ガイム&パンツァー  戦車道・ライダー道極めます!   作:フルーツ大将軍

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 第25話です

 ではどうぞ!


第25話「チーム名改名します」

 これまでのガイム&パンツァーは

 

 潜入偵察に成功した一真と優花里は互いに語らい合い優花里の気持ちに大きな変化が起きたそれはなんと一真に恋心を抱いた

 

 その頃サンダースでは神道コーポレーションのロックシードディーラーになった蓮子がリョウにバージョンアップしたゲネシスドライバーと新型エナジーロックシードパパイアエナジーロックシードを渡す

 

 情報を持ち帰った一真はそれを元に作戦会議を行うが天子たちがいつも以上に真面目になっている事に気付く

 

 その理由は杏たち生徒会から全国大会に優勝しなければ廃校になる事実を聞き大洗女子学園の為に戦う事を強く決意した為であったその事は一真に伝えないまま・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                    『大洗女子学園 演習場』

 

 練習に励む大洗戦車隊とライダー部隊もう既にお昼時を迎えていた

 

「あ~腹減った~」

 

「はしたないですよ天子様」

 

 午前の練習が終わり食堂に向かう一真たちはお腹叩きながら陽気に言う天子を微笑みながら衣玖が注意する

 

「一真、午後からどうする?」

 

「午後からは俺はみほちゃんと生徒会の皆さんと合同の作戦会議になっている、その間はみんなは自主練習でもやっていてくれ」

 

 夜罪は午後からの予定を尋ねると一真がそう答え天子たちはお互いに見合って頷く

 

「一真、あたしたち午後からはちょっとヘルヘイムの森に行ってくるよ」

 

「別に良いけど・・・なんでヘルヘイムの森に?」

 

 天子の言葉に一真が不思議そうに尋ねる

 

「あーえ~と・・・」

 

「少しこの世界と繋がっているヘルヘイムの森がどうなっているのか調査してみる必要があると思いまして」

 

 言葉を濁す天子に衣玖が助け舟を出し答える

 

「こんな事は父さんに任せればいいと思うけど・・・分かりました頼みました衣玖さん」

 

「はい任してください」

 

 一真はあまり納得できない様子だが了承し衣玖は笑顔で答える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                    『ヘルヘイムの森』

 

「どう?、そっちはめぼしい物は取れた~?」

 

「まだ~で~す」

 

「う~ん・・・なんでマツボックリしか出ないの?」

 

「マツボックリはまだ良いだろうこっちはさっきからヒマワリしか出ないぞ」

 

 摩訶不思議で独自の植物と果実が実る森「ヘルヘイムの森」に天子たちはそれぞれ仮面ライダーに変身しロックビークルの時空間転移システムで訪れていた、何故天子たちが仮面ライダーに変身しているのかは理由があった

 

「「「「キシャアァァァァァ!!」」」」」

 

 ヘルヘイムの森はインベスたちが住む魔の森でもありインベスから身を守る必要があり

 

「またきたね・・・」

 

「これで3度目ですね」

 

「いちいち数えるなんてマメね」

 

「無駄口を叩くな、さっさと片付けるぞ」

 

 バロンたちは軽口を叩きながらも押し寄せた十数体のインベスを軽く倒したしかもこれが初めてではないようだ

 

「ふぅ~・・・今度こそ何か当たるかな?」

 

 バロンはひと息つくと木に実る果実を採取すると果実がなんとドングリロックシードに変化する

 

「またか・・・」

 

「こういうのは根気勝負ですよ天子様」

 

 お目当てのロックシードが手に入らず落ち込むバロンに龍玄が励ます

 

 戦極ドライバーやゲネシスドライバーにはヘルヘイムの果実を手に取った瞬間にロックシードに変化するシステムがあり持っていないとヘルヘイムの果実を手に取った時点で強烈な食欲に襲われその欲望に負けて食すとどんな生き物もインベスになってしまうそれは妖怪や天人である天子や衣玖たちも例外ではない

 

「ねぇ夜罪、手っ取り早くあの会長に頼んでロックシード買ってもらえば良いんじゃないの」

 

「そうしてやりたいのはあいつも山々だが、生憎大洗にはそんな予算がなくてな」

 

 斬月は果実を手に取りながら一番この状況を早く解決する方法を言うが武神鎧武がその格好に似合わず大洗の懐事情を話す

 

