ガイム&パンツァー  戦車道・ライダー道極めます!   作:フルーツ大将軍

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第31話「思いを守る強さと力をミックス! 登場!ジンバーアームズです!!(後編)」

               『試合会場 観覧席エリア付近の小高い丘』

 

「アークさん・・・まさか本物なんですか?、あのアームズは!?」

 

「本物のジンバーアームズだ・・・まさか破神君なら使いこなせるというのか?」

 

 試合を観戦する聖グロリアーナのアルビオンとアークは鎧武がアームズチェンジしたジンバーアームズに狼狽え始める

 

「どうしたんですのアークさん・アルビオン?」

 

「まさかあの黒い陣羽織のアームズってゲネシスドライバーの心臓部「ゲネシスコア」を使ったノーマルロックシードとエナジーロックシードの複合アームズですか?」

 

 訳の分からない様子で尋ねるダージリンだがオレンジペコは微かに憶えていた情報を頭の中で手繰り寄せてアークに尋ねる

 

「あぁ・・・ゲネシスドライバー設計当時に考案されていた、戦極ドライバーでゲネシスドライバーと同等の性能を発揮出来る唯一のアームズと噂されていた物だ」

 

「ゲネシスドライバー設計当時って・・・もう10年以上も前に開発されているのに何故今まで噂にしか留まらない幻のアームズと言われていたんですの?」

 

 アークの答えに思った疑問をぶつけるダージリン

 

「ゲネシスドライバーでさえエナジーロックシードとの相性に加えそれに耐えうるだけの身体能力と精神力に制御出来る適応能力・・・それらを全てを満たした者だけが使用権限を与えられる代物です」

 

「もし満たしてない者が使えば・・・?」

 

「・・・良ければインベスに変異し悪ければ使うエナジーロックシードのランクにもよりますが最低でも半径1キロの巨大な爆発が起きます」

 

 アークの言葉にダージリンは紅茶を零しそうになりオレンジペコの驚愕の表情をする

 

「やはり鎧武のジンバーアームズは・・・」

 

「あぁ・・・その話で考えると戦う事はおろかまず変身も出来ない理論上のアームズに過ぎないはずなんだ」

 

 アークはアルビオンにそう答え信じらない物を見るような目で鎧武を見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                   『試合会場 森林エリア』

 

 その頃ジンバーレモンアームズにアームズチェンジした鎧武はアームズウェポン「ソニックアロー」を静かに構える

 

「大丈夫ですよ隊長!、変身するのでやっとですすぐに倒してみせます!」

 

「あっ!!、おい待て!」

 

 アームズチェンジした鎧武があまり動かない事にそう考えライトニングだがトゥルーライトニングは必死で止めようとする

 

(さっきよりも増した闘志に圧倒的な威圧感は間違いなくジンバーアームズを使いこなしている!!)

 

 トゥルーライトニングの危機感も知らずにライトニングは殴りかかる

 

 だが鎧武は最小限の動きで避け驚くライトニングは次々とパンチを繰り出すが鎧武は簡単に避けパパイアガントレットを掴みライトニングの足を引っ掛け転ばそうとし態勢の崩れたライトニングにローキックを叩き込む!

 

「うわっ!!さっきの必殺技以上だ!!」

 

 ローキックを叩き込まれ派手に吹き飛ばされてしまったライトニングはそのキック力にそう叫んでしまう

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

 すると鎧武はライトニングに向かって走り出しソニックアローを振り上げ切りかかろうとする

 

「っ!、そんな攻撃なんて防いでやる!」

 

 ライトニングは防御姿勢を取り正面から受け止めようとする

 

 だが鎧武はお構いなしにソニックアローを振り下ろすとなんとライトニングのパパイアガントレットを切り裂いてしまう!

 

「なっなんだと!?」

 

 驚愕するライトニングを鎧武は切り上げライトニングは大きく上空に打ち上がる

 

「はぁ・・・はっ!」

 

 すると鎧武はソニックアローを左手から右手に持ち替え左手で弓部分を引きライトニングに狙いを定めて弓部分を離し黄色の光矢が発射される!

 

「なにっ!?、うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 マトモに防御も出来ないライトニングに光矢が直撃してしまい爆発と共に吹き飛ばされ地面に叩きつけられる!

