ガイム&パンツァー  戦車道・ライダー道極めます!   作:フルーツ大将軍

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明けましておめでとうございます! 

長らくお待たせして新年1発目の回になりました第35話です

今回も中々のギスギス回(東方キャラ間メインです)になっています

ではどうぞ!


第35話「2回目の戦車捜索とライダーさん探しです!(後編)」

 これまでのガイム&パンツァーは

 

 一真に恋心を抱いた麻子は自分なりのアプローチをするがやはり一真には気付かれないもののみほに気付かれそうになる

 

 一方一真は生徒会からの呼び出しを受け駆け付けるとサンダース戦で使用したジンバーアームズを隠し持っていたと誤解され追及を受けてしまう

 

 必死に弁解する一真だがその想いは届かず生徒会の河嶋桃は一真への不信感を募らせていく結果になってしまう

 

 だが盗み聞きをしていた文と話を聞いたはたては生徒会への怒りを露にする

 

 そんな隔たりが見え隠れする中大洗チームはこれからの試合の為に戦車とライダーを増やす為2回目の捜索を開始する事を決定する、ライダーチーム総隊長である一真の意思を無視して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                  『大洗女子学園 ガレージ前』

 

 一真が生徒会に呼び出された次の日、一真たち大洗戦車・ライダーチームはガレージ前に集合していた

 

「1回戦に勝てたからといって気を抜いてはいかん!、次も絶対に勝ち抜くのだ!、良いな腰抜けども!!」

 

「「「「「はい!!」」」」

 

「頑張りまーす♪」

 

 桃の激に全員が強く返事を返す

 

「勝って兜の緒を締めろ!、だぁー!!」

 

「「「「お、おー!!」」」」

 

「エイエイオー!!」

 

(エイエイオーか・・・まだあれは必要ないけどいざとなったらいつでも取りに行く準備をしないとな、恐らく父さんは一筋縄じゃいかないだろうし)

 

 戦車チームが互いに鼓舞し合う中一真は難しい表情で考える、そんな一真を桃が睨んでおり一真はその視線に気付き苦笑いで返すと鼻で笑われる

 

 そんな桃を見て夜罪は小さく溜め息をつき杏もあまり面白くなさそうな表情をしていた

 

「一同静かに!、今日は戦力増強の為に各員何チームに分れてまだ見つかっていない戦車を探してもらう、ライダー変身者は五翠1人でやってもらう事になった」

 

「夜罪1人で?、大丈夫なの?」

 

「あぁ問題ない、少し知り合いに挨拶に行ってくるだけだ」

 

 桃の指示に天子が不安の声を挙げ夜罪は無表情で答えるも未だ疑問が拭えない様子だった

 

「とにかく!、今日は戦車の捜索を全力で取り組むように!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

 桃の言葉に全員が返事をしその後いつもと違うチームで各地に散って探し始めた

 

 

 

 

 

 

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その頃一真・みほ・麻子・典子・妙子・あけび・忍・衣玖のアヒルさんチームをベースとしたメンバーは旧戦車道の部室跡に来ていた

 

「戦車なんだからすぐに見つかりますよね?」

 

「地中に埋まっていなければ良いですが・・・」

 

「手掛りはないのか?」

 

「おっ!、冷泉先輩刑事みたい♪」

 

「それが・・・部室が昔と移動したみたいで良く分からないみたい・・・」

 

「でも何か資料でもあれば手掛かりになる、ここに来たのは間違いじゃないよ」

 

「破神先輩は探偵みたいですね♪」

 

 みんなが思い思いの事を口にしながら探していると一真に言ったあけびの言葉に衣玖は苦笑いをする

 

(あちらの世界では探偵稼業をやっていましたからね)

 

 

 

 

 

 

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 その頃優花里・カエサル・エルヴィン・おりょう・左衛門左・天子のカバさんチームをベースとしたメンバーは屋上で八卦爻と太極の盤の上に棒を立てカエサルが目を瞑って人差し指で支えているのを静かに見守る

 

「・・・ハッ!」

 

 カエサルは目を見開き棒を支えていた人差し指を離すと東の方向に向かって倒れる

 