「それじゃなかったらこんな回りくどい方法なんて取らないもんね」

 

「まぁ分かっていたけど・・・これさえ使えればねぇ~」

 

 バロンと斬月は仮面の下で苦笑いを浮かべながらオーズロックシードを取り出し開錠しようとするが

 

「やはり無理か・・・」

 

 武神鎧武が分かっていたかのように言いディケイドロックシードを取り出し開錠しようとするが開錠されなかった

 

「あれ以来使えなくなったからね一真のウィザードロックシードも開錠できないみたいだしね」

 

 バロンたちのライダーロックシードはマジノとの親善試合後から開錠できない状況に陥っており鎧武を除くバロンたち4人のライダーは現在変身に使えるロックシードが1つしかなく他にも変身に使えある程度強いロックシードを探しに来ていたのであった 

 

 バロンと斬月は果実を手に取るとバロンはバナナロックシードを斬月はメロンロックシードを引き当てる

 

「「・・・・・((なんで自分が使っているロックシードが?))」」

 

 バロンと斬月はお互いに見合いドライバーにセットしているロックシードを真顔で見る

 

「そんな驚くこともないだろう・・・」

 

 武神鎧武はツッコミを入れながらも果実を取る

 

「これは・・・」

 

 すると果実は武神鎧武が見た事ないアンズの形をしたロックシードに変化する

 

「夜罪が持っているの・・・アンズ?」

 

 龍玄も初めて見るロックシードに果実を取りながらまじまじと武神鎧武の持つロックシードを見る

 

「ふっ・・・あの会長と同じ名前のロックシードとはな・・・衣玖お前のロックシードは・・・」

 

 武神鎧武は鼻で笑うも感慨深く言うと龍玄の手に持つ果実を見る

 

 すると龍玄の持つ果実はキウイの形をしたロックシードに変化する

 

「良いなぁ~どうせ私たちなんか・・・」

 

「ねぇ天子?、あなた私の妹にならない?」

 

「そのネタはやめておけそれにそのネタって衣玖に振るべきだろう」

 

 アタリを引けないバロンと斬月はお互い体育座りで某地獄兄弟ならぬ地獄姉妹のようなやり取りをし武神鎧武がツッコミを入れる

 

「あーもう!!、こうなったら意地でも取ってやる!」

 

 バロンは急にキレたかと思うと両手で果実を鷲掴みしもぎ取る

 

 すると1つは一真が持っているダンテライナーロックビークルにもう1つはマンゴーの形をしたロックシードに変化する

 

「よしっ!、やっと来た」

 

「へぇ~良いじゃない」

 

 ガッツポーズを取って喜ぶバロンをよそに斬月も果実を手に取ると果実がヒマワリの種の形をしたロックシードに変化する

 

「私もやっと来たわね」

 

「でもヒマワリロックシードは変身には使えないだろう何に使うつもりだ?」

 

 斬月の持っている「ヒマワリロックシード」はCLASS Dの最低ランクであり変身にも使えないロックシードだが

 

「大丈夫よにとりに少し「イジってもらう」から」

 

 斬月は仮面の下でニヤリと笑みを浮かべながら言う

 

「じゃあ目的も果たし帰ろうか」

 

 バロンがそう言うとロックビークルを開錠しビークルモードに変形したサクラハリケーンとローズアタッカーに跨り来た時と同じように時空間転移システムを使って大洗に帰っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                   『大洗女子学園 ガレージ前』

 

 もう夕方を迎えた頃、天子たちはヘルヘイムの森から帰り一真たちと合流し生徒会チームが前に立ちチームごとに整列したいた

 

「今日の訓練を終了する、解散!」

 

「「「「「「「「「「お疲れ様でした!」」」」」」」」」」

 

桃の号令で一斉にお辞儀をしながら言い本日の練習が終わる

 

「お疲れ様~」

 

「はぁ~疲れた~甘い物でも食べたい~」

 

「じゃあ今日は何処か寄って帰ろうか?」

 

 みほが労うようにAチームのメンバーに向かって言い沙織は少々お疲れ気味で言うと一真が尋ねる

 

「うん!・・・・・あっ」

 

 沙織は2つ返事で了承するが華がニコニコしながら沙織を小突く

 

「私たち用事があるからみぽりんと一真君は先に帰って良いよ」

 

 沙織は華が小突いた意味が分かり華と優花里がニコニコと一真とみほを見ながら咄嗟に沙織がそう答える

 

