ガチャ!』
すると少年は何も答えず何か銀色のベルトのような物を腰に取り付け懐から幻想郷には不釣り合いな2つ折りにされた電子機器を取り出し電子機器を開く
「ナンダアレ?」
妖怪たち怪訝そうに見ていたが幽香は薄らと見えるそのベルトと電子機器に見憶えがあった
(な・・・なんで・・・あいつが?)
幽香が戸惑いを見せる中、声の主は何も答えずに電子機器に付いていたボタンを4回ほど押す
【----- by】
電子音声が聞こえ妖怪たちは身構える
「俺はこういう者だ、変身!」
すると少年はそう言い電子機器を畳みを勢い良く真上に掲げベルトのスロット部分に差し込みそして倒す
【-----te】
すると少年のベルトから真紅のラインが現れ赤い閃光に包まれると妖怪たちは眩しさに手で顔を覆い目を塞ぐ
だが幽香だけはその閃光に暖かさを感じ自然と目が潤う
「キサマ!、マサカ!?」
光が収束していくと少年は黒いボディーに銀色のメタリックな装甲そして闇夜も切り裂く真紅のラインが一層存在感を増す「戦士」に変身した!
「仮面・・・ライダー・・・」
幽香はそう言い残し力尽きたように倒れてしまった!
#####
『幻想郷 幽香の家』
「っ!!、あれ?・・・なんで家に?」
それから数時間が立ち朝を迎えた頃、幽香は目を覚めると自分の家のベットで寝ていた事に気付き負っていた怪我もちゃんと手当てがされていた
「おはようございます、だいぶ疲れていたみたいですね」
すると森で会った少年が挨拶をし少年が作ったと思われる朝食をテーブルの上に置く
「・・・聞いていた通りのお人好しね、私は人里の人間を襲いあんたは私を倒そうとした、なのになんであいつらから私を助けたの?」
事情を理解した幽香は少年を睨み質問をぶつけると少年は微笑する
「なんでって理由を尋ねられても・・・困っている誰かを助けるのが「-----の使命」です、それに風見さんの企みはもう見抜きましたから」
「企み?」
少年はさも当然のように答え幽香はある単語が気になり復唱する
「風見さんは俺とまた戦いたくて馴染みのお花屋の主人に襲われた振りをしてもらったのですね、わざわざ血糊まで使ってまんまと騙されましたよ」
少年はそう答え窓の外に見える沢山の向日葵を見て微笑み幽香はそんな少年に呆気に取られる
「でも私はあんたがさっき倒した同じ「妖怪」なのよ、それでも私を守るって言うの!?」
それでも幽香は自分のプライドが傷つけられたようで納得していなかった、自分は人間に恐れられる「妖怪」いつ本当に人間に襲うかもしれない、そして少年は戦士に変身する以外はなんの変哲もない「人間」にしか見えずしかもまだ子供だった
「自分とって妖怪も人間も変わりません、守りたい者は守る倒すべき悪は倒す!ただそれだけです、優しい妖怪もいれば怪物のような外道な人間だっています」
少年の答えに言葉を失う幽香
「自分は風見さんの事はあまり知りません、でも・・・」
「でも?」
「風見さんが咲かせた向日葵を見た時、とても心が暖かくなったんです、まるで天に輝き自分たちを見守る太陽の光に浴びてるようで・・・だから少なくとも風見さんは「良い人」だって思えたんです」
少年は向日葵を見ながら言い幽香も向日葵を見ると初めて少年と戦った事を思い出す
最初は噂で聞いた少年の不思議な力に興味を持ち戦いを仕掛け少年は渋々応じた
久しぶりに自分の力に付いていけるものに出会い楽しくなる幽香だが同時に少年が本気を出していない事に気付き本気を出させようとムキになってしまう
幽香はある大技を繰り出し少年は避けようとするが不意に後ろを振り返りある物に気付くと防御姿勢を取り技を受け止める
なんとか受け止めきった物の大きなダメージを受けてしまい少年は負けてしまう
最後まで本気を出さなかった事に嫌悪感を抱いた幽香は少年を自分の領域から追い払う
後に少年が幽香自ら育てた向日葵を守る為にワザと受けたのだと分かりずっと幽香は不思議に思い少年との再戦を望み現在に至っていた