 

「隊長・・・すいません」

 

 うつ伏せのまま立ち上がる事が出来ないライトニングはトゥルーライトニングに謝ると気絶してしまい戦闘不能状態になってしまった!

 

「あのバカ!、ったくしょうがないな!」

 

 トゥルーライトニングはそう吐き捨てながらもエネルギー弾を放ちながら鎧武に殴りかかる

 

 だが鎧武はエネルギー弾を全て斬り払いトゥルーライトニングの鋭いパンチも簡単に避ける

 

「まさか・・・このアームズは?」

 

これまでの鎧武の動きの速さが違うことにトゥルーライトニングにある予想が過る

 

 鎧武はその隙を狙いソニックアローの持ち手を左手に戻しトゥルーライトニングに切りかかりトゥルーライトニングはガントレットで防ごうとする

 

 だがなんとか直撃は避けるもあまりにも威力にトゥルーライトニングは大きく後退しガントレットからも白い煙が上がる

 

(たった一撃でガントレットがこのザマか、もう一撃でも喰らえば確実にアウトだ!)

 

 トゥルーライトニングはガントレットを見ながらそう考えると鎧武は持ち手を変え光矢を放つ

 

 トゥルーライトニングは低い潜り込みのようなジャンプで避けるも鎧武は予想していたように避けた方向にもう1矢放ちトゥルーライトニングに直撃する!

 

「グハッ!・・・なんて威力だ・・・」

 

 トゥルーライトニングはあまりにも威力に意識を持っていかれそうになるもなんとか立ち上がり鎧武に向かって走り出し鎧武も呼応するように走り出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                『試合会場 観覧席エリア付近の小高い丘』

 

 その頃試合を観戦する黒森峰の隊長・副隊長たちは・・・

 

「なんであいつがあんな物を持っているんだ!」

 

「そんな事は問題じゃない、真の問題は鎧武がジンバーアームズを完全に使いこなしている事だ、しかも一番ランクの高いクラスSSSのロックシードレモンエナジーロックシードとの組み合わせで使うとは・・・」

 

 頼道が狼狽える中正均もそう言い額から冷や汗を流し始める

 

「そう思うだろう?、だが現実はもっと酷いぞ」

 

「どういう事ですか破神教官?」

 

 総一の含みのある言葉に正均が尋ねる

 

「鎧武たちフルーツライダーチームが使用しているドライバーとロックシードは最初期の第1世代と言えば後は分かるな」

 

 総一の頼道だけでなく正均も明らかに驚くリアクションを取る

 

「破神教官、どういう事ですか?、確か今の世代は第5世代と聞きましたが第1と第5で一体何が違うんですか?」

 

 するとイマイチ違いの分からないエリカは総一に尋ねる

 

「現在の第5世代は変身者に補助する為の制御システムがいくつか搭載されているが第1世代にはそれが全く付いていない、それにエネルギー効率・・・簡単に言えばパワーも段違いだ、第1世代は第5世代に比べざっと計算しても2割も出ていない」

 

「ただでさえゲネシスより制御が難しいジンバーアームズを鎧武は自分だけの力で制御している・・・だけの話ならまだ良かったんだが」

 

「まだ良かったってどういう事ですか?」

 

 またも含みのある言葉にエリカが尋ねると総一は溜息をつく

 

「つまり教官の話だと、いくらジンバーアームズを使いこなせても圧倒的なパワー不足でまずトゥルーライトニングの足元にも及ばないはずなんだ」

 

「えっ?、でも実際に鎧武がトゥルーライトニングを圧倒してるじゃない」

 

 正均の言葉でもあまり理解出来ていない様子のエリカに対し正均は横目で総一を見る

 

「はっきり言ってこれまでの話はあくまで理論上の話に過ぎん、だが鎧武はロックシードやドライバーの力をも凌駕しあまつさえその力を限界値以上にまで発揮させている、まさにジンバーアームズは鎧武の強さと能力を掛け合わした物と言える、ただでさえオレンジアームズでも苦戦していたのにジンバーアームズなんて使われたら、まさに火を見るよりも明らかというやつだ」

 

 ようやく理解したエリカは信じられない様子で戦っている鎧武を見る

 

(これでこの試合の結果は見えたな、どう足掻いた所でサンダースは敗北は決定だ)

 