「えっ・・・うん」

 

「分かった、でもあまり暗くならないうちに帰るんだよ」

 

「うん・・・分かった」

 

 一真とみほは腑に落ちない様子だがそう答え沙織たちは手を振りながら2人を見送る

 

「・・・・・なんとか誤魔化せたね」

 

「一真さんに頼むのははやり気が引けますよね」

 

「はい、比那名居殿たちによると一真殿は最近ろくに休すまず暇さえあれば自己鍛錬を行っているとか」

 

 沙織がホッと胸を撫で下ろすに言い華が答えると優花里も一真を心配するように答える

 

「・・・秋山さんって一真の事いつから名前で呼んでいるんだ?」

 

「あっそういえばさっきも名前で呼んでいたね」

 

 麻子が怪訝そうに優花里に尋ね沙織も納得した様に言う

 

「ギクッ!・・・あーいやいつの間にか呼んでいましたね私自身も気付きませんでした~」

 

 優花里は明らかにバレたようなリアクションを取るもなんとか答える

 

「へぇ~そうなんだ、もしかして一真君が好きになったのかなと思って♪」

 

「えっ!、いやそんな事があるわけないじゃないですか~一真殿は「ただ」の憧れですよ~」

 

 沙織がニヤニヤしながら言い優花里は慌てながらも答える

 

 だが華はそんな優花里を見て悲しそうな表情を見せる

 

「そっそれよりも早く手伝ってくれそうなライダーに変身できる方を探しましょう!」

 

 優花里が強引に話を逸らし天子たちに声を掛けようとするが既に夜罪の姿はなく

 

「衣玖!、今日はブロック練習だよ!」

 

「了解ですキャプテン!」

 

「幽香さん、少し勉強を教えてもらっても良いですか?」

 

「それなら私も」

 

「「私たちも!」」

 

「あいー!」

 

「・・・・・」

 

「えぇ良いわよじゃあ今日は私の部屋で勉強会ね」

 

 衣玖も幽香もこれから用事がありそうであり頼めそうではなかった

 

「バロンよ今日は夕食は何処かで済まして帰るか?」

 

「おっ良いねぇ~♪、実は最近良い店を見つけたんだよ~♪」

 

(ダメ元で比那名居殿に頼んでみますか?)

 

(それしかなさそうだな、ダメだったら私だけでやれば良い)

 

 天子とエルヴィンたちが楽しく談笑しているのを見て優花里は少し腰が引けながらも麻子の後押しもあり頼みに向かう

 

「あの・・・比那名居殿、少しよろしいですか?」

 

「うん?・・・あっエルヴィン、あたしは用事ができたから今日はパス」

 

 申し訳なさそうに言う優花里を見て悟った天子はエルヴィンたちに断りを入れる

 

「そうか・・・分かったバロン、今日は戦極風カレーだから楽しみしていろよ」

 

「今日は外食するんじゃなかったの?、それに戦極の「極」は国の方だろ」

 

 左衛門佐につかさずツッコミを入れ天子はエルヴィンたちを見送る

 

「・・・それであたしになんの用?」

 

「あの・・・無理を承知で頼みますが少し自主練習に付き合ってもらえないですか?」

 

 優花里は天子の問いに申し訳なさそうに答える

 

「なんだそんな事か・・・それぐらいなら何時でも付き合うよ」

 

 天子は肩透かしの食らったかのようにやれやれと言わんばかりに答え優花里たちの表情が晴れる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                『大洗学園艦 通学路』

 

(何か喋った方が良いかな?)

 

(天子たちはヘルヘイムで何をしていたんだろう?)

 

 一真とみほは2人並んで帰っていたが特に何も話さずみほは一真の様子を窺っていたが一真は天子たちの事を考えていた

 

「あっ・・・作戦ノート」

 

「忘れたの?」

 

 みほは思い出したかのように言うと一真が尋ねる

 

「うん、一真君は先に帰って私はノートを取り入って来るから」

 

「いや俺も一緒に行くよ、この間の不良たちの事もあるしそれに何よりも女の子を1人で行かせる訳にはいかないよ」

 

 1人で行こうとするみほに一真はそう言うとみほと一緒に学校に引き返した

 

 それから数分後・・・

 

「・・・・・あった」

 

 学校に引き返した一真とみほは無事に作戦ノートを見つけた

 