(初めてね私の咲かせた向日葵を見てそんな事を言うなんて・・・でも悪い気はしないわね、それにこの子の事が少し分かった気がするしあの強さも秘密も)
何となく少年の真意に触れた幽香は穏やかな笑みが零れ少年に対しある感情が芽生え始める
「冷めない内に早く食べてくださいね風見さん」
「幽香って呼びなさい、あなたの名前は?」
幽香はそう答え少年の名前を尋ねる
「自分・・・俺の名前は破神・・・破神一真!、又の名を仮面ライダー!、よろしくな幽香!」
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『大洗学園艦 艦内通路』
幽香は思い出に浸っているとケータイにメールが受信され確認すると宛先は一真だった
「噂をすれば・・・みんな、一真からメールが来たわ、西住さんたちと一緒に近くまで来ているみたい「あともうすぐだからみんな頑張って!」ってね」
「はっ・・・破神先輩たちが!?・・・やったー!!これでお家に帰れる!!」
幽香は一同にメールの内容を見せると梓が今度は嬉し泣きをしながらそう叫びあゆみたちにも活力が漲ってきていた
「それまでお話でもしない?、何か聞きたい事はない?」
「あの~、幽香さんが転校する前の学校ってどんな学校でした~?」
「幽香さんってスタイル良いですけど何か特別な事でもやっているんですか!?」
「ゆっ幽香さんは破神先輩とはどっ何処で知り合ったんですか!?」
幽香は時間潰しに梓たちの質問を受けふと沙織と見るとありがとうと言っているように笑みを浮かべ頷き幽香もどう致しましてと行っているような頷きを交わした
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「ハックッション!・・・誰か噂でもしているのかな?」
「良く言われていますよね、実際はどうなんでしょうか?」
その頃一真は自分の事が話題になっているとはつい知らずくしゃみをしてしまいそんな迷信を言うがどうやら迷信でもなさそうだ
すると一真たちは通路に表示されていた案内図を見つける
「第17予備倉庫近くならこの辺りだと思うんだけど・・・」
「もう少しだな、あとは道さえ間違えなければ順調に行けるけど」
みほは案内図を見ながら言い一真も地図を確認しそう答える
すると突如戦車の砲撃音のような着信音が聞こえ麻子は驚いてしまうと一真は落ち着かせようとしてか麻子の頭を撫でる
「あっカエサル殿だ、はい!」
どうやら電話の相手はカエサルであり優花里は電話に出る
「西を探せ、グデーリアン」
「西部戦線ですね、了解です!」
優花里はそう答え電話を切る
「誰だそれは?」
「魂の名前を付けてもらったんです!」
「そう言えば天子にもあったな・・・でもバロンって男爵という意味なんだけど」
優花里の妙なあだ名に麻子が尋ねる優花里は嬉しそうに答えると一真は納得したように言う
「しかし西と言っても」
「大丈夫です、コンパス持っています!」
だが暗い艦内で方角が分からず華がそう呟くと優花里はコンパスを取り出す
「流石だな優花里ちゃん、頼りになるよ」
「そっそうですか~/////」
一真は優花里を褒めると優花里はいつになく照れてしまい華は少し羨ましそうに見ていた
「華さんも的確なクエスチョンだ!、かなり砲手が板に付いてきたかな♪」
「そっ・・・そんな事は!?・・・ありがとうございます/////」
だが華の様子に気付いた一真は華も褒めると華も同様にかなり照れてしまう
(一真君、これで無自覚ってすごい)
まるで2人の気持ちを見抜いている一真の言動にみほは苦笑いを浮かべる
だが一真は全く2人いや3人いやもっと沢山の自分への好意は気付いていなかった
「でもなんで西なんだ?」
「卦、だそうです」
「えっ・・・」
(占いか・・・あまりアテにはしたくないなぁ・・・)
西に向かって進んでいると麻子が西に向かう理由を尋ね優花里の答えに一真とみほは難色を示す