 総一は途端につまらなさそうな様子で観戦する傍らでまほは正均とは別の理由で鎧武に釘付けだった

 

(何故鎧武・・・破神一真はあそこまで誰かの為に戦おうとする?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                    『試合会場 森林エリア』

 

 観戦しているライダーたちが騒いでいる中鎧武とトゥルーライトニングは続いていたが・・・

 

「がはっ!・・・違う、ジンバーアームズでただパワーアップしただけじゃない!」

 

 鎧武の攻撃で吹き飛ばされるトゥルーライトニングは確信しそう叫ぶ

 

「俺はみんなと一緒に勝ち上がっていく!、絶対に負けられないんだ!」

 

 鎧武を突き動かす思いこそが真に鎧武を更に強くさせる要因だった

 

「こっちも同じだ!、お前を倒して今度こそ俺たちサンダースが優勝してみせる!」

 

 トゥルーライトニングも思いの丈をぶつけ互いに武器を構え直す・・・そして!

 

「「はぁぁぁぁぁ!!」」

 

 互いに駆け寄り鎧武は弓部分を引き光矢を放とうとする!

 

(チャンスは一瞬!)

 

 トゥルーライトニングも絶好のチャンスを待ちながら駆け寄り

 

「はっ!」

 

 鎧武は手を放し光矢を放つ・・・その瞬間!

 

(今だっ!!)

 

【ソーダー! パパイアエナジースパーキング!!】

 

 トゥルーライトニングはシーボルコンプレッサーを2回押し込み黄色のエネルギで満たされたライトニングガントレットを地面に叩き付ける!

 

 すると鎧武は巨大なパパイア状のエネルギーに包み込まれ拘束されてしまう!

 

「いってぇ~、だがこれでフィニッシュだ!」

 

 トゥルーライトニングは左肩に光矢を受けてしまうもすぐに態勢を立て直し空高くジャンプする

 

「ライトニングブレイカー!!」

 

 トゥルーライトニングは技名を叫びながらオレンジ色のエネルギーを纏う右手に全力を込めて拘束される鎧武に必殺のパンチを浴びせる! 

 

 パパイア状のエネルギーを貫通し鎧武の胴体部分の鎧に直撃した直後にトゥルーライトニングをも巻き込んだ大きな爆発が起きる!

 

「やったぜ!、流石のあいつもこれにはやられただろうな」

 

 爆煙で鎧武の姿が確認できないもののトゥルーライトニングは自分の勝利を確信する

 

「うん?、腕が戻どらねぇ?」

 

 右手を引き戻そうとするもビクともしない事に疑問に持つトゥルーライトニングだがどんどんと爆煙が晴れていきその理由が分かってしまう

 

「っ!、そんなバカな!?」

 

 ライトニングブレイカーの直撃を受けた鎧武が鎧から白い煙を上げながらもトゥルーライトニングの右手を掴まえていた!

 

「くっ・・・クッソッ!!」

 

 なんとか引き戻そうとするが鎧武の強い力にビクともしない

 

「言ったはずです!・・・絶対に負けられないと!!」

 

 流石にダメージに受けていたが鎧武は力強い意志で必死に耐えていた

 

 すると鎧武はトゥルーライトニングの右手を投げるように離すとソニックアローで連撃する

 

「グワッ!!・・・・負けるか!!」

 

 連撃を受けたトゥルーライトニングは鎧から火花を散らしながら転げ倒れるも咄嗟にエネルギー弾を打ち込む

 

 だが鎧武はカッティングブレードを1回倒し回転ジャンプで避ける

 

【ソイヤ! オレンジスカッシュ!】

 

 鎧武はトゥルーライトニングに向けて光矢を放つとオレンジとレモンの断面をしたサークルが交互に鎧武とトゥルーライトニングの間に現れる

 

【ジンバーレモンスカッシュ!】

 

「ハァァァァァ・・・セイハァァァァァ!!」

 

 鎧武はサークルを潜っていき左足にエネルギーが溜まっていくとトゥルーライトニングに「ジンバー無頼キック」を叩き込む!

 

「グッ!・・・うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 トゥルーライトニングは咄嗟に防御姿勢を取るも無頼キックよりも何倍にも増した威力に呆気なくライトニングガントレットは粉砕しトゥルーライトニングにジンバー無頼キックが直撃する!