「これで作戦終了だな・・・・・あれ?」

 

「どうしたの一真君?・・・あっ」

 

 一真はそう言ってまた家路に着こうするが教室をみてある事に気付きみほも気付く

 

「沙織ちゃんたちまだ学校にいるのか」

 

 沙織たちのカバンがまだ机に残っており一真はそんな事を言う

 

「まだガレージにいるのかな?」

 

「よしっ、それなら少し様子でも見てきますか」

 

「そうだね」

 

 一真とみほは沙織たちの事が気になりガレージに向かった

 

「あっ!、盟友どうしたの?」

 

 ガレージに向かうとロックビークルの整備をしていたにとりが一真とみほに気付き駆け寄る

 

「いや沙織ちゃんたちがまだこっちにいるのか覗きに来たんです」

 

「あぁ武部たちなら天子と一緒に戦車を走らせて演習場の方に行ったけど」

 

「演習場にですか?」

 

 にとりの答えにみほが疑問の声を挙げる

 

「うん、いや~こんな時間まで練習するとは整備している側としてはやりがいがあるってもんだよ♪」

 

「・・・にとりさん、早速ですけどサクラハリケーン使わしてもらいます」

 

 にとりが嬉しそうに答えると一真は自分が乗るサクラハリケーンに掛けられたヘルメットを取りながら言う

 

「OK!、あっ・・・もし良かったら・・・今度一緒に・・・ツーリングでもしない?」

 

「良いですよ、その際のお弁当は腕によりをかけます」

 

 にとりがもじもじと言うと一真は笑顔で了承する

 

「・・・よっしゃ!!」

 

 にとりは一真に背を向けながら嬉しさのあまりガッツポーズを取る

 

(にとりさんならもっと良い人を見つけれると思うのに)

 

「じゃあみほちゃん行こうか」

 

 一真は喜ぶにとりを疑問に思いながらもみほにヘルメットを渡し自分もヘルメットを被りサクラハリケーンに跨る

 

「一真君何時でも良いよ」

 

「よしっみほちゃんしっかり捕まっていろよ!」

 

 みほも一真の後ろに跨ると一真は勢い良くアクセルを回し演習場に向かって発進した

 

「・・・この調子じゃデートは当分先ね」

 

 にとりは演習場に向かった一真とみほを見送りながら言う

 

「さーてお仕事再開~」

 

 にとりは陽気にそう言うとまだ整備の終わっていないビークルの元に向かい整備を再開する

 

(盟友を助ける事・・・それが今の私の使命であり一番したい事だから)

 

 

 

 

 

 

 

 演習場に向かう道中・・・

 

(初めてだなこうやって男の人と一緒にバイクに乗るって)

 

 みほは初めて体験する事にそう思っていたが不思議と緊張していなかったむしろ・・・

 

(この暖かく力強い背中・・・あの人に似ているな)

 

 みほは一真の背中を見てある既視感を憶えていた

 

 みほにとっては忘れられない自分の命と心を救ってくれた恩人の事を

 

「みほちゃん?」

 

「・・・え?・・・ふぇ~!どうしたの一真君!?」

 

 一真の呼びかけに物思いに耽っていたみほは驚く

 

「あっいや大した事じゃないけどずっと俺の背中を見つめていたから何か付いているのかな思って」

 

「そっそんな事はないよ一真君!?」

 

 一真の言葉にみほは少々上ずりながらも答える

 

「そう?、それなら良いけど」

 

 一真はあまり納得していない面持ちだが特に気にもせずに目の前に集中し遂に演習場に到着した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                     『演習場』

 

 もう夕日も沈みそうな頃一真とみほは演習場に到着しサクラハリケーンを停車させ降りると辺りを見渡す

 

「一真君あれ・・・」

 

「こんなに遅いのにまだやっていたのか」

 

 みほはある場所を指差すと一真は少し驚きながらも指差した方向を見るそこには・・・

 

「撃ったらすぐ動く!、止まったままだと良い的になるぞ!」

 

「ほーい・・・」

 

「だが行進間射撃は命中率は低い、撃つ際は一瞬停車して挙動が収まったと同時に撃て!」

 

「はい!」

 

 縦横無尽に走る仮面ライダーバロンが怒号を飛ばしながらAチームⅣ号戦車は言われた通り戦車を走らせバロンに向かって撃ち今まさにⅣ号が撃った砲弾がバロン目掛けて飛んでいく