「当たるも八卦、当たらぬも八卦ですね」
「でももっと確かな方法はないのか?」
華と麻子はそう言い合うと一真は足を止めると少し考えある事を思い付く
「こういう時にはこれを使うか!」
一真はそう言うと戦極ドライバーを取り出し腰に装着する
「鎧武に変身するの?、確かに視力や聴力も良くなるけど」
「実は聴力を「抜群に上げる」方法が1つあるんだ」
変身しようとする一真にみほは懐疑的な事を言うが一真は自信満々に答えライダーインジケータを取り外しゲネシスコアを装填する
「っ!?、まさか!?」
「そのまさかかもな」
優花里は一真がやろうとしている事に気付くと一真はオレンジロックシードと桃の形をしたクリアーパーツのロックシード「ピーチエナジーロックシード」を取り出す
【オレンジ!】
【ピーチエナジー♪】
「おぉ!!、4種類のSSSランクの1つピーチエナジーロックシード!!、まさか本物を生で見れるなんてー!!」
一真は2つのロックシードを開錠し優花里のテンションは振り切る寸前だが頭上の2つのクラックからオレンジアームズと桃の形をした鎧「ピーチエナジーアームズ」をゆっくりと降りてくる
【lock on!】
一真はオレンジロックシードをドライバーにピーチエナジーロックシードをゲネシスコアにセットしロックを掛けそのままカッティングブレードでロックシードを切るとピーチエナジーロックシードも展開される
【ソイヤ! ミックス! オレンジアームズ! 花道 オンステージ!】
2つのアームズは合体しジンバーアームズになると一真の頭に覆い被さり!
【ジンバーピーチ! ハハーッ!!】
そして電子音声とともにアームズが展開され胸部のパネルが鎧武の紋章に桃の断面となり一真は鎧武ジンバーピーチアームズに変身した!
「こっ!これが幻と言われたジンバーアームズ!?、しかも一番制御が難しいSSSランクのエナジーロックシードとの組み合わせ!!、まさかこの眼で拝める日が来るなんて戦車とライダーの神様に感謝の言葉にしかないですー!!」
「かなり大げさだな・・・」
優花里は歓喜のあまり叫んでしまい鎧武に変身した一真は仮面の下で苦笑いを浮かべる
「すごいです・・・オレンジアームズとは何か迫力が違います!」
「何だかすごく強い武将みたいだな・・・」
(これがジンバーアームズ・・・破神教官は変身出来るみたいけど実際に使用したのは一真君が初めてなんだよね)
華や麻子そしてみほまでも鎧武ジンバーアームズに魅せられているが鎧武は何も答えず精神を集中させているようだった
「一真どうした?」
麻子が尋ねるも何も答えず鎧武は精神を集中し耳を澄ます
「・・・・・そうなのよ、一真って結構抜けているのよ♪」
すると鎧武はなんと遠くにいる幽香たちの話し声を聴き取る!
「よしっ聴こえた!、ここから西へ1キロ・・・卦、当たっていたな」
鎧武はそう言いカバさんチームの八卦が当たっていた事に驚く
「そうみたいですね」
華がそう答え再び進み始め鎧武も変身解除する
「一真殿!、もしかしてジンバーアームズには何か特殊な能力が備わっているんですか!?」
「あぁ、ゲネシスコアにセットするエナジーロックシードによって能力が変わるんだ、さっきのピーチエナジーは遠くの微かな音まで聴こえる「超聴力能力」になる」
未だテンションが上がっている優花里の質問に一真は答える
「それですとノーマルロックシードを変えたらまた能力が変わりそうですね!」
「確かにそういう事になるね、今度また試して・・・っ!!」
優花里に答える一真は突如クラックが開く前兆と思われる妙な感覚に襲われる!
「まさか・・・まずい沙織ちゃんたちが!?」
「一真君!?」
一真は麻子の手を離しみほの呼び止めも聞かず一心不乱に走っていった
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「ギシャアァァァ・・・」
(この鳴き声は!?)