 

何本も木々を薙ぎ倒しながら吹き飛ばされ地面に激突すると大きな爆発が起きる!

 

 トゥルーライトニングは強制変身解除され仰向けのまま倒れているとG1小隊がドライバーにセットしていたロックシードが鎧武の手元に飛んで行く

 

 鎧武は飛んで来たロックシードを一瞬見るも倒れているリョウに歩み寄り傍にロックシードを置いていく

 

「良いのかよ?、ゲネシスコアを持っているならパパイアエナジーはお前の戦力になるだろう?」

 

「そのロックシードはリョウさんが使って初めて価値があるものだと思います、だから自分はそのロックシードを使う事は出来ません」

 

 倒れているリョウが鎧武に尋ねると鎧武は情けではなく自分が思った事を口にする

 

「ふっ・・・そうか、・・・早く行ってやれ、自分の仲間を守る為にもな」

 

「はい・・・そうさせて頂きます!」

 

 リョウは微笑するとそう言い鎧武も力強く答える

 

(この距離だとダンテライナーじゃ間に合わない・・・なら!)

 

 そう考えた鎧武はレモンエナジーロックシードを元に戻し取り外すとこれもサガラから渡されたさくらんぼの形をしたクリアーパーツのロックシード「チェリーエナジーロックシード」を取り出す

 

【チェリーエナジー♪】  

 

 鎧武はチェリーエナジーロックシードを開錠すると頭上の2つのクラックからチェリーの形をした鎧「チェリーエナジーアームズ」とオレンジアームズが降りてくる

 

【lock on!】

 

 鎧武はゲネシスコアにチェリーエナジーロックシードをセットしオレンジロックシードも一緒にロックを掛ける

 

 すると頭上の2つのアームズが融合しジンバーアームズになると装着していたアームズが消え鎧武はカッティングブレードでロックシードを切ると同時にチェリーエナジーロックシードも展開される

 

【ソイヤ! ミックス! オレンジアームズ! 花道 オンステージ!】

 

 アームズはクルクルと回りながら鎧武の頭に覆い被さり!

 

【ジンバーチェリー! ハハッー!!】

 

 電子音声と共にアームズが展開され胸部のパネルがさくらんぼの断面と鎧武の紋章となった黒い陣羽織のアームズ「ジンバーチェリーアームズ」にアームズチェンジした!

 

「ずるいぜ・・・まさかSSSランクのエナジーロックシードを2つも持っているとはな」

 

「・・・はっ!」

 

 鎧武はリョウの文句も聞かずに走り出そうとするとさくらんぼ色の閃光となって森を駆け抜けていく!

 

「うそっ!?、はやっ!!」

 

 驚愕するリョウだったがまるで事切れたかのように気絶してしまい戦闘不能状態となる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                  『試合会場 審判エリア』

 

 一方審判エリアでは顔色の優れない映姫が森を駆け抜けていく鎧武を辛そうに見る

 

(ジンバーチェリーまで・・・ゲネシスコアやエナジーロックシードは総一が完全に封印していたはずなのにどうして・・・)

 

「あのー映姫さん?、そろそろ判定の方を・・・」

 

 考え込む映姫に香音が恐る恐る尋ねる

 

「っ!!、すいませんボーッとしていました、サンダースガーディアンライダーチーム、総隊長ライダー含む全ライダーの戦闘不能により黒です!」

 

 我に返った映姫は香音たちに謝りガーディアンライダーチームが全滅した事を放送した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                『試合会場 サンダース陣地』 

 

 その頃試合を観戦している赤髪の女性は・・・

 

「リョウも良く頑張ったが、ジンバーアームズを使った鎧武に叶うはずもないか・・・それに一真も私が見た最後の時より格段に強くなっている」

 

 リョウの手並みを評価するも自分の予想よりも遥かに強くなっていた一真に関心が向く

 

「やっとクラウンピースもマトモに動き出したが、果たして間に合うか?」

 

 赤髪の女性は森の中をリョウを指示通りに動くクラウンピースが乗るシャーマンを見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                『試合会場 森林エリア』

 

「後はガーディアンライダーチームの総隊長だけだね、了解~♪」

 