「東が吉と出たぜよ」

 

「これで分かるんですか!?」

 

「意外に当たるんだよ、あたしは結構これにお世話になっているかな」

 

 流石に占い地味たやり方に不安に思う優花里だが天子がそう答えた

 

 

 

 

 

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 その頃沙織・梓・あゆみ・紗希・桂里奈・優季・あや・幽香のウサギさんチームをベースとしたメンバーは艦内の中を捜索していた

 

「へぇ~艦内は初めて見たわね」

 

「思えばなんで船なんでしょうね?」

 

「大きく羽ばたく人材と生徒の自主独立心を養いインベスからの一時避難地として学園艦が作られた・・・らしいよ」

 

 初めて学園艦内を歩く幽香に梓がふと疑問を言うと沙織が思い出しながら答える

 

「無策な教育政策の反動なんですかね?、でも海上はクラックが発生しにくいって言うのは本当らしいですね」

 

(確かに総一も学園艦にはクラックが遭遇する確率は低いって言ったわね、この間のインベスは運が悪かっただけなのかそれとも・・・)

 

 梓の言葉に考え込む幽香

 

「幽香さん、考え込みながらだと転けますよ~?」

 

「えっ?、えぇそうねありがとうね優季ちゃん」

 

 優季に注意された幽香は微笑みながら答え階段を降りて行く

 

 すると艦内を歩いていた船舶課の女生徒2人と擦れ違う

 

「「お疲れ様でーす」」

 

「あっあの、戦車知りませんか?」

 

 沙織は擦れ違う女生徒2人に尋ねる

 

「戦車かどうか分からないけどそういえばそれっぽい物どっかで見かけたよね、何処っだけ?」

 

「もっと奥の方だったかな?」

 

「ありがとうございます!」

 

 有力な手掛かりを見つけ期待に胸を膨らませ沙織が礼を言うと一同は奥へと突き進んでいった

 

 

 

 

 

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その頃生徒会室で華・杏・柚子・桃のカメさんチームをベースとしたメンバーは桃が他のチームの連絡を苛立った様子で待っており華と柚子は過去に戦車道をやっていた時の資料を洗い出しを行い杏は・・・呑気にリクライニングチェアーで寛いでいた

 

「戦車道もライダー道も随分昔からやっているんですね」

 

「そうだね・・・戦車道は1920年代から」

 

「まだか!、まだ見つからないのか!?」

 

 資料に目を通しながら華が言うと柚子が答えようとするが桃の声で遮られ桃は苛立った貧乏ゆすりをしながらテーブルを上に置いたケータイを見ていた

 

「捨てられちゃったかな?、処分したらその書類も残っているはずだけど」

 

「大丈夫でしょうか?、この学校で戦車道とライダー道がやっていたのは20年も前ですから」

 

「ライダー道の方は奇跡的に残っていた戦極ドライバーが2つあったけどロックシードは廃止した時に連盟に回収されて何もないですし、戦車もかなり良い戦車たちが残っているはずなんだけど・・・書類を見ても処分された記録もないのに」

 

 華と柚子を聞いていた桃は何か気付いた素振りを見せ途端に憎々しげに俯く

 

(そんなに残っていてまだ見つからないって事はあいつだ!、あいつに間違いない!、あいつが親のコネを使って密かに見つかっていなかった残りの戦車を勝手に処分したんだ!、そこまでして自分の流派を宣伝したいのか破神一真!!)

 

 一真に怨みすらも抱く桃だが、華や柚子が話した残っている「良い戦車」は2人が目を通した資料に「売却済」とほどんど消えかかっていたが捺印されていた

 

 それに生徒会が気付いたのは随分後のことだった

 

「果報は寝て待てだよ~」

 

 すると杏は寛ぎながら言い説得力のカケラもなかったが目を開き急に真剣な表情をする

 

(戦車の方はどうにかなるだろうけど、ライダーの方は・・・見つかった戦極ドライバーの他に実は破神君のお父さんから学園艦の守備用に戦極ドライバーとロックシード一式を2つ貰っているんだけど)

 