その頃、助けを待つ幽香も異変に気付く
「みんな、一真たちが近くまで来たみたい、私が誘導してくるからここで待ってて」
「じゃあ私も!」
幽香は沙織たちに気付かれないようにそう言って確かに行こうとすると沙織も同行しようとする
「1人で大丈夫だから武部さんはみんなをお願い」
幽香はそう答え1人で向かう
「ゴメンね、心配だから私も行ってくるよ」
だがなにか隠しているように思えた沙織はそう梓たちに断って幽香の後を追いかけた
「・・・いない?、ただの空耳だったのかしら?」
丁度一真がいた所と幽香たちがいた所の中間地点、幽香は急いで来たが何も異常がない事に安心する
「風見さ~ん!、そんな急いでどうしたんですか!?」
「いえ何もないわよ、ここまで付いて来たのなら武部さんも一緒に・・・」
急いで追いかけてきた沙織に幽香は苦笑いを浮かべながら答えようとするが
脅威は既にすぐ近くにいた!
「ギシャアァァァァァ!!」
「っ!!、武部!!」
突如初級インベスが襲い掛かり咄嗟に幽香は突き飛ばしインベスの鋭い爪を受け止める!
「武部!早く逃げなさい!」
「はっはい!」
幽香は沙織を逃がし初級インベスの腹を蹴り怯んでいる隙に戦極ドライバーを装着しメロンロックシードを取り出す
「キシャアァァァァァ!!」
「っ!!、きゃあぁぁぁぁ!!」
だが新たに現れたカマキリインベスに沙織はクラックの先にあるヘルヘイムの森に投げ飛ばされる!
「そんなっ!?、あんな所に!?」
クラックが開いた場所は先程幽香が見た時には資材が積まれておりまさかあんな場所に開くはずがないと見落としていた
すると幽香の動揺を着くようにクラックから現れたコウモリインベスが幽香に襲いかかり幽香は間一髪で避けていくが一発の攻撃が幽香が持つロックシードに当たり弾き飛ばされる
「しまった!?」
咄嗟に取りに行こうとするがコウモリインベスの突進を受け壁に叩き付けられてしまう!
(まずい!!、このままじゃ武部が!?)
その頃沙織は左足を抱えながらも後ずさって行くが木に阻まれてしまいそのままヘたれ込んでしまう
「ギシャアァァァァァ!!」
「キシャアァァァァァ!!」
徐々に距離を詰めてくるインベスに沙織は恐怖と死を感じる
「わっ・・・私はここで死ぬの?・・・まだ彼氏も作ってないのに・・・」
沙織は無意識にそう呟き一体のインベスが腕を振り上げ沙織に振り降ろそうとする
(風見さん!、誰か助けてっ!!)
沙織は咄嗟に目を瞑り心の中で助けを求める!・・・その時!
幽香とコウモリインベスの前を何者かが走り去り初級インベスの攻撃を掻い潜ってクラックの中に入っていく
「はぁぁぁぁぁ!!」
するとその者は沙織に襲いかかろうとするインベスを羽交い締めに沙織から遠ざける
「・・・あれ?・・・まさか!?」
いつまでも襲いかかってこない事に不思議に思い沙織は目を開いて辺りを見る・・・そこには
「はっ!、たっ!、おりりゃあぁぁぁ!!」
インベスの攻撃を避けパンチを浴びせキックを叩き込んで応戦する一真がいた!
「沙織ちゃん!?、大丈夫!?」
「うん・・・だいじょう・・・イタッ!」
沙織に駆け寄る一真は心配そうに尋ね沙織は立ち上がろうとするが左足首に激痛が走る
「沙織ちゃん足を!、待っててすぐにあいつらを倒す!」
足の状態に気付いた一真はそう言い立ち上がるとインベスたちを睨む
「よくも幽香と沙織ちゃんをこんな目に!、絶対に許さねぇ!!」
インベスたちに怒りを露わにする一真は戦極ドライバーを装着しオレンジロックシードを掲げる
「変身!!」
【オレンジ!】
一真はロックシードを開錠し変身ポーズを決めるとドライバーにセットし叩き付けるようにロックを掛けカッティングブレードを倒す
【lock on! ソイヤ!】
すると頭上に降りてきたアームズが一真の頭に覆い被さり!