 

「そうだ!、その調子だ!」

 

 バロンは沙織たちを褒めながらも飛んできた砲弾を難なくバナスピアーで弾き飛ばす

 

「よーし、今日はここまでにしよう!」

 

 バロンはそう言うとⅣ号はその場で停車し各ハッチから沙織たちが上半身を出しバロンはⅣ号に駆け寄る

 

「随分良い線行っているよ、もうあたしから教える事はないかな」

 

「やった!、比那名居殿からのお墨付きですね!」

 

「次はもっと上手くやってみせます!」

 

「みんな・・・」

 

 沙織たちが喜ぶ中みほは一言そう呟きながら一真と一緒に沙織たちの元に歩み寄る

 

「あっみぽりん・一真君」

 

「随分遅くまでやるなんて別にそこまで根を詰めてやる必要もないのに」

 

 沙織たちはやっと一真とみほに気付き一真が不思議そうにそう言う

 

「私たちみぽりんや一真君の足を引っ張らないようにしなきゃと思って」

 

「そんなこと・・・」

 

「少しでも西住殿や一真殿の負担を減らしたんです!」

 

 沙織の言葉に一真は否定しようとするが優花里の強い意志に何も言えなくなる

 

「どっかの誰かさんは授業中や家に帰ってからも自己鍛錬や作戦の立案でロクに寝てないって聞くし・・・」

 

 麻子はある特定の人物の事を言い一真は苦笑いを浮かべる

 

「それにお姉さんたちを見返してやりたいですからね」

 

「・・・・・」

 

 みほは華たちの言葉に何も答えなかったが感動しているかのように目をウルウルとしていた

 

「武部たちなりにお前たちを気遣ってやった事だ少しぐらい無茶は許してやって」

 

 バロンはそう言いながらも変身解除する

 

「絶対に負けられないな・・・!」

 

「一真・・・」

 

 一真がみほたちには聞こえない程度で言い天子は不安そうに一真を見る

 

「みんなの思いを守る為にもどんな事があっても負けられない!」

 

「・・・・・」

 

 一真は改めて決意のほどを語り真正面を見据えるが天子は一層の不安が湧き上がる

 

(一真・・・また気負いすぎて無茶をしなきゃ良いけど)

 

 天子はそんな予想がよぎりながらも沈みゆく夕日を眺めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(総一サイド)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              『神道コーポレーション 代表取締役室』

 

 もうすっかり夜を迎えた頃、総一はデスクに置かれたノートパソコンを見つめ器用に操作し仕事を続けていた

 

「・・・よし、これで今日は終了だな」

 

 遂に仕事を一段落つきノートパソコンや持ち帰る物をジュラルミンケースを詰めると颯爽と部屋を出ようとする

 

「~♪~♪」

 

「うん?、誰だこんな時間に」

 

 総一のケータイが鳴り始め誰からか電話が入った、総一は相手が気になりながらも画面を開き通話ボタンを押す

 

「私だ」

 

「もしもし父さん、一真だけど」

 

 通話の相手は一真だった

 

「なんだ一真か、珍しいなお前から掛けてくるなんて」

 

 総一は少し嬉しそうに言うがケータイ越しから伝わる一真の真剣そのものの雰囲気を感じキリッと元の表情をする

 

「実は・・・研究の為に父さんに貸していた「例の物」を返してほしんだ」

 

「「例の物」?、あぁあれか・・・」

 

 一真の言う例の物が分かり考える素振りを見せる

 

「すぐに1組だけでも欲しんだ、頼む父さん・・・」

 

「・・・・・分かった「例の物」を全て返す、そうだな試合開始前までには届ける」

 

 切実に頼む一真に折れた形で総一は答える

 

「ありがとう父さん!」

 

「たまには遊びに来いよ、本社の場所は私たちの世界と一緒だ」

 

 嬉しそうに返事をする一真に総一も穏やかな表情で言う

 

「分かったよ父さん、じゃあまたね」

 

「あぁ・・・またな」

 

 一真と総一は互いにそう言い合うと電話を切る

 

「本当に返すつもりですか?」

 

 いつの間にか部屋にいた里彩がそう問いかけ総一は微笑する

 

「返すつもりはない一真にはさっさと負けてもらう必要があるからな」

 

 総一には返すつもりはなくケータイを胸ポケットに戻しながら言う

 