(変身者の方は五翠ちゃんの知り合いって事は恐らく破神君とも知り合いだろうね・・・私たちが破神君に疑念を抱いている事実は知られているだろうしあの破神君の人望からしたら・・・殆ど望み薄だね)

 

 そう考える杏はライダー側の期待は殆ど捨てていた、恐らく総一から受け取った机の引き出しに眠っている戦極ドライバーとロックシードそれに見つかった机に置かれている所々錆びている戦極ドライバーは無駄になるだろうと杏は思いながら机に置かれていたドライバーを見ていた

 

 

 

 

 

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 その頃ライダー変身者を探す為に夜罪は1人で校内を歩き回り現在保健室で鈴仙と永琳と話していた

 

「単刀直入に言う、ライダーとして大洗チームに加わって欲しい、永琳は無理だが鈴仙だけでも頼む」

 

 夜罪はそう言って頭を下げると永琳はクスッと笑い鈴仙を見ると鈴仙は決意を固めた表情で頷く

 

「分かったよ夜罪、こっちからいつ言おうか悩んでいたから丁度良かったよ」

 

「でも鈴仙はこれまで通り私の手伝いはしてもらうからそのつもりでいてね」

 

 鈴仙は夜罪に頭が上げさせそう言うと永琳は付け加えるように言う

 

「勿論だ、実は戦極ドライバーとロックシードは旧式になってしまうが勘弁して欲しい」

 

「その点も大丈夫よ、もう既に両方とも最新バージョンを手に入れているわ」

 

「なに?」

 

 永琳の言葉に思わず尋ねる夜罪に鈴仙は永琳から受け取ったドライバーとロックシードを見せる

 

「話が早くて助かるが一体誰から手に入れたんだ?、総一は渡す訳がないだろうし」

 

「とある友人から貰ったのよ、一真を守る力としてね」

 

 夜罪の問いに永琳が意味ありげな笑みを浮かべながら答える

 

(神道コーポレーションのセキュリティに引っ掛からずに手に入れる事が出来る奴は・・・亡霊お嬢様は総一側に就いているだろうだからやはりあのスキマ妖怪か)

 

「では明日から練習に加わってくれ、頼んだぞ」

 

 夜罪はある人物が思いつきそう言い残して保健室を出ようと扉に手を掛ける

 

「ねぇ夜罪?、1つ聞いて良い?」

 

「なんだ?」

 

 永琳に呼び止められ夜罪は振り返る

 

「あなたは今「一真」と「戦車チーム」どちらの為に動いているの?」

 

「・・・・・両方だ」

 

 永琳の問いに夜罪は少し考え込み答える

 

「・・・そう、呼び止めて御免なさい、もういっていいよ」

 

 永琳は少し不機嫌そうに言い夜罪は構わず保健室を出て行く

 

「ふんっ、昔は人間を滅ぼうとした奴が中々笑える事を言ってくれたものね」

 

「随分人間に感化されているみたいですね、よほどこの世界の人間を気に入ったのかそれとも・・・」

 

 馬鹿にしたように鼻で笑い鈴仙もじーっと扉を見つめながら答える

 

「良く憶えておきなさい鈴仙、あれが人間に感化された悪い例よ」

 

「分かっています、私は一真を守る為だけに戦います」

 

 永琳の言葉に鈴仙は真剣な表情で答える

 

「聞く所によると生徒会は一真を勘違いの疑念を抱いているみたいね、一真に守られておきながら全くふざけた事を考える連中まで信じようとするなんて・・・鈴仙、分かっているわね?」

 

「はい、少しでも一真に危害を加えようとしたらその時点で戦車チームを排除します」

 

 鈴仙の返事に永琳は妖艶な笑みを浮かべていた

 

 

 

 

 

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 その頃、日が沈みかけた夕刻を迎えた頃一真たちのチームで戦車搜索の手掛かりを旧戦車道部室で探していた

 

「これで最後の部室です、・・・でも手掛かりになりそうな物はないなぁ~」

 

「これはお手上げですか?」

 

 戦車捜索を開始してから数時間が経過していたが一向に手掛かりも見つからず諦めメードの典子と忍

 

 その間も一真は黙々と辺りを物色し手掛かりになりそうな物を探す

 

(これだけ探してもないか・・・いや、一度決めた以上最後まで諦めずにやらないとな!)