【オレンジアームズ! 花道 オンステージ!】
電子音声と共にアームズが展開され一真は仮面ライダー鎧武に変身した!
「ここからが俺の舞台だ!!」
鎧武に変身した一真は戦闘開始の如く言い放ち大橙丸を構えてインベスたちに突撃した!
「一真!、また無茶して!!」
その頃幽香はコウモリインベスを押しのけミドルキックを叩き込んだ反動で低い潜り込みのようなジャンプをし落としたロックシードを拾う
「変身!」
【メロン!】
幽香はロックシードを開錠するといつもの変身ポーズは決めずそのままドライバーにセットしロックを掛けカッティングブレードでロックシードを切る
【lock on! ソイヤ!】
すると幽香の頭上から降りてきたアームズが頭に覆い被さり!
【メロンアームズ! 天・下・御・免!】
電子音声と共にアームズが展開され幽香は仮面ライダー斬月に変身した!
「食らいなさい!」
斬月は無双セイバーを抜刀しインベスたちを切り付けていきヘルヘイムの森へと追いやっていく
「幽香!、怪我はないか!?」
「こんな奴らに負けるわけないでしょ?、一真こそ無茶してないわよね!」
鎧武と斬月はそう言い合いながらインベスたちを切りつけていく
「よしっ!、幽香決めるぞ!」
「言われなくても!」
そしてある程度インベスたちを追い詰めた鎧武と斬月はカッティングブレードをそれぞれ1回ずつ倒す
【ソイヤ! オレンジスカッシュ!】
【ソイヤ! メロンスカッシュ!】
鎧武の大橙丸と斬月の無双セイバーにエネルギーが溜まり!
「セイハァァァァァ!!」
「はっ!」
掛け声と共にインベスたちを切り裂きインベスたちは爆散した!
「これで全部ね、少し疲れたわね~」
斬月はひと安心し無双セイバーを帯刀しヘルヘイムの森から出ようとする
「いや・・・まだだ」
だが鎧武は辺りを見渡して警戒する
「一真君、もう近くにはインベスはいないよ?」
沙織も左足を庇いながら歩き鎧武に言うが依然鎧武は警戒を解かない
(確かにまだインベスの気配を感じる!、何処にいるんだ?)
すると鎧武はライダーインジケーターを取り外しゲネシスコアを装填しピーチーエナジーロックシードを取り出す
【ピーチーエナジー♪】
鎧武はエナジーロックシードを開錠するとドライバーにセットしていたロックシードが自動的に元に戻りロックが外れエナジーロックシードをゲネシスコアにセットし2つのロックシードのロックを掛ける
【lock on!】
待機音声が流れオレンジアームズが元に戻り鎧武の頭上から降りてきたピーチエナジーアームズと融合しジンバーアームズに変化すると鎧武はカッティングブレードでロックシードを切り同時にピーチエナジーロックシードも展開される
【ソイヤ! ミックス! オレンジアームズ! 花道 オンステージ!】
すると鎧武の頭にジンバーアームズが覆い被さり!
【ジンバーピーチ! ハハッー!!】
電子音声と共にアームズが展開され鎧武はジンバーアームズにアームズチェンジした!
「ジンバーピーチ・・・まさか本当にまだ近くにいるの!?」
ジンバーピーチアームズの能力を知っていた斬月は無双セイバーに手を掛けいつでも抜刀できる状態にし辺りを警戒する
「2人ともどうしたの?」
沙織が怪訝そうに尋ねるも鎧武は答えずに精神を集中させ耳を澄ませる
すると鎧武は沙織を見るとピーチエナジーロックシードを取り外しソニックアローにセットしロックを掛けカッティングブレードを1回倒す
【LOCK ON!】
【ソイヤ! オレンジスカッシュ!】
鎧武は弓部分を引いていき桃色のエネルギーが溜まっていきなんとソニックアローを沙織に向け狙いを定める!