「例え自ら作り上げた流派に泥を塗ってでもですか?」

 

「元々流派など潰れようが廃れようが関係はない、充分にゲネシスドライバーのエナジーロックシードの宣伝にはなった」

 

 里彩の問いに総一は本当に興味なさそうに答え里彩も微笑む

 

「そう言うと思っていました」

 

 里彩は分かっていたかのように言い総一は鼻で笑う

 

「・・・それじゃ困るんだよな~俺としては」

 

 だが総一の里彩の話を廊下越しから聞く民族衣装のような衣装を着込んだ中年男性が軽い口調で言いながら廊下を歩き始める

 

「誰だ!」

 

 気配に気付いたのか総一は勢い良く扉を開け廊下を見渡す、だがそこには誰もいなかった

 

「総一さん、監視カメラの映像にも誰も映っていませんよ」

 

 里彩は自前のノートパソコンを操作し廊下に取り付けられた映像を見せるがそこにはいたはずの中年男性の姿がどこにも映っていなかった

 

「そうか・・・まぁこの部屋は完全防音だ例え誰かがいても聞こえるわけがないか」

 

「そうですね」

 

 総一の言葉に里彩は納得し部屋を出て家路に着こうとする

 

(だが、もし「奴」が動き出したのなら・・・いや逆に「この世界での奴」ならあいつの存在は邪魔にしかならないはずだ)

 

 総一はある予感がよぎるがそう自分に言い聞かせ里彩とともに家路に着いた

 

(総一サイド OUT)

 

 

 

 

 

 

 

 

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(一真サイド)

 

 

 

 

 

 

 

 

                『大洗女子学園 ガレージ』

 

 1回戦突破の為励む大洗戦車隊とライダー部隊は現在ガレージでライダー部隊は戦車隊のメンバーを待っていた

 

「今日は練習の前に何かお披露目があるって会長さんが言っていたけど何か知らないか?」

 

「いや俺も何も聞いていないな」

 

「一真、そういう事を聞くのは無粋ってものよ」

 

 一真は痺れを切らせて夜罪に聞くが夜罪もその内容については知らされていなかった、だが幽香は一真に軽く注意をする

 

「それもそうだな」

 

「でもやはり気になりますね」

 

「・・・お、来たよ」

 

 微笑しながら肯定する一真をフォローするように言う衣玖だがそんな間にガレージを扉を開けて入ってくる戦車隊のメンバーに天子が気付き一真たちも注目する

 

 そこにはいつもの制服ではなく紺色のジャケットに純白のスカートを着たみほたちがいた

 

「公式戦で着るパンツァージャケットね、中々良いじゃない♪」

 

 一真たちライダー部隊は好印象であり幽香が代表してそう言う

 

「実は背中にも注目してほしいんだよね~」

 

 杏がそう言うと戦車隊のメンバーは一斉に背中を見せるそこには・・・

 

 みほたちAチームは可愛くアレンジされたピンク色でタラコ唇のチョウチンアンコウ

 

 典子たちBチームは翼を広げるアヒル

 

 カエサルたちCチームはお尻を突き出し頭だけこちらを向ける青いカバ

 

 梓たちDチームは両手に包丁を持ち目がつり上がったウサギ

 

 杏たちEチームは尻尾で立つカメの刺繍が縫い付けられていた

 

「もしかしてそれって新しいチーム名ですか?」

 

「そうだよ~みんなで話し合ってやっとこれに決まったよ~」

 

 一真がそんな予想を言うと杏がいつもの口調で答えかねてから話し合って新しい戦車チームのチーム名が決まった

 

「どうですか・・・一真さん?」

 

 すると華をもじもじとしながら一真に尋ねる

 

「とても良く似合っているよ華さん」

 

「あ・・・ありがとうございます///」

 

 一真は屈託のない笑顔で答え華は頬を赤らめながら答える

 

「っ!、一真殿私はどうですか!?」

 

「破神隊長私もどうですか!?」

 

 すると詰めいる様に優花里と梓が一真に尋ねる

 

「2人もとても良く似合っているよ」

 

 一真は特に驚かずに笑顔でサムズアップをしながら答えると嬉しさのあまり俯く

 

「ねぇゆかりんってもしかして?」

 

「そのまさかかもな」

 

「恐らくそのまさかよ」

 

 そんな優花里を見て沙織たちがコソコソと話すと沙織たちの後ろから幽香が現れて答える

 