 

 一真も諦めそうになるがもう一度気を引き締めて作業に取り組む

 

 そんな一真を麻子は恋慕の眼差しで見つめる

 

「・・・?、どうした麻子ちゃん?、具合でも悪いのか?」

 

「っ!!、いやなんでもないぞ一真」

 

 麻子の視線に気付いた一真は尋ねると麻子は慌てて誤魔化し部屋の窓を開ける

 

(麻子さん、やっぱり一真君の事を・・・)

 

 麻子の慌てぶりで本心に気づくみほだが一真は気付かず不思議そうな表情をする

 

「何処かの部が洗濯物を干しているぞ」

 

 すると麻子は窓の外の景色を見て言うと一真とみほも外の景色を見る

 

「あれ?、もしかしてこれは・・・」

 

 確かに洗濯物が干されていたが物干し竿代わりに使われていた物はどこからどう見ても・・・

 

「思わぬ収穫だな」

 

 戦車の砲身だった

 

 

 

 

 

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 その頃、天子たちのチームは八卦占いで示された方向に1つの沼地に到着する、そこには・・・

 

「おぉー!!、見つかりました!、ルノーB1bisです」

 

「マジノが使っていた重戦車と同じだね」

 

 1両の戦車が沈んでおり優花里は喜ぶかのように言う

 

「流石はモントゴメリー・・・」

 

「あの・・・それはちょっと・・・」

 

「グデーリアンではどうかな?」

 

「おぉー!!」

 

「秋山のソウルネーム、決定だな」

 

 カエサルの案には難色を示す優花里だがエルヴィンの案には好印象を示し天子も納得した様子で答えた

 

 

 

 

 

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「了解、ルノーB1bisだそうだ」

 

 その頃、生徒会と華のチームは連絡を受け桃が伝達し華と柚子が資料を捲っていく

 

「・・・最大装甲60mm・75mm砲と47mm砲を搭載です」

 

「89式よりは良いっかぁ~」

 

 華の説明に杏はそう呟く

 

 決して89式は弱い戦車ではないが大洗チームが所有する戦車の中ではあまり強い戦車ではない・・・らしい

 

「新しいチームも出来ますし」

 

「早速回収に取り掛かり、夜罪も引き上げさせます」

 

「頼むよ~」

 

 柚子も新しい戦車の登場に嬉しそうに言うと上機嫌で桃が杏に言い杏も軽い感じで答える

 

(あいつに処分されていない戦車がやはりあったか、ざまぁみろ破神一真!)

 

(五翠ちゃん、1人でも追加できれば大歓迎だけどどうだったのかな?)

 

 してやったりとニヤリと笑う桃だが杏は少し不安に感じていた

 

 

 

 

 

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 その頃、夜罪は鈴仙の勧誘に成功した後、新聞部の部室に来ていた

 

「すまない、射命丸文と姫海棠はたてはいないか?」

 

「2人なら1時間前に多分自動車部の子と何処かに行ったよ」

 

 そこには部長の王大河しかおらず夜罪は大河に尋ね大河は普通に答える

 

(恐らくにとりだな、なら自動車部の部室だろう)

 

「そうか、助かったありがとう」

 

「いえいえ・・・こちらからも1つ頼みたい事があるけど良いかな?」

 

 夜罪はある程度の予想が思いつき部屋を出ようとするが次は大河に尋ねられる

 

「取材か?」

 

「そうだよ、学園でも黒一点のライダーチームの総隊長たる破神一真君の取材をね♪、何故か文やはたてにはキツく止められているんだよね、一番記事にしたらネタになりそうなのに・・・」

 

 夜罪は一真への取材が文たちに止められる事におおよその検討はついていた

 

「色々とあいつは忙しいからな、あいつらなりに気遣っているんだろう」

 

(もう倒れそうになるまで体力を消耗している、あいつの事だどうせマトモに休んでいないだろうしインベスは俺たちで対処しないとな)