「えっ・・・うそっ・・・一真・・・君?」
沙織は信じられない様子で怯えながら尋ねるが鎧武は何も答えない
「っ!?、悪ふざけはやめなさい!!」
斬月も鎧武の様子に気付き叱るも鎧武は何も反応を示さずに沙織に狙いを定める
「一真!!やめてぇぇぇぇぇ!!」
斬月の必死な叫びも虚しく鎧武は弓部分を離そうとする瞬間!
「沙織ちゃん伏せろ!!」
【ピーチエナジー!】
鎧武の叫びに沙織は腰を抜かしたように倒れた直後ソニックボレーを5連発で放つ!
「「「「「ギシャアァァァァァ!!」」」」」
すると沙織のすぐ後ろにまで迫っていた虫の翅が生えて飛行能力を獲得した「飛行体インベス」に全矢命中しインベスたちは断末魔を挙げながら爆散した!
その直後鎧武は変身解除をすると慌てて沙織に駆け寄る
「大丈夫か沙織ちゃん!?」
「うん・・・なんとかね・・・」
沙織は心配そうな表情で尋ねる一真に苦笑いで答える
「あいつらを確実に倒さないと沙織ちゃんが危ないと思って、怖い思いをさせてごめん沙織ちゃん」
「そうだったんだ・・・気にしてないよ、ありがとう一真君」
理由を説明し必死に謝る一真に沙織は笑顔で答える
「全く・・・今回は本気にしちゃったじゃない」
斬月も変身解除しやれやれと言わんばかりに言う
「一真君・沙織さん・風見さん!、大丈夫!?」
するとクラックの先からみほたちが到着し心配そうに尋ねる
「みぽり~ん!、大丈夫だよ~!」
「一真、武部さんをちゃんと連れてきなさいよ」
「あぁ、幽香は先に出てくれ、いつクラックが閉じるか分からないからな」
手を振って答える沙織に幽香は一真に促すと一真もヘルヘイムの森から出るように言い幽香は開いていたクラックから森を出る
「さっ俺たちも出るか」
「うん・・・あっ一真君ごめん・・・腰が抜けちゃって」
一真と沙織も森を出ようとするが沙織は申し訳なさそうに言う、流石の事に沙織が腰を抜かすのも仕方なかった
「それも当然だな、嫌だと思うけどおぶって行くよ」
「えっ!、そんな事ないよ一真君!、逆に私の方が迷惑かけちゃうよ~」
「そんな事ないと思うけど・・・さっ早く乗って」
互いに謙遜し合う一真と沙織だが沙織は少しドキドキしながら一真の背中に掴まり一真は沙織をおぶって森から出ようとする
「大丈夫?、一真君?」
「全然問題ないよ、なんでそんなに気にしてるの?」
必要以上に尋ねる沙織に一真は不思議そうにする
だがその時にはクラックが徐々に・・・
「っ!!、一真急ぎなさい!」
「っ!、しまった!?」
閉じている事に気付いていなかった、一真は慌てて走るが
「間に合わなかった・・・」
「どうしよう・・・学校に帰れなくなちゃった・・・」
クラックは完全に閉じてしまい間に合わなかった一真と沙織はヘルヘイムの森に取り残されてしまった!
次回ガイム&パンツァー!
ヘルヘイムの森に取り残される一真と沙織
「ごめん・・・俺のせいで」
「自分を責めないで一真君のせいじゃないよ」
互いに支え合う一真と沙織に近付く1つの影
「全く、いつまでも手間をかけさせるんだから」
果たして一真と沙織は学園に戻れるのか!?
第37話「一真君と沙織さんのヘルヘイム遭難記です!」
「一真君の背中って暖かくて落ち着く・・・」
「もう誰もライダーにならない為にも俺が戦わなくちゃいけないんだ!」
いかがでした?
新アームズジンバーピーチアームズの登場に少しばかり幽香の過去が明かされました、過去で一真が変身した仮面ライダーは一体?(後々タグを1つ増やそうと思っています)
次回一真と沙織がヘルヘイムの森で遭難し必死で出口を探す回になります、その間に沙織は一真に攻略される?かもしれません
乞うご期待です!