「えっ風見さん!?、やっぱりそうですか?」

 

「っていうかあれで気付かないの一真ぐらいよ」

 

 みほは幽香に尋ねると少々うんざりしたように答える

 

「それで西住さんたちはどちらを応援するの?」

 

「勿論両方です!」

 

 幽香の問いにみほは強く答え沙織たちも大きく頷く

 

「そう言うと思っていたわ、まぁ一真相手だと2人とも苦労すると思うからお願いね私は梓ちゃんで手一杯だから」

 

 幽香は分かっていたかのように言い冗談を言うとみほたちはクスッと笑う

 

「それでライダー部隊の方は新しいチーム名は決まったの?」

 

 話は戻り杏が一真たちに尋ねると一真は顎を手を置いて考え始める

 

「そういえば何も話し合っていなかったな」

 

「何にする?、あんまり変な名前は嫌だからね」

 

 ライダー部隊では特に話し合っておらずライダー部隊のメンバーが唸り始める

 

「こ・・・ここは1つ皆さんは果物のロックシードを使っているので「フルーツライダーさんチーム」でどうですか?」

 

 するとみほが恐る恐る言い一真たちは急に黙ると不安に思ったみほがキョロキョロと一真たちを見る

 

「良いねそれでいいんじゃない?」

 

「そうね問題ないわ」

 

「意義ありません」

 

「まぁ変なチーム名付けられるよりはましか・・・」

 

「よしっ!、決まりだ!」

 

 特に一真たちから否定的な意見は出ずライダーチームの新しいチーム名が決まった

 

「じゃあ破神君たちはこれに着替えて来て~」

 

 すると杏たち生徒会のメンバーが一真たちに紙袋を渡す

 

「わ・・・分かりました」

 

 一真たちは怪しみやがらも言われるがままに場所を変えて紙袋に入った服に着替えてガレージに戻る

 

「「「「「おぉ・・・!!」」」」」 

 

 みほたちは一真たちの姿を見て感嘆の声を上げるそこには・・・

 

 天子たちはみほたちと同じような紺色のジャケットに背中はそれぞれが良く使うロックシードの果物の意匠とライダーの紋章が合体しており下は黒色のスカートズボンであり一真は下が黒色のズボンで上は同じで白色のスカーフが付いていた

 

「中々良いねこういうのも」

 

「気心地も抜群ですね!」

 

「特に動い辛くもないし」

 

「まぁ・・・悪くはない」

 

「でもなんで俺にだけスカーフが?」

 

 天子はかなり気に入っていたが一真は自分だけにスカーフが付いているのに疑問を持つ

 

「ほら何か隊長らしいしライダーらしいと思うよ~」

 

「そうですか?」

 

 杏が軽い口調で言うが一真はあまり納得していない様子だった

 

「うん!、とっても似合っているよ一真君!」

 

「とても凛々しいです///」

 

「す・・・凄くカッコイイですよ一真殿!」

 

「様にはなっているな」

 

「うん、とても良いよ一真君」

 

「そうかな~」

 

 だがみほたちから好評を貰い一真は頭をさすりながら照れる

 

「じゃあこの勢いで頑張っていこうか!」

 

「「「「「「「「「「おぉー!!」」」」」」」」」」

 

 個々で盛り上がっていた大洗チームだが杏の言葉に全員右腕を突き上げて叫び(一真は左腕)より一層の気合を入れる

 

 全ては明日の第1回戦を勝つ為に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回ガイム&パンツァー!

 

 様々な思いと期待を胸に第1回戦の会場に向かう一真たち大洗チーム

 

「これでよくのこのこと来れたわね~」

 

 そこで再び出会うサンダースチーム

 

「交流を兼ねて食事でもと思ってな!」

 

 サンダースチームからの誘いを受ける中一真は意外な人物と再開する

 

 一体その正体は!?

 

 第26話「理由なき悪意との再会です」

 

 遂に全国大会第1回戦開幕!




いかがでしたか?

最近色々と忙しくて1ヶ月近く空いてしまいました

そういえばもう夏の季節になりましたね、何か夏にちなんだ回もやってみたいと思っている次第ですがこの調子じゃ無理かな・・・

次回は遂に鎧武要素には欠かせないあの人物が登場!、これを皮切りに様々なキャラに変化が・・・乞うご期待下さい!

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