 

「そうなんだ、残念だな・・・」

 

 夜罪や天子たち他のライダー隊員も一真の状態を知っており大河にそう言うと大河に残念そうに答える

 

「また奴にはそれとなく空いている時間を聞いてやる」

 

「助かるよ~、お願いね」

 

「あぁ・・・」

 

 夜罪は大河の頼みを聞き入れ部屋を出ていき自動車部の部室を向かった

 

 

 

 

 

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                    『自動車部 部室』

 

 夜罪は自動車部の部室に到着し中に入るとそこには予想していた通りににとりや文とはたてがいた

 

「おっ、やっときたね夜罪、待っていたよ~」

 

 まるでにとりは夜罪が来る事が分かっていたようにニコニコしながら言うが文とはたては少し不機嫌そうにしていた

 

「ふんっ、それなら俺が来た理由は知っているな」

 

「うん、夜罪が来た理由は・・・」

 

「私はライダーになるつもりはないよ」

 

「私もこっちの世界でなる気はないなぁ~」

 

 にとりが答えようとすると文が割って答えてはたても軽い感じで答えるがその目は夜罪を睨んでいた

 

「そうか・・・にとりはどうだ?、旧式だが1式は揃っている」

 

「うん~・・・そうだね、夜罪が盟友の為だけに頼みに来たのならすんなり承諾出来るんだけどなぁ~まぁ文もはたても一緒か」

 

 にとりにも断られるが夜罪は落ち込む事もなく少しにとりたちから目線を逸らす

 

「そうか・・・だが珍しいな、お前たちが人間をそこまで毛嫌いするとは」

 

「分かっているくせに随分回りくどいね」

 

 夜罪の言葉に文は苛立ちながら答えはたても依然夜罪を睨んでいた

 

「お前たちも知っていたのか・・・少し勘違いしているだけだすぐに解いてやる」

 

「それにしたって可笑しいでしょ?、一真にあれだけ守ってもらいながら疑念を抱くなんて」

 

 夜罪の言葉にはたてが畳み掛けるように言う

 

「あいつらにも色々と焦る事情があるんだ、少し大目に・・・」

 

「ふざけないで・・・一真相手にどんな事情があるって言うの!?、この世界でも死に物狂いで頑張って戦車チームやあんたたちの為に戦っているのにどうして疑念なんて抱ける!?」

 

「本当に「弱い人間」のくせして身の程知らずもいいところね、「弱い人間」だからこそしれないけど」

 

 夜罪の言葉を遮って怒りを露わにする文に便乗してはたても怒りこそ見せないものの数段鋭く夜罪を睨んでいた

 

「「弱い人間」だと?」

 

「だってそうでしょう?、自分たちの弱さのせいで一真が苦労しているのも気付いているかいないか知らないけどそれを棚を上げて一真を責めるなんて筋違いと思わなかったの!?」

 

 夜罪はある単語が気になり尋ねると文は答え夜罪は表情は変えないが少し動揺する素振りを見せる

 

「それは・・・戦車チームの奴らは初めて間もない奴らばかりなんだ、俺たちと比べるのはそれこそ筋違いだ」

 

「・・・ふんっ、気付いていない方なんだ、なら本当に弱い・・・総一の言い方なら「クズ」って言うのかな?」

 

 夜罪は少し躊躇いながらも言うとはたては鼻で笑いそう答える

 

「なんだとキサマッ!!」

 

「随分この世界の人間を気に入っているみたいだけど、それとも紛らせているだけなのかな?、以前一真を守りきれなかったいや・・・苦しめた事を」

 

 夜罪ははたての言葉にキレてしまいはたての胸倉に掴みがはたてはニヤリと笑いながら答える

 

「そっ・・・それは」

 

「あんたは一真じゃない、簡単に変われるはずがないものね」

 

「それに私たちは客観的に見た事実を言っただけ、それは夜罪も分かるでしょう?」

 

 明らかに動揺する夜罪の手を振りほどき馬鹿にしたような笑みを浮かべはたては言うと文も言う

 

「そんな事はどうでも良いよ~、要は生徒会や戦車チームが盟友の敵になるかどうかが問題なの、どうなの夜罪~?」

 