 鎧武が戦っていた森では戦闘不能になったライダーを回収し治療エリアに搬送する回収班の1人であろう、黒いネコ耳を付けている?両サイド三つ編みにした審判団と同じ服装をした赤髪の少女は通信を受けリョウを回収し回収班専用のスロードロップを模した運搬型ロックビークル「ガランサスコフィン」を運転し治療エリアに向かう

 

「一真・・・なんでまだ戦い続けるの?、この世界にいる時ぐらい普通の生活を満喫すれば良いのに・・・」

 

「・・・どうやらネコ耳の別嬪さんはハガミーの知り合いみたいだな」

 

 ネコ耳の少女はまるで一真を心配するように言うと聞き耳を立てていた

 

「あれ?、起きてたんだ」

 

「まぁな・・・それよりも俺にハガミーの事を教えてくれないか?」

 

「・・・教えた所でとても信じれないと思うけど」

 

 リョウの願いにネコ耳の少女は答えを渋るが

 

「ジンバーアームズを使いこなす、いや凌駕するような男だ、もう何を言われても驚きはしないよ」

 

「・・・分かった、一度しか言わないからよーく聞いておくことね」

 

 リョウの言葉にネコ耳の少女は折れたようにそう言い自分が知っている一真の事を話し始める

 

 少女説明中・・・

 

 リョウは最初の内は冷静に聞いていたが徐々に驚愕の表情になり最後には目を見開き口をポカーンと開いていた

 

「これが私が知っている破神一真よ、どう?驚いたでしょう?、でも話した事は全部本当の事だから」

 

「あ・・・あぁ、確かに驚いたが俺の勘は鈍っていなかったな」

 

「どういう事?」

 

 リョウの言葉にネコ耳の少女が尋ねる

 

「ハガミーは少なくとも俺が見てきた中では一番ライダーになっちゃいけない奴だって事がな」

 

「ふっ、そうね」

 

 リョウの言葉にネコ耳の少女が微笑するとリョウの意見に同意する

 

「まだ名乗っていなかったわね、あたしは火焔猫 燐よ」

 

「俺はリョウだ!、あっ!、良かったら連絡先も交換しないか!」

 

 ネコ耳の少女「火焔猫 燐(かえんびょう りん)」は自己紹介するとリョウも自己紹介をし連絡先を聞く

 

「ごめん、あなたタイプじゃないの」

 

「一真みたいな奴がタイプか?」

 

 燐は軽く断るとイタズラっぽく笑みを浮かべながらリョウが尋ね燐は赤面する

 

「べっ別に!?、一真がタイプって訳じゃないけど!?、でっでも一真は良い奴だと思う・・・よ」

 

「ハッハッハッ!、まぁ確かに一真は滅多にいない良い奴だからな」

 

 必死に誤魔化そうとする燐だが、リョウは豪快に笑うも同意するかのように答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(戦車チームサイド)

 

 

 

 

 

 

 

 

                  『試合会場 平原エリア』

 

 その頃戦車チームは・・・

 

「サンダースガーディアンライダーチーム、総隊長ライダー含む全ライダーの戦闘不能により黒です!」

 

 映姫からの放送にサンダース戦車チームに衝撃が走る

 

「嘘・・・リョウがやられた!?」

 

「ユウノ!?」

 

「アキラ・・・」

 

 耳を疑いたくなるような事態に一様に驚いていると

 

「ナオミ~こちらクラピーだよ~、今0920地点の丘近くの森にいるよ~、これからどうしたらいい?」

 

「クラウンピース!?、何故お前たちが?、お前たちは待機中のはずだ」

 

 ナオミの乗るファイアフライにクラウンピースからの通信が入り問いただすナオミだが

 

「あっれぇ~今そんな事言っている場合かな~、リョウたちはやられて敵のライダーはこっちに向かっているよ~、早いとこフラッグ車倒して敵ライダーを迎え撃たないとこっちがやられるよ~」

 

 クラウンピースの言葉にナオミは考え込んでしまう

 

(確かにクラウンピースの言う通り、フラッグ車を撃破して態勢を立て直せばシャーマンの性能ならライダーの1人や2人は倒せる!)