「・・・なるわけないだろう」

 

 するとこれまでつまらなさそうにしていたにとりが痺れを切らしたように言い夜罪に尋ねると少し考え込んで答える

 

「少し間があったけど良いかぁ~、盟友に牙を向ける事が少しでもあったらあんな弱い奴らなんて簡単に「消す準備」なんてもう済んでいるから」

 

「なにっ?、どういう事だ?」

 

 にとりの言葉が意味が分からない様子で夜罪が尋ねるとにとりは屈託のない笑みを浮かべて

 

「まさかあたしがこの世界の人間を信じてここまで手伝ってきたと思っているの?、あたしは盟友に頼まれたから手伝っているだけだよ、もしホシノたちがあたしの邪魔や盟友の邪魔をしたら容赦しないよ勿論夜罪たちもね♪」

 

「お前・・・それを本気で・・・」

 

 ニコニコと言うにとりだがその笑みに狂気を感じた夜罪

 

「盟友は幻想郷やこの世界いや全世界の最後の希望、その希望をこの学園は酷使しているんだからそれぐらいの犠牲を払う覚悟でいてもらわないとね、勿論横槍を刺すなんて以ての外だよね♪」

 

「・・・お前たちがライダーにならないのは分かった、また気が変わったらいつでも連絡してくれ」

 

 何を言っても無駄だと思った夜罪は逃げるように部屋を出て行きにとりはニコニコしながら見送るが出て行った瞬間に嫌悪感を丸出しにした表情をする

 

「盟友は犠牲を嫌うけど、盟友に敵になる奴をもう野放しにする気はない、あんたたちもそうよね?」

 

「えっ・・・えぇ・・・」

 

「それは・・・」

 

 にとりの言葉に言い淀む文とはたてににとりは溜め息をつく

 

「もしかして戸惑っているの?、あんたたちもあたしも人間に恐れられる存在なのに「人間に恐れられる事が恐くなった」っていう訳じゃないよね?」

 

「・・・ごめん、用事があるから帰るね」

 

「あ~あたしも急用を思い出したからここら辺で帰るねぇ~」

 

 にとりは目が笑っていない笑いを見せながら尋ねると文とはたては答えたくないのかそう言って部屋を出て行く

 

「あいつらも夜罪の事を言えないぐらい人間に感化されている、まぁ鼻から期待していないけど」

 

 にとりは冷ややかな目でそう呟くと部屋にあった工具箱を手に取って部屋を出て鍵を閉める

 

(やっぱり盟友の支えになるのはあたししかいない!、他の幻想郷の奴らじゃなくあたししか・・・)

 

 にとりはそう決意を固めガレージに向かった

 

 

 

 

 

 

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                    『ガレージ前』

 

 その頃、一真たちライダーチームはそれぞれ変身して鎧武は戦車の砲身をバロンは応援に来た龍玄と一緒にB1bisをガレージ前まで運び戦車チームもガレージに集合していた

 

「一真殿!、お疲れ様です♪」

 

「いつもの練習に比べればどうって事ないよ」

 

 優花里は鎧武に変身している一真に労いの言葉を掛けるとそう言って鎧武は変身解除をする

 

(そういえば一真君たちの練習、破神教官が作るメニュー並にキツかったね・・・)

 

「一真・・・喉・・・渇いただろう」

 

 みほは一真たちの練習風景を思い出し苦笑いを浮かべると麻子は何故かもじもじしながら一真にスポーツドリンクを差し出す

 

「おっ、ありがとう麻子ちゃん♪」

 

 一真は満面の笑みで礼を言いドリンクを受け取ると麻子は少し顔を赤らめそっぽを向く

 

(冷泉殿・・・もしかして・・・)

 

 そんな麻子の様子に優花里は麻子の気持ちに気づき始めると夜罪がガレージ前にやってきた

 

「五翠ちゃんお疲れさ~ん、どうだった?」

 

「・・・1人、ライダー変身者になってもいい奴が見つかった、明日から練習にも加わってくれる」

 

 杏は特に期待せず尋ねると夜罪の答えに杏は少々驚いた表情をするがすぐに納得した表情をし桃は勝ち誇った表情で一真を見る

 

 だが一真は苦々しい表情をしていたが桃の考えとは違っていた

 

(俺が弱いせいでまた関係のない人をライダーに!)