 

「分かった、クラウンピースお前たちは指示があるまで待機してくれ」

 

「了解~♪」

 

 背に腹は変えられないナオミは敢えてクラウンピースの思惑に乗り大洗戦車チームの動きを見る

 

 一方大洗戦車チームは・・・

 

「すごい・・・本当に倒しちゃうなんて」

 

「今が最大のチャンスです!、今の内にフラッグ車を撃破しましょう!」

 

 沙織が驚いている中みほの言葉に更にスピードを上げて丘を上っていく

 

「アリサ!、上から来るよ!、気を付けて!」

 

「っ!!」

 

 ケイは丘を上っていくⅣ号戦車を見てこれまでとは違い余裕のない様子で注意を促す

 

「ナオミ!、頼んだわよ!」

 

「YES MAM・・・」

 

 ケイはナオミに指示を送りファイアフライはⅣ号戦車を追いかけ丘を上っていく

 

(0920地点・・・まさかクラウンピースは大洗チームが稜線射撃をする事を予想をしていたのか?)

 

 現在みほたちあんこうチームやファイアフライは0920地点であり行動を先読みしていたクラウンピースに疑問に思う

 

「クラウンピース、そちらからⅣ号は見えるか?」

 

「バッチシ見えるよ~、こっちには気付いていないし撃っちゃう?」

 

 だがいまはそんな事を言っている暇もなく心の中に仕舞いナオミの問いにクラウンピースはそう答え砲撃準備を整える

 

「いやお前たちは私の合図でⅣ号目掛けてある程度前進し敵がこちらの砲撃を躱した場合はお前たちで仕留めてほしい」

 

「2重の保険だね、了解~」

 

 ナオミの指示にクラウンピースはそう答えるとファイアフライを停車させⅣ号戦車に照準を合わす

 

「っ!?、停車!!」

 

 異様な気配を感じたみほは後ろを振り返ると自分たちに狙いをすましたファイアフライが今にも砲撃しようしており咄嗟に指示を出す

 

 するとその直後ファイアフライが砲撃する!

 

「クラウンピース、今だ!」

 

「アイアイサ~♪、前進~」

 

 ナオミがクラウンピースに合図を送る中Ⅳ号戦車は横滑りになりながらも停車させギリギリの所で避ける!

 

「っ!!、後ろにシャーマン!?、まさかファイアフライは囮!?」

 

「ハハハー!!、もらった~!、ファイア!!」

 

 だが予期せぬシャーマンの登場に驚くみほたちに間髪入れずにクラウンピースが乗るシャーマンが砲撃しあんこうチームは絶体絶命の危機に陥る!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(戦車チームサイド OUT)

 

(ライダーチームサイド)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃戦車チームの支援に向かっていたバロンたちは・・・

 

「あんこうチームが!?」

 

「ここからの距離じゃ間に合いません!」

 

 あんこうチームが今にも撃破されそうな状況に一刻も早く駆け付けたいバロンたちだがあんこうチームからはかなりの距離がありいくらロックビークルでも間に合わない!

 

「チッ!、どうする事も出来ないのか!?」

 

「・・・っ?、何あれ?」

 

 武神鎧武が悔しそうに舌打ちをする中、斬月は後方を見てバロンたちに尋ねる

 

「・・・っ!!、あれは!?」

 

 その直後バロンたちの横をさくらんぼ色の閃光が横切り真っ直ぐあんこうチームに向かって行く、バロンたちはその閃光に見憶えがあった

 

 その頃あんこうチームは

 

(一真さん!!)(一真殿!!)

 

 絶体絶命の危機の中、華と優花里は咄嗟に心の中で一真の名前を叫んでしまう!

 

(ダメ!、避けれない!!)

 

 みほはこの状況に諦めてしまい目を瞑ってしまう・・・その時!

 

 さくらんぼ色の閃光がⅣ号戦車の背面に到着しなんとシャーマンが砲撃した砲弾を一刀両断にした!

 

「バカなッ!?」

 

「うそっ!!」

 

「えっ・・・あれ?、私たち助かったの?」

 

「・・・みたいです」

 

「でも一体誰が?」

 

 ナオミとクラウンピースが驚愕しみほたちも状況がうまく読み込めない中、さくらんぼ色の閃光の正体が分かる

 

「えっ!?、まさか・・・一真君!!」

 

 その正体はジンバーチェリーアームズにアームズチェンジした鎧武だった!

 

 鎧武は無言でソニックアローを右手に持ち替え弓部分を引くとファイアフライに狙いを澄ます

 

「っ!!、ファイアフライに向かって突撃!!」

 

「えっ!、でも・・・」

 

「いいから早くして!!」

 

 これまでとは違い鬼気迫る様子でクラウンピースが指示を出しシャーマンがファイアフライに向かって突撃する

 

 鎧武はシャーマンの動きは気にも止めずファイアフライに向かって光矢を放つ!

 

「なっ!?、しまった!」

 

 予想外の連続で頭の回らないナオミたちのファイアフライは停車したままであり光矢がファイアフライを襲う!

 

「させるかー!!」

 

 だがシャーマンが車体をファイアフライにぶつけながらも盾となり光矢がシャーマンに直撃し爆発が起きる!

 

「なんと無茶な・・・」

 

「この手しか残っていなかったからね~」

 

 ファイアフライは守った物のシャーマンには白旗判定が出る

 

「よしっ・・・みほちゃん!!」

 

「はい!、今の内に!」

 

 鎧武の呼びかけにみほが応じるとⅣ号戦車は再び発進し鎧武もその後に続く

 

「ナオミ~、後はよろしく~♪」

 

「あぁ・・・」

 

 クラウンピースにナオミは端的に答えるとファイアフライはⅣ号戦車と鎧武の追撃に入る

 

(まさか本当に鎧武に変身しているのは一真だとはね~・・・後で「ご主人様」と相談かな?)

 

 どうやらクラウンピースは鎧武とは面識があるようで鎧武が向かった方向を真剣な表情で見ていた

 

「ファイアフライが次の弾を撃ってくるまでが勝負!!」

 

「分かりました!」

 

みほの指示に華が返事をする中、遂にⅣ号戦車は丘の上に到着し鎧武はⅣ号戦車の背面で構えて守りに入る

 

「大丈夫だ、みんなの背中は俺が守るから華さんは安心して撃ってくれ」

 

「一真さん・・・」

 

「一真君、守りはいらないよ、華さんと一緒にフラッグ車を狙って」

 

 鎧武の言葉にみほはそう指示を送り咄嗟に鎧武はみほを見る

 

「だがしかし!」

 

「ここで確実に撃破するためです!」

 

 反論しようとする鎧武だがみほはそう答える

 

「分かった、ならレモンの方が良いな」

 

 鎧武は承諾するとチェリーエナジーロックシードを取り外し代わりにレモンエナジーロックシードを取り出す

 

【レモンエナジー♪】

 

 鎧武はレモンエナジーロックシードを開錠すると2つの鎧が組み合わさりジンバーアームズになるとレモンエナジーロックシードをゲネシスコアにセットしロックが外れたオレンジロックシードと一緒にロックを掛ける

 

【lock on!】

 

 Ⅳ号戦車がフラッグ車に照準を定める中、待機音声が流れ鎧武はカッティングブレードでロックシードを切るとエナジーロックシードも展開する

 

【ソイヤ! ミックス! オレンジアームズ! 花道 オンステージ!】

 

【ジンバーレモン! ハハッー!!】

 

 鎧武の頭にアームズがクルクルと回りながら覆い被さると電子音声とともにアームズが展開され鎧武はジンバーレモンアームズにアームズチェンジした!

 

(えっ!?、今確かにジンバーレモンって・・・もしかして一真殿はあれを!?)

 

 優花里は鎧武からの電子音声に驚く中、照準を定めていた華が不意にⅣ号戦車の左側に着いた鎧武を見る

 

 すると鎧武はゆっくりと頷き華も元気づけられたのか力強く頷き再度フラッグ車に照準を定める

 

 追撃していたファイアフライがⅣ号戦車を狙う中、鎧武はレモンエナジーロックシードを取り外しソニックアローにセットしロックを掛けカッティングブレードを1回倒す

 

【LOCK ON!】

 

【ソイヤ! オレンジスカッシュ!】

 

 鎧武が弓部分を引いていくとレモン色のエネルギーが溜まっていきフラッグ車に狙いを定めるとオレンジとレモンの断面を模したサークルが交互に現れる

 

(花を生ける時のように集中して・・・)

 

 華は心でそう唱えながらフラッグ車に照準を合わせ鎧武も華に呼吸を合わせフラッグ車を狙う

 

「装填完了!」

 

 その間にファイアフライは次弾装填が完了する

 

「華さん、一真君お願い!!」

 

 この状況ではみほは祈る事しか出来ずそう呟いてしまう

 

 その間にも両者とも狙いを澄まし・・・・そして

 

「・・・発射!」

 

(・・・そこだっ!)