 

(私たちが破神君に余計な事をしないか監視する為のお目付け役だろうな)

 

 一真と杏がそれぞれ考える中、華が辺りを見渡して誰かを探していた

 

「戻ってきませんね・・・沙織さん・風見さんと1年生チーム・・・」

 

 まだウサギさんチームと沙織と幽香が帰ってこないに気付き一真はケータイを確認するが幽香からは何も連絡はなかった

 

 すると麻子のケータイにメールが入り麻子はメールの内容を見る

 

「遭難・・・したそうなん」

 

「もしかしてダジャレ?」

 

 麻子の言葉に一真がそう反応を示すと麻子は頭を小さく横に振る

 

「遭難したのは本当だ」

 

 麻子がそう告げるとみほたちは驚きを見せる

 

「何処でですか!?」

 

「船の底だが・・・何処にいるか分からないらしい」

 

 麻子の説明に一真は沙織たちが置かれている状況を予想する

 

「確かにこの時間の船内は暗いから余計に身動きが取れないだろうね・・・恐らく近くに看板か何かしらの目印になる表示があるから探してこちらに連絡してほしいと伝えて」

 

 一真の指示を聞いた麻子はメールの返信を打ち始める

 

 すると杏が丸めた艦内の地図をみほに差し出そうとする

 

「会長、ここは私に」

 

 しかし桃は杏がみほに渡そうとした地図をそう断って奪い一真に突き出す

 

「自分が言った事にはちゃんと責任を持ってもらわないとな、お前がきちんと連れて帰ってこい」

 

「はい、もとよりそのつもりです」

 

 桃の威圧的な頼み様に杏・柚子・夜罪は大きく溜め息をつくが一真は全く気にせずさも当然のように快諾し地図を受け取る

 

(チッ!、いけ好かない奴だ!) 

 

「一真さん!、私も付いて行きます!」

 

「及ばずながら私も同行します!」

 

「私も付いて行く、お前より艦内は詳しいからな」

 

「私も付いて行くよ一真君、沙織さんたちが心配だし・・・」

 

 一真の態度が気に食わなかったのか心の中で桃は毒を吐いているとみほたちも同行すると言う

 

「みんなありがとう、気持ちだけ受け取っておくよ、でもみんなはちゃんと休養を取って明日の練習に備えてくれ」

 

 一真は微笑み諭すように言う、だがみほたちや天子たちに取ってはあまりにも説得力がなく一真は沙織たちを連れ帰る為に動き始めみほたちも一真の後を追いかけ始める

 

(一番休まなきゃいけないのはお前だろう?、一真)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回ガイム&パンツァー!

 

 沙織たちを連れ帰る為暗い艦内を捜索する一真とみほたち

 

「今晩はここで過ごすのかな?」

 

 暗い艦内で身動きが取れず精神的に追い込まれるウサギさんチーム

 

「だっ・・・大丈夫だよ!」

 

「えぇ・・・必ず一真が助けてくれるわ」

 

 必死に励ます沙織と幽香

 

「こういう時にこれを使うか!」

 

 捜索の切り札として一真は新アームズを繰り出す!、そのアームズとは!?

 

「えっ・・・うそっ・・・一真・・・君?」

 

 そしてまたもインベス出現!、だが鎧武が沙織に武器を向ける理由とは?

 

 第36話「ウサギさんチームと沙織さん・幽香さんからのSOSです!」

 

「一真!!やめてぇぇぇぇぇ!!」

 




いかがでしたか?

今回は夜罪の勧誘で話を圧迫して殆ど夜罪回になりましたが東方キャラの狂気具合が伺えたと思います、一真を想う故かもしれませんが人間と妖怪など人外との考えの違いでもあります

次回は沙織たちの捜索に鎧武の新アームズに鎧武が沙織を攻撃する?回になります

これからも乞うご期待です!

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