 

【レモンエナジー!】

 

「・・・チッ!」

 

 華がトリガーを引くと同時に鎧武も弓部分を放し必殺の光矢「ソニックボレー」と砲弾が発射されナオミは一瞬遅れて砲撃する!

 

 Ⅳ号戦車の放った砲弾と鎧武の発射したソニックボレーはフラッグ車のエンジン部分に直撃!

 

 その一瞬遅れでファイアフライの放った砲弾もⅣ号戦車の背面右側に直撃!・・・したように見える

 

 一瞬揺れたかと思ったフラッグ車はエンジンが爆発し黒煙を上げる!

 

 Ⅳ号戦車も砲弾が突き刺さり黒煙が上がっている・・・ように見える

 

 フラッグ車には白旗判定が上がり、これまで激しく騒がしい戦闘を戦場が静まり返りその場にいた全員が動きを止める

 

(これって勝ったの?)

 

 バロンだけでなく大洗チーム誰もがそう思っていた時

 

「大洗女子学園チームの勝利!」

 

 審判団である香音の放送が大洗チームの勝利を告げた!

 

「やった!!、大洗が勝った!!」

 

「応援した甲斐があったてもんだよ!」

 

 その直後大洗側の観客席から大きな歓声が聞こえ神奈子や諏訪子も喜ぶ

 

 だが1人だけ早苗だけは心配するように大洗チーム・・・鎧武を見る

 

「一真さん、ジンバーアームズを取り戻したんですね・・・」

 

「「あっ・・・」」

 

 早苗の言葉の意味が分かった神奈子と諏訪子の表情も暗くなっていき早苗と同じように鎧武を見る

 

 その頃ファイアフライに乗っているナオミはⅣ号戦車の・・・手前の黒煙が晴れていくとある事に気付く

 

「・・・?、・・・っ!!」

 

 それは自分が放った砲弾はⅣ号戦車には命中しておらず黒い陣羽織の鎧に阻まれていた!

 

 そう鎧武はソニックボレーを放った瞬間、即座に後ろに振り返ると同時にソニックアローにセットしていたエナジーロックシードを取り外してゲネシスコアにセットし直しカッティングブレードを3回倒した

 

【ソイヤ! オレンジスパーキング!!!】

 

【ジンバーレモンスパーキング!!!】

 

 すると電子音声と共にアームズが展開前の状態になり鎧武は頭を大きく振るとアームズがクルクルと回りながら飛んでいきファイアフライの砲撃からⅣ号戦車を守った形となっていた

 

「・・・フッ」

 

 これにはナオミも微笑する事しか出来ずファイアフライの車長にもたれ掛かる

 

 全国大会第1回戦は何度も追い詰めながらも最後まで諦めなかった一真たち大洗チームが勝利した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回ガイム&パンツァー!

 

 初の公式戦に喜ぶ大洗チーム!

 

(俺がもっと早くジンバーを使っていたら、みんなを苦戦させる事もなかったのに)

 

 その後サンダースチームと交流する中一真はある忠告を受ける

 

「もっと仲間を頼っていけよ」

 

 学園艦に帰ろうとする一真たちだが麻子のケータイに急な知らせが入るその内容とは?

 

 その時意外な人物たちが一真たちの前に姿を現す!

 

第32話「第1回戦終了です! そして・・・」

 

「2分だ、2分で片付ける」

 

【メロンエナジー♪】

 

 

 

 




いかがでしたか?

マトモな戦闘では勝てないと予想していたリョウは意表を突く為にクラウンピースにみほたちを狙うように指示を出し動揺した鎧武を倒そうとしましたがジンバーアームズの登場に一気に逆転されそのままその指示も虚しく鎧武に阻まれ大洗チームの勝利に終わりました

次回は麻子のピンチにあの黒い森の人たちが助けに来るのか?乞うご期待です!

11/4現在 ガーディアンライダーチームの3人と映姫・お燐・クラウンピースを追加しました!

11/15現在 ジンバーアームズなどの新アームズとライトニング・トゥルーライトニングを追加しました!

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